2003 Jリーグ ディビジョン1 リーグ戦 2nd Stage 第8節
午後2時20分過ぎに、スタンドのサポータへのミニサッカーボールの投げ入れを行った後は、屋内でのアップとなったグランパスイレブン。
スタンドでは、いつもだったら、この時間はピッチで練習する選手に向けて声援を送って居るはずの名古屋サポータなのだが、グッズ投げ入れ以外は屋内での練習のみということで、肩すかしを食らった状況となってしまい、ヴェルディサポータの声援に囲まれ少々居心地悪そうだ。しかし、彼らの表情は皆一様に楽しげで、明るい雰囲気に包まれている。それもそのはず、今日のヴェルディとの試合で勝ち点3を上げれば、昨日の試合で暫定首位となった横浜Mを抜いて、名古屋が単独首位をものに出来るとあって、今日は、期待充分でこの味スタに臨んできているからだ。
スタジアム地下の屋内練習スペースの周辺に陣取ったマスコミ各社の記者の人たちも、チーム状態の良さと期待感からか、やはり表情は柔らかだ。この雰囲気を長く続けてゆくためにも、今日もヴェルディに勝って、3連勝で名古屋に戻ってゆきたいと思う。
前 半
午後3時ちょうど、両チーム選手がピッチに入場してくると、快晴の下、味スタのスタンドは両チームのサポータの声援で包まれる。ネルシーニョ対アルディレスという南米人監督同士の戦いとなった今日の試合。好調のチーム通しと言うこともあり、マスコミの注目度も高いようで、報道陣も多くなっている。日差しはあるものの、湿度も高くなく絶好のサッカー日和となった。試合は右にエンドを取って左に攻め上がる名古屋に対し、左から攻め上がる東京のボールで前半が始まる。名古屋の布陣は、左サイドに出場停止の中谷に代わって滝澤が入った以外は、前節と同じメンバーだ。
1分、自陣中より中央の位置での東京のFK。東京・三浦がゴール左隅を狙って直接狙ってきたが、これは楢崎が難なくキャッチ。
2分、右からのCKのチャンス。滝澤の上げていったボールは相手GKが直接キャッチしてしまう。
3分、マルケスのDFの裏へのボールにウェズレイが飛び出すが、これは相手DFに対するファウルを取られてしまう。
4分、左サイドで相手ボールをカットしたマルケスが上がってゆく滝澤の前にパスを出していったが、これは惜しくもオフサイド。
5分、東京・エムボマが長い足でドリブルで仕掛けてこようとしたが、山口がこれを体を入れてカットする。
【得点】
6分、右に上がっていった岡山がゴール前に蹴っていったボールを相手GKは弾き、これにマルケスが詰めてゆくが、ボールはその前にゴールを割り、幸運な、そして岡山には記念すべき50ゴール目となる1点が決まる。幸先の良い出だしだ。
9分、中盤でパスを奪われると、東京・エムボマにパスが通る。これをミドルシュートを狙ってくるが、パナがコースに入ってこれを弾く。
11分、中央のマルケスが縦にするーパスを出すとこれにウェズレイが反応して左に流れて中央へ折り返す。マルケスが詰めるが僅かに足に届かず反対に流れてしまうが、海本が詰めていってCKを得る。右からの滝澤からのCKは流れてしまう。
【得点】
12分、マルケスからのゴール前へのセンタリングに右から中央に走り込んできた海本がこれを押し込み、2点目を挙げる。
14分、東京・平本がドリブルで突破してこようとするが、古賀、パナがしっかりとこれを押さえ込み、ボールをカットしてゆく。
16分、左サイドでマルケスが滝澤に当てて縦に抜け出そうとしたが、滝澤からのボールが長すぎてしまい、追いつくことが出来なかった。
17分、自陣中程ほぼ真ん中での東京のFK。右に出たボールを山田がDFをかわしてゴール前に折り返してこようとするが、これはボールが先にゴールラインを割っていた。
18分、ボールをもって左に上がったウェズレイのゴール前へのクロスは、長すぎてしまい反対サイドに流れていってしまう。海本が追いかけるものの相手DFに阻まれボールを拾うことが出来なかった。
【失点】
20分、東京・ロペスにパスをインターセプトされると、ゴール前に右サイドから折り返されると、ファーサイドに詰めてきた平野にヘディングでシュートを決められてしまう。
22分、右サイドでDFのこぼれ球を東京・平本に拾われるとドリブルで持ち込まれるが、果敢に飛び出した楢崎が倒れ込みながらもボールを押さえる。
23分、相手陣内左入ってすぐの位置でのFKのチャンス。マルケスが縦に長いボールを蹴るとこれに岡山が走って行くが、ボールには追いつけずラインの外へ出てしまう。
25分、カウンターからマルケス、ウェズレイ、岡山と上がって行くと、相手DFの裏へのボールに飛び出した相手GKのクリアミスのボールを拾ったウェズレイが右サイド遠い位置から無人のゴールにループシュートを蹴って行く。しかし、戻ってきた東京・ロペスがこれをヘディングで弾き出してしまい、追加点を挙げることができなかった。
28分、自陣深く左での東京のスローイン。三浦のロングスローのボールがこぼれたところを東京・林がミドルシュートに。しかし、このボールはクロスバーの上を大きく越えてゆく。
29分、右サイドでDFの裏へのボールを貰ったウェズレイが遠い位置からシュートに行くが、これはGKに止められてしまう。
30分、自陣中央やや右の位置での東京のFK。東京・三浦がDFとGKの間に落としてこようとしたが、これは楢崎が飛び出して直接キャッチ。
32分、中央で、東京・エムボマがドリブルからシュートにこようとしたが、ここは山口が足元にうまくはいってボールをカットする。
33分、自陣右やや入った位置での東京のFK。三浦がファーサイドにけってきたが、これはパナがクリアして行く。
34分、滝澤がドリブルで上がって行くと、マルケスに一旦渡してさらに縦のボールに上がって行くが、これは僅かにボールが長く、追いつく前にゴールラインを割ってしまう。
【得点】
35分、カウンターからウェズレイが右の海本にわたすと、これを持ち上がって、ラインギリギリで右からマイナスに流しこんで行くと、これを中央から詰めたウェズレイが落ち着いて右足で決め、早くも3点目をヴェルディ相手に奪う。
38分、自陣深く左の危ない位置での東京のFKはDFが踏ん張りこれをしのぐ。
【失点】
39分、東京・田中が中央から右に流れながら放ったシュートがDFの足に当たってコースが変わり、楢崎の頭を越えてゴールに入ってしまうと言う不運で、2点目を返されてしまう。
【得点】
40分、相手DFのボールがこぼれたところを拾ったウェズレイが右サイドを上がると、最後、中央に詰めたマルケスに折り返し、これを右足でダイレクトにゴールへ放り込み、とうとう、4得点目が決まる。
42分、マルケスからの相手DFの足元を抜いたパスを受けて上がって行く滝澤だったが、ペナルティエリア内へ入って折り返そうとしたが、詰めてきた東京・ロペスにボールをかっさらわれてしまった。
44分、相手陣内深くやや右の位置でのFKのチャンス。ゴールまではやや遠い位置だったが、ウェズレイが直接狙って蹴って行く。しかし、ボールはゴールを大きく越えてしまう。そして、ここで前半が終了。まさかここまで点が入る試合が展開されるとは誰も予想できなかっただろう。名古屋は、相手の攻撃的な展開を利用して、ボールを奪うと、早いカウンターから得点を得るパターンが旨く、決まっていると言えよう。ただ、これで気を許すことなく、後半は不用意なパスはファウルで失点をしないように、心がけて欲しい。今日はこのまま勝って、首位をゲットだ〜!
後 半
前半から凄い撃ち合いとなった今日の試合。東京は後半絶対修正してくるはず。名古屋としては、後半もこの勢いで試合を優勢に進めていきたい。後半は、エンド代わって左から右に攻め上がる名古屋のボールで試合が再開。両チームメンバー交代は無し。
1分、相手陣内右深い位置で岡山が倒され、いい場所でFKを得る。ウェズレイが流して滝澤が戻したボールをサイドウェズレイが蹴って行くが相手DFに当たり、CKに。
2分、右からのCK。滝澤の入れていったボールはファーサイドに詰めた選手は振れることが出来なかった。
3分、東京の右からのCK。三浦が中央に詰めていたエムボマに合わせて蹴っていったが、ここはついていた古賀が最後まで競り合い、合わせたボールはゴール右に外れる。
4分、自陣左入った位置での東京のFK。三浦のゴール前のボールにあわせてくるが、これは楢崎がこぼれたところをキャッチする。
6分、左サイドで滝澤がドリブルで長い距離を駆け上がると、最後中へとマイナスに折り返すが、これは中央に詰めていったマルケスの後ろに抜けてしまう。
7分、相手陣内でボールをカットしたマルケスのパスを左で受けた滝澤がそのまま上がっていってシュートを狙うが、これはパスとの左にはずれてしまった。
8分、右からのCKのチャンス。マルケスのファーサイドへのボールがこぼれたところを古賀、パナがシュートに行こうとしたが、体勢が悪く、打ちきれずDFにカットされてしまった。
10分、酒井がこの日2枚目のイエローを受けてしまい、なんと3試合連続の10人での戦いを強いられることに。
12分、海本が右サイドをドリブルで上がってゆくと、最後直接シュートを狙いにゆくが、これは右に外してしまう。
13分、東京1人目メンバー交代:柳沢→飯尾
14分、自陣右深い位置でのFKはゴール前に良いボールが入ってきたが、詰めてきた東京の選手は誰もあわせられず、このピンチを逃れる。
16分、右からの東京のCK。三浦の入れてきたボールはDFがクリア。
17分、ゴール前でのこぼれ球を拾ったウェズレイが、一気に持ち上がると、中央を上がるマルケスに。最後、後ろから来た岡山に戻すとミドルシュートに行くが、相手GKの正面だった。
【失点】
18分、自陣ペナルティエリアのすぐ外で、DFを背中にパスを受けた東京・エムボマが個人技でDFをかわして振り向きざまにシュートを決め、ついに1点差となってしまう。
20分、左サイドを東京・エムボマがドリブルで仕掛けてくると、これにパナが付いて行く。最後、かわそうとしてきたエムボマだったがパナが競り勝つ。
21分、名古屋1人目メンバー交代:岡山→吉村
【失点】
25分、1人少ない中での1点差。厳しい状況は続く。東京の左からのCK。三浦からのボールにニアに詰めた山田に頭で押し込まれてしまい、ついに同点に追いつかれてしまう。
27分、ウェズレイがスローインからのボールを受けようとしたところをロペスに倒されるが、これはファウルはもらえなかった。
29分、相手陣内でボールをカットしたマルケスが縦に出して行くが、これは誰も反応できず相手ボールになってしまう。
31分、右でボールを持ったウェズレイが背中越しに縦にボールを出すと、これを拾った海本が上がって行く。中へと折り返そうとしたボールは相手DFに当たってしまい弾かれてしまった。
32分、自陣からドリブルで吉村が上がって行くと、相手ペナルティ近くでDFの裏へとパスを出すとこれにウェズレイが飛び出したが、これは惜しくもオフサイドに。
33分、右からのCKのチャンス。滝澤のファーサイドへのボールは、古賀が頭で中へ落とすが弾かれてしまう。しかし、こぼれ球を拾った吉村が右に出すと、これを海本が折り返そうとしたが、これも詰めてきたDFに弾かれてしまった。
35分、左サイドからドリブルで上がる滝澤がDFの裏へマルケスを走らせようと縦パスを出すが、これは長すぎてしまい相手GKに直接取られてしまった。
36分、右でフリーでパスを受けた東京・山田が中にいた小林へ繋いで行く。これをドリブルからシュートに来るが、ここは楢崎が押さえる。
38分、左からのCKのチャンス。マルケスがファーサイドの古賀にあげるとこれを競り合うがこぼれてしまう。これを滝澤が詰めてゆくが、右足のシュートとなり、ゴール枠を捕らえることは出来なかった。
39分、東京2人目メンバー交代:平本→小林
40分、右で滝澤のパスを受けたマルケスが縦に出そうとしたが、寄せてきた相手選手に阻まれてしまった。
41分、右サイドでフリーで走り込んだ東京・山田のミドルシュートは枠を捕らえることはなかった。名古屋は相変わらず苦しい状況は変わりなく、東京の攻撃に耐える場面ばかりが目立っている。
43分、東京3人目メンバー交代:平野→根占
相手陣内エリアのすぐ外という絶好の位置でFKを得る。ウェズレイの直接狙ったボールは無情にもクロスバーに嫌われ、外に弾かれてしまった。天を仰ぐサポーター。
ロスタイム1、自陣からのカウンターで飛び出し、相手GKと1対1になったウェズレイ。大事に行こうとして中に上がってきたマルケスにパスを出そうとしたが、これを止められてしまい、絶好のチャンスを逃してしまう。
ロスタイム2、東京・林が中央から右に出たボールをフリーで持つと、右からシュートに来るが、これは楢崎がガッチリと押さえこのピンチを救う。そして、ここで審判の試合終了を告げる笛が鳴り、試合は4−4という結果で両チーム星を分ける結果となった。前半から得点を重ねながら、後半の酒井の退場から追いつかれる結果となってしまった今日の試合。勝ちきれなかったと言えばそれまでだが、勢いのある東京相手に同点に終わることが出来たという意味では良かったのかもしれない。最後まで応援ありがとうございました。