2003 Jリーグ ディビジョン1 リーグ戦 2nd Stage 第10節 |
協力: |
|
|
正にサッカー観戦日和と言える、青空の下、久しぶりにピッチに試合前の練習で現れた選手たちに、大きな声援が飛ぶ。特に、久しぶりの先発出場となった、GK本田やFW原に向けては、黄色い声も混じり、大きな期待が寄せられていると言えるだろう。
ウォーミングアップのためと言うこともあり、入念にストレッチングをはじめとしてじっくりとメニューに取り組んでいる選手たち。秋とは思えない日差しに、すぐに額には汗の浮かぶ選手も見受けられる。そんな中で、初先発となる、DF深津が緊張した様子も見せず落ち着いてメニューをこなしているのが印象的だ。元々マイペースの雰囲気を持つ彼だが、今日は若さを活かして、遠慮することなく、ガツンガツンと相手選手に向かっていって欲しい。 |
|
|
|
|
逆に、楢崎に代って、ゴールマウスを任されることとなった本田は、先発メンバーの中でも?一際気合いが入っているようで、早くも準備万端という雰囲気を漂わせている。彼の読みの良さは定評があるだけに、相手のセットプレーの場面では、持ち前の能力を活かして、神戸を押さえ込み、完封で試合を決めたいところだ。いよいよキックオフまで僅かとなった。
|
|
|
|
|
9月の「月間ランクル賞」には、ゴールを量産したウェズレイ選手が選ばれました。 |
|
|
前 半 |
午後2時、多くのサポータに囲まれて、選手が入場。スタジアムは興奮に包まれる。今日は、チームのエース・ウェズレイを出場停止で、そして、楢崎をはじめとする主力選手何人かを怪我で欠き、大きくメンバーを入れ替えて臨む神戸戦。どのような展開となるのか楽しみだ。GKには本田が、DFは、右から大森・パナ・深津が固める。MFは、右から海本・酒井・滝澤・中谷、ひとつ前に藤本が入る。FWは、ウェズレイに代わって原が入り、左にはマルケスが入る布陣となる。ポジション的にはマルケスがやや下がって、原のワントップといえる。左にエンドを取った神戸に対し、右から左に攻め上がる名古屋。前半は名古屋のボールでキックオフ。いきなり相手陣内右のスペースに海本が出したボールに藤本が走り込むが、これは追いつけず、ゴールラインの外へ。
1分、相手陣内右中よりの場所でFKを得る。藤本が一旦滝澤に渡してもらうとニアに蹴っていくが、これはDFに弾かれてしまう。
2分、深津が左でボールを持つとマルケスが寄せていって出来たスペースにボールを出す。これに中谷が上がってゆくが、トラップミスに。 |
|
|
|
|
4分、自陣左で滝澤がボールを持ったところへ神戸・オゼアスが奪いに来るが、ここは粘ったファウルを貰う。
5分、海本のパスを下がって受けた藤本が大きく前線に出してゆくと、原が追うが、このボールは追いつけず。
6分、自陣でボールを奪われると、右に上がる神戸・吉村が上がってきてパスを受けて中へ折り返そうとするが、これは大きくゴールを越えてゆく。
8分、中央から左に流れるマルケスがパスを受けると、切り返して左足でファーサイドへ上げてゆく。これに詰めていた中谷が頭であわせるが、DFに寄せられてしまい、枠に飛ばすことは出来なかった。
10分、自陣入ってすぐやや右の位置での神戸のFK。ビスマルクが縦に出すとこれを幡戸がDFをかわしてゴール前に上げてくる。オゼアスが頭でシュートに来るが、これは本田が正面でキャッチ。
【失点】
11分、神戸・幡戸に大森がマークに付くとシュートを狙ってくる。これをクリアしようとしたボールがそのまま枠に行ってしまいオウンゴールとなり、神戸に先制を許してしまう。名古屋は苦しい滑り出しとなってしまった。 |
|
|
16分、原へのパスを奪われると、神戸・シジクレイが左にはたいて中を上がってくるが、ここは大森・パナが連携でボールを奪う。
18分、相手陣内右中程でのFK。藤本の蹴ったボールをパナが足で流すと、これを受けた原が左サイドで相手DFを振り切って中へ折り返そうとしたが、これは相手DFに当たったボールが体に当たり、相手のGKになってしまった。
20分、自陣からのパナの縦パスに原が神戸・北本と競り合いながら受けようとしたが、これはファウルを取られてしまった。
22分、自陣で相手ボールを奪って前線に走る滝澤にパスを出してゆくが、相手の厳しい寄せに合い、トラップしたボールを奪われてしまう。
23分、神戸の右からのCK。セットプレーは要注意だ。ファーサイドへのビスマルクのボールを詰めた選手に頭で押し込まれそうになるが、ゴール内にいた選手がこれを蹴り出して、チームのピンチを救う。中盤でのボールを思うように支配できず、神戸にボールを回されてしまう場面が目立っているここまでの名古屋。この辺りを修正して、前でボールを活かしたい。 |
|
|
25分、相手陣内で藤本がパスをカットして海本に出すと、これを左にマルケスに。すかさずこれをファーサイドに入れてゆくが、詰めていた原の頭には届かず、相手DFにカットされてしまう。
27分、マルケスが右で粘りCKを得るが、滝澤が入れていったボールは相手DFに簡単に弾かれてしまった。
28分、自陣で大森が神戸・オゼアスと競り合うが、これはボールを奪う。
29分、左に流れたマルケスがゴール前に丁寧に転がしてゆくと、これを原がもらいに行くが、その前に反応した神戸のDFがカットしてしまう。 |
|
|
30分、右に居た藤本がエリアのすぐ外でこぼれ球をファーサイドに上げてゆくと、これに中谷が頭で競り合いに行くが、僅かにボールには届かず。ようやくエンジンが暖まったのか、DF陣も落ち着きを見せ、中盤での細かなパスが繋がるようになり、相手エリアでの展開が増え始めた名古屋。早く同点に追いつきたいところだ。
31分、左に上がる中谷がゴール前に早いクロスをマイナス気味に入れてゆくと、原、海本、ファーサイドで藤本が詰めてゆくが、ボールには触れられず。 |
|
|
|
|
【得点】
34分、相手ゴール正面でDFをかわし、GKの足元を抜く早いシュートでマルケスが同点ゴールを叩き込む。今の名古屋の良さは、先制されても追いつける攻撃力が付いたことが大きい。 |
|
35分、中央を早い展開でパスを繋いで相手陣内へと攻め上がると、DFの裏へ出たボールにマルケス・原が止めてゆくがこれは飛び出したGKがキャッチしてしまう。
37分、自陣入ってすぐ右の位置での神戸のFK。ビスマルクがファーサイドへ蹴ると、詰めていたオゼアスが押し込もうとするが、本田がきっちりとこれに反応、倒れ込みながらもこれを押さえ込む。
【失点】
40分、神戸・幡戸に右で粘られると、パナが執拗について行くヶ、これにこれに気を取られて出来たスペースに出たボールを吉村に折り返される。最後、中央でボールを持ったオゼアスにゴール右にけり込まれてしまい、再び神戸に突き放されてしまう。
41分、左からのCKのチャンス。短く出たボールをマルケスが受けてDFをかわして中へ入って行くと、短く出すものの、これには誰も詰め切れず。 |
|
|
44分、自陣右やや入った位置での神戸のセットプレー。短くビスマルクの出したボールをシジクレイが左に展開すると、待っていたオゼアスがこれを受けようとしたがボールは左に流れる。
ロスタイム1、左に上がった藤本がゴール前に上げようとするがボールは反対に流れてしまう。これを拾った海本が寄せてきた相手DFと競り合いながら中へのボールを上げてゆこうとしたが、DFに阻まれてしまい、チャンスを作ることが出来なかった。そして、前半がここで終了。追いつきながらもまたもや神戸に突き放されるという、嫌な形で終えてしまった名古屋。後半は、神戸・幡戸に自由にボールを持たせない工夫が必要だろう。そして、中盤でのボール支配率をもっと上げて、攻撃に時間を割けるような展開を作れるようにしてゆきたい。ネルシーニョ監督の采配が見せ場となってくる後半に期待だ。 |
後 半 |
後半はエンド代わって左から右に攻め上がる名古屋に対し、右から攻め上がる神戸のボールで後半が始まる。
名古屋1・2人目メンバー交代:深津→吉村、滝澤→中村
やはり動いてきたネルシーニョ監督。開始早々、神戸・オゼアスが飛び出してきたシジクレイに出すと、右から狙ってくるが、本田が飛び出し出来たスペースに中村が入ってこれをクリア、絶体絶命のピンチを救う。
1分、右からの神戸のCK。ビスマルクのボールにクリアしきれずこぼれてしまうが、ここは本田がしっかりと押さえに行った。
2分、右からのCKのチャンス。藤本がファーサイドに蹴っていったが、これは長すぎてしまい、誰も触ることは出来ず。
3分、マルケスが倒れながらも海本にパスを出すと、これを持ち上がって中央に上がる原へとパスをだしてゆく。しかし、これは長すぎてしまい、原は触ることが出来ず。 |
|
|
4分、神戸・オゼアスが大森へのファウルで退場となり、名古屋は1人多い有利な状況で試合を進めることに。こうなると早く追いついて、神戸を突き放しにかかりたい。
6分、藤本が右でボールを受けると、ドリブルで中央に流れながらエリアの外から左足でシュートを積極的に打っていったが、惜しくも僅かに右に外れてしまう。
7分、相手陣内深い位置で原が受けたパスを詰めてきたマルケスに渡す。これを左足でシュートに行ったが、慌てたのか強く打ちきれなかった。
8分、名古屋3人目メンバー交代:山口→石塚
監督は早くも3枚目のカードを切ってきた。 |
|
|
10分、右に開いた中村がゴール前へとあげてゆくが、これは相手GKが直接キャッチしてしまう。
12分、右から攻め上がる海本が相手DFに阻まれこぼれたボールを拾った原がシュートに行くが、相手GKの好プレーで弾かれてしまった。
13分、右からのCKのチャンス。パナが中央で競り合うが、これがこぼれ詰めた中谷がシュートチャンスに。しかし、慌てて打ったシュートは大きく浮かしてしまった。
14分、中央でドリブルから中村が攻め上がると、遠目からシュートを狙うが、これはクロスバーの上に大きく外れてしまう。
16分、相手陣内左でパスを受けたマルケスが中へと切れ込んだところで倒されてしまう。これがペナルティ内と言うことで見事PKを得る。
神戸1人目メンバー交代:ビスマルク→藪田 |
|
|
17分、これをマルケスが自ら蹴りに行くが、反応した相手GKに止められてしまい、これをなんと失敗してしまう。こぼれ球に詰めた原のシュートは枠を捕らえることは出来なかった。なんとしても追いついておきたい名古屋としては痛い場面だ。
19分、相手陣内右深い位置で藤本がドリブルで仕掛けようとしたところを倒され、好位置でFKを得る。ペナルティエリアすぐ外から藤本が中央に蹴ってゆくが、詰めたパナの足には届くものの、僅かにタイミングが合わず、シュートまで行けなかった。
1人少ない神戸に対し、絶対的に有利な名古屋としては、ここは落ち着いてゲームを組み立てて、まずは早く同点に追いついてゆきたい。 |
|
|
23分、右からのCKのチャンス。藤本のゴール正面へのボールにパナが飛び込むが、これは触ることが出来ず。
24分、左からドリブルで攻め込む藤本が低いボールを入れてゆくが、海本が詰めてゆくがその前にカットされてしまう。
25分、ドリブルで上がる大森が相手DFの間を狙ってボールを入れると、これに原がバウンドを合わせて、頭であわせに行くがこれはDFにカットされ、CKに。
26分、右からのCKのチャンス。藤本の入れていったボールは誰も押し込めず。神戸は、前線に幡戸を一人残して、守備に残りの選手を回し、ゴール前を固める布陣に代えてきたため、なかなか崩すことが出来ない状況が続いている。
28分、右に出たボールを海本が折り返そうとしたがこれは相手DFに弾かれてしまった。
29分、右に流れた中村の早いゴール前のボールに詰めたマルケスがシュートに行くが、これも相手GKの正面にゆき、シュートを阻まれてしまう。
30分、左からのCKのチャンス。藤本が蹴ってゆくがこれも誰も押し込めず。じりじりと時間だけが過ぎて行き始める。 |
|
|
31分、右の海本が原に縦パスを出すが、これはトラップが大きくなったところをボールを相手に持って行かれてしまった。
33分、相手陣内中程左の位置でのFK。藤本の早いボールにパナが戻り気味にあわせに行くが、このヘディングシュートは相手ゴールの僅か上に外れてしまった。
35分、相手陣内深くでボールを回して出しどころを狙っていた中村だったが、相手選手のプレッシャーにボールを奪われ、このチャンスをつぶしてしまった。
神戸2人目メンバー交代:幡戸→岡野
36分、相手陣内でパスを受けた石塚のボールをインターセプトした神戸・シジクレイが右に上がる岡野と共に駆け上がり、神戸のカウンターに。パナが岡野に着いてゆくものの、ギリギリのところでゴール前に上げてくるが、これは本田が飛び込んでくるシジクレイをものともせず、ボールをぶつかりながらもキャッチする。 |
|
|
39分、右サイドで藤本が粘って、上がってくる海本に渡そうとするが、神戸のDFにカットされてしまう。
40分、相手ペナルティ内に出たボールに海本が飛び出すが、相手DFに先にボールを弾かれ、シュートまで行くことが出来なかった。
41分、左から中谷が上がっていって折り返そうとしたが、これはDFに弾かれCKに。左からのCKは、一旦は弾かれるもののこぼれ球を中村がミドルシュートに。しかし、これは相手DFに辺りポストの右に外れてしまう。
43分、相手陣内でこぼれ球にフリーで受けたパナが右足でシュートに行くが、これもクロスバーの上へ外してしまう。
44分、右に流れながら藤本がゴール前に上げていったが、神戸DFに弾かれてしまう。相手DFの弾いたボールをマルケスが詰めてくる石塚に流すと、これをシュートに行くが、クロスバーの上へ外してしまい、またしてもゴールマウスは捕らえることは出来なかった。
ロスタイム1、大森がドリブルで上がってゆくと、ゴール前に上げてゆくも神戸のDFに弾かれてしまう。 |
|
|
ロスタイム2、右からのCK。藤本のボールにニアの石塚が頭で流してゆこうとしたが、これはポストの右に外れてしまう。
ロスタイム3、神戸3人目メンバー交代:三浦→菅原
ロスタイム4、相手陣内すぐの位置でボールを持った石塚が大きく縦に出してゆくと、これに海本が抜け出してゆくが、ボールは長すぎてしまいそのままゴールラインの外へ。そして、ここで試合終了を告げる主審の笛が、無情に鳴り響き、名古屋は神戸相手に痛い星を逃してしまうと言う、残念な結果に。
1人少ない相手に対し、1点ビハインドのまま、最後まで逃げきられてしまった。名古屋としては主力の選手の穴が大きかったと言うこととなってしまった。最後まで応援ありがとうございました。 |