2003 Jリーグ ディビジョン1 1st Stage 第12節
神戸サポーターのブーイングの中、名古屋の選手が試合前のウォーミングアップに登場。名古屋から詰めかけたサポーターも負けじと各選手に声援を送る。
軽い足取りでピッチへと散らばる選手の中で、怪我で戦列を離れていた吉村の厳しい表情が印象に残った。ここ何試合を見ていても、彼の不在による影響がチームの勢いに大きく反映していたとも言えるだけに、彼の復帰は本当にうれしい。今日は山口とともに中盤でたっぷりと汗をかいてもらって、神戸の攻撃の芽をきっちりと摘み取ってもらおう。その吉村とは反対に、ウェズレイの表情がとても明るい。マルケスというブラジルからの同僚を得たことでコミュニケーションも快調のようで調子の良さがひしひしと伝わってくる。“夏男”の異名を取るウェズレイには、そろそろ爆発を期待できそうだ。
梅雨の日の一日、蒸し暑い神戸ウイングスタジアムの中はまるで植物園の様。両チームの選手とも、かなり激しく体力の消耗を強いられそうだ。また、ピッチコンディションも、随所で芝がはげている所があり、決して良いとは言えない。選手にとっては、間違いなく、消耗戦と今日はなりそうだ。体力勝負でも、負けないよう戦って欲しい。
前 半
1分、相手陣内中程左よりの位置でウェズレイが倒され、早速FKのチャンスだったが、これは簡単に行ってしまい攻撃の起点には出来なかった。
3分、左深くの神戸のスローインのボールにオゼアスが拾いにゆくが、ここはパナがきっちりと付いてGKに。
4分、左から右に上がる海本(弟)に長いボールが繋がると、相手DFが寄せ、CKに。滝澤が蹴っていったゴール前のボールはGKが大きくパンチングで弾き出す。
5分、相手陣内中央深い位置で縦パスを受けたマルケスが右のウェズレイへとはたいていったが、これはタイミングが合わず、パスをこぼしてしまう。
7分、自陣からパナが左のスペースに居た滝澤にボールを出してゆくが、これは長すぎてしまいヘディングした時点でボールはタッチを割っていた。
8分、楢崎の長いボールを相手DFと競り合いながらウェズレイが受けようとしたが、これはファウルを取られてしまう。
9分、右に流れたマルケスが中へと折り返そうとしたが、相手DFにカットされてしまう。
10分、右からのCKのチャンス。藤本がニアに蹴っていったが詰めていた滝澤には届かず、相手DFにクリアされる。

11分、左サイドを神戸・三浦に仕掛けられると、大森が寄せていったところでオゼアスに繋がれる。ここでパナと競り合うと、ボールはゴールラインを割るものの、2人はそのまま転倒。なんとペナルティエリア内ゴールすぐ左での間接FKに。
13分、神戸・アリソンが三浦のタッチして流したボールをシュートにくるが、ここは体を張って止める。
14分、右サイドをフリーで上がる神戸・岡野にパスが繋がるとシュートを放ってくるが、これは楢崎が正面でしっかりと止め、このピンチを救う。
15分、神戸のCK。アリソンのファーサイドへのボールは楢崎がパンチングで弾く。ここまでは神戸に中盤でのボールを奪われ、攻撃されると言う厳しい状況を強いられている名古屋。攻撃の形らしいものもなかなか作れていない。
17分、右サイド深く神戸・岡野が上がってくると、中へと切れ込んでくるがここは滝澤がマークについて、正確な折り返しを入れさせなかった。
18分、神戸の右からのCK。アリソンのニアへのボールは詰めていた相手選手の合わせたボールはゴールラインを割る。
21分、相手陣内入ってすぐ左よりの位置でのFK。藤本がDFの裏へとボールを蹴っていったが、ウェズレイは相手DFに阻まれ抜け出すことが出来なかった。
23分、自陣で相手ボールを奪うとマルケスが繋いで上がってくる海本(弟)へとパスを出すが、トラップをもたつくうちに神戸の選手が戻ってしまい、前へと展開することが出来なかった。
24分、右の縦のスペースに神戸・オゼアスから出たボールを拾いに行った岡野が上がっていって折り返そうとするが、前に立ちはだかったパナを怖がってか、折り返しを失敗、ラインの外へ出してしまった。
25分、ウェズレイが粘ってドリブルで右を上がってゆくと、ペナルティ内のマルケスとのワンツーでさらに深く進入。前が開いたのを見てシュートにゆくが、これは浮かしてしまい、クロスバーの上へ行ってしまった。
26分、右に開いた神戸・アリソンに滝澤がしっかりと付いてゆくと、これを折り返させるのを阻止する。
28分、左にサイドチェンジした神戸・岡野を大森、山口が押さえにゆくがファウルを取られてしまう。左サイド深い位置での神戸のFK。神戸・山口が左足でファーに上がっていた選手を狙って蹴ってきたが、これはゴールラインを割り、GKに。

29分、中央から吉村が左に上がるウェズレイに縦パスを出していったが、ボールが長すぎてしまいウェズレイが追いつけず。
30分、右からのCKのチャンス。滝澤が上がっていた古賀を狙って入れていったが、ここもで相手GKが飛び出しパンチングで弾かれてしまう。
32分、神戸のボールをインターセプトすると、吉村が前線に走るウェズレイへと縦のボールを出していったが、相手DFにカットされてしまう。
33分、左サイドから滝澤がゴール前へアーリークロスを狙っていったが、ニアのウェズレイの後ろを通過してしまった。
34分、自陣左中程の位置での神戸のCK。神戸・山口のファーへのボールはパナが頭ではじき返す。
36分、自陣で相手ボールを奪った山口が縦に出すと、これをウェズレイがトラップで相手DFをかわして抜けてゆこうとしたが、ボールが流れてしまい、タッチの外へ。中盤のボールへの寄せの早い神戸がボールを支配する場面が相変わらず多く、守勢に回っているこの時間帯。暑さからか足が思うように動かないのと、ピッチが悪くパスをうまくつなげられない状況だ。
38分、左でフリーでボールを持った神戸・岡野が遠目からシュート。これは楢崎が反応、はじき出してCKに。
39分、左からの神戸のCKはDFが簡単にクリアする。
41分、左に上がる神戸・松尾が中へと入ってこようとしたが、ここは吉村がきっちりマークに付き、相手ボールを奪う。
42分、自陣からの大森の前線への長いボールはDFの上を越えてゆく。このボールを拾おうとウェズレイが走ってゆくが、追いつけず触ることが出来なかった。
43分、自陣ほぼ中央の位置での神戸のFK。アリソンが直接蹴ってきたが、これは精度を欠き、クロスバーの上に大きく外れる。
44分、右に上がってきた海本(弟)が相手DFをかわして抜け出して折り返すと、これをニアにいたマルケスが押し込もうとしたが、これは弾き出されてしまう。しかし、これを再度拾うと、ゴール前で待っていたウェズレイがもらって何とか前を向いてシュートにゆくが、ボールは無情にもポストの右に外れてしまった。
ロスタイム1、中盤での競り合いのボールを奪った藤本がヒールで繋いでゆこうとしたが、これは相手にカットされてしまう。
ロスタイム2、神戸・岡野が右からドリブルで仕掛けてくると、寄せていったDFを嫌って中へと流れ、最後左足でシュートに来たが、これはゴール左にはずす。そして、ここで前半が終了。神戸に押し込まれながらも何とか守備陣が踏ん張り、無得点で折り返すことが出来た名古屋。暑さと芝の悪さからか、なかなかボールをしっかりとキープ回すことが出来なかった。後半は、試合の主導権を握るためにも、攻撃の形を組み立てるためにも、もう少し中盤でのボールを支配することが重要だ。
後 半
エンド代わって左から右に攻め上がる名古屋のボールで試合再開。
1分、左サイドの藤本からのDFの裏へのボールにウェズレイが上がってゆくが、このボールには追いつけず。
2分、左サイドを神戸・松尾が上がると、ここにアリソンからボールが出、これをゴール前へと折り返されるが、ここは楢崎が正面でボールをキャッチ。
3分、中央から左に流れた藤本が滝澤に渡して上がろうとしたが、滝澤がつぶされてしまい、ボールをタッチの外へ。
4分、右の神戸・岡野からのファーサイドへのボールはオゼアスが詰めてくるもののパナが寄せて、このボールをクリアする。
6分、相手ボールをカットして大森からの縦のボールに上がってゆく選手たち。最後、右の海本(弟)からのマイナス気味の折り返しは詰めていった藤本の後ろに抜けてしまう。
7分、右からの神戸のCK。神戸・山口のファーサイドへのボールは詰めていた選手が合わせたときは、ゴールラインを割っていた。
【得点】
9分、相手陣内でのこぼれ玉を拾った吉村がマルケスに当てて抜け出すと、そのままペナルティ内へ進入。果敢に振り抜いたシュートが見事相手GKの指先を弾いて決まり、ついに先制!
12分、左サイドから神戸・オゼアスに突破されるが、ここは大森、パナ、古賀が連携してこれを阻止する。
13分、左に上がっていった藤本が深い位置から中へと折り返すと、ゴール前に詰めていった海本(弟)がシュートにゆくが、これはうまく当たらず。追加点とは行かなかった。
16分、自陣入ってすぐ左での神戸のFK。神戸・山口のゴール前へのボールは古賀がクリアする。
17分、海本(弟)の右からのクロスをダイレクトで合わせたマルケスのボレーシュートは相手GK正面に。
【得点】
18分、左でボールを持った滝澤がゴール前を狙って蹴っていったボールが、アウトサイドにかかり、相手GKの体と逆になり、これが直接ゴールマウスを捕らえ、なんと追加点に。神戸1・2人目メンバー交代:三浦→幡戸、山口→小島
20分、DFの裏へのボールに神戸・幡戸の飛び出しを許すと、楢崎と1対1になるが、これに先に飛び出した楢崎が、しっかりボールをキャッチ。
22分、右サイドを上がるマルケスのマイナスの折り返しは、藤本がもらう前に相手DFにカットされてしまった。
23分、上がっていたラインの裏を取られ、飛び出した神戸・幡戸がシュートを打ってきたが、これは辛うじてオフサイド。
24分、自陣中ほどの位置でフリーでボールを持つ神戸・小島を吉村が倒したとしてFKに。神戸・シジクレイのグラウンダーは壁に当たるものの、こぼれたボールを左から松尾がシュート。しかし、これは左のポストに当たり中へこぼれるという幸運に助けられる。
27分、相手陣内での競り合いのボールを奪ったウェズレイが遠目からシュートに行ったが、これはクロスバーの上へ。2得点したことで名古屋の動きが良くなり、パスも繋がるようになったのに対し、神戸はこの時間帯になって足が動かなくなり、めっきり運動量が減ってきている。
29分、右の海本(弟)の折り返しを足に当ててスペースへと出し、さらに前に抜け出したマルケスのゴール前へのボールは直接相手GKがキャッチしてしまう。
30分、神戸の左からのCK。ゴール前へのアリソンのボールは楢崎がパンチング、こぼれたところを繋がれオゼアスがシュートを試みるが、ここはパナがしっかり張り付く。
32分、神戸・シジクレイがドリブルで上がってきて、味方に当てて抜け出そうとしたが、ここはDFが阻止する。
33分、神戸の左からのCK。ゴール前のボールは詰めていた選手を通過、こぼれ玉は大きくクリア。
34分、左から神戸・小島が突破をはかるが、これは大森しっかりマーク、難なく止める。
【得点】
35分、右から海本(弟)が持ち込むと、マルケスとのパス交換から抜け出したウェズレイが右足で放ったシュートが見事決まり、これで3−0に。
36分、名古屋1人目メンバー交代:海本(弟)→海本(兄)
37分、名古屋2人目メンバー交代:マルケス→原
38分、神戸・幡戸がゴール前で粘ってシュートしようとするが、これはDF陣がしっかりとマーク、シュートには行かせず、力無く強引に打ったボールは楢崎が正面でキャッチ。
39分、右に開いたウェズレイがボールを受けると、左に上がって行く吉村へサイドチェンジ。しかし、これをフリーでもらったものの詰めてきた相手DFを嫌ってか、中へ繋ごうとしてボールを奪われてしまう。
41分、相手陣内深く右の好位置でのFK。ウェズレイが右のポスト際を狙って直接打っていったが、これはポストの外。
42分、名古屋3人目メンバー交代:ウェズレイ→氏原
43分、神戸・小島がDFの裏へのボールに飛び出して右サイド深い位置でシュートを打ってくるが、これは右のネットの外へ。
44分、左サイドの縦のボールに氏原が走ってゆくが、これは追いつけず。
ロスタイム1、中央を神戸・シジクレイがドリブルで上がってくるが、これは繋ごうとしたパスをカット。こぼれ玉を拾ったアリソンが苦し紛れに入れてきたゴール前へのボールは、楢崎がキャッチする。
ロスタイム2、相手陣内右中程の位置で藤本が倒されFKを得る。大森がDFの前へと蹴っていったが、これは詰めていた選手にわたる前にクリアされてしまった。そして、ここで試合終了の笛がスタジアム内に響き渡る。神戸のサポーターのブーイングと名古屋のサポーターの拍手と大声援が入り交じる中で、見事、名古屋の勝利が決まる。吉村の果敢な上がりから生まれた先制点。それで勢い付いての滝澤・ウェズレイの追加点。そして、最後まで集中力を切らすことなく神戸を無得点で押さえたDF陣のがんばりという完勝。名古屋のサポーターにとっては、まさに堪らない、最高の形での今日の勝利といえよう。最後まで応援ありがとうございました。