2003 Jリーグ プレシーズンマッチ
　この時間帯になって、日差しが恐ろしく強くなり、スタンドもピッチ上も真夏を思わせる程の暑さとなってきた。そんな厳しいコンディションの中に練習に現れた選手達。軽くアップを始めただけで、早くも全身を汗が流れ始める。今日は、消耗戦と鳴ること間違いなさそうだ。
　夏男の“ピチブー”こと、ウェズレイが直前に参加できなかったため、今日は急遽、原と2人で2トップの一角を担うこととなった氏原。
　キャンプ中の怪我の選手に替わって、やはり出番が回ってきた原田・海本兄弟。久しぶりの先発とあってか、練習に勤しむ選手内でも、一際彼らの動きは快活だ。厳しいコンディションとなることは間違いないはず。しかし、その中で如何にチャンスをものに出来るか、そして、先日のキャンプで何を身につけてきたか。さらには、彼らの、日頃の練習で培ってきたこれまでの努力が、いよいよ試される良い機会となった、今日の清水戦。大げさかもしれないが、今後を戦って行くには、高いレベルの選手が何人も必要となってくるはず。絶対に今日は彼らに、雌雄を決するようなプレーを見せて欲しい。いよいよキックオフまで残り15分を切った。
前　半
キックオフ間近になっても、暑さは落ち着かず、蒸し暑さを伴い始め、ますます選手達にとって厳しいコンディションになってきた。入場セレモニー後、ピッチに散らばる、真っ黒に日焼けした名古屋のイレブン。前半は、左にエンドを取った清水に対し、右から左に攻め上がる名古屋のキックオフで試合開始。
1分、自陣から海本（兄）が左の前線のスペースにボールを出して行くが、これは氏原とは意気が合わず。
2分、右サイドを上がられると、原田がクリアしようとしたボールを相手に当ててしまうが、これは本田がキャッチ。
3分、右に開いた清水・澤登が折り返してくると、鶴見が飛び込んであわせようとしたが、これはシュートをミスし、救われる。
4分、右で清水・市川が縦に出して澤登に繋ごうとしたが、ここは吉村が詰めてボールをカット。
5分、自陣左左よりの中程の位置での清水FK。澤登が短く中へ流すとこれを市川がミドルシュート。しかし、これはクロスバーの僅か上を通過して行く。
6分、今度は右からドリブルで来た清水・市川がまたもミドルシートを打ってくるが、これは左ポストの外へ。
7分、右のスペースのボールを持って上がって行った原の中への折り返しはDFに弾かれCKに。原田が上げていったが、これは相手GKがキャッチしてしまう。
8分、中村がインターセプトしたボールを受けた藤本が右の縦のスペースにボールを出すが、これは原と意志があわず、相手ボールに。
10分、自陣右寄り中程の位置でトゥットを倒してしまい、清水のFKに。澤登が遠いサイドに蹴ってくるが、海本がキッチリと合わせに来た選手と競り合い、ヘディングを外させる。中盤で幾度となく細かくボールを繋ぐ名古屋。暑いこともあってか、攻め急ぎを避け、じっくりと時間をかけている様子がうかがえる。
13分、右に清水・トゥットが抜け出そうとしたが、ここは海本（兄）が体を入れてボールを奪う。
14分、自陣左の浅いところからのゴール前のボールに清水・鶴見が頭で飛び込んであわせるが、これはクロスバーの上へ。暑さもあってか、両チームの選手とも長い距離をあまり走りたがらず、単調なパスのみの展開がここへ来て続いている。
31分、左にサイドチェンジした酒井からの折り返しに中でフリーで受けた藤本がシュートに。しかし、コースに飛び出した相手DFが足でこれを弾いてしまい、得点を決めることが出来なかった。
32分、相手DFの裏に原が飛び出して行くが、これはオフサイドに。
33分、相手陣内で縦パスを受けた氏原が抜け出そうとして沢登にに倒されるがこれはファウルを貰えず。
34分、相手ペナルティ内へ中村がDFをかわして仕掛けて行くが、折り返しを試みる前に阻まれてしまい、ボールをラインの外に出してしまう。
36分、藤本が右足のアウトで、相手DFの裏へスルーパスを狙うが、原が追いつく前に相手DFがボールをカットしてしまう。
37分、自陣右に流れたボールを拾った清水・伊東が中へ戻すと、これを詰めた市川が中へ入れて行く。遠いサイドに上がっていった澤登がシュートを試みるが、ダイレクトであわせたボールはゴールを越えてゆく。
39分、相手ペナルティ近辺でパスを繋ぐと、最後、吉村が相手DFの裏へ飛び出し、これに藤本からボールが出るが、タッチの差で相手DFに足で弾かれてしまい、これを生かすことが出来なかった。
41分、自陣ゴール正面で清水がボールを繋ぐと、最後左の澤登へパスが通るが、左足のシュートは枠を大きく越えてゆく。
43分、右のスローインのボールを拾って上がって行く酒井が中へ折り返すと、遠いサイドで氏原が競り合うが僅かに頭に届かず、クリアされてしまった。
44分、右サイドからドリブルで中へと侵入して行く藤本。最後、相手DFの動きを見ると、コースを見つけてシュートに行くが、これは上手く足に当たらず、左のポストの外へ外してしまう。そして、約1分のロスタイムを経て、前半は終了。対戦相手だけではなく、暑さをも相手にしなければいけないと言うこともあってか、余り厳しいチェックもなく、淡泊な内容で前半を折り返すことに。
後　半
エンド変わって、左から右への攻め上がりとなる名古屋。後半は清水のボールで試合再開。前半は暑さもあってか、早いパス回しも見られず、単調な形が多かっただけに後半は、得点を狙うという意味でも、スピードアップが必要だろう。そして、体力面で厳しくなってくることを考えれば、キャンプでの真価が問われると言えるかもしれない。
清水メンバー交代：鶴見→鈴木、トゥット→高木
1分、右サイドを清水・鈴木が突破し中へ折り返しを入れてくるが、ここはマークがしっかりとしており、海本（兄）がボールをカット、大きく縦にクリアする。
3分、海本（弟）がドリブルで上がって行くと、相手DFの裏に飛び出した藤本にスルーパスを出して行くが、これはオフサイドの判定。
4分、名古屋1人目交代：原田→岡山5分、相手陣内中程右寄りの位置でのFKのチャンス。藤本が中に短く入れていったがこれはクリアされてしまう。
7分、右に出たボールを藤本が折り返すが、詰めていった選手が触れる前にカットされる。
8分、左からのCK。藤本がマイナスに入れて行くが、中村にあわせることが出来ず、こぼれてしまう。
10分、自陣右から上がっていたDFの裏へのパスに清水・伊東が飛び出してくるが、これは本田が先に反応。ボールをキャッチする。
11分、中に絞って出来た右のスペースにパスを出されると、清水・市川がこれを拾って中への折り返しを狙ってくるが、ボールは精度を欠いていたため、そのまま反対サイドに大きく抜けて行く。
13分、自陣の大森からの縦の長いパスに氏原が反応、飛び出し行くが、ここはタッチする前に相手GKがキャッチしてしまった。
14分、自陣深く左の位置で清水・澤登がドリブルで中に入ってこようとするが、ここは中村がしっかりと着いて、ファウルを誘う。
前半終了間際とはうってかわって、DFラインを積極的に押し上げて、攻撃的に来ている清水。ここは注意が必要だ。
17分、右サイドで大森がクリアボールを清水・久保山に当ててしまい自陣へこぼれてしまうが、先に体勢を戻した大森がサイドこれを拾って味方に繋ぐ。
18分、相手DFラインの裏へのボールを飛び出した藤本が拾ってループシュートに。しかし、これは僅かに勢いが付きすぎ、クロスバーの上へと行ってしまった。
18分、清水3人目交代：澤登→平松
19分、相手パスをカットして吉村が上がって行く。右に繋いだパスが出ると、このボールを拾った藤本の折り返しにファーサイドへと飛び込んで行くが、惜しくもタイミングが合わず、当てることが出来なかった。
21分、清水の右からのCK。鈴木のニアへのボールは吉村が反応良く頭で弾き返す。
22分、自陣ペナルティエリアの直ぐ外でパスを繋がれ、高木が最後ドリブルで攻め込んでくるが、体を張って酒井がこのシュートを止め、チームのピンチを救う。
24分、原が縦に突破を図ると、相手ペナルティエリア内で何とかDFをかわそうとしたが、DF2人に挟まれてしまい、ボールを思うように操れず、最後は奪われてしまう。
26分、左サイドを攻め上がる清水・平松だったが、ここは海本（兄）がしっかりとマークに着き、突破を止める。
27分、名古屋2人目交代：氏原→秋葉
清水の右からのCK。横山が入れてきたボールは大きく詰めていた選手達の上を通過して行く。
29分、自陣右でパスを回されるが、何とかここはDF陣が踏ん張り、最後はCKに逃れる。
30分、クリアボールを右サイドで奪われると、最後ゴール前へのグラウンダーに、清水・久保山が合わせに飛び込むが、これはポスト右に外す。
31分、自陣中央ほぼ真ん中の位置での清水のFK。清水・鈴木のゴール左の狙うFKは枠に行ったが、本田がしっかりこれに反応しており、弾きながらもこのピンチを救う好セーブで凌ぐ。中盤で清水にボールを奪われる場面が目立ち、ごてごてに回ってしまっているこの時間帯。辛抱が必要なところだ。
33分、名古屋3人目交代：藤本→ヨンデ
34分、相手クリアボールが大きく相手陣内へ流れ、スローインを好位置で得ると、相手ペナルティ周辺でパスを繋いで、最後右に上がる大森へ吉村が繋ごうと試みたが、これはボールを足でカットされてしまい、生かすことが出来なかった。
36分、右サイドで原がドリブルで頑張って上がって行き、CKを得る。酒井の入れていったボールにゴール正面でヨンデが飛び込むが、僅かに頭の上を通過してしまう。
37分、右サイドで今度は中村が粘って折り返しを試み、CKを得る。今度は中村がマイナスのボールを入れると、詰めていた海本（弟）がダイレクトにあわせるが、ボールは大きく浮いてしまいクロスバーを越えてしまう。
38分、清水4人目交代：久保山→北嶋
39分、右からのCKのチャンス。酒井の入れていったボールは簡単にクリアされてしまった。
40分、ヨンデの縦パスに原が反応して飛び出して行くと、ワントラップで相手DFを置き去りにしようとしたが、ボールが流れてしまい、再度拾う前にGKにキャッチされてしまう。
41分、右サイドの酒井へ中村からのパスが繋がると、ゴール前へと上げてゆくが、このボールは精度を欠き、相手GKの正面へ。ここへ来て名古屋が主導権を持ち始めてきているだけに、ここは大事に行きたい。
42分、清水・鈴木の左からのゴール前へのボールは、本田がキッチリ反応、簡単にキャッチする。
43分、左サイドのスペースに出たボールに清水・北嶋が反応して拾いに来るが、ここでも大森がしっかりとボールをキープ。
44分、清水のカウンター攻撃、右からのパスを左サイドでフリーで受けた清水・北嶋の左足シュートは本田の正面に。
ロスタイム1、吉村から中村へと渡ると、これを原に。このボールを原が相手DFの裏へと流していったが、秋葉は反応できず。
ロスタイム2、清水・北嶋の、ペナルティエリア内右からのシュートは、海本（弟）がスライディングでボールを止める。そして、試合はこのまま0−0で終了。終了間際押し込まれる場面が何度か見られたが、DF陣が踏ん張り何とか支店を防ぐことができた。最後まで応援ありがとうございました。