Jリーグ ディビジョン1・第8節 協力： 　午後6時半、夏のような日差しを送っていた日も西に沈み、青さを増し始めた空の下で選手達はウオーミングアップをスタートさせる。チームの好調が示す通り、どの選手も表情には自信が漲り、ボールを捌く姿も堂々としている。その中でも連続完封に貢献している立役者の1人でもある秋田は、相変わらずのリーダーシップをしっかりと顕示し、その存在感は大きく、他の選手達にとっても頼もしいはずだ。今日もこれまでの歴戦の経験を生かして、東京の攻撃をしっかりと押さえ込んで欲しい。 　2得点1アシストと、好調の中村は今日もコンディションが良いようで、軽い足取りから強烈なシュートを何本もゴールに決めている。昨年までは攻撃ではブラジル人の陰に隠れてはいたが、今季は正にブレークを果たしたと言えるほどの活躍を見せている。若い本田や山口、杉本等のお手本となる様なプレイを見せて、今日もスタンドのサポーターを沸かせて欲しい。 　6時45分、ウォ−ミングアップを終えた選手達が続々とロッカーへと消えて行く。空はすっかりと暗くなりナイターの時間へと移行、まもなく始まる熱戦に向けて、相手チームの先発メンバーが発表されると、大きなブーイングが沸き起こり、スタンドの緊張感が高まって行く。そして、名古屋のメンバーが紹介されると、そのボルテージが一気に上昇してゆく。 〜前半15分 幾何学模様に刈られた芝生の上に、両チームのメンバーが入場すると、スタジアムは興奮に包まれる。チームが好調なことでサポーターも元気だ。 前半は左にエンドを取った名古屋。右エンドの東京のボールで前半がキックオフ。     先発は、GK楢崎、DFは右に古賀、左のストッパーは角田、中央は秋田の3バック。MFは山口・吉村・クライトン・中谷・本田、FWは中村とマルケスのコンビが務める。 1分、左からクライトンがサイドチェンジしたボールを東京・相馬が取りに来ようとするが、山口が落ち着いてこれを受けると、古賀へと流して行く。 2分、相手陣内中央エリアのすぐ外でクライトンがDFの裏へと抜けようとした本田に浮き球を出すが、これは相手DFがカット。しかし、こぼれ球をマルケスが拾うとそのまま外からシュートにゆくがGKの正面に。 4分、自陣右入った位置での東京のFK。相馬が左足で大きく蹴ってきたが、クロスバーを越えて行く。     5分、相手陣内中央の位置で山口がドリブルで入って行くと、味方に繋ごうとするが、ファウルに倒されてしまう。 6分、中央でボールを受けた東京・平本が強引にエリアの外からシュートに来るが、これは楢崎が指に当ててCKに。右からの東京のCKのボールは、一旦外にこぼれると、東京・相馬が右足で放ったシュートは枠の外。 8分、右のスペースへとドリブルで上がった中村からの早い折返しを中央でマルケスがあわせるが、これは惜しくも僅かにクロスバーの上へ抜けてしまう。   9分、東京・平本にシュートを決められ、先制を許してしまう。チームとしてマークのはっきりと決まっていない早い時間帯にやられてしまった。ここは早く切り変えてゆきたい。 11分、左から中谷がドリブルで持ち上がると、中へとグラウンダーの早いボールを入れて行くが、これは読まれてしまいカットされてしまった。 12分、東京・平野が深い位置でスローインのボールを受けると、DFを振り切って素早く上げて来るが、ここは誰も詰めることはなく救われる。 【得点】 9分　平本（東京V）   13分、右に持ち上がった本田がDFを上手くかわし て中央に入ってきたマルケスに入れて行くが、こぼれたところをクリアされてしまう。     15分、右サイドで個人技で相手選手をかわした本田がそのまま持ち込んで行くと、最後は左足で強烈に振り抜いて、相手ゴールネットを揺らす得点を決め、見事試合を振り出しに戻す。 【得点】 15分　本田（名古屋）   〜前半30分 17分、左から東京・山田が持ち込んでこようとしたが、本田がしっかりと守備に入りこれを止め、チャンスを作らせなかった。 19分、中央でボールを持った本田からのスルーパスに右に抜け出した中村が早いクロスをゴール前へと入れて行くが、詰めてきたマルケスに届く前に、GKがキャッチしてしまう。 20分、自陣中程中央でボールを持った東京・ワシントンだったが、クライトンがしっかりと寄せて行き、前を向かせずに、きっちりとボールを奪う。 21分、本田からの中央からのスルーパスに今度はマルケスが抜け出すと、相手DFと競り合いながらも持ち込んで右足でシュートに行ったが、これは相手GKが押さえてしまう。     22分、右から平本がワシントンと細かく繋ぎながら縦に上がってくるが、吉村がしっかりと着いていってパスをインターセプトする。 23分、左に上がった中谷がパスを受けると、相手GKの前へ入れて行く。マルケスがこれに頭であわせたが、ボールは僅かに右に外れる。 24分、右でボールを受けたワシントンが角田をかわして楢崎と1対1になるが、しっかりと飛び出してシュートを阻む。       25分、左から持ち込んだマルケスが左にいた本田にだすと、ダイレクトで右に流し出す。そして、右から詰めた山口がフリーで押し込み、本田に続いて、今季初ゴールとなる逆転弾を決め、2-1に。 【得点】 25分　山口（名古屋）   26分、今度は左でDFの裏へ抜け出したマルケスが落ち着いてGKの横を抜くシュートを決め、早くもこの日3点目となる得点が決まる。 【得点】 26分　マルケス（名古屋）   29分、相手陣内へ押し込んで行くと、DFが上がってスペースが出来たところにこぼれたボールをクライトンがミドルシュート。しかし、これは惜しくも右に流れてしまう。   〜前半終了 31分、相手陣内深くでパスをカットした本田が大きく左に展開すると、これを受けたマルケスが中央に上がってきた本田へと折り返して行くが、これは相手DFがコースを読み、先にコースに入り、ボールは弾かれてしまった。 32分、自陣左深い位置での東京のFK。小林のファーサイドへ上がる選手を狙ったボールは楢崎が指で弾き出して右からのCKに。ファーサイドにいたワシントンを狙って蹴ってきたCKのボールはそのまま抜けてゆく。     35分、右からエリアのすぐ外で待ちかまえるワシントンにめがけボールを入れてくるが、古賀がしっかりと体を寄せ、仕事をさせず。 36分、左サイドで平野が拾うと、これを相馬へと渡し、持ち上がって中へと入れてくる。詰めていたワシントンが反転しながらさらにゴール前へと流してくるが、吉村がこれをクリアして行く。   38分、ゴール前で細かく繋がれると、最後右でボールを受けた東京・平本にシュートを決められ、3−2とされる。良い流れ出来ただけにこの失点は早く忘れて、有利な状況で前半を終えたい。 【得点】 38分　平本（東京V）   40分、右からのCKのチャンス。中村からの早いボールに中央で詰めていた古賀がヘディングシュートをゴール左に叩き込み、チーム通算700ゴール目となるメモリアルゴールを決め、4-2として、再び東京を突き放しにかかる。ここは残り時間を考えても、このまま無理をせず、落ち着いて時間をかせぎながら前半を終えたい。 【得点】 40分　古賀（名古屋）   44分、右でボールを中村から受けた山口がクライトンに当てて、自らも上がって行こうとしたが、クライトンのところでボールを奪われてしまう。 ロスタイム1、自陣左中程の深い位置での東京のFK。小林が中へ入れようと見せかけて、ゴールから遠い位置の選手めがけ入れてくるが、オーバーヘッドでシュートを狙った選手は空振りし、これを拾って縦にカットして行く。 ロスタイム2、右サイドでボールを持った東京・山田がアーリークロスを入れてこようとするが、ボールに精度が無くそのままゴールラインを割る。そして、前半は4−2にのまま終了。まさかの、開始早々の相手の先制点で始まった前半戦だったが、若い本田の初ゴールで活気づき、そのままの勢いで一気に4点を奪うという攻撃力を見せて前半を押し切った名古屋。後半もこの勢いを失わないよう、しかし、東京の選手へのマークはきっちりとして集中力を欠かさず、アドバンテージを持ったままで試合を進めてゆきたい。   〜後半15分 1分、中央で浮き球がこぼれたところを拾った中村が右のスペースに山口を走らせようと出して行くが、これは長すぎてしまい、追いつく前にタッチの外へ。 3分、中央を持ち上がった角田からのパスを受けたマルケスがDFをかわしてゴール前へ低く入れると、本田がニアへと流れながら左足でこれをダイレクトでシュートに。しかし、ボールは僅かに浮いてしまい、惜しくもクロスバーを越えてしまう。 5分、東京・ワシントンが山田とのパス交換で縦に入ってこようとするが、古賀、クライトンがしっかりとついて行き、ボールをカットして行く。 6分、自陣左深い位置での東京のFK。小林が右足で早いボールを直接狙って蹴ってくるが、ボールはクロスバーの上へ抜けて行く。     7分、自陣入った真ん中の位置でボールを受けて縦に上がろうとしたワシントンを倒し、FKを与える。東京・米山がゴール前へ入れようと強いボールを蹴ってくるが、壁に入った中村がこれをはじき返して行く。 8分、縦に長いボールを入れてくると、これに平本が抜けてくるが、角田がしっかりとついて行き、押し返させることはなかった。 9分、東京の左からのCK。小林の蹴ったボールはそのまま反対に抜けて行く。 10分、左から相馬が早いボールをゴール前へ入れてくるが、詰めていた吉村が頭で縦にクリアして行く。 11分、自陣中程中央でパスを受けたワシントンが前を向こうとするが、秋田がしっかりと詰めてこれを止める。 13分、左でボールをフリーでもらった中谷がそのまま持ち上がると、ゴール前へと入れて行こうとしたが、芝に足を取られ体勢を崩して、ボールを外に出してしまう。   〜後半30分 16分、右でフリーでボールを受けた小林に運ばれると、ゴール正面に詰めていた平本にパスを入れてくる。これを受けた平本が古賀をかわして右足を振り抜いてシュートを決め、3点目を奪われてしまう。 18分、左からボールを持ち上がった相馬がクロスを入れてくると、中央でワシントンが詰めて行くが、これは飛び出した楢崎がキャッチ。 【得点】 61分　平本（東京V）   19分、相手ゴール前でボールを繋ぐと、最後後ろから走り込んだクライトンが目の覚めるような強烈なミドルシュートを相手ゴールにたたき込み、5−3として、東京をまたしても突き放す。このゴールには相手GKも1歩も動けず。 【得点】 64分　クライトン（名古屋）   21分、中央でボールを持ったクライトンが右に出すと、これを受けた中村がゴール前へ走り込んで行くマルケスへと入れて行くが、相手GKがこれをキャッチしてしまう。 23分、自陣からの秋田の大きなサイドチェンジのボールを本田がダイレクトでスペースへと流し込むと、これをマルケスが受けてエリア内へ入って行く。右から詰めてきた山口にあわせてパスを出そうとしたが、これはDFにカットされてしまった。 24分、左からの東京のCK。ファーサイドで待っていたワシントンに狙って入れてくるが、楢崎がその頭上でボールを弾き出して行く。     26分、左サイド深い位置で本田とマルケスがスペースのない中でパスを繋ぐと、最後ゴール前へと入れて行くが、待っていた山口の前でDFがカットしてしまった。 29分、右でフリーでボールを受けた米山が早いクロスをゴール前へと入れてくる。これに平野がニアに流れるように走り込んで頭であわせてくるが、ボールは左に流れそのままゴールラインを割り、失点を逃れる。   〜試合終了 31分、本田の縦に落としたボールを拾ったマルケスがそのまま抜けて行こうとしたところを倒され、好位置でFKを得る。中村の入れたボールに何人か入って行くが、これはGKがカットし、右からのCKに変わる。 32分、右からのCKのチャンス。中村の入れたボールはニアで弾かれてしまう。 33分、左サイド相手陣内深くでマルケスが倒され、先ほどと同じような位置でのFKかと思われたが、これは認めてもられず。     35分、右からの米山のゴール前へのボールをワシントンとの競り合いに勝った古賀が落としたところを、詰めてきた選手がミドルシュートに。しかし、ここは楢崎がこれをしっかりと正面で押さえ、失点を防ぐ。 37分、ペナルティ内でボールを繋いでくる東京に守備に入ったクライトンが山田を倒し、PKを取られてしまう。 【交代：84分・名】 中村杉本 40分、このPKの場面でワシントンが落ち着いてゴール左に蹴り入れ、東京が1点を追加し、再び追い上げてくる。 41分、自陣でボールを受けた杉本が流したボールを本田が拾うと、これを相手GKのポジションが前なのを見て意表をつくロングシュートを狙うが、ボールは左に流れてしまう。 44分、東京の左からのCK。残り時間僅か、ここは最後まで集中を切らさないようにしたい。ゴール前へ入れって来たCKは楢崎が前に飛び出してキャッチして行く。 ロスタイム1，右からのCKのチャンス。本田が短く出したボールをクライトンが時間稼ぎでキープすると、そのまま右足で中へと入れようとしたが、ゴールラインを割ってしまう。 【得点】 84分　ワシントン（東京V）   ロスタイム2，自陣からの長い縦のボールに飛び出した杉本がこれを拾うと、戻ってきたDFをかわし右足でシュートに行ったが、ボールは惜しくも相手GKの正面。 ロスタイム3、相手ペナルティ近くでの競り合いで落ちたボールを杉本が反応良く足を出すと、これがゴールへと向かうが、惜しくも枠には向かわず、GKがカットしてしまった。 ロスタイム4、左のスペースに出たボールに追いついた杉本が切り返して、右に上がってきた本田にとあげて行くが、これはボールが長すぎてしまい、チャンスを生かすことは出来なかった。 そして、約5分近くのロスタイムを終え、主審の試合終了の笛が鳴り響き、激しい点の奪い合いとなった試合を制して、チームは4連勝で東京を下す。最後まで声援本当にありがとうございました。