2003 Jリーグ ディビジョン1 リーグ戦 2nd Stage 第12節 |
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午後2時15分、先発メンバーの紹介が始まるとスタジアム内は興奮に包まれる。その中を我らが愛すべきチームマスコットのグランパスファミリーがピッチに登場すると優しい拍手が送られる。
スタジアムDJ:ケン・マスイ氏のアナウンスで順に紹介される選手達の名前に呼応して起こる大声援に混じって反対席からはブーイングが。いよいよキックオフを間近控え、スタジアムの雰囲気が盛り上がってきている事を感じさせる。 |
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10分後、GK楢崎・本田が先陣を切ってピッチへと走り込むとサポータの割れんばかりの声援に、またもや豊田スタジアムは包まれる。降ったり止んだりを繰り返している雨のため、屋根を閉めているため、応援の声はスタジアム内に反響し、より一層サポータの興奮を煽っているようだ。
そして、他の選手達がお馴染みのグッズ投げ入れのためピッチに登場。中央で軽く挨拶をすると、スタンドへと駆け寄る。この後に控える厳しい試合を控えながらも、選手達の表情は明るい。今日に向けて充分の対策をしてきたという自信からなのか、余裕さえ伺える。そんな中、ボランチとして入った吉村、トップ下の重責を任された中村の2人だけは、心に期すものがあるようで表情は堅い。でも大丈夫だ。彼らならやってくれるはず。
今日は、FWウェズレイ・マルケスを含め、きっと目の覚めるようなプレーで、勝利を導いてくれると信じよう。 |
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前 半 |
午後2時55分、両チームメンバーに先駆け、ちびっ子フラッグ隊がピッチに走り込んで、スタジアム内を華やかな雰囲気へと変えてくれる。午後3時、スタジアムの屋根に反響して、名古屋サポーターの声援で沸き返るピッチに両チームの選手が入場。大音響のBGMに混じる両サポータの声援でスタジアムの空気が震える。右にエンドを取った横浜に対し、名古屋は左から右へと攻め上がる。前半は横浜のキックオフで試合が始まる。名古屋の先発は、GKは、もはや不動のこの人、楢崎。DFには、右から大森・パナ・古賀の3人。MFは、右に海本、ボランチには吉村・滝澤の2人。左は中谷。そして、FWは、帰ってきた最強の2人、ウェズレイ・マルケスだ。
1分、横浜・柳がDFの裏を狙ってボールを蹴ってくると坂田が走り出すが、ここはパナがこれをカット。
2分、相手陣内右で縦パスをトラップで相手DFの裏に出そうとしたが、これは相手Dfに弾かれる。
3分、古賀からの縦パスを中谷が縦に流してゆこうとしたが、これは詰めた選手に弾かれる。 |
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4分、左から中谷が持ち込むとマイナスに中へと折り返すが、これは中央を詰めたマルケスには届かず。
5分、中央にドリブルで上がってきた横浜・柳がミドルシュートを打ってきたが、これはクロスバーの上へ。ここまでは両チームともじっくりと展開をすすめ、大きな動きは少ない。
6分、自陣からドリブルで中央を上がってゆく滝澤がDFの裏へ右足で出すと、これに中村が抜け出すが、追いつけず。 |
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7分、左サイドを抜け出した中谷が深い位置で中へ放り込んでゆくが、これはコントロールできず、相手GKの正面だった。
8分、マルケスの縦パスにウェズレイがヒールで流すが、これは意志が合わず、相手へのパスとなってしまう。
9分、左からドリブルで仕掛けてくる横浜・坂田だったが、ここはDF陣がしっかりと着いて行き、シュートを阻止する。右にこぼれたボールを柳が拾うが、ライン際で芝に足を取られ、良いボールを折り返せず。
11分、海本が相手陣内へこぼれたボールを拾って走り込んでゆくと、相手DFにボールを当てて、CKを得る。自陣右中程の位置でのFK。マルキーニョスのボールは壁に当たって弾く。 |
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【得点】
12分、右からのCKのチャンス。滝澤が短く出すとダイレクトで中村が中へ放り込む。ファーサイドで古賀が競り合うが、これは押し込めず。しかし、こぼれ球をパナが逆サイドへと放り込むと、これをウェズレイが右足で強烈にシュート。見事これが決まって、幸先の良い先制点を叩き込む。 |
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14分、自陣ペナルティエリア内で横浜・奥がドリブルで進入してくるが、ここは大森が体を張ってこれを止め、相手のファウルを誘う。
16分、横浜の左からのCK。ドゥトラが遠いサイドへ蹴ってきたが、これは古賀が頭で弾き出す。
17分、自陣深く右寄りの位置での横浜のFK。奥がゴール正面へ入れてきたが、ここはDFが弾き出す。
19分、自陣中央ほぼ正面の位置での横浜のFK。徐々にスピードの上がってきた横浜の選手に対し、ファウルが増えはじめる。ここは落ち着いて相手へのセットプレーはさけたいところだ。マルキーニョスが直接ゴール左を狙って蹴ってきたが、これはポストの左へ。 |
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21分、中央での競り合いのボールがこぼれたところを中村がダイレクトで相手DFの裏へ蹴り出すが、これは相手GKが直接キャッチしてしまう。
23分、右で吉村がボールを持つと、DFの裏を抜けてゆく中村めがけてスルーパスを出すが、これは横浜・松田にカットされてしまった。
24分、マルキーニョスがDFの裏へスルーパスを出すと、これに柳がタイミング良く飛び出し楢崎と1対1に。しかし、ここは判断良く詰めた楢崎がシュートを正面で弾く。
25分、右からの横浜のCKは簡単にクリアしてゆく。
26分、左に上がった中谷がドリブルから相手陣内へと切れ込んでゆくと、相手DFをかわして中へ折り返そうとしたところでDFと交錯倒されてしまい、このボールを繋ぐ事が出来なかった。 |
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27分、相手DFの裏へのボールに中村が右でドンピシャリで抜け出すと、詰めてきた相手GKの足元横を狙ってシュートにゆくが、僅かに左に流れ、ポスト左に外れてしまった。
28分、横浜の右からのCK。ドゥトラがニアへ蹴ってくると、詰めていた選手が中へ流してくるが、これはパナがしっかりこれを捕らえ、縦にクリアしてゆく。
31分、相手DFの前へのボールを中村が体ごと奪いに飛び込んでゆくが、相手選手と交錯、ファウルを取られてしまう。
32分、中央からマルケスのパスを受けた滝澤がドリブルで上がると、エリアの外からミドルシュートにゆくが、これは相手GKの正面だった。
33分、今度は横浜・奥が先ほどの滝澤と同様、ドリブルからミドルシュートを打ってきたが、これは精度を欠き、ポスト左に外す。
【失点】
34分、左サイドからゴール前へのボールをシュートを狙われるが、これを楢崎が好セーブで止めるが、こぼれたところを坂田に押し込まれてしまい、同点に追いつかれ、試合は振り出しに。
37分、左サイドのスペースに出たボールに横浜・坂田が詰めてくるが、ここはパナがしっかりと寄せて行きボールを奪う。
38分、自陣右寄りペナルティエリアすぐ外でボールの奪い合いになるが、吉村が横浜・柳と競り合いながらもこれを阻止する。中盤でのボールを横浜に支配される事が多くなり、下がり気味となってしまっている名古屋。そのため前線でウェズレイが孤立してしまっている。ここはボールを高い位置で奪って、早く前に繋げる展開を増やし、試合を有利に進めるようにし向けてゆきたいところだ。 |
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41分、自陣深く右の位置での横浜のFK。ドゥトラの早いボールが反対サイドに抜けると詰めていたマルキーニョスが合わせてくるが、これは楢崎正面。
42分、相手陣内深く、右に展開したボールを拾った中村がゴール前へ放り込んでゆくが、これはDFに頭でカットされてしまう。
ロスタイム1、左サイドでボールを持ったマルケスが寄せてきたDFの頭越しにパスを出すと、これにウェズレイが走り込むが、ボールが僅かに長く、追いつく前に相手GKがキャッチしてしまう。
ロスタイム2、自陣中央ゴールほぼ正面の位置での横浜のFK。奥が蹴ったボールは壁に当たり、事なきを得る。そして約2分のロスタイムを経て、前半戦が終了。先行しながらも、途中からは横浜の出だしの早さに、ボールを支配される事が増え始め、追いつかれてしまう、というあまり嬉しくない展開だが、ここは気持ちをリフレッシュし、新たな気持ちで後半戦に臨んで欲しい。 |
後 半 |
エンド入れ替わって、右から左に攻め上がる名古屋のボールで試合が再開。
横浜1人目メンバー交代:永山→清水
中盤の選手を下げ、FWを1枚増やし、攻撃的布陣で後半に臨んできた横浜。
2分、滝澤がドリブルで上がると、縦のスペースに中谷を走らせる。これをゴール前へと折り返すと、中央から中村が詰めてゆくが、僅かに足元には届かず。相手DFがカットしてしまった。
【失点】
4分、自陣ほぼ中央、ゴール正面の位置で横浜のFK。ドゥトラの流したボールを柳が直接蹴ってくると、これを決められてしまい、横浜に逆転を許してしまう。
7分、左サイドを抜けたドゥトラがゴール前へ折り返したボールを大森がカットしたボールを、楢崎がパンチングで弾き出す。
8分、滝澤の縦パスをウェズレイがダイレクトで裏へとはたくと、マルケスが抜け出してゆくが、これは長すぎてしまう。 |
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9分、名古屋1人目メンバー交代:滝澤→岡山
10分、中盤でのこぼれ球を拾った中村が左から抜け出すウェズレイにタイミング良く狙ってスルーパスを出すが、これはオフサイドの判定。
13分、右からのCKのチャンス。マルケスのゴール前へのボールは押し込む事が出来ず。 |
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14分、左サイドを展開したマルケスがDFをかわして中へと入って行くと、ゴール前に優しく出して行く。これに右から飛び込んだ海本が足で押し込もうとしたが、これはポスト左に外れる。
16分、ドリブルで左に流れながら横浜・マルキーニョスがシュートを打ってくるが、これは楢崎が正面でキャッチ。
17分、右サイドからドリブルで仕掛けようとしたウェズレイだったが、横浜のDFの網に掛かり、ボールをカットされてしまう。
18分、相手陣内でマルケスのパスを受けた中村縦に出すと、ウェズレイがDFをかわして抜け出そうとしたが、阻まれてしまいボールを奪われる。
20分、岡山とのワンツーで抜け出したマルケスが左からシュートに行ったが、これは相手GKの好セーブに合い弾かれてしまう。
21分、左サイドでボールを持った中谷がドリブルで仕掛けて行くと、相手ペナルティエリア内へ進入を試みるが、これはDFに阻止されてしまい、ボールを奪われてしまった。 |
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【得点】
22分、中村からのスルーを受けた中谷がマルケスへパスを出すと、これをペナルティエリアのすぐ外で横浜・松田が倒し、絶好の位置でFKの機会を得る。そして、この場面で相手GKが1歩も動けない芸術的なFKを決め、ついに同点とする。 |
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24分、マルケスがスピードに乗って相手陣内を上がって行くところを、横浜・松田が倒してしまい、この日2枚目の警告を受け退場となる。そして、相手陣内中程ゴール正面でのFKを得る。ここでもウェズレイがゴール右上に狙って蹴っていったが、ここは相手GKが弾いてしまい、3点目とは行かなかった。
1人少ない横浜相手に圧倒的に有利に立った名古屋としては、もはや逆転狙いしかない! |
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27分、横浜2人目メンバー交代:坂田→阿部
28分、自陣中程左寄りの位置での横浜のFK。ドゥトラが横に流して柳がシュートを狙いに来るが、これをインターセプトすると、マルケスがファーサイドに走る海本に合わせて大きく蹴って行く。これをはhしりこんでダイレクトでシュートにゆこうとした海本だったが、合わせる事が出来ず、シュートを打ちきれなかった。
31分、左サイドで岡山からのボールを受けたマルケスが中央へ流れながらミドルシュート。しかし、これは相手GKがタイミング良くジャンプしてキャッチしてしまう。 |
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【得点】
32分、右に出たボールを拾った海本がそのまま持ち上がると、寄せてきたDFをかわしてさらに縦へと上がる。そして、最後ラインギリギリから中へとマイナスに折り返すと、中央で詰めたウェズレイが右足でこれを決め、とうとう3点目を決める。そして、ウェズレイはハットトリックの大活躍。 |
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34分、中央で中村がドリブルで上がって行くと、右に抜けたマルケスへパスを繋いで行く。これを簡単に中へと折り返したが、ここは誰も詰める事が出来ず、惜しくも相手のボールに。
36分、自陣入ってすぐ右の位置での横浜のFK。遠藤がファーサイドの中澤を狙って蹴ってきたが、これはパナがしっかりと付いて、シュートを打たせる事はなかった。
38分、パナからの縦パスを胸でマルケスが落とすとこれを拾った中谷が右に海本に。そしてこれをウェズレイに渡すとミドルシュートを放って行くが、これは左ポストの外へ外れてしまう。
40分、自陣での競り合いのボールを大きく吉村が出して行くと、ウェズレイがDFの裏へと抜け出そうとしたが、これはオフサイドを取られてしまう。
41分、自陣右にドリブルで仕掛けてきた横浜・柳を押さえてしまいファウルの判定。右寄りの深い位置での横浜のFK。ドゥトラがファーサイドに上がる中澤に当ててゆこうと蹴ってきたが、ボールはそのままゴールラインを割る。 |
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43分、相手陣内左のスペースに出たボールに岡山が走ると、これをゴールライン際でヒールで戻すが、ここには誰も着いてきておらず、慌ててマルケスが取りに行ったが、相手DFに阻まれボールをタッチの外へ出してしまう。
ロスタイム1,右にフリーでいた海本にパスが出ると、これをワントラップして相手DFをかわして中央へ通り消して行くと、左から詰めていった、マルケスがシュートに行ったが、慌てたのか大きく浮かしてしまう。
ロスタイム2、名古屋2人目メンバー交代:海本→山口
ロスタイム3、主審の試合終了の笛がスタジアムに鳴り響くと、この時を待ちわびたサポーターの大声援に包まれ、名古屋の勝利が決まる。前半先行しながらも追いつかれ、振り出しで始まった後半だったが、開始早々に相手のセットプレーで突き放されるという嫌な展開に。しかし、ウェズレイのFKが決まってからは、チームが生まれ変わったようで、相手が1人少なくなった事も合ってか、後半は横浜に殆どサッカーをさせなかったと言っても良いだろう。そして、終わってみればウェズレイのハットトリックという大活躍で試合が決めるという、劇的な結果が生まれる。こうなったら、この勢いで、残り試合を全部決めて、最後までリーグ戦を混沌とさせて欲しい。最後まで応援ありがとうございました。 |
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