２００２年J1リーグ２ndステージ第１２節：「FC東京戦」

協力：

前半の試合の流れ
〜前半１５分
キックオフ直前になっても気温は上がらず、日差しが陰りはじめ、吹き抜ける風も冷たさを増し、ますます厳しいコンディションになってきた。
１４時５５分、グランパスのサッカースクール生が選手入場に先駆けチームフラッグを持参して登場。キックオフ直前の雰囲気を、そして、今シーズン最後の瑞穂での試合を盛り上げるのに一役買ってくれる。

右から左に攻める東京に対し、左から右へと攻め上がるグランパス。試合は東京のキックオフで開始。
１分、左サイドで平岡がボールを持つと、早速縦の原へとボールを渡してゆくが、ここは東京のDF３人に囲まれボールを奪われる。
２分、平岡が左サイド深くドリブルで上がり、中に折り返すが、これはボールが低く簡単に相手DFに頭でクリアされてしまう。
３分、自陣右サイド深くでの東京のFK。ニアサイドに早いボールを蹴ってくるがここは合わせて飛び込んできた選手の足には触れず、楢崎がキャッチ。
４分、自陣でボールを持った山口Mが縦にけり出してゆくが、原に渡る前に相手DFにカットされる。
５分、片桐がパナからのボールを受けて抜け出そうとしたが、マークについた東京・ジャーンに邪魔され、ボールを取られてしまう。
６分、東京・戸田がDFの裏へ抜けだし、楢崎と１対１になるが、ここは楢が果敢に飛び出し、このシュートを近距離で止める、好プレーを見せる。
７分、相手陣内へと攻め上がると、右の大森が中へと流れながら左足で左から走ってきた原にと繋ごうとしたが、ここはDFにカットされてしまった。
８分、東京・ケリーが右サイドからのボールに中から右に流れながら受けると、ペナルティ内へと進入してくるが、パナがきっちりとこれをマーク、トラップの流れたボールをクリアする。

１０分、ドリブルで上がっていった大森が相手右サイドペナルティすぐ外で倒され、好位置でFKを得る。平岡がゴール前に原に合わせて蹴ってゆくが、飛び込んだ原の頭に当たる前にクリアされてしまう。
１１分、右からのCK。平岡がファーサイドに蹴っていったボールは古賀が頭で合わせるがファウルを取られ相手ボールに。
１２分、東京の右からのCK。ショートで繋いで東京・ケリーが中に入ってこようとしたが、ボールをゴールラインの外へと出してしまう。ここまでは両チームとも高い緊張の中でプレーが続き、先が全く読めない状況だ。
〜前半３０分

１６分、東京・下平が縦に石川を走らせようとボールを出してくるが、これはそのまま外に出してしまう。
１７分、右サイドを上がった大森が中村に渡すと、これをゴール前にすぐさま早いボールを入れていったが、これは誰も感じなかったようで、相手GKに取られてしまう。
１８分、東京・アマラオが右サイドからのボールを受けて、ペナルティ内へ入ってくるが、マークに付いた古賀がこのボールをしっかりクリア。ここへ来て東京の中盤が高い位置でのボールへの寄せが早くなり、ボールを奪われるようになり、押し込まれる場面が目立ち出す。ここは何とか耐えて、相手のボールを逆に奪って、攻撃に転じたいところだ。
２０分、平岡が左サイドで受けたボールを寄せたDFをかわして右足で中にグラウンダーを入れると、右から来た中村が右足アウトサイドでループシュート。相手GKの指先を抜けあわやゴールかと思われたが、僅かに高くクロスバーの上へ行ってしまった。惜し〜い！

２４分、自陣からの左サイドの前にできたスペースにパナが長いボールを出すと、これに片桐が全力疾走では知ってゆく。何とか拾ったボールをさらにドリブルで持ち上がろうとしたが、相手DFのスライディングにあいゴールラインを割ってしまう。相変わらず中盤でのボールの支配率では東京が勝り、一人一人のボール裁きも早く、名古屋はボールを持たせてもらっていない。
〜前半終了
失点はしていないものの、攻撃の機会が作れない名古屋。何とかここで先制点を取って試合を有利に進めたいところだ。

３０分、右サイド相手陣内深くでの大森のスローインに片桐が寄せていくが、もらったボールをトラップミスしてしまう。
３１分、東京・石川がDFをかわして左に抜けるアマラオに好パスを出す。これを左足でシュートを放ってくるが、辛うじてボールは右ポストの外へと流れる。
３３分、山口Ｍからのパスをもらった山口Kがそのままドリブルで相手陣内ペナルティエリア内まで上がり、最後左足でシュート。しかしこれは惜しくも相手GKに弾かれてしまう。
３４分、右サイドをフリーで上がった大森にボールが出ると、これをゴール前にクロスを上げようと試みるが、これは残念ながら大きくふかしてしまい、チャンスを作ることが出来ず。
３６分、自陣で東京のボールを奪うと一気にカウンターで押し上がる。大森から右サ
イドを上がってゆく海本にボールが渡り、これを持ってさらに海本が攻め上がるが、中に来た選手に渡そうとしたところで相手DFのスライディングに合い倒されてしまい、ボールを奪われてしまう。
３８分、右サイドを東京・アマラオが縦パスを受けて上がってくるが、ここはペナルティ内だったが、古賀・パナがしっかりとマークして、シュートさせなかった。
４０分、相手陣内中程でのFKのチャンス。山口Mが上がってきていたパナの頭を狙って蹴っていったが、僅かにボールが大きくそのまま抜けていってしまう。
４２分、自陣で中村がボールを奪われると、パスを受けた東京・浅利がDFの裏にスルーを狙って蹴ってきたが、これはボールが長くそのままゴールラインを割る。
４４分、自陣右入ってすぐの位置での東京のFK。宮沢が左足でゴール前に放り込んでくる長いボールを蹴ってきたが、これは楢崎がパンチングで弾く。
ロスタイム１、ボールを相手陣内でボールを受けた片桐が、寄せてきた相手DF２人をかわし、空いたスペースを狙って左足でシュートに。ボールは僅かにクロスバーを越えてしまうが、積極性の見えた数少ないプレーのひとつだ。結局このまま両チーム０−０で前半を折り返すことに。大半が東京に押し込まれる形での展開となった前半だったが、何とか無失点で折り返すことが出来たグランパス。後半こそは早い時間帯に先制して、試合の主導権を奪いたい。後半に期待だ！

後半の試合の流れ

〜後半１５分

前半押し込まれながらも何とか失点もなく折り返したグランパス。しかし、得点しないことには試合に勝つことは出来ない。ムードを変えるという意味でも遠慮気味の若手選手の奮起が必要だ。

エンド変わって、右から左に攻め上がる名古屋のボールで後半開始。
名古屋１人目交代：平岡（直）→滝澤

２分、右から来た東京・藤山の中へのボールを受けたケリーが強烈なシュートを蹴ってくるが、これは左ポストの外に外れる。
３分、DFからの縦のボールを原が楔になって落とすと、これを中村が拾うのを見て大森が右サイドを上がってゆく。しかし、中村の大森へのボールはサイドを割ってしまう。
４分、大森が右を大きく上がり深いところで折り返しをゴール前に入れると、これに片桐が詰めてゆくが、のばし足には当たらず。さらにこぼれたボールを拾った左サイドの滝澤がDFをかわしてシューとしようとしたが、これはDFに阻まれてしまい、何とか打ったボールは弾かれてしまう。

６分、相手陣内で山口Kがボールをもらうと、DFの裏に片桐を走らそうと蹴ってゆく。しかし、このパスは僅かに長く、片桐が追いつく前に相手DFに奪われてしまう。
７分、相手陣内左中程の位置でのFKのチャンス。滝澤がゴール前に蹴っていったが、相手GKにそのままキャッチされてしまう。後半はここまで積極的に各選手が動いており、いい雰囲気で展開している。
９分、左サイドに出たボールに山口Kが走って拾うと、DFの裏に浮き球を出し片桐を使う。しかし、このボールを受けようとしたところを一気に戻ってきた東京DFがカットしてしまう。繋がればチャンスになっていただけに惜しい場面だった。
１１分、自陣での古賀のクリアが小さくなり、これを東京・石川に拾われると、中で待っていたケリーに繋がれるが、DFが何とかこれに寄せ、ミスを誘う。
１２分、相手陣内からパスが繋がり、滝澤から左サイドに開いていた原にパスが渡る。これをDFをかわして中にドリブルで切れ込むと、中村にパス。これを相手DFをかわして左足でシュートに持っていった中村だったが、無情にも、ボールは右のポストの外へ外れてしまう。う〜ん、残念。
〜後半３０分
１７分、東京が右からの早いクロスボールを入れてくると。これに頭から飛び込むがヘディングのボールはポスト右に辛うじて外れる。
１８分、左サイドで待っていた原の前にパスが出るが、これは精度が悪く追いつく前にサイドを割ってしまう。
１９分、東京・戸田がDFの裏のボールに飛び出してくるが、ここはパナがマークに着き、このボールを拾わせなかった。
２２分、相手陣内でボールを奪った滝澤が大きく縦にけり出してゆくと、これに片桐が走り込んで受けるが、寄せてきたDFをかわしたところでボールを奪われてしまう。
２３分、DFの裏に抜けたボールにまたも東京・戸田が走り込み、あわや１対１になりかけたが、飛び出した楢崎がこれを先にクリア。
２５分、山口Mがドリブルでボールを右の大森に。これをダイレクトで縦にけり出すと、中村が走り込む。相手DFに弾かれたボールを中村が前に落とし、さらに抜け出してゆくと、ゴール前に放り込むが詰めていた原が触れる前にDFにクリアされてしまう。
２６分、右からの滝澤からのCKのボールはGKにキャッチされてしまった。
２７分、東京２人目交代：戸田→馬場。東京の右からのCK。佐藤の入れてきたニアへのボールは簡単にクリアする。
２８分、名古屋２人目交代：山口M→酒井
〜後半終了

なかなか決定的な場面を作ることが出来ない名古屋。この時間帯あたりから疲れもではじめるところ。最後の踏ん張りどころといえるだろう。

３１分、東京・馬場が左サイド高い位置でボールを拾ってそのままシュートを蹴ってきたが、これは大きくゴールを越えてゆく。
３２分、酒井のドリブルからのボールを受けた滝澤が、さらに駆け上がる酒井を狙ってDFの裏に蹴っていったが、ボールを相手DFに阻止され、クリアされてしまう。
３４分、自陣からの縦パスを原が受けようとして粘るが、相手DFの密着マークに合いボールを奪い返されてしまう。
３５分、自陣から滝澤がドリブルで上がってゆくと、相手陣内中程まで持っていったが、寄せてきたDFに足を取られ倒れてしまう。
３７分、名古屋３人目交代：大森→岡山。疲れの見えた大森に変え岡山を入れ、勝負に出たベルデニック監督。
３８分、滝澤からの左サイドのパスを受けた片桐がさらに上がる滝澤にパス。これを受けると、ゴール前に絶好のクロスを放り込むが、詰めていた原の頭の僅か数十センチを通過してしまう。
４２分、自陣右サイドに出来たスペースにボールが出ると、これに東京・佐藤が走り込んでくるが、パナがここはしっかりクリア。
４３分、片桐が左サイドでドリブルで粘り、さらに上がる。そしてこれを滝澤に流すと、左足で果敢にシュートを打ってゆく。しかしこのボールは相手DFにクリアされてしまう。
【得点】４４分、左からの中村のCKのボールを、GKの飛び出しをものともせず、飛び込んで合わせた原のヘディングシュートがゴールネットを揺らし、ついに念願の先制点がこの時 間帯になってやっと決まる。いいぞ！竜太。さすがだぞ！！
ロスタイム１、右サイドを上がってきた東京のサイドの選手に対し、パナがかわされると、ゴール前に早いボールをマイナス気味に放り込まれる。DFが中に振られて一瞬マークがずれ、フリーの選手が何人か飛び込んできたが、誰もこれを合わせることは出来ず救われる。
ロスタイム２、東京が最後の攻め上がりを見せるが、FWの２人も戻って全員でDFに当たり、この攻撃を凌ぐと、審判の試合終了の笛が鳴り響き、見事勝利でこの試合を飾ることが出来た。