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第84回天皇杯サッカー選手権大会5回戦 |
午後12時30分、豊田スタジアムのスタンドにヴェルディサポーターの太鼓の音が響く中、ヴェルディの選手がウォーミングアップのためピッチへと登場するが、名古屋の選手たちは、楢崎・広野のGK2人以外は、まだ顔を出す気配は無い。
上空には薄く砂をまいたように広がっている雲があるものの、相変わらず青空が顔を出しており、気温も低くなく、プレイする選手たちにとっては、絶好のサッカー日和といえるだろう。しいて不安材料を挙げれば、ピッチの芝の状態かもしれない。派手な修復が各所に目立ち、大量の砂がまかれているところもあって、それが選手のプレイに大きく影響することは間違いないだろう。これまでにも幾度と無く悩まされた“豊スタ”の芝が今日は両チームの最大の敵のとなるかもしれない。
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5分程ヴェルディの選手に遅れて、名古屋のメンバーがウォーミングアップのためピッチに顔を出すと、ようやく静かだったサポーターのスタンドが沸き始める。今日はユース出身の津田もベンチ入りをして、早速プロの雰囲気を味わうことに。今後、何度もこのピッチに立つはずの彼には、タップリと勉強していって欲しい。
屋内エリアで体をほぐしてきた選手たちは、思い思いにボールを捌きながらピッチの感触を確かめている。期待の平林・豊田はハーフウェイ位置から長いボールを出して貰いながら、ボールの転がり具合、弾み具合等のチェックに余念がない。
12時45分、サポーターの連呼する名前に1人1人応えながら、ウォーミングアップを終えた選手たちは、この後に控える試合に向けて気運を高め、ゆっくりとした足取りでロッカーへと姿を消して行った。 |
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〜前半15分 |
いささか寂しい入場者の待ちかまえる、豊田スタジアムのピッチに両チーム選手が入場してくると、一気に両サポーターの声援でスタンド内が賑やかになり、雰囲気が変わる。
前半は右にエンドを取った東京に対し、名古屋は左から右へと攻め上がる。ボールは東京のキックオフ。
GK楢崎、DF大森・秋田・古賀の不動の3人、MF藤田・吉村・クライトン・中谷・中村、FWは若い豊田・平林という布陣で臨む、今日の試合。
1分、相手DF裏への長い縦パスに中村が抜け出して行くが、これはオフサイド。
2分、右からのCKのチャンス。中村からの低いボールはニアの選手に弾かれてしまう。 |
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3分、中村の縦パスに飛び出そうとした豊田がエリアの外で倒され、相手陣内右よりの深く、好位置でFKを得る。中村が早いボールをカーブをかけて蹴っていったが、誰もあわせることは出来なかった。
4分、大森からの縦のボールに平林が拾ってエリア内へと入って行くが、DFにカットされ、右CKに。
5分、中村がマイナス気味に蹴ったボールを藤田がダイレクトであわせたが、クロスバーの上に。
6分、相手陣内でDFのクリアミスを拾った平林の右へのパスを中村が持ち込んで行くが、ここは相手DFがついてきており、シュートまでゆけず味方に戻すことに。
7分、中村とのパス交換で抜け出したクライトンが得たFKを短く縦に出すと、ゴール前に入れたクロスボールに平林が飛び込んでヘディングシュートに。しかし、ボールは僅かに枠の左に。
9分、中央をドリブルで東京・米山がズルズルと上がってくる。これが誰もマークが付いておらず、深い位置まで持ち込まれるが、古賀が体を寄せてボールを奪い返し、ピンチを逃れる。ここまでは名古屋が終始攻勢を続けており、良い雰囲気で時間がたっている。 |
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11分、右に縦パスで上がっていった豊田が中へと折り返して行こうとしたが、これはDFの体に当たってコースが変わり相手GKの下へ。
12分、東京・小林(慶)が、エリアのすぐ外ゴール正面でのボールをシュートに来るが、これは右に大きく流れる。
13分、左にフリーで上がった東京・相馬のクロスをファーサイドの飯尾がヘディングシュート。枠を捕らえたこのシュートは楢崎がしっかりと反応、これを弾き、失点を防ぐ好プレーを見せる。 |
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〜前半30分 |
16分、右から東京・山田の入れたゴール前へのボールに飯尾が入ってくるが、古賀が体を入れて、このボールを楢崎に拾わせる。
18分、中村が相手ボールを奪って縦に抜け出すと、豊田に当てて更に前へと抜けていったが、パスを相手に奪われてしまい、チャンスに繋げなかった。
19分、豊田に入ったくさびのボールを中谷が貰って中へと入れて行こうとしたが、東京・小林(大)に厳しいチェックを受け、奪い返されてしまう。 |
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21分、右サイドで藤田が吉村に当てて上がってゆくが、出てきたボールに追いつけず、ゴールラインを割ってしまう。
22分、右に上がる体勢からの早いクロスにファーサイドから豊田がタイミング良く飛び込んでいったが、飛び出しだ相手GKが目の前で弾いてしまい、ゴールには至らなかった。
24分、大森からの長い、相手DFの裏GKの前のスペースを狙ったボールに平林が入ってゆくが、これは相手DFに押さえ込まれ、ボールに触れさせてもらえず。 |
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26分、藤田の縦パスに抜け出した中村がドリブルで仕掛けてゆこうとするが、寄せてきた相手DFをかわそうとして、芝に足を取られて倒れてしまい、これをチャンスに出来なかった。
28分、右からのCKのチャンス。中村のボールに古賀がファーサイドで待ちかまえていたが、その前でDFがカット。
29分、こぼれ球をエリア内で拾った平林がシュートチャンスに。しかし、慌てたのか芝生ごと蹴ってしまい、ボールは枠に飛ばなかった。う〜ん、残念 |
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〜前半終了 |
31分、自陣で相手ボールをカットした中村から出た大きな縦パスを豊田が競り合いにいったが、これはDFが先に蹴り出してしまう。
32分、大森が右に流れた豊田に狙って縦に出してゆくが、相手DFが豊田の体を押さえ込み、ボールをカットしてしまう。 |
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34分、古賀がドリブルで押し上がろうとしたところをボールを山田に奪われると、DFの裏へのボールを入れてくる。これに飯尾が抜け出してきたが、オフサイドに。
35分、右からのCKのチャンス。中村の入れたボールは相手選手が頭でカットしてしまう。
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37分、左で東京・相馬がボールを持つと、短く中へ入れてくると、これを小林(慶)がシュート。楢崎の正面かと思われたボールが間にいた古賀の体に当たってコースが変わり、ゴール左に決まってしまう。良い流れでゲームが進んでいただけにこの失点は悔しいところだが、早く切り替えたい。
39分、東京が先制したことで調子に乗り、短いパスを繋いでエリア内へと入ってこようとしてくるが、秋田が鋭い読みでパスをカットし、このイヤな流れを断ち切る。 |
【得点】
前半37分:小林 慶行(東) |
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41分、相手陣内右の入った位置でのFK。中村が長いボールを蹴ってゆくと、ファーサイドに上がっていた古賀が頭で中へと折り返すが、ボールは相手GKの正面に飛んでしまう。
43分、右に出たボールを藤田がゴール前へと上げてゆくと、ゴール前の豊田がどんぴしゃりのヘディングシュートを放つが、これは相手GKが反応、体を倒して止めてしまい、惜しくも決めることが出来なかった。 |
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ロスタイム1、右で藤田が相手選手の足下を抜いて中へと入ってゆくとチャンスになりかけるが、寄せてきたDFにボールをクリアされてしまう。ここで残半が終了。名古屋としては何度か良い形を作ってはいるものの、最後決めきれずイライラとした状況が続いていたときに、ワンチャンスを決められてしまった。しかし、ここは早く気持ちを切り替えて、前半同様にしっかりとボールを支配して主導権を握り、早く同点に追いつき試合を振り出しに戻し、そして、逆転へと向かいたい。 |
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〜後半15分 |
エンド入れ替わって、右から攻め上がる名古屋のボールで後半がキックオフ。
1分、相手陣内でのこぼれ球を拾った吉村がシュートに行こうとするが、ボールが上手く足下に収まらず、右に出そうとして奪われてしまう。
2分、藤田の右からのクロスボールに豊田が飛び込んでゆくが、GKが前に出てキャッチしてしまう。
3分、自陣で相手ボールを奪って中谷が持ち上がってゆくが、中へと入れてゆこうとしたボールを相手に奪い返されてしまう。 |
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5分、右サイドで藤田がドリブルで粘って、エリア内へと入ってゆくが、相手DFの厳しいプレスにボールを奪われてしまう。
7分、相手エリア内へ出たボールを豊田が飛び出したGKと交錯しながらも右足でシュートに行くが、無人のゴールへと向かうはずのボールは僅かに左に流れ、ポストの外に外れてしまい、決まらなかった。
9分、左からの中谷のパスを中村が受けると、左のスペースに出して平林を使おうとしたが、これはオフサイドになってしまう。 |
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11分、楢崎からの長いボールを受けた中村が右サイドを持ち上がってゆくと、ライン際からマイナスに折り返したボールを中央で吉村がスルー、藤田が詰めていってミドルシュートにいったが、これは相手DFに当たって弾かれてしまった。
13分、自陣エリア内での相手選手との競り合いの時に大森が負傷、そのままピッチを去ることに。 |
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〜後半30分 |
16分、東京・小林(大)が右に開いて中へと入れてくるが、このボールは秋田が頭で弾き返してゆく。
17分、右に上がった平本の早いクロスは、代わって入った海本が中央に詰め、誰も入れさせなかった。
18分、自陣深く左での東京のFK。小林(大)の直接狙いのボールは楢崎がガッチリとキャッチ。
19分、左からのクライトンのアーリークロスに豊田、平林と詰めてゆくが、これは相手DFがクリア、右からのCKに。中村からのCKのボールに秋田が頭であわせるが、ボールは左に流れてしまい、枠を捕らえることはできなかった。 |
【交代:後半15分・名】
大森 征之海本 慶治 |
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21分、自陣で相手ボールを拾ったクライトンが縦に早く出してゆくと、右から豊田が飛び出していったが、惜しくもオフサイドに。
23分、右から東京・米山が放り込んでくるが、中央で海本が頭で縦にクリアしてゆく。 |
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24分、ここで監督は疲れの見えた平林に代え、若い津田を入れ、勝負に出てくる。
25分、相手陣内左中程でのFKは中村が入れてゆくが、ゴール前に陣取った相手DFに弾かれてしまう。
26分、クライトンが自陣で相手にボールを奪われると、これをフリーで山田が持ち込んでシュートにこようとしたが、古賀が体を張ってこれを阻止する。
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【交代:後半24分・名】
平林 輝良寛津田 知宏 |
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28分、左深くで上がっていた海本がクロスを入れてゆこうとしたが、これは体を入れた東京のDFに当たって弾かれてしまった。
29分、右から藤田が抜け出してはいってゆくと、短い折り返しを入れるが、詰めていた中谷はシュートを打ちきれず。何とか1点を追いつこうと名古屋が怒濤のように攻め上がっているこの時間帯。何とかこの勢いで早く追いつきたいところだ。 |
【交代:後半26分・東】
富澤 清太郎柳沢 将之 |
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〜試合終了 |
31分、豊田が競り合いで流したボールに津田が拾いに行こうとしたが、これはDFに倒されてしまう。 |
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32分、名古屋3人目メンバー交代:中谷→渡邊
33分、左に上がってきた相馬がクロスを入れてこようとしたが、ここは藤田がついていって体で止める。
東京2人目メンバー交代:飯尾→廣山
35分、左から相馬がドリブルで入ってこようとするが、ここは海本がスピードに乗ってしっかりとついて行き、ボールを中へ入れさせなかった。
36分、相手パスを中央で奪った中村が右にポジションを取っていた津田に出すと、これをエリアの外からシュートに。しかし、ボールは左に流れてしまい、枠内には飛ばず。 |
【交代:後半32分・名】
中谷 勇介渡邊 圭二
【交代:後半33分・東】
飯尾 一慶廣山 望 |
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37分、左のスペースに出たボールに津田が競り合いにゆくが、これは寄せてきたDFに潰されてしまう。
38分、右からの藤田のアーリークロスに中央で豊田が落としてシュートに行こうとするが、DFの厳しい寄せに体勢を崩してしまう。
39分、左に出たボールを拾った中村からのクロスにニアの豊田、中央で吉村とあわせにいったが、決めきれず。
41分、左のスペースに出たボールを渡邊が上げてゆこうとしたボールはDFがカット。 |
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42分、左からのCK。中村の入れたボールにファーサイドで詰めていた古賀が汚名挽回、起死回生のヘディングシュートを叩き込み、ついに同点に追いつく。こうなったら残り時間で一気に追いつきたいところだ。
ロスタイム1、右に上がった藤田からの長いクロスにファーサイドで渡邊があわせるが、これは決まらず。 |
【得点】
後半42分:古賀 正紘(名) |
ロスタイム2、平本が右サイドを上がってゆくと、中へ入れたボールに楢崎が詰めてゆくが、ボールにあわせてきた山田にこれを決められてしまい、まさかの逆転を許してしまう、ロスタイム3、相手エリア内での競り合いで豊田が倒れ込みながらも粘るが、相手DFの厳しい守備に阻まれ、得点にまでは至らず。
ロスタイム4、右に上がっていった海本のクロスゴール前で待っていた津田が飛び込んでゆくが、GKが先にキャッチしてしまう。 |
【得点】
後半44分:山田 卓也(東) |
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ロスタイム5、左で渡邊がクライトンとのパス交換で抜け出し、中へと入れてゆこうとするが、ボールは左に流れてしまい、ラインを割ってしまう。そして、ここで長いロスタイムが過ぎ、主審の、今シーズン終了を告げる、無情の笛が鳴ってしまう。何とか最後まで粘りを見せて、ベテラン勢・若手選手等全員が一丸となって、終了間際に追いつき、そのまま一気に押し込みたいところだったが、最後の最後に、ロスタイムで突き放されるという、悔しい敗戦を喫してしまった。この悔しさは来季に絶対に取り返して欲しい。本年も、最後まで応援ありがとうございました。そして、来季も引き続き応援の程宜しくお願いします。 |
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