2002年J1リーグ2ndステージ第2節:「柏レイソル戦」

協力:

前半の試合の流れ

〜前半15分

午後6時50分、夜の帳が降り、周りからはサポーターの声に負けじと虫の声が聞こえ始める。その、秋の夜の雰囲気が漂っている瑞穂陸上競技場のピッチに、突如としてストイコビッチが登場すると、スタンドに詰めかけたサポーターは大喜び。“ここ最近の試合の
ビデオを見たが、とても良い内容の試合をしている“と彼からの嬉しいコメントも飛び出し、大歓声が。彼のコメントに負けないよう、良い内容の試合を今日も期待しよう。

試合は左にエンドを取った市原に対し、右から左に攻め上がる名古屋のキックオフで始まる。

開始いきなり、中央の山口から左の滝澤にボールが通ると、これを切り返しから右足でゴール前に入れてゆくと相手GKがあわててこれを弾いてしまい早速CKに。右から滝澤がゴール前にいれてゆくと、市原のクリアで再度CKになるが、2本目のCKはサイドネットに行ってしまう。
2分、立てに出たボールにヴァスティッチが走ってゆくと、これに詰めた相手DFにボールを当て再びCKを得る。今度は左からのCKを中村が入れてゆくと、相手GKが弾いたところをこぼれたボールを岡山が右足で振り抜くもボールはクロスバーの上に。
4分、縦に抜けるボールに滝澤が走り出し、これをワントラップで中に入れると原が詰めるがカットされてしまう。更にこぼれ球を拾った岡山が今度は左でシュートにゆくも、このボールもクロスバーの上に行ってしまう。早い展開から積極的にゴール前にボールを運び、最後、きっちりとシュートチャンスを作っており、ここまでは圧倒的に有利な展開と言っていいだろう。
8分、中村からの縦のボールにくさびになったヴァスティッチが倒され、相手ゴール正面の好位置でFKを得る。ペナルティまで約10mも無い位置でのFKはヴァスティッチが直接右足で蹴っていったが、抑えが効かなかったのか、ボールはクロスバーを超えていってしまう。
9分、押し上げからパナが前線に走る原にたてパスを出すが、相手DFに寄せられ倒れてしまう。
10分、楢崎からのフィードをヴァスティッチが頭で落とすと、これに滝澤が詰め縦へと抜け出す。相手DFが寄せてきたところで右に抜けてゆく原にパスを出すが、ここは読まれてしまいカットされてしまった。
11分、市原・武藤が左から大森をかわして上がってくるが、最後はパナがしっかりと詰めて折り返そうとしたボールは楢崎が簡単に処理。

13分、相手陣内入ってすぐの位置で中村が倒されFKを得るが、早いスタートを狙った山口は笛に止められ、攻撃の糸口を作ることはできなかった。

〜前半30分
15分、自陣中央から市原に攻め入られると、市原・武藤がスルーパスを狙ってくるが。ここはきっちり読んでこれをカットする。
16分、自陣右深い位置で市原にFKを与えてしまう。市原・阿部が右足で右隅に低いボールを蹴ってくるが、これは右ポストの外に外れる。
17分、市原・坂本が右サイドから滝澤の居ないスペースを狙って出たボールを拾うと、上がりざまに早いクロスを入れてくるが、これは制度が悪く誰も合わせることができず、反対サイドに流れていってしまった。
19分、相手陣内でボールを奪われ、市原・崔に攻め込まれるが、ゴール前に入れてゆこうとしたボールは古賀がカット。
【得点】20分、右サイドを上がっていったヴァスティッチが詰めてきたDFをかわして中へと切れ込むと、最後ゴール前にいた原に合わせて上げると、これをきっちりと頭で押し込み、先制点を見事決めてくれる。よっしゃー!ナイス竜太!!

23分、左サイドから市原・村井が上がってくるが、岡山とパナしっかりと詰め。これを折り返させなかった。
25分、原へのファウルからFKを得るが、山口のボールを受けた岡山が、ヴァスティッチに流そうとしたところで、カットされてしまった。
26分、市原・武藤が右サイドからのボールをペナルティ内で頭で折り返すが、このボールへは楢崎がきっちりと反応しこれを拾う。
28分、市原・阿部からの右からのボールに崔がポストになって入って来る選手を待つが、これ大森が先に拾ってマイボールにする。

〜前半終了
30分、自陣右での市原のFK。阿部が右足でファーサイドを狙ってくるが、ここは古賀が頭でカット。
31分、自陣でヴァスティッチが上がってきた滝澤にはたくと、これをドリブルで持って上がるが、最後ペナルティ近くで相手DFに詰められて倒されチャンスをものにすることができなかった。
【失点】33分、ペナルティ内でパナが市原・崔を倒してしまいPKを与えてしまう。崔自らがこのPK を落ち着いて決め、1−1の同点とされてしまう。ここは事故とあきらめて、気持ちを切り替えて追加点を取りに行って欲しいところだ。
35分、右サイドでボールをもらった原が相手DFを引きずりながらも上がってゴール前に何とか折り返そうとするが、これはカットされてしまう。
36分、右サイド深く岡山が中村とのワンツーで抜け出そうとしたが、これはボールを足でカットされてしまった。
38分、自陣左深い位置での市原のスローインからのボールを武藤が入ってきてチャンスにしようとするが、自らが触れたボールをそのままゴールラインに出してしまう。
【得点】41分、原が右から相手ペナルティ内で強引に上がろうとしたところを倒されると、これがPKに。ボールにはヴァスティッチが歩み寄りこれを右足で豪快に蹴りこみ、見事追加点を挙げ2−1とする。この得点は決めたヴァスティッチより、果敢なプレーでPKを得た原の殊勲といえるだろう。

44分、市原の左からのCK。阿部が遠いサイドに蹴ってくるが、古賀が頭でこれを大きくはじき出す。
ロスタイム1、原が前線に長く出たボールに上がってゆくが、トラップしたところで倒されてしまい、このチャンスを潰されてしまった。そして、前半終了の笛が。先制しながらPKにより同点にされ、いやな雰囲気になったが、原の思い切りの良いプレーから生まれたPKで、良い時間帯で市原を突き放すことができた。後半もこの勢いで行きたい。

〜後半15分
2分、岡山が相手DFとの競り合いで痛み、一瞬ひやりとするが問題はなさそう。
3分、右からの市原のボールにDFが、とっさに反応が遅れるが、楢崎がこれを倒れ込みながらも、しっかりとキャッチする。
4分、市原が何度か右から放り込んでくるが、ゴール前で古賀、山口がこれを頭ではじき返し、チャンスを作らせない。こぼれ球に反応した市原・ミリノビッチのシュートはあっけなくゴールを越えてゆく。
7分、市原・佐藤のゴール前への早いクロスに崔が飛び込んでくるが、これは頭で触れることなく楢崎の懐へ。

8分、自陣右中程の位置での市原のセットプレー。阿部がゴール正面に入れてきたが楢崎が飛び出してこれをキャッチ。
10分、市原・大柴が右からのゴール前へのボールに頭で合わせようとするが、これもDFがしっかりとクリア。
11分、ヴァスティッチが相手ペナルティ内で右からのアーリークロスを受けようとして倒れるが、これはシミュレーションと判断され、取ってもらえなかった。
12分、相手のトラップのボールを拾った中村が抜け出すと、最後ペナルティ内までドリブルで入ってゆくが相手DFのスライディングでボールをクリアされてしまう。

〜後半30分
15分、市原1人目交代:武藤→増田
16分、変わって入った市原・増田が左サイドで抜け出すと、ゴール前にマイナスで折り返してくるが、これは市原の選手は誰も反応できなかった。
17分、名古屋1人目交代:酒井→山口(慶)
18分、左サイドで市原・増田が果敢に上がってくるが、岡山が執拗にこれに詰め、このボールを中に入れさせなかった。
【得点】19分、センターサークルあたりで山口がボールを拾うと、相手DFの裏にできたスペースにけり出すと、これにヴァスティッチが走り込み、飛び出してきた相手GKを怖がることなくかわすと、最後は無人のゴールに、この日2点目となるシュートを決める。これで3−1となる。さすが、イヴォ!
22分、自陣深くでの市原・大柴のボールを岡山が奪うと、これを大森に。大森が縦に走る原に出すと、これを中央の中村に左からきたヴァスティッチがこれを貰うと、大きく右サイドにクロスを入れてゆく。ここに岡山が最後詰めてゆくが右足のシュートは惜しくも
左ポストの外に外れてしまった。惜しくも得点には至らなかったが、流れるようにパスのボールが繋がり、見ていても息が止まるほど心地よい緊張感を与えてくれるプレーだった。すっかり名古屋の優勢が目立つようになってきたこの時間帯。このまま一気にたたみ込んで貰おう。
27分、相手陣内深く右でのFKのチャンス。滝澤が上がっていたパナに合わせて蹴っていったが、市原・ミリノビッチの高いDFに弾かれてしまった。ここへきてピッチに倒れ込む選手が増え、警告が目立つようになってきた。ここは、無駄なカードを貰わないよう落ち着いていって欲しい。
30分、市原2人目交代:坂本→林
〜後半終了
32分、自陣中程の位置でのファウルで市原にFKを与えてしまう。これを遠いながらも崔が直接狙って蹴ってきたが、壁に当ててしまう。
33分、今度は自陣左ペナルティすぐ外でファウルを犯し、市原にFKを与えてしまう。審判のジャッジに対しいらだちを見せているが、こんなときこそ浮き足立たないようにプレーして欲しい。
35分、阿部がこのFKをゴール左を狙って、鋭いボールを蹴ってくるが、これを楢崎がジャンプして見事にはじき飛ばし、このピンチを救う。
36分、名古屋2人目交代:原→片桐(!)
37分、ヴァスティッチが市原陣内でのプレーが影響し、なんと退場させられ1人少なくなってしまう。
38分、相手陣内中程右よりの位置でFKを得ると、中村が反対サイドに蹴ってゆくと、相手DFに弾かれたボールを拾った滝澤が粘って粘って上げてゆこうと試みるが、寄せてきたDF2人に阻まれてボールはラインを割ってしまう。
41分、山口からの右のスペースへのボールに、ものすごいスピードで片桐が走り込んでゆくが、僅かに間に合わず、相手DFに先に拾われクリアされてしまう。1人少ないとは思えないような動きで相変わらず、市原の持ったボールへの詰めを試み、ゲームを作らせな
いこの時間帯。
44分、市原の右からのCK。ショートコーナーのボールをゴール前に放り込んでくるが、パナがいったんはクリアするが、そのボールに詰めた市原・崔がオーバーヘッドで反対サイドに折り返すと、これに頭で詰めてきた市原選手いたが、ここも古賀が果敢に体を密着
させ、相手のファウルを誘う。
ロスタイム1、市原の右からのCK。ゴール正面に上げたボールに2列目から市原・中西が合わせてくるが、このシュートは辛うじてバーの上に行き、あわやの場面だったがミスに救われる。
ロスタイム2、市原・大柴が左サイドを持ち込むと岡山が詰め、このボールを折り返させることなくラインから出させる。その後も市原の攻撃が続くも、最後まで凌ぎきり試合終了の笛が鳴るのを待つ。およそ4分という長いロスタイムにも関わらず、最後まで集中力
を欠くことなくプレーした名古屋の圧勝という結果といえるだろう。後半途中から審判のジャッジを巡り再三試合の流れが止まり、あげくにヴァスティッチの退場まで起きてしまうという、少々後味の悪い試合であったことが惜しまれる。しかし、これでチームは見事
8連勝を見事決め、サポーターにとっては嬉しいことは間違いない。この後も今日のようなパフォーマンスで試合に望んで、勝利を続けて欲しい。最後まで応援有り難うございました。