2003 Jリーグ ディビジョン1 リーグ戦 1st Stage 第7節
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連日の好天のせいもあってか、選手達は一様に日焼け顔で、試合前の練習でも、いつにまして力強く見えるのは気のせいか。そして、スタンドでは、サポーターの応援が始まり、選手一人一人に対して熱いエールが送られるようなる。練習では、日差しは相変わらず強いものの、ピッチ上では心地よい風が吹き抜けるようになり、選手達も軽快に練習メニューをこなしている。特に外国人選手3人が元気良さそうだ。ウェズレイはもちろん、ヴァスティッチもエリアからのプレースキックでは強烈なボールを蹴っていた。
そして、今やDF陣には欠くことのできないパナも日に焼けて、いっそう赤くなった顔でピッチ内を大きなストライドで右へ左へと体を動かしていた。試合開始が待ち遠しいかの如く、軽やかな足取りで、嬉々としてボールを捌いてる姿がとても印象的だ。今日5月5日は「こどもの日」ということもあり、スタンドには小さな子供達の姿が多く伺える。今日の試合を見て、また応援に駆けつけてもらえるように、最高に楽しく、ワクワクさせるような試合内容を見せて欲しい。今日は期待できるぞ!
4月の"月間ランクル賞”は、スーパーセーブの連続で数々のピンチを救ってきた楢崎選手に送られました。
前 半
名古屋初見参となった大分相手に、我らが名古屋はどんな試合を見せるのか。永年トップに君臨したチームとして、その名に恥じない内容で今日の試合の勝ちを決めたい。
左にエンドを取った大分に対し、いつもとは逆に右から左に攻め上がる名古屋。前半は名古屋のボールでキックオフ。ともかく開始からどんどん攻め上がりを見せて欲しい今日の試合だ。
開始早々、右サイドの大分・山崎が上がりを見せるが、ここは滝澤がボールをカット。右からの大分のCKは、小さく出したところをアンドラジーニャが拾いに行くが、DFが寄せて、これはゴール前には放り込ませることはなかった。
1分、左から藤本がドリブルで上がると、寄せてきた相手選手を背に左サイドを上がる滝澤に短く繋ごうとしたが、ボールは相手にわたってしまう。
2分、自陣からの大森の相手DFの裏を狙ったボールはウェズレイにわたる前にDFに弾かれる。
3分、相手陣内中程左よりの位置でFKを得る。練習でも見せていたポイントをずらしたボールをヴァスティッチが直接ゴールを狙って蹴ってゆくが、これは惜しくも壁に当たってしまう。
5分、左サイドを大分・寺川が抜け出してくるが、中へ入れてきたボールは大森が正面で止める。こぼれたところに詰めてくるが、中村が戻ってこれをクリアする。
7分、右サイドからの酒井の早いボールにヴァスティッチがニアで飛び込んで頭で合わせるが、僅かに右に流れポストの右へ外れてしまう。
8分、相手ボールを中盤でカットした藤本のパスを受けたパナが相手DFの頭越しにボールを蹴ってゆくと、これにウェズレイが反応、飛び出していったが惜しくもオフサイド。
10分、右サイドをスペースを狙われ、大分・吉田が上がりを見せると、中に折り返してくる。良いボールがDFと楢崎の間に入ってくるが、飛び込む選手が間に合わず、反対サイドにボールは抜けてゆく。
11分、パナの左サイド前線へのパスをウェズレイが走っていって、ぎりぎりから中へ折り返すが、これは相手GKに直接行ってしまう。
13分、右サイドをアンドラジーニャに破られそうになるが、古賀、滝澤がしっかりと寄せ、中へのボールをきっちり止める。
14分、相手の攻めのボールをカットして速攻。藤本から左のウェズレイにボールが出ると、これを中に切れ込んでシュートに持ってゆくが、惜しくもポスト左に外れてしまう。大分の堅い守りに攻めあぐねていたが、ここへ来てサイドが、特に左からの攻撃が目立ちだし始める。そろそろ先制点が欲しいところだ。
16分、左サイドのスペースにこぼれたボールをヴァスティッチが中へ折り返すと、これを遠いサイドの酒井が拾ってシュートにゆくが、これは相手に当たってしまいCKに。
17分、左からのCK。藤本が入れていったボールは相手DFがクリアし再度CKに。今度は滝澤がニアに入れてゆくが、待っていたパナにわたる前に相手にクリアされてしまう。
18分、ゴール前への浮き球に大分・吉田が右足でダイレクトにシュートを狙ってくるが、滝澤がしっかりと寄せミスを誘う。
19分、右サイド深くを大分・高松がドリブルで入り込もうと仕掛けてくるが、ここでも古賀がしっかりとついて、マイボールに。
20分、自陣からの速攻で右のスペースに出たボールを拾った中村からの折り返しを中央で飛び込んだウェズレイがどんぴしゃりで頭であわせるも、勢いがつきすぎたボールはポストの左に外れてしまう。チャンスは作るものの運に見放されれたのか、なかなか得点できない名古屋だが、ここはあきらめずに攻撃を続けていきたいところだ。
24分、中央からのドリブルの藤本のボールを右に上がった酒井が受けると、これを中に切れ込んだ中村にパス。さらに中村が縦に突破を計ろうとするが、相手の足下へのタックルでボールはシュートまではもってゆけず。
25分、右からCK。滝澤のゴール前へのボールは相手GKが直接キャッチしてしまう。
26分、中村のハーフウェイラインからのDFの裏へのボールにウェズレイが抜け出すが、これは相手GKが飛び出して先にキャッチしてしまう。
28分、自陣深く右の位置での大分のFK。アンドラジーニャが左足でニアに蹴ってきたボールは吉村がクリア。再度拾われると、ゴール前に蹴ってくるが、楢崎が飛び出して直接キャッチ。攻撃の形は作っているものの、なかなか先制点のとれない名古屋。
【得点】
31分、右からのCKの藤本の入れたボールがこぼれたところを、ここに詰めていたパナがこのボールを右足でけり込み、得点をゲット。なんと先制はまたしてもDF陣、これでパナはチーム最多の2得点に。
32分、大分の左からのCK。ゴール前のボールは詰めていた滝澤がドリブルで持ち出し、このピンチを逃れる。
33分、左サイドを吉村のカットしたボールを持って上がったヴァスティッチがドリブルで中へと切れ込んでシュートにゆくが、これは惜しくも相手に当たってしまい、追加点を挙げるチャンスには出来なかった。
35分、自陣深く右寄りの位置での大分のFK。アンドラジーニャが左足で早いボールを蹴ってくるが、競り合いではパナが頭一つ高く、このボールを大きくはじき出す。
37分、右サイドを上がってきた大分・高松が中に繋ぐが、これを酒井が反応良くカットして縦に出してゆく。ウェズレイがこれを拾って突破を図ったが、倒されてしまい。チャンスをつぶされてしまった。
39分、中央から中村がドリブルで上がって、相手DFの足下を抜くスルーパスを藤本に出してゆこうとしたが、コースを読まれてしまい、足でカットされてしまう。
40分、大分・山崎からのサイドチェンジの受けた高松がフリーでシュートの体勢にゆくが、ここは酒井が勢いよくスライディングで相手のボールをカットしこのピンチを救う。
41分、相手ペナルティ右に出たボールを藤本が拾うと、これをマイナスに戻し、中村がここへ詰めてくるが、シュートを打たしてはもらえなかった。
42分、左サイドにフリーで待つ滝澤がボールを受けると、相手ゴール右隅を狙ってループシュートを打ってゆくが、これは僅かに浮いてしまいクロスバーの上に。
44分、自陣からの縦のボールに藤本が相手DFと競り合いながらも抜け出そうと試みるが、体をぴったりとマークされてシュートにゆく前にボールを見失ってしまう。
ロスタイム1、自陣深く左よりのペナルティすぐ外での大分のFK。アンドラジーニャの直接狙った強烈なボールは藤本が顔面で止める。さらにこぼれ球を拾われ、シュートを狙われるも、全員による守備が生き、このピンチを凌ぎきる。そして、ここで前半終了の笛が鳴る。好機を作りながらもなかなか得点が決まらないという苦しみから解き放ってくれたのは、DF・パナのセットプレーからの得点だった。これで試合を優位に進めることが出来るはず。後半は追加点を狙って、攻撃的に言って欲しい。
後 半
前半は、ほとんどの時間帯でボールを支配したものの、見事、パナがこぼれ球を押し込み先制することが出来た。後半はFW陣による得点シーンも見たいところだ。両チームとも選手交代はなし。後半はエンド変わって左から右への攻め上がりとなる名古屋。右から攻め上がる大分のボールで試合再開。開始早々、自陣中程右よりの位置での大分のFK。アンドラジーニャの入れてきたボールは簡単にクリアする。
1分、大分の右からのCK。遠いサイドに上げてきたボールは、楢崎がジャンプしてキャッチ。
2分、右でボールを受けたヴァスティッチが上がりながら中にいた中村に繋ぐが、ここは後ろから相手選手に狙われて、ボールを奪われてしまう。
3分、右サイドを上がっていった大森が中に寄せてきたヴァスティッチにパスを出すと、これをダイレクトでゴール前へと放り込んでゆくが、ここは相手DFが正面でこれを受けてカットしてしまう。
5分、自陣からドリブルで上がって、パナが縦にパスを出したが、ウェズレイが飛び出す前に、すでにオフサイド。
6分、右に上がる藤本にボールが出ると、これを相手DFをかわして抜け出し、ウェズレイに折り返す。ウェズレイの放ったシュートは惜しくも相手DFの正面にいってしまう。
7分、大分1人目交代:寺川→ロドリゴ
【失点】
8分、大分の左からのCK。変わって入ったロドリゴのニアへのボールをクリアしきれず、こぼれたところを詰めていた大分・高松に押し込まれてしまい、同点となってしまう。選手交代してすぐのマークのずれをつけ込まれる形となってしまった。
12分大分・片野坂の縦のボールへ高松が上がってゆくが、ここは大森がマークに付きトラップミスを誘う。
13分、左サイドを上がる、大分・ロドリゴが大森のマークをかわして中に折り返しを入れてくるが、ここは古賀が頭で弾き出す。
14分、右をドリブルで上がってきた大分・吉田が中へ入れてくるが、このボールは長すぎて抜けていってしまう。同点にしたことで大分の動きが良くなり、ここは我慢の時間帯といえる。
16分、左サイドを上がっていった中村がペナルティエリア内まで侵入すると、左足でシュートにゆくが、ここは相手GKが正面でこれを弾き出してしまう。
17分、名古屋1人目交代:酒井→原
右からのCK。藤本の入れていったボールを詰めていた選手が押し込もうとしたが、相手DFに前を阻まれ、追加点を挙げることは出来なかった。
19分、中村、ヴァスティッチと繋いで、最後パスを受けた藤本が左に流れながらシュートにゆくが、ここも相手DFに阻まれてしまう。
20分、右サイドに出たボールを受けた原が縦に上がってゆくと、相手DFが詰めてきたところを狙ってCKを得る。右からの滝澤のCKのボールはマイナスに出してゆくと、これを受けた中村が、密集したゴール前の足下へシュートを打っていくが、左に流れてしまう。
22分、左から滝澤が入れたボールを受けたウェズレイが流れながらシュートにゆこうとするが、倒れてしまい打ち切れなかった。
23分、右の原の縦パスに反応し上がってゆくヴァスティッチが、中央から詰めてきた中村に渡そうとするが、このボールは相手DFにカットされてしまった。
24分、大分2人目交代:アンドラジーニャ→内村
大分相手に攻めきれず、この時間帯まで来てしまった感がある名古屋としては、なんとか突き放してゆきたい。
26分、ウェズレイからの右からのパスに中村がスルーすると、中央に走り込んだヴァスティッチが反転しながらこれを押し込もうとするが、シュートはしっかり当たらず、力無く転がるボールを相手GKにキャッチされてしまった。
28分、右サイドを大森がドリブルから縦パスを出すと、これに原が走ってゆくが、寄せてきた相手DFをかわしきれず転倒、ファウルを取られてしまう。
30分、中央で中村がボールを持つと、相手DFの裏を狙って走る味方を探すが、慎重になりすぎ、最後左から上がりをしてきた滝澤に繋ごうとするが、タイミングが合わず、滝澤は倒れてしまい、このボールを失ってしまう。
31分、右から上がっていった吉村がこぼれ球を拾って、ゴール前へ放り込もうとするが、これは長すぎてしまい、ゴール前で待っていた選手は誰も触れることが出来なかった。
33分、相手ペナルティすぐ外でパスを受けて、相手DFをかわして抜け出そうとしたウェズレイが倒されるが、ここはファウルを取られてしまう。
34分、名古屋2人目交代:中村→岡山
35分、左から岡山がボールを持って上がってゆくと、中に入り込みながら上がってきた吉村にパス。これをドリブルから果敢にシュートを狙って蹴っていったが、相手DFに当たってしまう。いよいよのこり時間が少なくなってきてしまった。このまま今日もまた同点で引き分けに終わってしまうのか。
36分、右に抜け出したウェズレイにパスが出ると、これを中央に折り返すと、ヴァスティッチが直接ゴールを狙おうとするが、体勢が悪く足を振り抜くことが出来なかった。
38分、大分3人目交代:高松→浮氣
大分・山崎が前掛かりになってできた左スペースの裏を抜け出してドリブルで一気に上がってくるが、ペナルティ内で古賀が勇気を持ってこれを阻止、ピンチを救う。
【得点】
40分、名古屋3人目交代:吉村→海本
左サイドを上がってきた海本の折り返しをニアにいたパナが頭で中に繋ぐと、これに詰めていったヴァスティッチが最後これを見事押し込み、ついに追加点を決め、大分を引き離す。
42分、左サイドを上がってきた岡山の折り返しをゴール前でヴァスティッチが、ニアではウェズレイが飛び込むが、相手DFにクリアされてしまう。
43分、海本のDFの裏のボールにウェズレイが抜けだすと、ゴール前に折り返してゆく。ここへヴァスティッチが飛び込んでゆき、シュートを押し込もうとするが、相手GKが体を張ってこれを阻止しようとするが、ヴァスティッチもこれに対抗。倒れ込んでのもみ合いとなるが、最後、相手GKがボールを掴んでしまい、押し込むことは出来なかった。
ロスタイム1、自陣中央中程の位置での大分のFK。DFの頭越しに狙ったボールを押し込まれそうになるが、辛うじてボールはクロスバーを越えてゆき、得点を奪われることはなかった。
ロスタイム2、相手のゴール前へのボールを大分・梅田が頭で押し込もうとするが、DF陣が集中力を切らすことなくこれを阻止。そしてそして、約3分のロスタイムの後、ついに試合終了の笛が高らかに瑞穂のスタジアム内に響き渡り、見事勝ち点3を得ることが出来た。今日は最後まで挫けることなく攻撃し続けたFW陣の頑張りが勝利を与えてくれたと思う。最後まで応援ありがとうございました。