2003 Jリーグ ディビジョン1 リーグ戦 2nd Stage 第3節
協力:
 すっかり秋の気配を感じさせる、涼しい風が吹き抜ける、ここ瑞穂陸上競技場。午後6時20分過ぎ、おなじみマスコットボールをスタンドに投げ入れるため、GK楢崎・本田がピッチに登場。その後はゴール前に移動して練習を開始し始める。
 約5分ほど遅れて、残りの選手も顔を出すと、多くのサポーターが詰めかけるスタンドに向け、マスコットボールを投げ入れにやってくる。いつもならこの後は、ピッチに入っての練習となるが、今日はスタンド下の狭いエリアでの練習となった。サポーターからは顔を見ることが出来なず、ちょっと寂しい試合前の雰囲気となってしまった。
 ウォーミングアップ・エリアでの練習では、さすがに選手たちの表情は今日は皆厳しく、殆ど笑顔を見せる選手もなく、黙々とメニューをこなし続けてるのが印象的だ。
 6時50分、スタジアムMC:ケン・マスイのアナウンスする先発メンバーの名前のコールに呼応するように、それまでは静かだったスタジアムは、大声援に変わる。準備は整った。後は試合に勝利するだけだ。今日も、絶対に市原に勝って、チームの勢いを、雰囲気を良いもの変えて欲しい。頼むぞ〜!
前 半
風上の右にエンドを取った市原に対し、左から右に攻め上がる名古屋。試合は市原のキックオフで開始。
1分、左で下がっていたマルケスの縦のボールに中谷が走ってゆくが、これは相手DFにボールを奪われてしまう。
3分、相手陣内でボールを奪ったウェズレイがドリブルで仕掛けてゆくが、市原・斉藤にコースを阻まれてしまい、前に行くことが出来なかった。
4分、右に出たボールを市原・坂本がゴール前に入れてくるが、ここは飛び込んで来た市原・崔には届かず。
5分、相手陣内入ってすぐ右の位置でのFKのチャンス。滝澤がこれを左足で大きく蹴ってゆくと、これがカーブが掛かり狙う形となったが、相手GKにキャッチされてしまう。
8分、自陣でボールを持った市原・阿部のループ気味のミドルシュートはポストの右に外れる。
9分、自陣左入ってすぐの位置での市原のFK。阿部が長いボールをファーサイドに放り込んでくるが、古賀が風に乗って流れたものの頭で何とかクリアしてゆく。市原陣内へと攻め込みたい名古屋だが、相手の選手のボールを持ったときの詰めが厳しく、なかなか前に出してゆくことが出来ない。
12分、左サイドをボールを持ったマルケスが抜け出すと、DFをかわして中へとえぐって、角度のないところからシュートに行くが、これは相手GKがパンチングで弾いてしまった。
13分、中央の岡山からの右のスペースへのボールにウェズレイが走ってゆくが、市原・斉藤の厳しいマークに、ファールを犯し、このボールをチャンスに結びつけることが出来なかった。今日も名古屋は、右から、大森・鄭・古賀の3バックの布陣だ。MFは、右から酒井・吉村・滝澤・中谷、やや前に岡山、そしてFWは、マルケス・ウェズレイの2トップ。
16分、縦に出たボールに市原・崔が抜け出してくると、大森と競り合いながらシュートを狙ってくるが、ここは最後までしっかりとついてゆき、シュートはゴールを大きく越えてゆく。
17分、左サイドの市原・坂本がドリブルからゴール前へ放り込んでくると、これがクリアしきれず、ゴール前で混戦となるが、何とかDF陣が集中し、最後は縦に大きく蹴り出してゆく。
15分を過ぎた当たりから、市原が段々とボールを拾う場面が目立ち始める。ここは落ち着いてこれを押さえてゆきたいところだ。
21分、相手陣内深く左のペナルティすぐ外という好位置でのFKを得る。ウェズレイがニアに早いボールを蹴ってゆくと、これを相手が弾いたところを詰めていた吉村が押し込もうとしたが、これは左に外れてしまった。
23分、押し込まれてきたところを相手ボールをカットしカウンターに。ウェズレイがDFの裏へ抜け出そうとしたが、ここは市原・中西にボールを奪われてしまう。
24分、市原の左からのCK。阿部のニアへのボールは吉村が頭で弾き出す。
25分、右のスローインからのボールを市原・崔が競り合いながら奪おうとしてくるが、DFがしっかり体を入れ、これを拾わせなかった。
26分、ウェズレイが相手陣内エリアのすぐ外でボールを貰うと、ミドルシュートに。しかし、これは相手GKの正面だった。
27分、岡山からのボールを受けたウェズレイが中谷に渡して縦に走ると、これにボールが出てくるが、シュート体勢に行く前にDFにカットされてしまう。
28分、滝澤が左寄りの位置をドリブルで長い距離を走って行くと、そのまま左足で遠目からシュートに言ったが、これは体勢が悪く、勢いのないボールとなってしまい、相手GKに簡単にキャッチされてしまった。
【得点】
29分、右に出たボールを拾ったマルケスがシュートを放つと、相手GKが反応、弾かれてしまうが、こぼれ球に中央から走り込んだ中谷がこれを押し込み、見事先制点をたたき出す。
30分、右からのCK。滝澤の上げていったボールを鄭が豪快にオーバーヘッドを狙っていったが、相手GKに取られてしまう。
32分、自陣右中程の位置での市原のFK。阿部が蹴ると見せかけて、左の村井がファーサイドに狙ってきたが、これはそのままゴールラインを割る。
33分、今度は名古屋が先ほどの市原と同じような位置でのFKを得る。滝澤がファーサイドに上げていったが、ここはDFの頭にボールをカットされてしまう。
35分、左に抜け出した滝澤が相手DFをトリッキーなプレイでかわして、寄せてきた中谷に渡すと、これをゴール正面に早いクロスを放り込んでゆくが、詰めていたウェズレイの足に当たったボールは、右に抜けてしまった。
36分、中のマルケスが左に上がる中谷に出してゆくと、これを持ち上がり中への折り返しを狙ったが、相手DFに阻まれてしまった。
38分、マルケスが右からDFの裏に猛スピードで入ってゆく酒井にあわせて、DFの裏へと放り込んでゆくと、これが相手GKと1体1になるが、シュートに行く前にGKにカットされてしまった。ここまでは名古屋は前掛かりになる市原の裏のスペースをうまく狙って、カウンター攻撃を仕掛け、いい形で攻め込んでいる。
41分、右に上がっていったウェズレイの角度のないところからのシュートを相手GKが弾いて、こぼれ球に酒井が詰めシュートに行くが、これは相手GKの好セーブに弾かれてしまった。
42分、右からドリブルで攻め入ろうとした市原・サンドロを倒してしまい、ペナルティエリアすぐ外の危険な位置でのFKを与えてしまう。しかし、市原・村井のファーサイドのサンドロを狙ったボールは、大森がクリア。
43分、左からの市原のCK。阿部のゴール前へのボールに崔がヘディングシュートに。あわや、と思われたボールはクロスバーの上を抜けてゆく。
【失点】
ロスタイム1、自陣中程左の位置での市原のFK。これを阿部がゴール正面にいたサンドロに合わせて蹴ってくると、これを頭ですらせるようにしてきたシュートがゴール右に決まってしまい、同点とされてしまった。そして、ここで残半が終了。両チームとも持ち味を活かし、市原はスピードのある攻撃展開を、名古屋は相手のスペースを突いてカウンター攻撃をそれぞれ見せ、まさに行き詰まる、好ゲームがここまでは展開している。後半も目が離せそうにない。
後 半
先制しながらも、終了間際に同点とされる、前半から一進一退の展開が続き、スタジアムのサポーターは、歓声とため息が入り交じり、目の離せないゲーム展開となっている。名古屋としては、後半も、市原の選手のスピードに負けない様にするのは勿論だが、不用意なファウルによる、危険な位置でのセットプレーを市原に与えないようにしたい。後半はエンド代わって、右から左へと攻め上がる名古屋のボールで試合再開。両チームともメンバー交代は無し。開始早々、左に出たボールに中谷が上がると、これを中へ折り返すが、これは精度を欠き、相手DFに簡単にけり出されてしまう。
1分、市原・坂本の左からのアーリークロスに市原・崔があわせに来るが、これは楢崎がキャッチ。
【失点】
2分、左サイドを破った市原・羽生がドリブルからそのまま左足でシュート。これがゴール右に決まってしまい、いきなり、市原に突き放されてしまう。
3分、右サイド相手陣内深くでのFKのチャンス。ウェズレイの早いボールがファーサイドに入ってゆくが、これは詰めていた選手は押し込めず、同点とすることは出来なかった。
5分、右の滝澤からのスローインのボールに詰めた岡山がダイレクトで、DFの裏へ出していったが、これは誰も詰めることが出来ず。
6分、右からのCKのチャンス。滝澤の上げていったボールはファーサイドで待つ古賀の下へ届く前に、GKのパンチングで弾き出されてしまう。
7分、相手陣内中程ほぼ中央でのFKのチャンス。ウェズレイがDFの裏を狙って蹴っていったが、これはDFにカットされてしまう。
9分、左に出たボールを拾ったマルケスが、相手DFをかわして中へと入れてゆこうとしたが、これは相手に当たってしまい、そのまま相手ボールに。後半は開始から市原のボールへの寄せが早く、セカンドボールを狙ってドンドンプレッシャーをかけてきている。
12分、ウェズレイがドリブルから相手陣内へと攻め込もうとしたが、絞ってきた相手選手に阻まれ、シュートまで持ってゆけず。
16分、果敢にドリブルで相手DFをかわして、エリア内に入ろうとして倒され、絶好の位置でFKを得る。ウェズレイのゴール左上を狙ったシュートは、絶対行ったか、と思われたが、枠に当たってしまう不運に見舞われ、決めることが出来なかった。
17分、名古屋1人目メンバー交代:滝澤→藤本
18分、相手陣内中程やや深い左の位置でのFK。今度もウェズレイがゴール右上を狙って蹴っていったが、なんと、これも枠に当たって、嫌われてしまうと言う不運な結果に。
20分、左に抜け出したマルケスに詰めた藤本がスイッチしてボールを、深くえぐってあげていったが、惜しくもファーサイドには誰も詰めることが出来なかった。
22分、自陣ゴール前のこぼれ球を拾った岡山が縦に出してゆくと、これを拾ったウェズレイがドリブルで上がっていって、ゴール前へと上げてゆくが、これは相手GKに直接キャッチされてしまう。風上と言うこともあり、名古屋としては、ボールを相手の裏を狙って出して行き、どんどんと押し上げてゆきたいところだ。
25分、市原・崔が右でフリーでボールを受けると、シュートを狙ってくるが、これはDFがコースに入りクリア。
26分、市原の右からのCK。村井の放り込ん出来たボールは、吉村が頭で弾き出す。
27分、中盤でボールを受けた藤本がDFの裏へとウェズレイを走らせようとボールを出してゆくが、これは長すぎてしまう。
28分、センターサークル近くでボールを拾った古賀が左のスペースに長いボールを蹴った行ったが、これも風に乗って流れてしまいラインの外へ。
29分、名古屋2人目メンバー交代:吉村→原
いよいよ、監督は守備的な選手を替え攻撃陣をふやしてきた。
30分、中央からドリブルでウェズレイが仕掛けると、前に開いたコースを狙ってシュートに行くが、飛び出した相手GKの正面だった。
32分、左に流れたマルケスが中をねらい入れてゆくが、これは相手DFがカット。
【失点】
33分、左に流れた市原・村井のゴール前へのボールを、サンドロに右から押し込まれてしまい、追いつくどころか、逆に1−3とされ、突き放されてしまう。
34分、相手陣内でボールを拾ったマルケスが遠目からシュートに行くが、これは相手GKの正面に。
35分、相手陣内深く左の位置でマルケスが倒され、FKを得る。この場面でウェズレイがゴール前へ早いボールを蹴っていったが、これも詰めていた選手は誰も押し込むことが出来なかった。
名古屋2人目メンバー交代:中谷→海本(弟)
市原1人目メンバー交代:サンドロ→大柴
38分、中央からドリブルで入っていった海本が縦に出すと、これをマルケスが中継して縦に走るウェズレイに。相手DFに挟まれながらシュートに行こうとしたが、ボールをカットされてしまい、うち切れず。
40分、左にポジションチェンジしていた酒井の前にボールが出ると、これを何とか拾って前に行こうとしたが、前を阻まれてしまった。名古屋としては残り時間も少ない中で、何とか点を取って行くためにも、もっと攻撃に時間をかけてゆきたいところだ。
42分、右からの市原のCK。短く出たボールはDFがしっかりと詰めミスを誘い、GKに。
43分、市原2人目メンバー交代:羽生→茶野
ロスタイム1、自陣でボールを持つと市原の選手が、1人2人と詰めより思うようにボールを出すことが出来ない。
ロスタイム2、岡山がドリブルからミドルシュートに行くが、これはゴールを越えてしまう。
ロスタイム3、DFの裏へのボールにマルケスが飛び出すが、拾いに行くと間を相手DFにコースを塞がれ、拾うことが出来なかった。
市原3人目メンバー交代:崔→林
そして、ここで審判の試合終了を告げる笛が鳴り、名古屋は市原にホームで痛い負けを喫してしまった。ウェズレイの2本のFKが決まっていればどうなっていたかと思うと、つくづく残念で仕方のない内容の今日の試合結果となってしまった。最後まで応援ありがとうございました。