2002年J1リーグ1stステージ第10節:「ヴィッセル神戸戦」

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前半の試合の流れ

〜前半15分
名古屋独特の蒸し暑さもいささか落ち着いた、6時57分。選手紹介にわいた競技場のピッチに両チームのイレブンが入場してくると、急に周りの温度が上がり始め、サポーター達の大きな声援が沸き起こり出す。ホームに帰っての今日の神戸戦の勝利を願う熱い声援と言っていいだろう。
試合開始に先がけ、W杯で大活躍のGK楢崎に記念品と花束が贈られると、スタンドからは、"楢崎!ニッポン!”という大きな声援が送られた。

右にエンドを取った神戸に対し、左から右に攻め上がる名古屋グランパスエイトのキックオフで始まる。
いきなり、右サイドの岡山からの縦のボールに中村が走り込み、ゴール前に折り返すが、これはDFに弾かれる。再度、こぼれたボールをヴァスティッチがゴール前に放り込むが、これも相手DFが頭ではじき返してしまった。
2分、神戸・播戸が右からゴール前に上げてゆこうとしたが、これは古賀が簡単にカット。神戸は望月を中心にDFの裏に播戸が抜け出そうと再三仕掛けてきているが、ここまではDFのバランスも悪くなく、落ち着いて、これの処理にあたっている。

4分、自陣右深い位置での神戸のセットプレー。西谷が左足でゴールに向けて曲がるボールを蹴ってくるが、これはDFがクリアする。両チームとも暑さからか、ここまではあまり深追いは見せていない。
6分、中央のヴァスティッチから中村にボールが出ると、さらに前に岡山を走らせると、これに走り込んだ岡山が折り返しを試みるが、相手DFに弾かれてしまう。
7分、右からのCKは。中谷がゴール前に浮いたボールを蹴っていったが、相手GKにパンチングで弾かれてしまう。
9分、酒井がカウンターから一気に走り出すと、左から上がってきたウェズレイにスルーパス。しかし、これはオフサイドに。
11分、ウェズレイが相手陣内でトラップしたボールをヴァスティッチに預けると、これをさらに前に上がってきた中谷に流そうとしたが、ここは相手DFが止めてしまった。
14分、神戸・望月が斜めに走りながらDFの裏に抜けてきた三浦にスルーを出すが、これはオフサイドに。
〜前半30分
ここまでは、暑さに慣れないのか、厳しいスケジュールからの疲れなのか、各選手とも足取りがいささか重たげだ。
17分、相手陣内、ペナルティすぐ外ゴール正面の好位置でウェズレイが倒されると、FKを得る。
【得点】18分、ウェズレイが自ら蹴ってゆくと、このボールが壁の右に抜けてゴール右隅に突き刺さり、見事先制!これで、グランパスとしては試合を優勢に進めることができそうだ。
19分、自陣からの一気にカウンターで上がってゆくと、右のスペースに走り込んでゆくヴァスティッチに長いボールが通る。これを相手DFの裏を狙って、スルーを出すが、ウェズレイに届く前に戻った相手DFがカットしてしまう。
21分、走りながら中村からの右に出たボールを受けたヴァスティッチがゴール正面にクロスを低く蹴ってゆくと、ウェズレイが左から飛び込んでくるが、僅かに間に合わず、ボールはそのまま抜けて行ってしまった。早い展開からの良い形ができていただけに惜しい場面だった。
24分、自陣で戻ってボールを拾ったウェズレイが、前線に早いボールを蹴り出すとこれにヴァスティッチが抜け出そうとして倒されるが、ファウルはもらえなかった。
25分、縦のボールにウェズレイがダイレクトで左サイドを上がってきた中谷にあわせて行こうとしたが、バランスを崩し、中谷には届かなかった。
27分、神戸の右からのドリブルに詰めたDFがかわされ、ゴール前に低いボールを入れられると、これに神戸・播戸が飛び込んできたが、その前に楢崎が果敢に飛び込み、パンチングではじき出し、このピンチを逃れる。この辺の素早い反応はさすがといって良いだろう。
29分、神戸の左からのCK。望月がセットするとスタンドからは大きなブーイング。そしてゴール正面に上げてきたボールはまたも楢崎がパンチングではじき返す。
〜前半終了
神戸のゆっくりな展開にも助けられてか、ここまでは名古屋も落ち着いて試合を進めていると言っていいだろう。

31分、カウンターから右に走るウェズレイにボールが通ると、これをゴール前に浮き気味のボールを蹴ってゆくが、惜しくも相手DFが頭でクリアしてしまう。続く左からのCKは。ゴール前に上げていったものの相手GKが簡単にキャッチしてしまった。

【得点】33分、相手ゴール正面に出たボールにウェズレイがポストとなって、後ろを抜ける中谷にヒールパス。これを中谷が落ち着いて相手GKが飛び出してきた横を抜いて決め、追加点を挙げる。勇介、ナイスシュート!
【得点】36分、相手ゴール前で混戦となるが、こぼれ球を拾ったグランパスの選手がどんどんシュートを打ってゆく。

最初は高い集中力で守っていた神戸選手だったが、最後ずるずると引いてしまい、左の岡山がゴール正面にフリーでいたヴァスティッチに上げると、これを頭で押し込み、早くもこの日3点目の得点を決める。ヴァスティッチはこれで2試合連続得点だ!
38分、神戸・西谷がペナルティエリア外左に位置に抜け出たボールに反応。左足でシュートを蹴ってくるが、ここはパナがきっちりとついており、上げた足でこのシュートを止める。
40分、自陣右の高い位置での神戸のFK。縦に流してこれに神戸・土屋が走ってあげてこようとしたが、ここでもDFが落ち着いてこれを弾く。
41分、自陣で中に流れていた中谷が相手ボールを奪うと一気に前線に駆け上がる。相手陣内中程で右に走る岡山にパスを出すが、これは惜しくも相手DFが先にボールに詰め、クリアされてしまった。
42分、神戸1人目交代:前田→ダニエル。神戸は混乱しているDF陣の立て直しか、中盤のダニエルを入れて、DFの中央に吉村を下げてきた。
44分、右に走る岡山がボールを持つと駆け上がってゴール前にクロスを上げてゆくが、詰めていた選手が頭であわせたが、体を寄せられていたため、ボールはクロスバーの上に行ってしまった。
ロスタイム1、自陣中程ほぼゴール正面の位置でのファウルで神戸にFKのチャンスを与えてしまう。ダニエルがタイミングを外して蹴っていたが、これは壁に当たってしまった。
そして前半はそのまま危なげなく終了。今日はこのままホーム100勝に向け一気に邁進してもらおう。後半も爆発を期待しよう。

後半の試合の流れ

〜後半15分
前半だけで3得点と、大爆発のグランパスエイト。後半も攻守に手を抜くことなく、面白い試合を期待したい。
エンド変わって、後半は右から左に攻める名古屋グランパスエイト。
開始早々、神戸・ダニエルから三浦に渡ると、これをDFの裏に出し播戸を走らせるが、ここでも楢崎が判断良く飛び出し、ボールを奪う。
1分、縦のボールにウェズレイが競り合いながら抜け出そうとしたが、神戸・土屋に阻まれボールを持たせてもらえなかった。
2分、神戸の右からのCK。三浦が左でファーに蹴ってくると、これを平野が頭であわせ落としてくるが、力無く楢崎が簡単にキャッチ。
3分、左サイドを上がった中谷が神戸・岡野をかわしてさらに上がると、ゴール前にクロスを入れてゆく。これにヴァスティッチが頭で、ウェズレイが右足で飛び込むが、惜しくもタイミングあわず、ウェズレイの足に当たったボールは大きくポスト右に外れてしまう。
5分、自陣の高い位置でパナがボールを持つと縦に長いボールを蹴ってゆくが、中村が躊躇してからの飛び出しで間に合わず、相手GKに取られてしまった。
7分、神戸・ダニエルが個人技からペナルティ内に入ってくるが、落ち着いたDF陣がこれをしっかりカバーしあい、ボールは楢崎がキャッチする。神戸かここまでは再三ボールを持つものの、前半の失点がカウンターからだっただけに攻め上がりがいまいち良くなく、名古屋のDF陣も落ち着いているため、ほとんど危なげなく試合を進めていると行って良い状態が続いている。
12分、左に抜けたウェズレイにボールが出ると、これをゴールに折り返そうとしたところでオフサイドの笛が鳴ってしまう。自陣でボールを奪っての早い展開だっただけに相手の人数に対して攻撃の数も多く、絶対いけた場面だっただけに惜しまれる。
14分、左から神戸・西谷がワンツーで抜け出して、ペナルティ内に入ってくるが、ここへDF陣の連携がしっかりできており、最後パナが足で西谷のボールをけり出す。
〜後半30分
16分、右に出たボールにウェズレイが走り、これをゴール前にDFの頭越しにボールを狙ってけってゆく。しかし、神戸・土屋が頭でこれを何とかかすり、詰めていたヴァスティッチはボールに触れることができなかった。
【得点】18分、ゴール正面にやや左に走るウェズレイにボールが出ると、これを前を向いてパスを出す動きを見せ、相手DF・GKがつられたところを見逃さず、落ち着いて右足でシュートをけり込む。これで今日は4点目。もっとドンドン行こう、ドンドンと。盛大な打ち上げ花火のように。
20分、神戸2人目交代:西谷→藪田
21分、名古屋1人目交代:中谷→滝澤。交代でピッチを去る中谷には大きな声援が飛ぶ。今日も大活躍だったといえるだろう。
22分、相手陣内中程左の位置でボールを受けると、交代で入った滝澤が抜け出そうとするが、神戸の執拗ようなマークに合い、行くことができなかった。前にスペースができていただきに抜け出せれば良い形になっただろう。
24分、神戸・播戸がゴール左に位置から早い振り抜きでシュートを蹴って来たが、これはDFが触れたため力無いボールとなり、楢崎があっさりとキャッチ。
25分、右からのCKのチャンス。滝澤が早いボールを蹴っていったが、これは相手DFが頭でクリアしてしまう。
27分、自陣で相手のボールを奪ったパナが縦に長いボールを蹴ると、これをヴァスティッチが頭でDFの裏に落としてウェズレイを走らせようと試みるが、これは相手GKが先に飛び出し、足で弾かれてしまう。
29分、神戸・望月が個人技で粘りながらも右サイドを走る岡野にパスを出すと、やや長めのボールを追って岡野が走っていって折り返そうとするが、右足で蹴るのが精一杯で、上がったボールはゴールラインを割ってしまう。
〜後半終了
31分、神戸・ダニエルがドリブルで仕掛けてくると、DF陣がなんとかと目に行くも最後粘られ、これを倒してしまいPKを取られてしまう。
【失点】32分、セットしたボールを神戸・三浦が右足でゴール右隅に決め、神戸が1点を取り返す。
33分、名古屋2人目交代:ヴァスティッチ→原
34分、右からのCKのチャンスに沸くスタンドのサポーター。滝澤がゴール前に蹴っていったが飛び出した神戸GKがパンチングではじき出す。こぼれたボールを拾った山口が右に抜ける岡山に出していったがこれはオフサイドに。
35分、フリーで抜け出したウェズレイが左からドリブルで仕掛けてゆくと、相手GKと1対1になり、かわして抜けようとしたが、少々疲れたのか簡単にボールを止められてしまった。
37分、神戸3人目交代:岡野→城。ピッチ上の蒸し暑さからかここへ着てピッチ横の水を飲むシーンが目立ち出す。各選手ともかなりの消耗といえるはずだ。残り時間僅か、神戸の最後の総攻撃もありキツいだろうが、耐えて欲しいところだ。
39分、神戸の左からのCKだったが、これはDFが簡単にはじき返す。
42分、中村からのスルーパスに原が抜け出そうとしたが、これはオフサイドになってしまう。
44分、神戸の左からのCKは危なげなくボールをクリア。
ロスタイム1、名古屋3人目交代:酒井→山口慶
ロスタイム2、ウェズレイが競り合ったボールを滝澤が拾うと、これをDFの裏に抜ける原にスルーパス。しかし僅かに長くなってしまい、相手に先に拾われてしまう。
ロスタイム3、もはや暑さからか神戸の選手も足が止まってしまっており、体力に勝るグランパスのDF陣に前を阻まれ遠目からシュートを打ってくるだけだ。そして、約2分のロスタイムの後、審判の試合終了の笛が鳴り響き、見事ホー100勝を決めることができた。最後まで応援ありがとうございました。