名古屋グランパスエイト　Official Web Site

2004 Jリーグディビジョン1 リーグ戦 2nd Stage 第14節
ぽっかりと天井をくりぬいたように大屋根を空けている神戸ウイングスタジアム。上空は抜けるような青空で、風もなく、浦和戦に引き続いて好天に恵まれての試合となりそうだ。しかし、ここは街中に作られたスタジアムということもあって周りを囲むようにガラスで覆われており、両チームのサポーターの声が妙に反響して不思議な雰囲気だ。

ごご2時40分過ぎ、名古屋の選手が足早にピッチへと駆け込んでくる。屋内ウォーミングアップエリアで体をほぐした選手たちは、上気した表情だ。選手等は早速、ボールを持ってドリブルをスタートさせる。また、秋田・井川、古賀等DFの選手は、芝生の感触を確かめるために細かくダッシュを繰り返している。天皇杯を含めて、現在5連勝。コンディションも良いのだろう、誰もが良い表情をしている。また、前節、マルケスに代わって前半終了間際にピッチに入りながら、大森の退場により、チームの再構築のため交代を余儀なくされた平林。今日のメンバーの中では、山口とともに気合いが入っていることが伺える。2人共にユースから期待されて上がってきて、今日は揃って先発に抜擢された。　これから上がって来るであろう、若手選手たちの目標となるべく、監督の期待以上に若さ溢れるプレイでチームの勝利に貢献して欲しい。


前　半
右にエンドを取ったホーム・神戸に対し、左から右へと攻め上がる名古屋。大きくドームの影がピッチを覆い尽くしたスタジアム内に主審の笛が鳴り響くといよいよ前半戦が始まる。前半はアウェイの神戸のキックオフでスタート。 GKは楢崎、DFは右から井川・秋田・古賀、MFは右から角田・山口・中谷、その前に中村・平林、FWはウェズレイと若い渡邊のコンビだ。 1分、右サイドで角田が神戸・ホルヴィんドリブルのボールをカットして持ち上がると、ゴール前へとクロスを入れてゆくが、これは長すぎてしまう。

4分、右で井川がボールを持つとスペースに走り込もうとした平林の前へとボールを出してゆくが、ボールが早すぎて相手の下に。【失点】 5分、左サイドを上がってきた神戸・北本の縦パスを受けた藪田がゴール前にと放り込んでくると、中央でフリーで飛び込んだ三浦にヘディングシュートを決められ、早くも失点を許してしまう。 7分、右サイドで角田からのスローインを受けてエリア内へ入ってゆこうとした中村だったが、ここは相手DFにボールをカットされ、チャンスを作ることが出来なかった。 9分、秋田が中央を軽くドリブルしながら押し上がると、大きく縦に蹴り出してゆくが、前線にいたウェズレイがオフサイドに。 10分、自陣中程右よりの位置での神戸のFKは壁に当たって弾かれる。

12分、自陣左でのFKで出たボールをホルヴィが縦に持ち上がってくるが、中村がしっかりとついていってファウルを誘う。メンバーがいつもと違うと言うこともあってか、こぼれ球を譲り合う場面もあり、なかなかチームが上手く噛み合っていないこの時間帯。ここは落ち着いて、失点は早く忘れ、切り替えてゆきたいところ。 16分、自陣右やや中程での神戸のFK。ホルヴィの左足のボールは壁が弾く。 18分、角田からのスローインをウェズレイが頭で中へと押し込もうとしたが、中央で待っていた渡邊に届く前にDFにカットされてしまった。 20分、右で角田が中村とのパス交換でDFをかわして抜けてゆこうとしたが、寄せてきたDFへのファウルを取られ相手ボールになってしまう。 21分、渡邊が右に流れながら中村からの縦パスを貰おうとするが、コースに入った神戸DFにタッチの外へ弾かれる。

23分、中盤の底まで下がってボールを受けた平林が前線に選手を走らそうと大きく蹴り出すが、これは長すぎて相手GKの下へ24分、渡邊が相手DFを寄せて出来たスペースにボールを出すと、これに山口がフリーで入っていってシュートを狙いに行ったが、ボールは相手DFに弾かれてしまう。 26分、中村が低い位置から左足で相手DFの裏を狙って大きく蹴ってゆくと、これにウェズレイが走り込んでゆくが、飛び出した相手GKが先にボールを抑えてしまう。この時間帯になるとようやく名古屋の選手にボールが収まり始めるようになり、流れがこちらに傾き始めてきたことを感じさせる。何とか早い時間帯で同点に追いついて、試合の主導権を握りたいところだ。 29分、秋田からの縦パスをワントラップして中村がすかさず裏へと出すと、ウェズレイがこれに抜け出そうとするが、その前に副審の旗が上がってしまい、オフサイドに。

31分、自陣左入った位置で神戸・ホージェルがボールを持って前に出そうとしたところで、渡邊が後ろから体ごと阻止しにゆくが、これはファウルを取られてしまう。 32分、今度は自陣左深い位置で相手を倒してしまい、危ない位置でのFKを与えてしまう。ホルヴィが入れたボールにファーサイドから飛び込んでくる選手がいたが、その前に秋田が外へと頭でカットしてゆく。この辺りは流石、高さでは引けを取らない。 35分、左で渡邊が2人に囲まれながらも中へと入れてゆこうとしたが、平林に届く前にカットされてしまう。キープ力のあるマルケスが居ないことで、相変わらず前線にボールが収まらず、落ちた浮かない展開が続いている。 36分、ウェズレイが中央をドリブルで力任せに突破を図るが、これはファウルを受け距離はあるものの、ゴールやや左の好位置でFKを得る。細かなステップから直接狙いに行ったが、壁に当たって弾かれてしまう。 38分、右に上がってきた神戸・坪内の中を狙ったボールは古賀がしっかりと体を入れて弾き返す。

41分、エリア内での浮き球がこぼれたところを、ホージェルがこれを拾ってシュートにこようとしたが、角田が体を張ってこれを止めに入る。 43分、古賀からの縦パスを相手選手と競り合いながらウェズレイが頭で落として、これを渡邊が拾って持ち上がろうとするが、その前のプレーでウェズレイがファウルに。 44分、自陣やや入った右よりの位置での神戸のFK。ホルヴィの直接狙ったボールは大きくクロスバーの上へ。ロスタイム1、中央でウェズレイがシュートのゆこうとして弾かれたボールを拾った中村が押し込もうとしたが相手DFに当たってしまいCKに。ロスタイム2、左からのCKのチャンス。中村のファーサイドへのボールを古賀が頭で落とすと、これを押し込もうとしたが、こぼれてしまったところをGKに抑えられ、このチャンスを決めきれなかった。開始から押し気味の神戸に対して後手に回ってしまい、早い時間帯に、課題のセットプレーから失点を許してしまった。途中からは名古屋のペースに試合を奪い始めていただけに、前半で同点に出来なかったことは残念だ。後半はともかく早い時間帯で同点にして試合を優位にして、その後、一気に逆転へと流れを持って行ってほしい。
後　半
エンド入れ替わって、右から左へと攻め上がる名古屋のキックオフで後半開始。名古屋1人目メンバー交代：井川→海本（慶） 1分、代わって入った海本が右からゴール前へと放り込んで行くと、渡邊が詰めて行くがこれは前に出たGKがキャッチ。 2分、右に上がってきた神戸・三浦がゴール前へと入れてくるが、秋田が詰めてきた播戸をかわしてボールをカットする。 3分、相手陣内中程左よりの位置でウェズレイが倒されFKを得る。ウェズレイが横に流したボールを中村が中へ入れようとするがこれは弾かれてしまう。こぼれ球を秋田が右から入れて行こうとしたがDFに当たってしまう。

6分、左から神戸・菅原が持ち上がってくると、中を狙ってくるがこれは海本がカット。【失点】 7分、左からの神戸のCK。ホルヴィーの入れてきたボールをファーサイドで待っていた北本に右足でダイレクトでボレーを叩き込まれ、追加点を許し、苦しい展開となってしまう。 9分、右でボールを持った中村が縦に抜けて行くウェズレイに合わせて出して行くが、ボールは先に相手GKが前に出て押さえてしまう。 11分、ウェズレイが中央でスルーしたボールを左で受けた中谷が中にいた渡邊を狙って入れていったが、これはDFにカットされてしまう。

【得点】 14分、左サイドで渡邊からのパスを受けた平林がそのまま裏へ抜け出そうとしたウェズレイの足下へ絶妙のスルーパスを出すと、これをウェズレイが落ち着いて右足でGKの横を抜いて決め、まずは1点を挙げる。さあ、これでいよいよエンジンを全開にして神戸に一気に追いつきたい。 16分、相手陣内右中程でのFK。中村のファーサイドへ落ちるボールに何人か飛び込んでいったが、残念ながら決めることが出来なかった。しかし、間違いなく名古屋に流れが来ているだけにここはたたみ掛けて欲しいところ。 17分、左に持ち上がって行った渡邊からの早いクロスに中央でウェズレイがヘディングシュートに行くが、これは体を寄せられ右に流れてしまう。 18分、神戸1人目メンバー交代：ホージェル→滝澤 20分、右からの神戸のCK。ホルヴィからのニアのボールは詰めていたウェズレイが頭で弾き返す。

21分、右からの神戸のCK。今度はゴール正面にホルヴィが入れてくるが、楢崎が落ち着いてキャッチする。 23分、左サイドでボールを持った神戸・滝澤が早いタイミングでゴール前へと入れてくるが、これも楢崎が落ち着いて押さえる。 25分、渡邊がヘディングで落としたボールを平林が戻すと、すぐにゴール前へと渡邊が入れて行こうとしたが、中村が詰めて行く前に相手GKが飛び出してキャッチする。 26分、右にこぼれたボールを拾った角田が前に上がっていた海本の頭にめがけて放り込んで行くが、ここは相手GKが飛び出してキャッチする。 28分、右に開いたウェズレイが深い位置からゴール前に待っていた平林を狙ってクロスを入れて行くが、これはGKが押さえてしまう。 29分、名古屋2人目メンバー交代：渡邊→豊田右からのCKのチャンス。中村が蹴っていったボールはファーサイドで詰めていた古賀の前を抜けてしまう。

31分、左サイドでウェズレイが中谷からのボールを貰うと、そのままタッチ際を抜け出そうとしたが、相手選手の厳しいマークにボールを外に出してしまう。 32分、自陣右深い位置での神戸のFK。ホルヴィの入れてきたボールは楢崎がパンチングで弾き出してゆく。 33分、左サイドから神戸・滝澤が入れたクロスを左に流れながら播戸が頭ですらしてゴールを狙ってくるが、楢崎が落ち着いてこれをキャッチする。 35分、名古屋3人目メンバー交代：山口→藤田ここで角田をボランチに入れ、藤田が右サイドに入る。 37分、左サイドでホルヴィが抜け出して中へと入れてくるが、ここはDFがしっかりとコースに入り、ボールをカットしてゆく。 38分、相手陣内中程右の位置で豊田が倒され、FKに。中村がゴール正面へ入れていったが、残念ながら弾かれてしまった。 39分、左からウェズレイがスピードに乗ったドリブルでエリア内へと侵入を試みるが、これは足下への厳しいタックルで倒され、ボールを奪われてしまう。

42分、左サイド深い位置で秋田からのロングパスを受けた豊田が粘って何とか中へと入ってゆこうとするが、DF2人に阻まれて倒され、ボールを奪われる。 43分、相手陣内左深くでスローインのボールを平林が相手選手と競り合いながらも前に持ち出そうとするが、最後はついていた選手を倒したとしてファウルになってしまう。 44分、藤田の右からのアーリークロスをゴール前へ受けたウェズレイだったが、トラップが流れてしまい、押し込む前にGKがキャッチしてしまう。ロスタイム1、右サイドでスローインのボールを深い位置で播戸が貰って、前を向こうとするが、ここはDF陣がしっかりと押さえ込んでボールを奪う。そして、その後は神戸がホームの意地を見せ、名古屋にボールを持たせず、試合は1－2で終了となる。主力4名を欠く苦しい布陣で臨んだこの日の試合。若手に頑張り期待したが、最後はホームのサポーターの声援を受けて戦った神戸に押し切られる内容となってしまった。最後まで応援ありがとうございました。