2004 Jリーグ ディビジョン1 リーグ戦 1st Stage 第5節
水曜の開催と言うこともあってか、空席の目立つスタンドはいささか寂しいが、昼間の暖かさそのままに、スタジアムの気温も程良く、サッカー観戦にはもってこいの日和といえる。
午後6時20分過ぎ、ロッカーから出てピッチ横のスペースで思い思いに体をほぐす選手達。ほんの数日前に柏との厳しい試合を戦ったとは思えないほど、選手達はリラックスしている。表情も明るく、笑顔も溢れ、とても良い雰囲気だ。しかし、彼らを見つめるネルシーニョ監督の表情だけは厳しい。代役となる2選手を含め、選手達のコンディションに最大に気を遣っているのは、監督といえるだろう。今週は、土曜にはホーム・瑞穂での清水戦が控えている。連戦をどう戦っていくのか、監督の頭の中には様々なプランが、すでにできあがっていることだろう。
6時25分を回った頃、GK楢崎・川島がピッチにウォーミングアップのために入って行くと、名古屋のサポーターから声援が掛かる。その後、残りの選手達がピッチに登場、ウォーミングアップを開始する。日が陰ったこともあって、気温が徐々に下がり始めている。約10分程、入念なストレッチングを行い、選手達はピッチ横でダッシュを行った後、ピッチに広がって、各自、相手を見つけて芝の感触を確かめながらボールを蹴り合う。
6時45分、ウォーミングアップを終えた選手達が続々とピッチを後にするが、大野・吉村、そして、ウェズレイが最後まで名残惜しそうに、ボールを蹴っていたが、控えの選手達をピッチに残すと、足早にロッカーへと消えていった。
前 半
広島のサポーターの掲げる、ユニフォームをかたどったビッグフラッグに迎えられて、両チームのイレブンが入場、大きな拍手と声援に迎えられる。左にエンドを取った広島に対し、右にエンドを取り左に攻め上げる名古屋。試合は広島のキックオフで始まる。名古屋の布陣は、GK楢崎、DFは右から秋田・パナ・古賀、MFは右から海本(幸)・吉村・大野・滝澤、トップ下には中村が入る。FWはお馴染み、ウェズレイ・マルケスの2人だ。
2分、自陣からの秋田の長いボールに海本が上がって行くが、これは相手DFに阻まれ、ボールを受けることが出来ず。
5分、左サイドで縦パスを受けたマルケスが、上がって行く滝澤めがけて左足でパスを出そうとしたが、これはタッチを割る。
6分、右から広島・リカルドがDFの裏を通そうと長いボールを入れてくるが、ここは秋田が相手のFWをしっかりと押さえ込み、ボールを受けさせなかった。
8分、相手DFの裏へのボールにウェズレイが走り込むが、広島DFがこれは体を入れて受けさせてくれなかった。
9分、相手エリアの近くで中村がキープ、上がってきた吉村に左足で流すと、ドリブルからシュートに行こうとしたが、これは相手DFに体を寄せられ打ちきれず。
10分、楢崎からのボールを右にははたくと、これをウェズレイがドリブルからシュートに持って行くが、惜しくも相手GKの正面。
11分、右からの広島のCK。森崎(浩)の左足のボールに後ろから広島・服部がダイレクトで合わせてくるが、このボールは大きくゴールを越えて行く。
12分、左サイドで相手ボールをカットした大野のパスを受けたマルケスがすぐに上げて行くと、右から入ってきた中村がヘディングシュート。しかし、このボールは惜しくも枠を捕らえることは出来ず、右に外れてしまう。
14分、右サイドタッチ際をドリブルで上がってくる広島・サンパイオを自陣深くで倒してしまい、広島にFKを与えてしまう。広島・森崎(浩)の左足からのボールはゴールを越えラインの外へ。
16分、左サイドを深く出たボールを拾った広島・服部の中への折り返しのボールは簡単にクリア。ここまでは、中盤に人数を割いた広島がボールを持つ機会が目立つが、名古屋の守備陣は落ち着いており、全く危なげない。
18分、自陣右、入ってすぐの位置でこぼれ球を拾った広島・佐藤がダイレクトでDFの裏へ入れてこようとするが、このボールは長すぎて楢崎が直接キャッチ。
20分、左にドリブルで上がったウェズレイのマイナスのパスを受けた大野がDFの間に抜ける滝澤にスルーパスを出すが、これは長すぎてしまう。
21分、相手陣内中程左の位置でのFK。ウェズレイが大きく蹴ったボールがゴールに向かってくると、慌てた相手GKが弾くと、こぼれたところを中村が中を向こうとしたボールをクリアされ、CKになる。右からのCKは、中村がファーサイドの秋田に合わせ蹴って行くと、これを頭で中に落としたところに、ウェズレイが詰めて右足でシュート。しかし、ボールはポスト左に外れてしまう。
24分、相手陣内中央でボールを受けたマルケスが右にオーバーラップして行く吉村に合わせてスルーパスを出すが、これは球足が速く、ボールに追いつくことが出来なかった。
25分、右サイドを抜けてきた広島・佐藤のDFの裏へのボールに中山が入ってくるが、先に秋田がこれに反応、ボールをきっちりとクリアして行く。
27分、左サイドでスローインを拾った服部がゴール前へと入れてくるが、ここは楢崎がこれを押さえる。
29分、左サイドでボールを受けた滝澤が縦に長いボールを出して行くと、これをマルケスが追うが、このボールには追いつくことが出来ず。
31分、自陣からの縦パスを相手DFの裏で受けたマルケスが、このボールを前へと運ぼうとしたところでオフサイドの判定。
33分、左サイドに出たボールを森崎(浩)がドリブルで持ち上がるが、ここは秋田がしっかりとついてゆき、中へのボールをゴールラインの外にと外させる。
34分、中盤でのこぼれ球をダイレクトで大野が相手DFの裏へと蹴り出すと、これをウェズレイがもらったところでオフサイドに。
36分、自陣入って左寄りの位置での広島のFK。サンパイオのボールを右で受けた広島・李が中へ入れてこようとしたが、このボールは吉村がカットする。
37分、自陣入ってすぐ右の位置での広島のFK。リカルドのボールにサンパイオがファーサイドで頭で中へと折り返すが、ここはDFが落ち着いてこのボールを縦に蹴りだして行く。
40分、自陣左でボールを持った広島・服部がドリブルで抜けてこようとしたところを倒してしまい、危ない位置でFKを与えてしまう。広島・森崎(和)の右足の直接のゴール左隅へのボールは楢崎が押さえる。
43分、相手陣内入った左の位置でマルケスが縦パスを受けるが、相手の後ろからのファウルのため、前を向かせてもらえず、このボールを繋ぐことが出来ず。
【得点】
44分、相手ゴール前にでたパスに飛び出したマルケスが、今日はオフサイドではなくこのボールを左足で相手GKの指先をはじき飛ばすシュートを決め、先制点を挙げる。
ロスタイム1,左サイド深い位置でFKのチャンス。ウェズレイがカーブをかけた、ボールで直接ゴールを狙って行くが、これはゴールを越えて行く,そして、ここで前半が終了。まずは問題ない試合展開で戦っていると言えるだろう。
後 半
前半は危なげなく、広島にボールを持たせる事は多かったもの、落ち着いて試合をコントロールしていた名古屋。後半は、逆にボールを支配して、もう少し攻撃的な内容で、ドンドン追加点を狙ってくることを期待したい。
広島1人目メンバー交代:中山→田村
後半は、左にエンドの代わった名古屋のボールで試合が再開。
1分、海本のロングスローにウェズレイがこれを受けて抜けて行こうとするが、広島DFの厳しいチェックに倒され、チャンスを作ることが出来なかった。
3分、左サイドでボールをもらった大野がDFの裏へと出して行くと、これにウェズレイが反応するが、これはオフサイドに。
【失点】
4分、DFの間に出たボールに詰めてきた、後半入ったばかりの広島・田村がこれを拾ってシュートに。このボールに楢崎が反応したものの間に合わず、開始早々追いつかれてしまう。同点に追いついたことで広島が元気になってしまう。ここは速く切り替えて、後に引きたくないところだ。
8分、右に出たボールをライン際から吉村が中へと放り込んで行くと、中央から詰めた大野がダイレクトでシュートに行くが、これはボールに当てることが出来なかった。
10分、相手陣内右で海本のパスを受けた中村がDFの裏へ縦に出すと、これをもらったウェズレイがドリブルで上がって行き、相手DFとGKの間にパスを入れて行く。左から走り込んで行くマルケスだったが、伸ばした足には僅かに届かず。
12分、右に抜け出した海本の折り返しを受けた中村がステップを合わせてシュートに行こうとした中村だったが、これは相手DFに阻まれてしまう。試合展開が速くなり、両陣営をボールが行ったり来たりが増え、スタジアムが賑やかになり始める。
14分、時事入ってすぐ左の位置での広島のFK。リカルドのDFの裏を狙ったボールに広島・田村が競りあいに来るが、ここはパナ・秋田の壁には勝てず。宜しくです。
16分、左からのCKのチャンス。大野が短く出すとこれを滝澤がゴール前へ。上がっていたパナが頭で合わせるが、これはクロスバーの上へ行ってしまう。
17分、自陣深く左に位置での広島のFK。服部の入れてきたボールはDFがクリア。
18分、中央の森崎(浩)からの左のスペースに出たボールを服部が折り返してくるが、これは精度を欠き、古賀がこれをカットする。
20分、相手陣内でボールを持った中村がDFの裏へ放り込むと、ウェズレイが抜け出すが、シュートに行く前に相手DFに倒されてしまい、チャンスを生かすことができなかった。
21分、広島2人目メンバー交代:佐藤→高木
22分、広島の左からのCK。森崎(和)のゴール前へのボールはDFが頭ではじき返す。
23分、相手陣内左に出たパスをもらったマルケスがエリアの外へミドルシュート。しかし、これは相手GKが反応、弾かれてしまい、追加点にはならず。
24分、右サイドでボールを拾った吉村がDFの裏へアーリークロスを入れて行くと、ファーサイドに待っていたマルケスがこれをもらうが、エリア内にいたウェズレイのファウルでこのチャンスは生かせなかった。
26分、右に海本の縦パスを持ち上がって、DFをかわして中村が折り返しをゴール前へ上げていったが、これは相手GKにキャッチされてしまう。
28分、ドリブルで右サイドを上がっていった海本の折り返しを狙ったボールは、DFに阻まれてしまう。
29分、名古屋1人目メンバー交代:大野→岡山
32分、自陣でボールを持ったパナが相手DFの裏を狙って長いボールを入れて行くが、これは誰も反応できず。
33分、自陣入ってすぐ左の位置での広島のFK。ゴール右に待っていたサンパイオを狙って蹴ってきたボールはDFがクリアして行く。
35分、相手陣に右入ったところでのFK。ウェズレイがDFの裏へと長いボールを入れて行くが、相手DFにカットされてしまう。
36分、右のスペースに森崎(浩)が抜け出すと、スピードに乗って、ペナルティ内へ入ってくるが、ここはパナがしっかりと付いていってシュートを打たせることはなかった。
38分、右からの広島のCK。森崎のゴール前へのボールはGKがパンチングでクリアして行く。この時間帯は広島の動きが良く押し込まれる場面が目立つ。個々は何とか凌いで、残り時間僅かだが追加点を狙いたい。
40分、左サイドでDFの裏へのボールにマルケスが抜け出して、GKと1対1になるが、これはオフサイドに。
41分、左にドリブルで上がった滝澤のゴール前へのクロスは詰めていたウェズレイが受けようとしたがクリアされCKに。右からの中村のボールはDFが先にカットしてしまう。
42分、広島の左からのCK。森崎(和)のニアへのボールは吉村が頭で弾く。こぼれ球を拾われゴール前へと入れられるが、ここは楢崎が落ち着いてキャッチする。
44分、左からの滝澤のパスを中央で受けたウェズレイは前を阻まれると、詰めてきた海本に。これをミドルシュートを狙うが、相手DFに当たってしまい、枠には届かず。
ロスタイム1,相手陣内深くDFの裏へ出たボールにウェズレイが抜け出して行くが、DF3人に囲まれて、シュートを打たしてもらえなかった。
ロスタイム2、左サイドでボールを持った滝澤が中へと流れながら右足で縦に出すと、サイドチェンジしていた海本がこれを受けるが、オフサイドに。そして、試合はこのまま1−1のまま終了となってしまう。もう1点を取るという気迫が足りなかったのか、途中相手を追いつめるまでは何度かあったものの、決めきることが出来なかった。勝ち点1を得たと言うよりも、勝ち点を2つ逃してしまった、もったいない試合だったのかもしれない。連戦の疲れもあると思うが、今週末の清水とのホーム・瑞穂での試合は絶対に落としたくない。最後まで応援ありがとうございました。