2003 Jリーグ ヤマザキナビスコカップ 準々決勝 第2戦
 午後6時20分、選手たちが恒例のスタンドへのグッズ投げ入れのために登場すると、応援に訪れたサポーターから大きな声援が起こる。
 FC東京との試合で逆転勝ちを決めたことで選手たちの表情はとても明るく、楽しげで、上り調子な雰囲気がひしひしと伝わってくる。中でも、その試合で、1得点1アシスト、さらには、PKを誘う左サイドでのプレイと、大活躍を見せてくれたマルケスの表情が実に明るい。また、中谷・鄭の2人も、90分間プレイできることに自信を持ったようで、歩く姿も軽やかで、笑顔溢れる表情でスタンドにボールを投げ入れていた。
 一度ロッカーへととって返した選手たちは、5分後に再び、ピッチ上に練習で戻ってくる。前回の時とは違って、今日は軽いメニューからのスタートだ。軽いボールの蹴り合いや小刻みなステップを交えての練習等、きつめなものはあまり取り入れていない。どちらかと言えば、体を温める方が中心のようだ。終始、明るい雰囲気の練習の中で、岡山は一人気合いが入っているようだ。先週の決勝ゴールはサポーターの目にも新しい。これまで、数々の努力を重ねてきた男が決めた、熱く、心に残る決勝点といえる。今日の先発となった彼には、自信の30才の誕生日を飾る、記念すべきゴールを、ド〜ンと決めて貰おう。45分、各選手は、それぞれにゴールに向けてシュートを打つと、サブの選手を残して、ロッカーへ1人、また1人と、姿を消していった。まもなくキックオフ。今日もどんなドラマを見せてくれるのか楽しみだ。
前 半
すっかり日が落ちた、ここ瑞穂陸上には涼しい風がピッチを抜けてゆく。風に揺れる、ちびっ子たちの掲げるフラッグの間を、フェアプレーフラッグ・審判団に続いて、両チームイレブンが登場。水曜開催の試合というのに、数多く詰めかけたサポータで埋まるスタジアムは興奮に包まれる。右にエンドを取る鹿島に対し、左から右に攻め上がる名古屋。名古屋は、GK:楢崎、DFは、右から大森・鄭・古賀、MFには右に酒井・吉村・滝澤・中谷、やや前に岡山、FWは右にウェズレイ、左にマルケスだ。
開始早々、鹿島のFK。自陣中程左の位置からフェルナンドが入れてくるとヘディングに飛び込んでくるが、これはCKに。左からのCKのボールは落ち着いてクリアに。
1分、左サイドを鹿島・エウレルが上がってきて中へとえぐろうとしたが、ここはDFがきっちり押さえ込む。
2分、左にドリブルで上がったマルケスが、キープしてファーサイドに上げてゆくが、飛び込んだ選手のヘディングは浮いてしまい、相手GKがキャッチ。
4分、相手陣内、遠目から滝澤の放ったミドルシュートはGKの正面だった。
6分、右からドリブルで鹿島・本田が上がってきて中へ入れようとしたが、これはDFがクリア。
7分、右からの鹿島のCKは楢崎が直接キャッチ。
9分、酒井が右から切り返してDFをかわし、ミドルシュートに。これは相手GKがポストの上へ弾き、右からのCKのチャンス。滝澤の大きく上げていったボールは、飛び出したGKが直接キャッチしてしまう。
11分、自陣の大森からの縦のボールに酒井がオフサイドラインを狙って飛び出して、ボールを拾って上がってゆくと、中へと折り返そうとするが、これは相手DFに当たりCKに。
12分、右からの滝澤のCKのボールは先ほどと同じようなファーサイドへのボールだったが、これもGKに直接キャッチされてしまった。
14分、中央での浮き球を滝澤が落として、吉村が右に上がる酒井のタイミングに合わせて出そうと試みたが、これは流れてしまった。ここまでは両チームとも決定的な場面は無く、淡々と試合が進行している、と言った状況が続いている。
16分、自陣やや左中程の位置での鹿島のFK。鹿島・フェルナンドの直接狙ったボールは大きく外れる。
17分、右の酒井からの中へのボールがこぼれたところを拾った岡山がシュートに行くが、これは相手GKの正面へ。
19分、相手陣内やや入った右の位置でのFK。酒井が滝澤に短く出して繋いでいこうとしたが、これはカットされてしまう。
20分、岡山からの縦のボールを受けたウェズレイがDFをかわして抜け出そうとしたが、体を寄せていたDFにボールをカットされてしまい、生かすことが出来なかった。
22分、鹿島・本田がDFの裏へのボールに飛び出してくるが、これは岡山がついていって間に体を入れ、このボールを拾わせなかった。
24分、中谷が細かいドリブルで中へ流れ、中央をドリブルで上がってゆくが、エリアの近くまで行ったところで、前を阻まれ、ウェズレイ・マルケスに最後のパスを出すことは出来なかった。
27分、中央で上がってきた吉村からのボールを受けた酒井が中へ入ってゆくと、ウェズレイとのコンビネーションでパスを繋ごうとしたが、これはタイミングが合わず。相変わらず膠着状況は続き、得点が入りそうな雰囲気は、両チーム共に見受けられない状態が続く。第1戦を大量得点で勝っているだけに、鹿島としては引き気味で、攻撃に時間を割くことがあまり無く、守備的な状態が続いており、名古屋が攻めあぐねている、と言う雰囲気だ。
31分、大森の相手DFの裏への、ウェズレイを狙ったボールは、相手DFに押さえ込まれてしまい、受けることなくボールを弾き出されてしまった。
33分、大森がドリブルで上がってゆくと、岡山に渡し、さらに縦の突破を図るが、最後は相手DFに詰められてしまい、FWに繋ぐ前にカットされてしまった。
34分、縦のパスを受けたマルケスが左に流れながら上がってゆくが、ここは鹿島のDFに阻まれてしまい、倒されFKを得る。左寄りペナルティエリアすぐ外という好位置でのFKのチャンス。ウェズレイがファーサイドに上がってくる古賀めがけて蹴っていったが、ボールは頭の上を抜けてしまった。
37分、相手陣内右でウェズレイが酒井からのスローインのボールを受けて抜け出そうとしたが、相手選手に引っ張られてしまい、突破をする前に止められてしまった。
38分、相手陣内左よりの位置でボールを拾った岡山が、積極的にシュートに行ったが、これは枠を捕らえることが出来ず、わずかに左に外れてしまう。
40分、自陣左ゴールラインぎりぎりの位置での鹿島のFK。ここは気を付けていきたいところだ。フェルナンドの蹴ったボールに中田がダイレクトで合わせてくるが、これはDFがボールを正面で止め、カットし、このピンチを凌ぐ。
42分、ウェズレイが右に流れながら上がってゆくと、右サイドを上がる酒井にあわせて、縦にボールを出してゆくが、ここは相手DFが付いてきており、追いつく前にボールがラインを割ってしまう。
44分、左の中谷から中央の滝澤へ。これを縦の岡山から右の酒井へと、細かくパスが繋がるが、最後は鹿島のDFに阻まれ、得点に結びつけることは出来なかった、ロスタイム1、左のマルケスがドリブルから中へと切れ込んでいこうとしたが、ここは鹿島の堅いDF陣に阻まれ、ボールを奪われてしまった。そして、前半は両チーム無得点のまま終了。ボールを持たして貰ってはいるものの、最後の形を作れない名古屋。後半はもう少し速い球回しで、鹿島のDFを振り回して、得点機をつくってゆく必要がありそうだ。後半に期待しよう。
後 半
エンド代わって、右から左に攻め上がる名古屋のボールで後半が再開。
名古屋1人目メンバー交代:滝澤→原
DFが右から大森・古賀・中谷になり、MFが右から酒井・鄭・吉村・岡山に。開始早々:自陣に下がったウェズレイからのDFの裏へのボールに原がタイミング良く飛び出すと、このボールをあわせに行くが、飛び出してきた相手GKに前を阻まれ、さらに上がってゆくことが出来なかった。
2分、右の酒井からの縦のボールを受けた岡山がさらに上がってゆくが、中への折り返しのボールはDFに止められCKに。
4分、自陣入ってすぐの位置での鹿島のFK。中田がDFの裏へ蹴ってくると、これに平瀬が反応してあわせにくるが、古賀がしっかりとマークに行きファールを誘う。
6分、左からのボールをダイレクトで裏へ出してきた鹿島・エウレルのボールを平瀬が拾いに来たが、ここもDF陣がきっちりとこれを読んで処理する。後半は開始から鹿島が積極的にボールを奪いに来ており、名古屋がやや押し込まれている状況が続いている。
11分、酒井が右から中に流れながら左サイドにボールを出すと、これを受けた中谷がダイレクトでDFの裏へ。これを拾ったウェズレイが上がっていってぎりぎりから折り返してゆくが、待っていた原に届く前にゴールラインを割ってしまう。
13分、左にウェズレイからのサイドチェンジのボールを酒井がワントラップで前へ落とすと、これに吉村が飛び込んでミドルシュート。しかし、これはわずかに左に外れてしまう。
15分、相手陣内中程右寄りの位置でのFKのチャンス。酒井の入れたボールは味方の選手に届く前に弾かれてしまった。ここへ来て名古屋のボールが繋がるようになり、押し気味に展開し始まる、この辺でなんとか1点欲しいところだ。
17分、ウェズレイの縦パスにマルケスが相手DFをかわして抜け出すが、GKにクリアされてしまう。
18分、右からのCKのチャンス。岡山の上げていったボールを古賀が頭で降り返すと、これをウェズレイがダイレクトにヘディングシュート。しかし、これは相手GKにキャッチされてしまう。
21分、右に上がってきた鹿島・名良橋のクロスをファーサイドで受けた選手が中に落とすと、これにエウレルが飛び込んでくるが、ここは古賀が体を張ってこれを止める。
22分、吉村のDFの裏への縦パスにウェズレイが抜け出すが、これは長すぎてしまいラインをそのまま割ってしまう。
23分、名古屋2人目メンバー交代:吉村→中村
24分、自陣深く右寄りの位置での鹿島のFK。ゴール前への低く早い、フェルナンドのボールに何人か飛び込んでくるが、これが誰にも当たらず、タイミングのずれた楢崎の横に抜けあわやそのまま入るかと思われたが、ボールはわずかに左に外れる。
26分、右に上がってきた大森のゴール前ニアサイドへのボールに中村が競り合いに行くが、争ったGKを倒したとしてファウルになってしまった。
27分、鹿島1人目メンバー交代:平瀬→本山
28分、左からのCK。マルケスの入れたボールは弾かれるものの、こぼれたボールを繋ぐとゴール前の原がヘディングシュートに。しかし、これは相手GKに弾かれてしまった。
30分、左に出たボールにマルケスが拾うと、これを入れてゆこうとしてCKを得る。左からのCKは簡単に相手DFにカットされてしまい、これを活かすことは出来なかった。
31分、右の鹿島・青木の折り返しに、エウレルがあわせにくるが、DFがここは踏ん張り、これを阻止する。
32分、右からの鹿島のCK。フェルナンドのファーサイドへのボールは楢崎がパンチングで弾く。
33分、自陣からの長い縦のボールにウェズレイが上がってゆくが、これは鹿島のDFにカットされてしまった。
35分、左サイドをドリブルで鹿島・本山が仕掛けてくると、DF陣が中央に引っ張られて出来た右のスペースに走る名良橋にパスが繋がる。これを早いボールでゴール前に蹴ってきたが、DFがしっかりこれに反応、頭で弾き返し、このピンチを救う。膠着した状況は相変わらず続いているが、徐々に疲れも見え始め、鹿島の中盤でのプレッシャーが無くなり、ボールを試合できるようになってくる。
38分、右でフリーで持った酒井が上がってゆくと、中へ狙ってシュートを放つがこれは相手DFに跳ね返されCKに。右のCKはマルケスがファーサイドへ入れていったが、競り合いながらもクリアされるが、こぼれ球に反応した中村がシュートに。しかし、これは相手GKの正面だった。
39分、鹿島2人目メンバー交代:フェルナンド→相馬
【失点】
42分、右サイド縦にパスが出ると、これを鹿島・エウレルが古賀と競り合いながらもキープし、最後、左から走ってきた相馬にパスを出す。そして、これをきっちりと決められてしまい、ついに失点を許してしまう。この時間帯に来て攻め込んでただけに、この失点は悔しい。
43分、鹿島3人目メンバー交代:エウレル→深井
44分、中央のウェズレイからのパスを左で受けたマルケスが寄せてきたDFをかわして中へ上げてゆくと、近いサイドに中谷、その奥に原と詰めていたが、ボールはその前にDFにカットされてしまった。
ロスタイム1、自陣左深い位置での鹿島のFK。短く出して、鹿島・本山が中へ入ってこようとしたが、ここはDF陣がしっかりとマークに行き、中へのボールを入れさせることはなかった。そして、試合は0−1のまま終了してしまう。最後の最後に交代で入った選手へのマークが甘く、そこを付け入られて、決められてしまった。結局、鹿島に2敗、という結果で本年のナビスコ杯は敗退に。ストイコビッチ氏が見守る中での今日の1戦だったが、残念な結果となってしまった。最後まで応援ありがとうございました。