2004 Jリーグ ディビジョン1 リーグ戦 1st Stage 第13節 |
強い日差しを芝生に照りつけていた太陽もメインスタンドの陰に隠れ、ピッチの上は気温も下がり、涼しい風が肌に心地良く、最高のサッカー観戦の日となった。
午後6時30分、スタンドのトレーニングスペースでウォーミングアップを行った選手達がピッチに登場すると、スタンドから大きな声援が、さすがに水曜の夜の開催と言うこともあってか、少し寂しい応援となったが、サポーターの心意気はいつも通りの、熱さを感じさせてくれる。彼らの応援に応えるためには、今日の勝利が最高のプレゼントだろう。 |
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フィールドプレーヤーに先立って、練習を始めていたGK陣。ケガの楢崎に代わって、回ってきたチャンスを見事ものにした川島が、今日も気迫溢れるセーブを見せて、チームを勝利に導いてくれるだろう。前節久しぶりの先発として、角田とボランチのコンビも吉村も、90分間やりきれた自信からか、今日も気合いの入った顔でボールを蹴っている。若いジョルジーニョとのコンビを組むマルケスは、いつものように、入念に芝の感触を確かめながらボールと戯れている。ウェズレイの居ない今日は、中村とともに、負担が大きくなってくることは間違いない。しかし、きっとサポーターが見とれてしまうような技で、大分のDF陣を奈落の底に落としてくれるはず。彼とジョルジーニョのコンビネーションがどこまでやれるか、期待して見て行きたい。 |
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試合前、6月の月間ランクル賞の発表が行われ、グランパスと日本代表で活躍した楢崎選手に送られました。 |
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前 半 |
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太陽が西に傾き、空もあかね色の染まりはじめる。アウェイのスタンド側からの向かい風に、名古屋のサポーターは気持ちよさそうに、審判に先導されて入場してくる選手達に声援を送る。
右にエンドを取った大分に対し、左から右へと攻め上がる名古屋。前半は名古屋ボールでキックオフ。
先発は、GK川島、DFは右から大森・秋田・海本(慶)、MFは、右から海本(幸)・角田・吉村・中谷、トップ下に中村、そして、FWはジョルジーニョとマルケスのコンビという布陣だ。
1分、中央でボールを持ったマルケスが左のスペースに出すと、これを拾ったジョルジーニョが中へと入れると、中村がヘディングシュート。しかし、ボールはクロスバーの上へ。
2分、右サイド深く中村が中へと持ち込もうとドリブルで粘るが、ここは大分・サンドロの厳しいマークにあい、ファウルを犯してしまう。
4分、左を上がって行く海本(慶)が右のスペースに出して行くと、これを拾って中村が中へと切れ込んでゆこうとしたが、ここは相手DFに前を阻まれ、ボールを奪われてしまう。
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5分、ハーフウェイライン右で海本(幸)が縦に、スペースへと出して行くが、マルケスが抜け出したところで、オフサイドに。
7分、左サイドのスペースに出たボールをマルケスが拾いに行ったが、ここは大分・サンドロにクリアされてしまう。
8分、大分の右からのCK。大分・吉田が、右足でニアに入れてくると、大分・瀬戸が中へ押し込もうとしたが、これはこぼれたところをクリア、しかし、これをフリーで拾った相手選手が放ったミドルシュートが味方に当たり、またもや右からのCKに。
9分、大分の右からのCK。吉田のゴール前へのボールは秋田が頭でクリアして行く。 |
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11分、左で中谷のパスをカットした梅田がゴール前へと入れてくると危ない場面となるが、このボールには誰も詰めてはこなく、救われる。ここまでは大分が予想以上に攻撃的にきていることもあって、名古屋は攻撃の形が今ひとつ作れていない。
14分、左サイドを抜け出して深くえぐっていった、中谷がマイナスにゴール正面に折り返すと、これを中央の中村がスルーして、後ろにいた海本がシュートに行こうとしたが、詰めてきた相手選手に気を取られてしまい、打ち切れず。
16分、右のスペースへの早いボールに海本(幸)が追いかけて行くが、これは長すぎてしまい、タッチを割ってしまう。
19分、右サイドをドリブルで抜け出して行こうとした海本(幸)だったが、寄せてきた相手DFに押し出される形で芝生の外に出されてしまい、ボールを奪われてしまう。 |
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【得点】
20分、右のエリアの外からマルケスがシュートと決め、幸先の良い先制点を挙げる。
23分、自陣右は入ったところで大分のFK・大分・三木が左のスペースへ長いボールを入れてくると、これを大分・有村が追いかけようとしたが、ボールはそのままゴールラインを割る。
24分、右からのCKのチャンス。ジョルジーニョがこのボールを短く出すと、寄せていった吉村が早いボールを入れて行く。ニアに流れてきたマルケスがこれを押し込もうとしたが、ボールは右のポストの外へ外れてしまう。
26分、右で海本(幸)が縦にジョルジーニョを走らせようとボールを蹴って行くが、これは右に流れ、タッチの外へ。
27分、左でボールを持って間を向いた中谷が、DFの裏へと長いボールを入れてゆこうとするが、このボールは長すぎてしまい、相手GKのもとへ。ここへ来てボールを簡単に相手のものにしてしまっている場面が目立つだけに、もう少し丁寧に回して行きたいところだ。 |
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29分、中央でパスを持ったジョルジーニョがマルケスに当てて左に流れると、上がってきた中谷へとパスを出して行く。これを中谷が折り返してきたところをエリアの外からシュートに行ったが、惜しくもポストの僅か右に外れてしまう。
31分、中央でボールを持って入った来た大分・マグノアウベスが右のスペースに入ってきた吉田へと出して行くと、これをドリブルで上がって右足でシュートに来る。しかし、これは川島の正面。
33分、自陣左寄り中程での大分のFK。これを大分・リチャードがDFの裏へと浮き球を入れてこようとしたが、これはDFがカット。
34分、左からのエリアの外からのシュートに反応した川島だったが、ボールを前に弾くと、これに大分の選手が詰めてシュートにくる。至近距離だったが、果敢に飛び出した川島がこのボールを正面で前へと弾き、ピンチを救うセーブを見せ、スタンドを沸かせる。
37分、自陣でのこぼれ球を海本(慶)が大きく縦に蹴っていったが、これは長すぎてしまい、相手GKに直接渡ってしまう。
38分、中央の中村から左サイドに上がる中谷へとパスが通ると、これを持ち上がって中へと入って行こうとしたが、寄せてきたDFに簡単にボールを奪われてしまい、チャンスに繋げることが出来なかった。 |
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40分、大分・有村が右からドリブルで中へと入ってくるが、ここは大森が上手く体を入れて、このボールを奪う。
41分、相手陣内中程右寄りの位置でパスを受けたジョルジーニョが倒され、好位置でのFKを得る。このFKのボールを中村がヒールで流すと、ジョルジーニョが左足で狙って蹴っていったが、ボールは大きくクロスバーの上を越えてしまう。
42分、相手DFの裏へのボールに飛び出したジョルジーニョが、遠目から体勢を崩しながらシュートに行ったが、このボールは相手GKの正面に。
43分、相手陣内深く右の位置でまたも突破しようとしたジョルジーニョが倒され、FKを得る。今度は中村が早いボールを入れると、ニアへとマルケスがあわせに来たが、大分のDFに弾き出されてしまう。
44分、右からのCKのチャンス。ジョルジーニョが短く出したボールをマルケスがDFをかわして中へと入って行くと、ゴール前へパスを出すが、これは味方がこれに触れる前に、相手DFが外へ弾き出してしまう。 |
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ロスタイム1、相手がハーフウェイラインでパスを回してるうちに時間が経ち、そのまま前半が終了するかと思われた矢先、大森が相手パスをカットしようとして、ピッチの上で転倒すると、そのまま立ち上がれず、担架に乗せられて、ピッチを去ってしまう。
ロスタイム2、名古屋1人目メンバー交代:大森→山口
ロスタイム3、自陣からの縦パスを中村が右のスペースへとダイレクトではたくと、このボールを、代わって入った山口が追いかけてゆくが、相手DFが先に拾ってしまう。そして、ここで前半が終了。先制して試合を優位に進めていただけに、大森のアクシデントによるメンバー交代でリズムを崩さないようにしたいところだ。後半は気持ちを切り替えて臨んでゆきたい。現在、チーム内は負傷者が多く苦しい台所事情が続いているだけに、大森のケガが軽いことを祈りたい。 |
後 半 |
エンド代わって、左にエンドを取った大分のボールで後半開始。
大分1人目メンバー交代:小森田→高松
名古屋は、大森の穴を角田が入り、ボランチは山口と吉村のコンビとなる。
1分、相手陣内左寄りペナルティエリアすぐ外の位置でのFKを得る。この場面で中村が流してマルケスが止めたボールをジョルジーニョがゴール左に狙って蹴っていったが、大分GKに弾かれてしまい、決めることが出来なかった。
2分、左からのCK。ジョルジーニョのファーサイドへのボールはDFにカットされてしまった。 |
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3分、自陣右中程での大分のFK。大分・リチャードのファーサイドへのボールに詰めていた大分・高松があわせに来るが、ついていたDFがこれを押さえ込み、へディイングのボールはポストの左へ。
5分、自陣中程右での大分のFK。大分・吉田がGKとDFの間へと落としてきたが、川島が飛び出してこれをしっかりと押さえ込む。
7分、右のスペースへ出した海本(幸)のボールをジョルジーニョが追いかけるが寄せてきたDFにボールをカットされてしまった。 |
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【得点】
8分、右からのCKのチャンス。ジョルジーニョのカーブのかかったボールをファーサイドに詰めてきた角田が押し込んで、見事、追加点を決める。
10分、相手陣内右中程でのFK。中村が蹴っていったボールはDFに弾かれてしまう。
11分、自陣右中程での大分のFK。大分・リチャードが早いボールを入れてくるが、DFがしっかりとこれに反応、クリアして行く。
13分、右に出たボールに海本(幸)がもらいに行くが、これは相手DFとの奪い合いで倒され、ボールを奪われてしまう。
15分、相手の縦パスをカットした山口がDFの裏へと出すと、これを飛び出したGKをかわして、ジョルジーニョが右の深い位置から左足でシュートを打っていったが、ゴール前についていた大分・サンドロにヘディングでカットされてしまう。
17分、自陣からのカウンター攻撃。中央を中村がドリブルで上がって行くと、相手DFが寄せてきたところで、右に上がってきた海本(幸)へとパスを出して行くと、これをダイレクトで中へ折り返したボールをマルケスが胸でゴールマウスへと押し込もうとしたが、その前にオフサイドに。 |
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18分、大分1人目メンバー交代:リチャード→原田
20分、右に出たボールを海本(幸)が左足でゴール前へと放り込んで行こうとしたが、このボールは相手DFがカットしてしまう。
22分、右からドリブルで中へ入ってきた大分・梅田のパスを中央で受けた原田が、そのまま遠目からミドルシュートに来るが、このボールは大きくクロスバーの上へ。
25分、左サイドで角田がボールを奪われると、これを大分・有村が持ち込んで深い位置から中へと折り返してくる。これにファーサイドから吉田が詰めてきたが、競り合いにいった海本(慶)へのファウルでマイボールに。
27分、相手陣内左中程でFK。中村が相手GKの前へ落ちるボールを入れて行くと、海本(慶)、ジョルジーニョと飛び込んでいったが、惜しくもボールを相手ゴールマウスに流し込むことは出来なかった。
28分、自陣右寄り中程の位置で吉村が相手選手と交錯したのが、妨害と見なされこの日2枚目の警告を受けて退場となってしまう。この場面で相手に与えたFKは、原田が直接狙って打ってきたが、抑えの効かないボールは、大きくゴールを越えて行く。
1人少なくなってしまった状況だが、残り時間およそ15分を何とか、この得点差を守って勝ち抜いて欲しい。
30分、名古屋2人目メンバー交代:ジョルジーニョ→岡山
ここでピッチを去るジョルジーニョには大きな拍手がサポーターから送られる。
31分、中村がDFの裏へ出たボールを、胸で前に弾いて、シュートに行ったが惜しくも枠を捕らえることは出来なかった。
32分、名古屋3人目メンバー交代:中谷→藤田
大分2人目メンバー交代:三木→根本
35分、相手陣内左入ったところでのFK。縦のスペースに出してマルケスを使おうとしたが、これはオフサイドになってしまう。
36分、右サイド深い位置での大分のFK。これを原田が低いグラウンダーのボールで中へと入れてくるが、ニアに詰めた海本(幸)がこれをカットして行く。
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38分、左サイドで大分・梅田が原田とのパス交換で中へと入ってこようとしたが、これは外へと弾き、相手のミスに救われる。大分は1人多いと言うこともあり、ロングボールをどんどんとゴール前へと入れてくるようになる。ここは苦しいところだが、のこり約5分、全員でこの攻撃を凌いで欲しい。
42分、大分のルーズボールを拾った山口が、中央を持ち上がって行くと、左に開いて行こうとするが、ついてきた相手選手にボールを当ててしまい、奪われてしまう。
43分、右の前線へと、海本(幸)から出たボールを岡山が貰うと、深い位置で中へとクロスを入れていったが、これは中央で詰めていたマルケスには届かなかった。
44分、大分・高松がDFの前へ落ちたボールを右から持ち込もうとしたが、ここはついていた海本(慶)が粘り勝ち、ボールを奪い取る。
ロスタイム1、右からドリブルで持ち込もうとした大分・有村のボールは山口が上手く体を入れてカットして行く。
【失点】
ロスタイム2、大分・吉田にゴールを決められてしまい、2−1とされてしまう。しかし、その後はチーム全員で踏ん張り、大分相手に苦しみながらも、価値ある勝ち点3をしっかりと手に入れる。大森のケガによる前半終了間際での退場、そして、吉村のこの日2枚目となるイエローにより退場という、度重なるアクシデントにチームに動揺が走るかと思われたが、集中力を落とすことなく、最後までしっかりとゲームをできた事が、今日の勝利に結びついたと言えよう。最後まで応援ありがとうございました。 |
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