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2004 Jリーグディビジョン1 リーグ戦 1st Stage 第３節
冷たい雨と、肌を刺すような冷たい風の吹き抜けるカシマスタジアムのピッチに、午後2時25分、GK楢崎と川島が登場。遠く応援に訪れた名古屋のサポーター席へ挨拶後、鹿島サポーターのブーイングを一身に受けてウォーミングアップを開始。

他の選手達は、スタジアム内のウォーミングアップエリアで黙々とアップを行っている。どの選手の顔にも、今日こそは、という固い意志を感じさせる表情が伺える。いつもなら大きな気合いを入れ声で他の選手に気合いを入れたり冗談を飛ばす饒舌な秋田ではなく、これからの決戦に向けて気合いを込めて行く戦士の表情だ。彼には、名古屋にやってきたのはこの日の勝利ためと、後で言えるような働きを期待したい。 2時40分、スタンドの名古屋サポーターに挨拶のため選手達がピッチに登場すると、またしても鹿島サポーターからの大きなブーイングが沸き起こる。しかし、名古屋サポーターも負けじと大声援で彼らを迎え撃つ。これから始まる熱戦に向け、サポーターの戦いは早くも始まったようだ。足の痛みを訴えていたウェズレイも、何事もなかったかのように皆に交じって気合いを入れていた。マルケスと2人。鹿島サポーターが悔しさで天を仰ぐようなゴールを見せて欲しい。いよいよ試合開始だ！


前　半
小雨煙るカシマスタジアムのピッチに両チームの選手が入場。両チームサポーターの声援でスタジアムのボルテージは最高潮に。名古屋サポーターの「秋田、秋田！」の声援にはひときわ大きなブーイングが飛ぶ。左にエンドを取った鹿島に対し、右から左に攻め上がる名古屋のボールで前半がキックオフ。名古屋の布陣は、GK楢崎、DFは右から秋田・パナ・古賀。MFは右から海本・角田・大森・滝澤、トップ下に中村。FWはウェズレイ・マルケス。開始早々、鹿島・新井場が左から長いボールを前に出して水から入ってこようとするが、ここは秋田が前を阻む。 1分、相手陣内へと飛んだボールを拾ったウェズレイが左からゴール前へと放り込もうとしたが、ボールが芝に取られたのか、ボールが飛ばず相手DFに渡ってしまう。

3分、ちゅおうで鹿島・フェルナンが縦に長いボールを出し、ファビオを走らせるが、濡れた芝に足を取られ転倒、マイボールに。 5分、楢崎からのフィードを受けた海本が縦にDFの裏へとウェズレイを走らせようと出すが、これはタイミング合わず。 7分、右からのCKのチャンス。中村のボールに上がっていたパナが頭で落とすが、これは相手DFがクリアしてしまう。 9分、左サイドでマルケスが大森とのワンツーで抜け出そうとしたが、これは大森のボールをDFに弾かれてしまう。 10分、自陣で相手のパスを奪った中村が縦に走るウェズレイめがけ裏へと出していったが、これは相手GKがキャッチ。 11分、右サイドでボールを奪った鹿島・深井がドリブルで中へと入ってきて左足のシュートを放つが、これは楢崎が正面でがっちりと押さえる。ここまでは鹿島の攻撃をしっかりと押さえ込み問題なしだ。 13分、自陣中程やや左の位置での鹿島のFKだったが、出しどこを迷った選手が右に展開するが、ボールhがそのままタッチを割る。 14分、鹿島・名良橋の右からの早いクロスはパナがワンタッチで弾き出す。 16分、自陣中程右の位置での鹿島のFK。フェルナンドがゴールに向かって曲がるボールを蹴ると、楢崎がキャッチするが、鹿島の選手が体当たりをしてボールがこぼれるとそのまま押し込もうとしたが、これはキーパーチャージに。

17分、相手陣内でボールを奪ったウェズレイが中村へ繋ぐと、そのまま持ち込んで右からミドルシュートを打って行くが、これは惜しくもクロスバーの上へ。 19分、。センターサークルの辺りから鹿島・深井がドリブルで仕掛けてくるが、ここはパナ・秋田がしっかりと寄せて、このボールをカットする。 21分、右から攻め上がる鹿島・名良橋のクロスをカットした海本が中央を上がってDFの裏へウェズレイを走らせようと出して行くが、これもタイミング合わず。 23分、自陣は行ったところ右の位置で鹿島にFKを与えてしまう。このセットプレーの場面は集中して行きたいところだ。鹿島・フェルナンドが左足で強烈なボールを直接狙ってきたが、ここは代表正GK・楢崎がきっちりと止めると、こぼれ球を滝澤がクリアして行く。 26分、自陣左中程の位置での鹿島のFK。ファーサイドへ長いボールを蹴ってきたが、これは風に乗ってゴールラインを割る。 27分、左に出たボールを拾った鹿島・新井場が入れてこようとしたが、海本がしっかりと体を入れボールをはじき返す。 28分、左からの鹿島のCKは、ファーサイドのボールを合わせてきたが、ボールはネットの外へ。

30分、滝澤が左でボールを貰うと、縦に走るマルケスにボールを出して行くが、鹿島のDFに間に入られてしまい、マルケスはボールに触れることが出来なかった。 31分、中央から上がっていた角田のボールを右で受けた海本がDFをかわして中へ入れようと試みたが、これは相手DFに阻まれてしまう。 32分、右で海本のボールを受けた中村がそのまま上がって行こうとしたが、体を寄せてきた鹿島の選手に阻まれボールをタッチの外へ出してしまう。 34分、自陣中程やや左の位置で鹿島にFKを与えてしまう。フェルナンドのグラウンダーのボールは大森が簡単にはじき返す。ここまで予想通り鹿島がボールを持っている時間が長いが、名古屋のDF陣は全く危なげなく鹿島の攻撃陣を押さえ込んでおり、問題ない展開といえよう。

37分、鹿島陣内入った左の位置でのFKのチャンス。ウェズレイがニアに蹴って行くと、ヘディングで弾かれるが、ボールはコーナーフラッグに当たって止まると、これを中へと放り込んで行く。ニアにいた選手がこれを合わせるが、惜しくも鹿島GKの正面だった。【失点】 40分、自陣左入った位置での鹿島のFKの場面。小笠原の蹴ったボールがそのままゴール前で飛び込んだ選手と重なるようにしてそのままゴールに飛び込み、先制を許してしまう。ここまで鹿島の攻撃を押さえこんでいただけに、このセットプレーでの失点は悔やまれるところだが、ここは気持ちを早く切り替えて行きたいところだ。

【得点】 44分、右サイドからドリブルで持ち上がった中村がギリギリで中へと入って行くと、中央で待っていたマルケスに好パスを出す。これを流れながら落ち着いて相手ゴールに流し込み、見事同点に追いつく。ロスタイム1、自陣入ったところ右よりの位置での鹿島のFK。今度も小笠原が長いボールを入れてくるが、ここはパナが詰めた選手をしっかりと押さえ込み、頭で合わせたボールは大きくゴールを越えさせる。そしてここで前半が終了。がんばって鹿島の攻撃を凌ぎながらもセットプレーでの失点で気落ちするかと思われたが、中村のがんばりにマルケスが応え、同点弾を決めてくれた。正に見応え十分な内容の前半だったといえよう。後半も目が離せそうにない。
後　半
前半先制を許すものの、すぐに追いつく粘りを見せた我らが名古屋グランパスエイト。この勢いで、後半は早い時間帯に逆転して、鹿島を突き放しにかかりたい。両チームともメンバー交代なし。後半はエンド変わって、右から攻め上がる鹿島のボールで試合が再開。開始早々、鹿島・深井が左から入ってこようとしたが、ここはパナがしっかりとついて行きこれを押さえ込む。 1分、自陣から角田の出した縦のボールに中村が抜け出そうとしたが、寄せてきた鹿島DFにファウルをしてしまう。 2分、左でボールを持った鹿島・本山が裏に抜けて行く鹿島・新井場めがけパスを出してくるが、これはボールが長すぎてゴールラインを割る。 4分、自陣左中程での鹿島のFK。小笠原がニアに入れてきたが、これはDFがカットする。

6分、鹿島・フェルナンドがドリブルで入ってくると、右に流してくると、これを小笠原が遠目から狙って打ってくるが、これは精度が悪く、クロスバーを越えて行く。 8分、右からドリブルで中村が中へと入って行くと、左足でシュートに行くが、これは相手GKが正面でキャッチしてしまう。【失点】 9分、右サイドを鹿島・小笠原に抜けられると、ゴール前へのクロスに飛び込んだ本山にこれ合わせられてしまい、またも鹿島に失点を許してしまう。 11分、相手陣内入った位置やや左でFKを得る。名古屋1人目メンバー交代：滝澤→中谷

このFKをゴール左隅を狙ってウェズレイが蹴っていったが、カーブのかかったボールはポストの左に外れてしまう。 13分、中谷からの裏へのボールに抜け出したウェズレイがフリーで抜けて行くが、ここは相手DFにボールをカットされてしまう。 14分、左からのCKのチャンス。ゴール前へのボールは鹿島のDFがカットしてしまう。こぼれ球を再度放り込むが、詰めていたパナに届く前に鹿島のGKがキャッチ。 17分、左サイドをドリブルで中谷が上がって行くが、マルケスに出していったボールは相手DFにカットされる。 18分、名古屋2人目メンバー交代：海本→岡山【失点】 20分、自陣深く右の位置での鹿島のFK。フェルナンドのファーサイドへのボールに合わせた鹿島・金古のヘディングシュートがゴール左隅に決まり、3点目を鹿島に与えてしまう。またしても用心していたセットプレーからの失点となってしまう。 24分、鹿島・ファビオのエリアの外左からの強烈なミドルシュートは楢崎が弾き出す。しかし、この時間帯は鹿島の攻勢が続いているだけに、名古屋はこの波を早く断ち切りたい。

26分、中谷が左サイドをドリブルで上がって行くと、相手ペナルティエリア内へ入ったところで果敢にシュートに行くが、戻ってきた鹿島・名良橋に弾かれてしまう。 27分、左からのCKのチャンス。ウェズレイの入れていったボールは、鹿島GKがパンチングで弾いてしまう。 28分、左からのCK。ファーサイドへのウェズレイのボールは押し込もうとするが、向かってきた鹿島GKと交錯、正面で止められてしまう。 29分、相手陣内ほぼ中央でファウルを受け、絶好の位置でFKを得る。ここで古賀が壁の中で相手選手とのいざこざがあり、この日2枚目の警告で退場となってしまう。

【得点】 32分、このFKをウェズレイが落ち着いて相手GKのポジションをあざ笑うかのようにゴール右に決め、3－2とする。 33分、鹿島1人目メンバー交代：名良橋→青木 34分、相手パスをカットしたマルケスが一気に上がっていって、中へと折り返そうとするが、ここは鹿島のDFに阻まれ、このチャンスを生かすことが出来なかった。数的に1人少ない状況となってしまったが、ここは踏ん張って同点を狙ってほしい。 36分、相手陣内左やや入った位置でのFK。ウェズレイが上がっていたパナに合わせて蹴っていったが、ボールは相手GKの下へ行ってしまう。 38分、中谷からの縦パスを受けたマルケスが中へと入れて行こうとしたが、これは相手DFに弾かれる。 39分、左からのCK。ゴール前へのボールは一旦は弾かれるが、再度ゴール正面に入れて行くと、上がっていた秋田があわせに行ったが、GKにキャッチされてしまう。 40分、ウェズレイが相手陣内で貰ったボールを大きく左サイドに走る中谷に蹴って行くが、これは長すぎてしまい届かず。 41分、相手陣内右でのFKのチャンス。ファーサイドへ上がっていた秋田を狙ってウェズレイが浮かしていったが、これは風に流されてしまう。

42分、中村が秋田に出すと、これを前線右から上がる岡山へ大きく出そうとしたが、これはカットされてしまう。 44分、鹿島2人目メンバー交代：深井→岩政ロスタイム1、鹿島・熊谷が右からドリブルでは入ってこようとするが、ここはパナが詰めてボールをカット。ロスタイム2、鹿島・フェルナンドに中央を抜け出されると、シュートを打たれそうになるがこれはDFが阻止する。そして、ここで主審の試合終了を告げる笛が鳴り、またしてもカシマスタジアムでの勝利はお預けとなってしまう。先制しながらもセットプレーでの失点を許してしまい、それが最後まで響く結果となってしまった。最後まで応援ありがとうございました。