Jリーグディビジョン1第1節
協力:
 上空は青空が拡がり、日差しも力強さを増し、絶好のサッカー観戦日和となった、今日のホーム・瑞穂陸上競技場。午後1時35分、我らが名古屋グランパスエイトのメンバーはピッチ上で、キックオフに向け、黙々とアップに忙しい。
 大連戦に引き続き、先発として左サイドバックを任された渡邊は、いささか緊張した面持ちで他の選手等と共にメニューをこなしている。走る事を信条に戦う、今日の対戦相手の千葉。相当に運動量を必要されるとは思うが、監督の期待に応え、結果をしっかりと残す働きを見せて欲しい。彼とは反対に、名古屋でのJ公式戦は初めてとは思えない程の落ち着きを見せているのが、本田と安だ。どちらも代表レベルでの試合を幾度もこなしてきていることを思えば、今日の開幕戦での先発も余裕なのかもしれない。彼らにはサポーターを唸らせるようなプレーで、他のレギュラー陣と共に、市原を粉砕する力を発揮して欲しい。
 今日の試合の結果が今後に繋がることは間違いない。1シーズンを勝ち抜くことを目指す、と言うよりも今シーズンの幕開けの試合となる今日の千葉戦は、気持ちよく勝ってサポーターを家に帰したい。さあ、まもなくキックオフだ!
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〜前半15分
上空から迫り来るヘリの音に負けないくらいのサポーターの大声援を受けながら、ピッチ上にサッカースクールのちびっ子がフラッグを手に拡がり、スタジアムの興奮に色を添える中、午後2時、主審を先導にスクール生と共に両チームのイレブンが入場。大きな拍手で迎えられる。
右にエンドを取った千葉に対し、名古屋は左エンドから攻め上がる。前半は千葉のキックオフで試合開始。
 
 
GKは楢崎、DFは右から角田・古賀・増川・渡邊、MFは中村・安・クライトン・本田、FWはウェズレイ・マルケスという布陣で臨む今日の名古屋。
1分、自陣右すぐのところでのFK。角田が大きく前線に蹴り入れてゆくと、本田が拾いに行くが、ここは千葉DFに奪われる。
2分、左のスペースに出たボールにマルケスが抜け出すと折り返してゆくが、DFがカット左からのCKに。中村のニアへのボールを相手選手がカットしたところを本田がダイレクトで左足でボレーシュート。しかし、これはポストの左に流れる。
 
 
4分、千葉・ハースの裏へのボールを左で巻が拾って上がってこようとするが、ここは角田がしっかりとついていってミスを誘う。予想通り、ここまではセカンドボールの奪い合いが激しく、主導権争いが続いている。
6分、右サイドの空いたスペースへ千葉・阿部が出してくると、巻が中へと入れてこようとしたが、渡邊が体でこれをしっかりと阻止。
7分、相手陣内左深い位置でマルケスが相手DFをかわして、クロスを入れてゆこうとしたが、これはボールがラインを先に割ってしまう。
8分、千葉の右からのCK。水野が右足でゴール前へと入れてきたボールは落ち着いて縦にクリアして行く。
 
 
10分、自陣左で千葉・ハースへ当ててきたボールを古賀がしっかりと競り合い、このボールを奪う。ここはしっかりと集中して今のところは全く問題なしだ。
11分、本田が相手と競り合ってボールを奪うと前を向いて上がってゆき、最後パスを繋いでクライトンが中央から持ち込んでシュートに行く。しかし、これは惜しくもポスト左。監督の狙っていた攻撃への選手の参加が多くなったことは、確かにここまでは現れていると言える。前線での相手へのプレッシャーもここまでは効いているようで、良い形でのボールはまだ入れさせていない。
14分、右からの千葉のCK。今度は千葉・阿部がファーサイドへと入れたボールを巻があわせてくるが、ボールは大きくクロスバーの上へ。
 
〜前半30分
16分、角田が右サイドを相手選手を1人2人とかわして駆け上がってゆくが、最後はバランスを崩し、クロスを入れることは出来なかった。しかし、この積極性はグッドだ!17分、右のスペースに出たボールにウェズレイが走り込むが、千葉・ストヤノフが先に追いつき奪われてしまう。相手がボールを持ったときもしっかり寄せていることで、千葉にスペースを与えていないため、ここまでは千葉の運動量は目立っていない。
18分、本田がエリア内で裏へのボールを入れると、これに中村が飛び出すが惜しくもオフサイドに。
20分、角田からの中央のウェズレイへのパスは、千葉・ストヤノフが先に体を入れたため貰うことが出来ず。
21分、左にフリーでいた千葉・坂本が早いクロスを入れてくるが、古賀がコースに入り、大きくファーサイドへと流し出す。
 
 
22分、中盤にスペースが出来はじめ、こぼれ球を千葉に拾われると、最後、阿部が羽生とのワンツーで左サイドから抜け出してシュートに来るが、これは楢崎がしっかりと寄せると、シュートは左に流れる。
23分、左でボールを受けた千葉・ハースが頭で中へと落とすと、巻が流したボールに羽生が抜けてくるが、これはシュートまで行かず。しかし、早い展開で危ない場面だった。
25分、左からの千葉のCK。水野のゴール前へのボールは増川が高い打点で競り勝ちクリアしてゆく。
26分、相手陣内中央ゴールほぼ正面でのFK。ウェズレイの強烈なボールは惜しくも壁に当たって弾かれる。
 
 
27分、自陣から浅く敷いていた千葉のラインの裏に抜け出そうとした渡邊めがけ古賀が大きく蹴ってゆくが、これは戻ったDFにカットされてしまう。
29分、左に抜けてきた千葉・坂本が角田をかわし、右足で早いクロスを入れてくるが、増川が頭で弾き出す。
30分、早い展開で左から持ち上がったマルケスの低いクロスに中央でウェズレイが飛び込んでゆくが。届く前に飛び出した相手GKがキャッチしてしまう。
 
〜前半終了
31分、左からのCKのチャンス。中村の入れたボールにニアから中へと流れながらウェズレイがあわせに行くが、前に出たGKがパンチングで弾き返してしまう。
32分、渡邊からのスルーパスにマルケスが反応して抜け出そうとするが、球足が速すぎて追いつけなかった。
33分、右のスペースを使って千葉・水野が早いドリブルで上がってくるが、しっかりとマークについた渡邊が走り負けることなくついて行き、ボールを入れさせなかった。
35分、中村からの縦パスを受けたウェズレイが縦に持ち上がると、すかさず中央をマルケスが走り出す。これにあわせようとアーリークロスを蹴ってゆくが、千葉のDFがコースに入り、弾かれしまった。
 
 
36分、相手ボールをカットした中村が大きく左に展開すると、走り込んだマルケスがそのままこれを拾ってエリア内へと持ち込む。しかし、シュート体勢にゆこうとしたところで、後ろから戻った選手にボールを掻き出されてしまう。
38分、シンプルにパスを繋いで左の坂本へとパスが繋がると、これをゴール前に待っていたハースへと入れてくるが、ここは増川が体をしっかりと付けてシュートさせない。
39分、DFの裏へ抜け出したボールにウェズレイが反応、相手エリア内でシュートに行こうとしたところで倒され、PKとなる。
 
 
 
 
40分、この場面でウェズレイ自らがボールをセットすると、ゴール左に落ち着いてシュートを決め、2005年度・名古屋初ゴールは、エース:ウェズレイの得点となった。 【得点】
39分 ウェズレイ(名古屋)
 
42分、左サイドで渡邊からの縦パスをマルケスが相手DFをかわし、抜けてゆこうとしたが、ここはボールがタッチを割ってしまう。
44分、自陣右での千葉のFK。阿部がGKとDFの間を狙って入れてくるが、増川がしっかりと弾き返してゆく。
ロスタイム1、相手陣内左、エリアの外でボールを持ったクライトンが早いボールを入れていくと、ウェズレイがあわせにゆくが、これはボールがやや高く、頭上を抜けてしまった。そして、ここで前半が終了。途中、中盤でのスペースを千葉に与えてしまい、押し込まれる場面も何度かあったが、新システムである4バックがしっかりと機能、相手の攻撃をきっちり阻止し、失点を許すことなく、試合を折り返すことが出来た。しかし、後半に入っても千葉は間違いなく、スペースを埋めるべく、ますますアグレッシブなサッカーを展開して来るはずだ。全く油断は出来ないだろう。
1点リードしていることは意識せず、前線から厳しくいって、千葉の攻撃の芽をしっかりと摘むことをまずは続けてゆきたい。
 
〜後半15分
エンド入れ替わり、右から左へと攻め上がる名古屋のキックオフで後半戦がスタート。両チームともメンバ交代は無し。
1分、エリアの外から前を向いてボールを持った千葉・佐藤がシュートに来るが、これは精度を欠き、左に大きく流れてゆく。
2分、中央をフリーでドリブルで上がってきた千葉・ハースだったが、増川が力のある当たりでしっかりとこれについて行き、ゴールラインの外まで押し出してゆく。
3分、クライトンが増川から受けたボールを左に流れながら、縦に持ち上がろうとしてゆくが、慌てたのか、タッチの外へ出してしまう。
 
 
5分、DFの裏への縦パスにウェズレイが抜け出すが、相手DFがこのボールをクリア、左からのCKに。中村が入れたボールを古賀がファーサイドで折り返すと、中央でマルケスが頭で押しこもうとしたが、惜しくも相手GKの正面。
7分、右から千葉・水野の早いクロスに中央で阿部があわせようと入ってくるが、戻ってきた中村が倒されながらもこれを阻止する。
8分、右で角田が相手のサイドチェンジのボールの判断を誤り、頭上を抜かれボールをフリーで持たれるが、DFがしっかりとこれをはさみに行き、ボールを奪う。
 
 
 
9分、右エリアのすぐ外でボールを持った本田がキレのあるボールをファーサイドに入れると、これを古賀が頭で押し込み、2点目見事に決まる。 【得点】
54分 古賀(名古屋)
 
11分、右のスペースに出たボール拾った千葉・佐藤がクロスを入れてくると、これを増川が見送り、ゴール前にはいるが、千葉の選手もこれには合わせられず、DFがクリアし、ピンチを逃れる。
13分、千葉の右からのCK。ゴール前ドンぴしゃで合わせたハースのヘディングシュートは楢崎が好セーブでクロスバーの上へはじき出す。
15分、左に持ち上がったマルケスがエリアの外からゴール右に狙ってシュートに行ったが、これは僅かに高く、惜しくもクロスバーの上へ外れる。
 
〜後半30分
17分、ゴール前にこぼれたボールに千葉・羽生が先に反応、シュートを打ってくるが、DFに当たってCKに。左から羽生の入れたボールは落ち着いてクリアしてゆく。  
20分、ゴール正面で千葉・阿部→ハースとつないで裏に抜ける巻に入れてくるが、これはタイミング合わず、救われる。
22分、自陣で相手ボールを奪った中村がクライトンへとパスを通すと、そのまま持ち上がり、右から上がってきたウェズレイへ抜けてスルーを出そうとしたが、相手DFの足下への厳しい寄せで、ボールを奪われてしまう。
25分、右サイドで細かく足下へパスを繋いできた千葉が、最後ゴール前へ入れてくると、詰めていた千葉・工藤が左足でシュートに来るが、ボールは左に流れてゆく。
【交代:後半63分・千】
水野工藤
 
27分、マルケスが左のスペースに出たボールを持ち上がると、中央に走り出した中村に出してゆく。相手DFに阻まれてボールには合わせられなかったが、右からついてきたウェズレイもこれに寄せていったが、触れることは出来ずやはり。千葉も両サイドを使って攻め上がってくるが、ここまでは名古屋の選手も疲れることなく、しかりとケアも出来ており、危ない場面を作らせていない。  
〜試合終了
31分、左に代わって入った千葉・滝澤のクロスは増川が頭で弾くと、こぼれ球を佐藤がダイレクトで打ってきたが、大きくクロスバーの上へ外れてゆく。
32分、右からのCKのチャンス。本田がこれを蹴りにゆくと、短く出してマルケスに。これを再度受けたところで倒され、好位置でFKを得る。
33分、相手陣内右深くの位置でのFK。ウェズレイが中へマイナスに流すと、マルケスが寄せるが、相手DFがカット。しかし、こぼれ球を拾った中村がGKと競り合いながら打ったシュートは惜しくもポストの左に。
34分、左からのCK。中村のゴール前へのボールはGKがパンチングで弾きだしてしまう。
【交代:後半75分・千】
羽生滝澤
 
36分、相手陣内深く右でウェズレイがボールを持つと、スピードダウンし、中村がDFの裏へ抜け出すタイミングを見計らいスルーパスを出す。しかし、球足が僅かに速く、GKが飛び出してキャッチしてしまう。
37分、右のスペースへ出たボールをウェズレイが持つと、クロスをゴール前へ入れるが、これはGK正面。
 
38分、千葉・ストヤノフの左からのクロスに正面で坂本に合わせられ、1点を返されてしまう。これで千葉が息を吹き返してしまう事のないよう、名古屋としては、ここからしっかりと集中力をより一層高めて守りたい。
40分、左サイドで本田とのワンツーでマルケスが抜け出すが、ここは千葉のDFに阻まれ、シュートまでゆけない。
【得点】
83分 坂本(千葉)
 
42分、左サイドでウェズレイが個人技で抜け出すと、右足で角度のないところからシュートに行くが、ボールはゴール正面をかすめ、そのまま反対に抜けてしまった。  
43分、残り時間僅か、名古屋としてはこのまま逃げ切りたいところだ。 【交代:後半88分・千】
本田吉村
ロスタイム1、左サイドでボールを持って正面を向かれると、ゴール前へと放り込んできたボールを千葉・巻に頭で押し込まれ、痛恨のゴールを決められ、土壇場でおいつかれてしまう。そして、試合はこのまま2−2で終了となり、まさかの勝ち試合を最後の最後で追いつかれるという、イヤな結果の引き分け試合となってしまう。 【得点】
89分 巻(千葉)