2004 Jリーグ ディビジョン1 リーグ戦 2nd Stage 第15節 |
今日の青空に恵まれ、暖かい陽気の中で迎える最終節・鹿島アントラーズ戦。スタンドの屋根がピッチに大きく影を落とした、午後12時40分、名古屋のサポーターの暖かい拍手に迎えられて最後の調整のため、ピッチに姿を見せる。
もはや優勝はなく、本来であれば消化試合となる事が多い最終戦だが、今日の選手たちにはそんな様子は誰からも伝わってこない。DF秋田・大森等を中心に、絶対に今日の試合は勝って終わってやるという意気込みが、これまで以上に強く伝わってくる。前節試合に出ることが出来なかった、クライトン・マルケスもいつもであれば飄々とボールを捌いているのが、今日は力のこもった雰囲気 |
|
|
、芝生のあちらこちらの感触を確かめながら、最後の微修正を行っているのがとても印象的だ。そしてもう1人のFW・ウェズレイは、ようやく苦しかった時期を乗り越え、遅まきながら好調時の調子を取り戻すことが出来た。前節も苦しみながらも、流れから見事なゴールを決め、目下好調を維持していると言う状況だ。
今日は最終節にふさわしい活躍を彼ら3人には見せて貰いたい。そして、彼らをフォローすべく、中村や角田、中谷等と共に華麗な攻撃を見せて欲しい。そして楢崎を含め、DF陣には盤石の守備を披露して貰い、今日の試合を完勝して終えたい。頼むぞ〜! |
|
|
|
|
キックオフ前、10月の月間ランクル賞が発表され、連勝の原動力となったマルケス選手が受賞しました。 |
|
|
前 半 |
ピッチを縦半分に仕切るように影が支配する中へ、両チームの選手が入場してくると、最終節をものにしようという両チームサポーターの声援で。それまでは大人しかったスタジアムの雰囲気が高揚してゆく。
右にエンドを取った鹿島に対し、名古屋は左から攻め上がる前半。ボールは鹿島のキックオフで試合開始。
GK楢崎、DFは右から大森・秋田・古賀の不動の3人。MFは角田・吉村・中谷、前目にクライトン・中村。そして、FWはウェズレイ・マルケスの布陣だ。
1分、早速チャンスが巡ってくる。相手陣内中程やや左でのFK。ウェズレイがキレの良いボールをゴール左を狙って蹴って行くが、これは曽ヶ端に止められてしまう。
2分、右に持ち上がった中村からのゴール前へのクロスは、相手GKが正面でキャッチする。
3分、右に抜けてきた中村が、今度は早めにゴール前へクロスを入れて行こうとしたが、ここでも前に詰めた相手GKにボールをキャッチされ、反対に上がってきたウェズレイには惜しくも通らなかった。 |
|
|
5分、大森が縦にタッチ際を狙ったボールをスペースに出し、マルケスを走らせようとしたが、ボールはバウンドを変えラインの外に。
7分、中央でボールを持った鹿島・フェルナンドが前を向くと遠目から左足でシュートに来るが、これはクロスバーの上へ。
8分、中央をドリブルで抜けてゆくウェズレイが左に上がってくるマルケスにパスを通すと、これをゴール前へと上げてゆくが、相手DFがカット、右からのCKに。中村の早いボールをゴール正面中央で秋田が待ちかまえていたが、その前で相手DFがカットし、あわせることは出来なかった。
10分、自陣中程ゴールほぼ正面での鹿島のFK。ここは小笠原の精度の高いキックがあるだけに要注意だ。しかし、鋭く蹴ってきたボールは壁が弾いてこのピンチを跳ね返す。
11分、右に流れた中村からの逆サイドから上がってきたマルケスへの、どんぴしゃりのクロスはボレーシュートがジャストミートせず、横に流れてしまう。
12分、右サイドで角田とのワンツーで中村が抜け出そうとしたが、ここは相手のファウルで倒され、チャンスを潰されてしまう。 |
|
|
13分、右の鹿島・石川からのボールを受けた小笠原が右に流れて、マイナスに正面にいたバロンへと繋ごうとしたが、ここは相手のトラップミスに助けられる。ここまでは名古屋が何度か攻撃で良い形を作り、試合の主導権を握っている。守備の方も、鹿島のバロン・ファビオジュニオール等へのボールを入れさせないように、前からしっかりと出来ており、危なげない展開だ。
16分、自陣でのこぼれ球を鹿島・小笠原に拾われると、右から裏へ抜け出してくる本山に合わせて放り込んでくるが、楢崎が判断良く飛び出して、ボールをガッチリと押さえる。
18分、自陣へ攻め込んでいた相手ボールを中村がカット、縦に走る中谷に出すと、これをマルケスが左に叩いて、更に中谷を走らせようとしたが、ボールが相手DFに当たり、奪い返されてしまい、カウンターのチャンスを潰されてしまった。
【失点】
19分、中央でボールをもたれると、右でフリーでいたファビオジュニオールにパスを通され、最後、古賀が寄せ切る前にシュートを決められ、鹿島に先に得点を許してしまう。良い立ち上がりをしていただけに、ここは早く切り替えてゆきたいところだ。
21分、自陣左中程での鹿島のFK。小笠原のゴール前へのボールは楢崎が落ち着いてジャンプして捕まえる。
23分、鹿島の左からのCK。小笠原の右足からのボールは大きく逆サイドへと抜けてゆく。 |
|
|
25分、相手陣内左深い位置でマルケスが倒されFKに。ここは中村がニアへ蹴っていったが、相手DFに弾き返されてしまう。
26分、中央をドリブルで駆け上がった鹿島・本山からの左サイド小笠原へのパスが通ると、切り替えて右足で前を向こうとしたが、マークに付いてきた角田がこれをしっかりと捕まえ、ボールをカットする。
29分、左サイドでボールを拾ったマルケスがゴール前へと放り込むと、ウェズレイが苦しい体勢から頭でシュートを狙っていったが、ボールは惜しくもポストの左に外れてしまう。
30分、角田が右サイドタッチ際をドリブルで持ち上がってゆくが、寄せてきた相手DFの厳しいチェックにファウルを犯して、相手ボールに。
32分、右サイド深い位置でのボールを角田が倒れながら上げていったが、中央に詰めていたウェズレイの前で相手DFがカットしてしまう。 |
|
|
33分、右からのCKのチャンス。中村のカーブのかかったボールを相手DFを引き連れながら古賀が頭で合わせてゆくが、体勢を崩し、ポストの右へ外れてしまう。
34分、相手のヘディングでのクリアミスのボールを拾ったウェズレイが、逆から上がってきたマルケスの足下へ入れようとしたが、DFの足に当ててしまい、このチャンスを逃してしまう。
35分、右からの鹿島のCKは簡単にクリアしてゆく。
36分、相手ゴール正面エリアの外でマルケスがウェズレイから貰ったボールを粘るが前を向かしてもらえず、横に流したところを寄せてきた吉村がミドルシュートにいったが、クロスバーの上へ抜けてしまった。
39分、大森が珍しく高い位置まで持ち上がると、相手のファウルを受け倒されてしまう。このチャンスを早いリスタートで右に出すと、中村がゴールライン際から中へと入れてゆく。これをマルケスが早いタッチで流し、ファーサイドで待っていた古賀が右足で押し込もうとしたが、相手DFに弾かれ決めることが出来なかった。
40分、鹿島1人目メンバー交代:本山→深井
ここで鹿島・本山が負傷のためピッチを去る。 |
|
|
42分、小笠原が右に流したボールを拾った鹿島・青木のクロスを中央でバロンが頭で合わせるが、ボールはクロスバーの上へ。
43分、相手陣内中程中央でボールを持った中村が、縦に、マルケスへとパスを繋ごうとしたが、これはファウルで倒され、チャンスを潰されてしまう。
ロスタイム1、左サイドでマルケスが中村とのパス交換で中へと入ってゆこうとしたが、パスが上手く入らず、相手のGKに。
ロスタイム2、左サイドでボールを持ったクライトン何とか前を向いて仕掛けてゆこうとするが、相手DFの厳しい寄せにズルズルと下げられてしまい、後ろにボールを戻す羽目に。そして、ここで前半が終了。名古屋としては、何回か惜しい場面があったものの、決めきれず、逆にワンチャンスを鹿島に決められてしまうというイヤな展開の前半だった。その後もしっかりと切り替えて押し気味に進めながらも、最後のところで鹿島の壁に阻まれてしまった。後半は早い時間帯に同点として、一気に鹿島を押し切りたい。後半に期待だ! |
後 半 |
エンド入れ替わって、後半は右から左へと攻め上がる名古屋のキックオフで試合が始まる。
名古屋1人目メンバー交代:マルケス→平林
1分、左にドリブルで上がってきた鹿島・深井が中を狙うが、これは大森が弾いてCKに。小笠原の入れたボールは楢崎がパンチングで弾き出す。
2分、右に持ち上がった中村からのクロスに、逆サイドからウェズレイが飛び込んでヘディングシュートを狙うが、ボールは僅かに頭上を通過してしまい、合わせることが出来なかった。
3分、中央でボールを持って前を向いた中村が右に流れながらシュートに行くが、これは強く打ちきれず、相手GK正面に。
5分、右に上がっていた中村へ平林からパスが通ると、これをマイナスに中へと上がってきた角田に向け繋ごうとしたが、相手DFがこれを足に当て、コースを変えてしまう。
7分、左サイドでボールを持った中村が中谷に当てて、縦に上がろうとしたが相手の厳しいファウルに倒されてしまう。 |
|
|
9分、相手陣内中程やや右の位置でのFKのチャンス。この場面でウェズレイが早いボールを蹴ってゆくと、ファーサイドから古賀が飛び込んでヘディングシュートにいったが、惜しくもクロスバーの上へ。
11分、左からのCKのチャンス。中村のファーサイドの古賀へのボールは頭であわせるものの、枠には飛ばなかった。
13分、右に抜けていった中村のクロスは反対に抜けるが、これを拾ったクライトンからのパスを受けた中谷がゴール前へとクロスを入れていったが、中央のウェズレイには届かず。
15分、右でこぼれ球を拾った角田のグラウンダーのクロスはゴール前を抜け、逆から入っていった中谷があわせに行ったが、相手DFが足をのばしてクリアしてしまう。
16分、右からのCKのチャンス。中村からのゴール前へのボールがこぼれたところをウェズレイが詰めて押し込み、同点かと思われたが、これは認められずノーゴールに。
17分、鹿島2人目メンバー交代:バロン→鈴木
19分、自陣中程左よりの位置での鹿島のFK。小笠原のゴール前へのボールは詰めていた角田がクリアしてゆく。
20分、中央にポジションを変えていた中谷がドリブルで上がってゆくが、寄せてきた鹿島の選手をかわし損ね、ファウルを取られてしまう。 |
|
|
23分、先ほどと同じような位置で鹿島・鈴木をファウルで倒し、鹿島にFKを与えてしまう。ここは何とか同点にしてゆくためにも、失点は避けたいところだ。小笠原が直接狙って蹴ってきたが、ボールはクロスバーの上へ。
24分、鹿島・深井が裏へのボールにスピードに乗って入り込んできたが、秋田がきっちりと体を入れ、これを阻止、チャンスを作らせなかった。
26分、相手陣内左でボールを持った中谷だったが、鹿島・鈴木の執拗なチェックに倒されてしまう。この時間帯になると、鹿島の選手が少しずつ倒れ込む時間が増え、少しでも時計を前に進めようとしてくる。
29分、鹿島・鈴木のゴール前へ入れたクロスを止めに入った古賀のファウルのため、なんとここで鹿島にエリア内ゴールほぼ正面でのFKが与えられてしまうという不可解な判定に。しかし、この場面に納得の行かない選手たちが相手選手ともめ合いになり、ピッチ内が騒然とする。これに呼応するように両チームのサポーターの声援も大きくなり、興奮の度合いを深めるようになる。
【失点】
31分、2分近くの抗議も認められず、小笠原が流したボールをフェルナンドが左足でけり込み、痛恨の2点目が鹿島に入ってしまう。
34分、相手陣内深くゴール正面でのFKのチャンス。これをウェズレイがゴール右を狙ってカーブを欠けたボールを蹴っていったが、僅かに上に外れてしまい、決めることが出来なかった。
36分、自陣深く右の位置での鹿島のFK。フェルナンドがゴールに向かって曲がるボールを入れてくるが、楢崎が正面でしっかりと押さえる。
37分、名古屋2人目メンバー交代:ウェズレイ→山口
38分、中谷が縦に大きく出してゆくが、前にいた山口には通らず。 |
|
|
39分、ここで角田がこの日2枚目の警告を受け退場、名古屋は残り時間を1人少ない状況で戦わなければならなくなる。ここは集中力を切らさないよう、最後までしっかりと戦って欲しいところだ、41分、相手陣内での横パスをクライトンが奪いに行くが、これは戻されてしまい、チャンスを作ることが出来なかった。
42分、自陣でパスをインターセプトした鹿島・小笠原の裏へのボールを、右で抜け出して受けた鈴木が、そのまま右足でシュートに来るが、これはポストの左に外れ救われる。
44分、クライトンが中央でボールを持つと、相手の寄せをはねのけ気迫あるドリブルで上がってゆこうするが、鹿島のDFの厳しい守備にあい、前に出すことは出来なかった。
ロスタイム1、相手陣内右深くでのFKのチャンス。中村が早く低いボールを蹴るが、ニアの選手にカットされる。
ロスタイム2、右からのCK。中村のゴール前へのボールに古賀・秋田と詰めるが、あわせることは出来なかった。
ロスタイム3、平林が左で相手DFの股間を抜いて抜け出そうとしたが、コースを阻まれ、ボールを相手に奪われてしまう。
ロスタイム4、鹿島のゴール前に入ったボールがこぼれたところに平林が拾いに行くが、寄せてきたDFに邪魔される形となり、チャンスを演出することが出来なかった。そして、ここで今季のリーグの終わりを告げる主審の笛がトヨタスタジアムにこだまし、名古屋は最終節を白星で飾ることが出来ず、鹿島に苦い敗戦を喫することに。最後の試合での勝利を期待して集まったサポーターの皆さん、そして、最後まで応援を続けてくれた皆さん、応援ありがとうございました。 |