2003 Jリーグ ディビジョン1 リーグ戦 1st Stage 第11節 |
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試合前のウォーミングアップに選手たちがピッチにその勇姿を現すとスタジアム内から大きな声援が沸き起こる。選手たちはそのまま、スタンドへと駆け寄ると、マスコットのサッカーボールをスタンドへと投げ入れ始める。一瞬騒然となった、スタジアムの中で、各選手が練習にいそしみ出す。 |
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選手たちが姿を現す少し前、大画面で先発メンバーの紹介が行われた際、守護神・楢崎に始まり、順番に選手たちが紹介されると、大きな拍手が送られたのだが、その中で、今日久しぶりの先発となった岡山への拍手がひときわ大きかったのが印象的だった。Jリーグ当初からの生え抜きとして、がんばってきた彼への愛着はみんな同じだということを感じさせる、うれしい瞬間だった。彼には、その期待に応えるべく、今日の試合では、絶対に活躍をしてもらおう。 |
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そして、ついに今日初先発出場となったマルケス。長旅の疲れもやっと癒えたようで表情も明るい。名古屋のこの季節にも馴染んでくれたのだろう。時たまウェズレイと談笑をかわす他は、黙々とウォーミングアップをマイペースでこなしている。果たして、今日のこの試合での自分へのプレッシャーを感じているのだろうか?それとも、活躍してやるぞ、と言う自信に打ち震えているのだろうか?いったい、どんな思いで今日のこのピッチに立っているのだろうか。その答えはまもなく始まる試合の中で分かるはず。しっかりと見せてもらいたい。頼むぞ、マルケス! |
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前 半 |
両チームの選手が入場し、スタンド内は両チームの応援で盛り上がり始める。雨を予想してか、豊田スタジアムは天幕がかけられているため、その声が反響して、試合開始を待つサポーターの気持ちをいやが上でも高ぶらせ始める。そんな騒然とした中で、左にエンドを取り、右に攻め上がる名古屋のボールで前半の試合開始。
1分、早速左のスペースにでたボールに抜け出すマルケス。DFをかわして、中へと切れ込むと折り返しを入れてゆくが、これは相手DFがカット。
2分、相手陣内深く左よりの位置でFKを得る。滝澤が上がっていた古賀にあわせて蹴っていったが、これはクリアされてしまった。
4分、今度は相手陣内中程ゴールほぼ正面の位置でのFKのチャンス。ウェズレイがグラウンダーのボールを蹴ってゆくと、そのままゴールへと向かうが、これは左のポストの外へ流れてしまった。 |
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5分、自陣入ってすぐの位置での京都のFK。京都・角田がDFの裏へと蹴ってきたボールは松井のオフサイド。
6分、左サイドを京都・松井が抜け出してくるが、ここは大森がしっかりとカバーに入り、プレーをさせなかった。
7分、右サイドで京都・松井が古賀と競り合いながらも中へと放り込んでくるが、ここは大森が簡単にはじき出す。
9分、古賀からの左へのボールを滝澤が中村に当てて上がってゆこうとしたが、ここは相手DFにカットされてしまった。
11分、山口がボールを持って前にゆこうとしたが、後ろから京都・松井にファウルを受け倒されてしまった。 |
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13分、左から入ってきたボールを中央から京都・高があわせにくるが、ここはカバーに入った山口がファウルを受けながらも止める。
14分、右に抜け出したマルケスが相手DFをかわして、中へと放り込むとウェズレイがこのボールをダイレクトで合わせてゆくが、惜しくも浮かしてしまう。
ここまでは京都は松井を使ってスピードのある攻撃を見せ、対する名古屋も左右の滝澤・酒井を使って、ゴール前のマルケスを活かした展開を見せるなど、それぞれ持ち味を出し合っている。
17分、左に上がってゆくマルケスからのファーサイドへのボールに、思わずクリアに飛び込んだ相手DFのボールはあわやオウンゴールかと思われたがCKに。滝澤からのニアへのボールは、誰も押し込みきれずそのままクリアされてしまった。
19分、相手陣内中程左の位置でのFK。上がっていたパナには届かず右にこぼれてしまうが、これを拾った岡山が再度中へと放り込んでゆくと、これに残っていた古賀があわせにゆくが、これは相手DFに挟まれ、思うようにプレーできず、決めることが出来なかった。
21分、右から中へドリブルで入っていった酒井が左足でDFの裏へのボールを狙っていったが、これは頭でカットされてしまった。
23分、ウェズレイが右サイドを上がってゆくと、中へと入れてゆくが、マルケスはニアで飛び込んだのに対して、ボールはファーサイドへ流れてしまう。 |
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25分、京都がロングボールで左の前線に松井を走らせると大森がクリアしCKに。
26分、左からの京都のCKは冨田がゴール前に入れてきたが、簡単に外へ弾きクリア。
28分、大森の縦のボールを受けた岡山がダイレクトで右サイドへ流してゆくが、これは相手DFがカットしてしまう。
29分、右サイドを上がってゆくウェズレイが相手DFの間を抜いて中へ早いボールを入れてゆくが、これは精度を欠き、相手ボールとなってしまう。
京都の攻撃に対しては、中盤からDFにかけての選手がしっかりと押さえ込み、危ない場面はほとんど無いが、攻撃の方では京都の堅い守りに良いところがあまり無いここまでの試合展開。そろそろ、切り崩しての先制点が欲しいところだ。
31分、立ての浮き球を頭で中へと折り返したウェズレイのボールは、マルケスが詰める前に相手DFにクリアされてしまった。
32分、マルケスが左でボールを持って上がると、中の選手に繋ごうとするが、芝に足を取られたのか、ミスキックとなってしまう。
33分、左から上がった京都・高のゴール前へのボールはファーサイドから松井が飛び込むも、頭の上を抜けてゆく。
35分、京都・高のロングスローのボールはペナルティエリア内まで入ってくるが、これはパナが頭ではじき返す。
36分、楢崎からのボールを相手陣内でウェズレイが胸で落としたボールを、ダイレクトで中村がDFの裏を狙って蹴ってゆくが、マルケスが受ける前に相手DFにカットされてしまった。 |
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38分、自陣ペナルティエリアすぐ外で、京都・高がパナの脇を抜くスルーパスを出してくると、これに松井がどんぴしゃりで反応、楢崎と1対1になるが、ここは楢崎のプレッシャーに負けたのか左に流れながらのシュートとなってしまい、ボールは右のポストの外へと大きくはずれる。
39分、相手陣内ゴール正面の位置で左からのパスをゴールを背に受けたマルケスがヒールで流し出してゆくが、右に居たウェズレイには届かず。
41分、相手陣内中程やや右寄りの位置でウェズレイが倒されFKのチャンス。 |
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【得点】
42分、この場面で倒されたウェズレイ自らが右足で直接狙ってゆくと、見事これがゴール右上に決まり、先制点となる。ここ最近、調子の良さを見せていたウェズレイによる、良い時間帯の得点だ。これで名古屋が試合を優位に進めてゆくことが出来る。 |
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44分、相手陣内右でボールを持った岡山が中へ流れながらシュートにゆくと、DFの裏に飛び出して居たマルケスに当たってしまうという不運に。
ロスタイム1、左から上がった滝澤がアーリークロスを反対サイドの岡山へと入れてゆくと、これにあわせにゆくが、体勢が悪く思うように繋ぐことが出来なかった。
ロスタイム2,京都・角田が右からファーサイドを走る、高に繋いでゆくがこれはオフサイド。そして、ここで前半が終了。なかなか得点が入らず苛立ちのスタジアムの空気を一瞬に変えてしまったウェズレイのFKで、いい形で試合を折り返すことが出来た。後半はこの勢いを持って試合を優位に進め、追加点を狙っていって欲しいところだ。 |
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後 半 |
前半は、終了直前のウェズレイの超美技・FKで先制した名古屋。後半はエンド変わって右からの攻め上がりとなる。後半は京都のボールで再開。
名古屋1人目交代:岡山→原
ベルデニック監督は、ここで一気に京都を突き放しにかかるのか、スピードのある原を入れ、攻撃的布陣で後半開始から臨んできた。
1分、左サイドで相手ボールを奪った中村からのパスを受けたマルケスが左スペースに抜け出す原に出してゆくが、ここはクリアされてしまう。
2分、左からのCKはゴール前へのボールをいったんは弾かれるも、左で拾った滝澤が上がっていって早い折り返しを入れると、ウェズレイが飛び込むがこれはポストの左にはずれる。
3分、右に抜け出した酒井からのボールをニアで受けたマルケスが、体を入れ替え中へと入ってゆこうとしたが、ここは相手DFにボールをさらわれてしまった。 |
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5分、左に上がってゆく山口にボールがでると、これを縦にパス。マルケスがこれを受けて相手DFをかわして切れ込んでゆこうとしたが、ここも相手DF2人に囲まれ、思うように抜け出せなかった。細かくボールがつながり、各選手も運動量もあり、よく動いておりいい形が出来ている。
7分、左に上がる山口からのボールをまたももらったマルケスがDFをかわして今度は抜け出すが、シュートにゆく前にボールをカットされてしまう。
8分、左からのCKのチャンス。滝澤のゴールからに逃げるようなボールは詰めていたウェズレイ、パナの間を抜けてしまった。
10分、右から京都・高が仕掛けてくると、これに古賀がきっちりマーク。これを嫌って中へと流したボールに後ろから京都・鈴木がミドルシュート。しかし、このシュートは楢崎がきっちり反応、弾き返す。
11分、京都1・2人目交代:冨田→森、石丸→大野
【失点】
13分、左サイドを京都・森がDFを抜いて入ってくると、ファーサイドへのボールを上げられると、これに高が飛び込み、シュートを決められてしまう。
14分、相手陣内深く右寄りの位置でのFKのチャンス。中村が蹴っていったボールはファーサイドに上がっていった古賀に届く前にカットされてしまう。相手のメンバー交代に振り回され、よもやの同点とされ、試合は振り出しとなってしまった。ここは気を取り直して攻撃してゆきたいところだ。
17分、左サイドで粘りを見せるマルケスに滝澤がフォローにゆくと、でてきたボールをダイレクトに入れてゆくが、これは相手DFがクリア。
18分、滝澤のスルーパスに抜け出したマルケスが右足でシュート。しかしこれは相手GKの好セーブにあい、弾かれてしまった。
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20分、右サイドの酒井からのクロスボールにマルケスがオーバーヘッドで合わせ、シュートにゆくが、ボールは惜しくも左のポストの外へ外れてしまう。
23分、パナが中央をドリブルで上がっていったが、前に出していったボールはDFの裏へ抜けずカットされてしまう。
24分、右サイドを京都・鈴木(慎)が抜け出してくるが、ここは山口がしっかり詰めてゆき、ボ?ルを奪う。
25分、自陣中央の位置でボールを拾った京都・森がミドルシュートを打ってくる。このボールは辛くもクロスバーに当たり、外へでたが、名古屋サポーターは肝を冷やしたのか、一瞬、静かになってしまった。
27分、京都・中払が右サイドを突破をはかるが、ここは山口が押さえ込みCKに。
28分、右からの京都のCK。高が蹴ってきたボールを松井がもらって抜け出すとゴール前に上げてくるが、飛び込んだ角田の合わせたボールはクロスバーの上に抜け、このピンチを相手のミスで救われる。いよいよの試合も残り15分を切り、大詰めを迎える。
31分、DFの裏へのボールに飛び出した原が相手GKと1対1の場面になるが、シュートにゆく前に先に飛び出した相手GKがボールをキャッチしてしまう。
32分、相手陣内左中程の位置でのFKのチャンス。滝澤の蹴ったボールを原が頭で押し込もうとしたがクリアされてしまう。
33分、右からのCKは一度は押し込むチャンスがあったが、ポストの右にシュートが外れてしまい、京都を突き放すことが出来なかった。
名古屋2人目交代:酒井→原田
35分。京都・鈴木(慎)にDFの裏に飛び出しを許し、ここにタイミング良くボールがでてくるが、このボールは長すぎてしまい足下を通過してゆく。
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36分、ウェズレイが相手DFの裏へとタイミング良く飛び出すとシュート体勢にゆくが、相手DF2人に挟み込まれ、思うようにシュートが打てず、決めることが出来なかった。
37分、名古屋3人目交代:古賀→海本慶
38分、右サイドで原が突破を見せるが、これは相手DFにカットされてしまった。
39分、左サイドを上がってゆく滝澤。その前を原田がオーバーラップしてゆき、相手守備が外へと開いたところを見て、中へと折り返すと中央からフリーで飛び込んだパナがどんぴしゃりで、相手GKをあざ笑うかのようにヘディングシュートを決めるが、これは惜しくもオフサイドの判定に。
42分、京都3人目交代:中払→鈴木(和)
43分、右に流れたマルケスからのゴール前にパナが頭であわせにゆくが、ここは相手DFに体を付けられ思うようにシュートできなかった。
44分、自陣左中程での京都のFK。鈴木(慎)のゴール前へのボールは海本がコースに入って簡単にカット。
ロスタイム1、左サイドを京都・松井がドリブルで仕掛けてくるが、大森が落ち着いてこれをマークし、ボールを奪う。
ロスタイム2、右のウェズレイから中央のマルケス、そして、右の滝澤にとつながり折り返しを狙うが、これはCKに。
ロスタイム3、左からの滝澤のCKは、ゴール前に詰めていた選手には届かず、クリアされてしまう。
ロスタイム4、右サイドで相手ボールをカットしたマルケスが上がりながらDFの裏へと出してゆくと、ウェズレイが反応するが、このボールには追いつけず。そして、ここで試合終了。後半途中からほとんどの時間を押し気味に進めながら、最後突き放すことが出来なかった名古屋。今日のこの試合は絶対勝ちたかっただけに残念でならない。しかし、最後まで試合をあきらめず攻撃し続けていった名古屋の選手には拍手を送りたい。最後まで応援ありがとうございました。 |
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