豊田国際親善試合:「コスタリカ代表戦」

前半の試合の流れ

〜前半15分
試合開始に先立ち、両国の国歌が流れると、いよいよw杯が開催されるんだという心沸き立つようなどよめきとも言える雰囲気がスタジアム中に渦巻く。
左にエンドを取ったグランパスに対し、右から左に攻めるコスタリカ。両チームの選手は円陣を組んで気合いを入れると、キックオフはナゴヤのボールで始まる。
いきなり右サイドを縦に出たボールに森山が走り込んで頭でトラップしながら、抜け出そうとしたが、これはラインを割ってしまう。
1分、コスタリカ・カストロからゴール前に左から早いクロスが入ってくるが、これは相手FWが落としたボールをDFが弾き出す。
2分、相手陣内右深い位置でのFKのチャンス。滝澤が左足で蹴って行ったが、これは低いボールとなって相手DFが頭で弾き返してしまった。開始から両チームとも積極的にボールを回してゴール前に攻め入ろうと狙ってきている。
4分、岡山が中に入りながらウェズレイに渡すと、これを縦のDFの裏に流し、ここに岡山が抜け出してゆくが、相手DFの長い足が伸びてこのボールをクリアしてしまった。
6分、ゴメスが左サイドで海本と競り合いながらも左足でゴール前にクロスを蹴ってくるが、これはゴール前のDFが足でこれを弾く。飛び込まれたらやられたかもしれないような、ちょっと危ないシーンだった。
7分、森山が相手DFの裏に中から左に流れながら走ってボールを受けるが、ここはトラップしたボールを相手DFにボールをクリアされてしまった。コスタリカはここまで左サイドを中心に攻め込んできている。
10分、自陣左でのコスタリカのFK。カストロが左でファーに蹴ってきたが、これは海本が頭でクリア。
11分、コスタリカの右からのCK。早いボールがゴール前に飛んでくるがFWが頭でこれを弾く。
12分、右の岡山が高い位置から相手DFの前にいた森山に狙ってピンポイントでボールを入れると、これを頭で合わせたボールは僅かにクロスバーの上に。意表をついた良い攻撃だった。
14分、左サイドをドリブルで猛スピードで上がってきた滝澤が相手DFをかわしてクロスを上げてゆくが、これは大きく流れてしまい、誰も受けることができなかった。
〜前半30分
始まって直ぐは両チームとも積極的にきたものの、ここへきてボールを回しながらの様子見の展開が続いている。コスタリカも大事な大会を控え、グランパスの選手への当たりも心なしかおとなしい気がする。
17分、自陣右の位置でのコスタリカのFK。直接グランウンダー気味のボールを蹴ってきたがこれは本田がガッチリと危なげなく正面でキャッチ。
18分、左サイドを縦に抜け出した中村がドリブルで寄せてきた相手DFをかわそうとするが、ボールが流れてしまい相手にクリアされてしまった。
19分、チャンスがやってくる。岡山が右サイドからでたゴール前のボールをウェズレイが受けると、ワントラップから強烈なシュートを放つ。しかしシュートのボールは、戻ってきた相手DFが足に当てCKになってしまった。右からのCKは、滝澤のミスキックでそのままゴールの上を越え相手ボールに。
23分、右サイド・相手ゴール近くでの競り合いのボールを森山が後ろから来た岡山に流すと、これをさらにゴール前に走り込んできた山口に出してゆくが、惜しくも体勢を崩してしまった山口はボールを押し込むことができなかった。
25分、右サイドの自分の前に出たスペースにきたボールに中村が詰めてゆくと、相手DFをかわして、反対サイドの滝澤に切り返す。これを頭で落として飛び出したGKの前に落としシュートに持ってゆこうとするが、先にGKにボールをすくわれてしまった。
27分、左サイドから中に走り込む中村にボールが通ると、これをDFを抜いてシュートしようとしたが、クリアされてしまう。
28分、左からのCK。ウェズレイが右足でゴールの右隅を狙っていったが、僅かにボールは浮いてしまいクロスバーを越えていってしまった。
〜前半終了
少しずつ相手選手のプレーにもなれたのか、グランパスの選手の動きも良くなりボールを支配する時間が増えてきたグランパス。ここで先制点が欲しいところだ。
31分、相手ボールを奪ったウェズレイが森山とワンツーで抜け出そうとするが、森山のボールが短く、相手DFにボールを奪われてしまった。
33分、フォンセカが縦に出たボールに抜け出すが、これは古賀がラインの押し上げできっちりとオフサイドをとる。ここまで相手FWの動き出しの遅いのもあってか、DF陣が抜かれるシーンもほとんどなく、コスタリカ代表相手に守備陣は落ち着いてプレーしているといって良いだろう。

36分、スローインからこぼれたボールを受けたウェズレイが抜け出そうとドリブルを試みるが、ここは相手DFに囲まれてしまい、ボールを見失ってしまう。
37分、左サイドペナルティ直ぐ外でのボールを受けたウェズレイが、振り向きざまそのままシュートを放つ。強烈な勢いのボールだったが、僅かにバーの上に外れてしまう。
38分、コスタリカの左からのCK。ショートコーナーからの早いボールをゴール前に入れてきたが、古賀が頭でクリア。続くCKでは、今度はニアの選手に狙って来たが、ボールが低いためコスタリカの選手が自ら弾き返してしまう結果に。残り時間も少なくなってきてコスタリカの選手が長いボールからゴール前に狙って蹴ってくるが、中盤の山口やDF古賀のがんばりでボールをカットしたり、阻んだりと相手にチャンスを作らせていない。
42分、コスタリカの右からのCKでも、ゴール前の選手が集中してこれをクリアする。
43分、左サイド深く攻め入られると、ゴール正面のプライスにマイナス気味のボールを折り返されるが、これをミスキックしてくれたおかげで失点はすることはなかった。
44分、ハーフウェイライン辺りから一気にドリブルで上がってきたワラスが右足でシュートを試みるが、海本が体を張って前に入り、このボールのシュートミスを誘う。
ロスタイム1、短いロスタイムはどちらも決定的なシーンを作ることなく過ぎ、ここで前半が終了。ここまで守備陣は問題ないだけに、早く得点してゲームの主導権を掴みたいところだ。後半に期待しよう。

後半の試合の流れ

〜後半15分
前半、いくつかチャンスはあったものの得点できなかっただけに、後半は早い時間帯での先制を期待したい。
名古屋交代:本田→富永、酒井→吉村、滝澤→中谷、中村→平岡(直)、森山→原
コスタリカ交代:メセン→モーガン、ドウルモン→ライト、プライス→ワンチョペ
後半からいよいよワンチョペ登場。さてどんなプレーを見せてくれるか楽しみだ。後半は、エンド入れ替わって右から左に攻めるグランパス。
3分、相手陣内左でのFK。ウェズレイが長いボールをファーに蹴ってゆくが相手GKがキャッチしてしまう。
4分、縦に長いボールを放り込んでくるが、ここは替わって入った富永が直接キャッチ。
5分、相手陣内ゴール正面、ペナルティ直ぐ外でのFK。ウェズレイが右足でゴール右隅を狙うも、惜しくもバーの上に。
【得点】6分、中盤で奪ったボールを相手DFの裏に出すと、これに走り込んだウェズレイが、相手GKが跳び出していたところを見計らって大きくループシュートを蹴ってゆく。そして、これが見事、無人のゴールにおさまり、待望の先制点をゲット。
11分、相手陣内に上がったボールをウェズレイが頭で競り合いながらもスペースに落としてゆくと、これに原が走り込んでゆくが、先に詰めた相手DFがこれをさらってしまった。
12分、自陣ペナルティ内でワンチョペからのボールを受けたロペスが、ファウルで倒されたとしてアピールするが、ここは審判がきっちりと見ており、マイボールに。
失点はしたものの、コスタリカの選手達の動き出しが少しずつ良くなり、ペナルティエリア内へボールが入ってくる様になる。ここは落ち着いて大事なところだ。
〜後半30分
後半、選手交代から動きの良くなってきたコスタリカに対し、劣勢に回ることが増えてきたグランパス。この時間帯は我慢の時間帯といえよう。
18分、ワンチョペからのボールを受けたロペスがノールックパスで再度ワンチョペに渡して抜け出して上がってゆこうとしたが、ワンチョペのマークに当たった大森がこれをしっかり読み、ボールを奪う。
20分、独特のリズムのドリブルで上がってきたワンチョペが海本をかわしてペナルティエリア直ぐ外まで来ると、寄せていった選手がたまらず倒してしまい、危ない位置でのFKを与えてしまう。
22分、ゴール正面やや右の位置でのFK。ゴメスが左足で右隅にグラウンダーを蹴ってくるが判断良く飛んだ富永がこれをキャッチ。



23分、相手陣内深く左サイドを切り込んだ山口が相手DFをかわしてゴール前に迫ると、正面に待っていた選手にパスを出すが、相手DFがこれに反応し、足でボールを弾かれてしまった。決定的な場面だったが惜しくも追加点は挙げることができなかった。
26分、中盤で山口が相手DFの裏にスルーパスを出すと、これに抜け出したウェズレイが相手GKと1対1になり、右足で直接シュートを蹴っていったが、残念ながら相手GKの正面に行ってしまい、止められてしまった。
27分、左サイドを中谷が上がっていってゴール前にクロスを上げるがこれは精度がなく相手に簡単に弾かれてしまった。
名古屋交代:海本→平岡(靖)、岡山→藤田、山口→秦、中谷→三原、吉村→チョン
コスタリカ交代:カストロ→パークス、フォンセカ→センテーノ
【得点】31分、代わって入った藤田の折り返しに、ゴール正面でフリーの原がダイレクトで押し込み、見事追加点を決める。


〜試合終了
W杯出場を決めたコスタリカ相手に2点を先制し、試合を有利に進めるグランパス。
31分、ドリブルで左サイドから入り込んできた平岡(直)がそのまま右足でシュートを放つが、これはポスト左に外れてしまった。後半、途中から攻め込まれていただけに原の追加点は相手の気持ちを抑えるという意味で、実に効果的な得点といえよう。35分、ロペスの左サイドに走るワンチョペに出たボールは、藤田がきっちりと読んで奪う。
37分、ワンチョペがゴール右に蹴ってきたシュートは、富永が判断良くこれを飛んで弾く。
38分、名古屋交代:原→山内、追加点を取られてからは、すっかりおとなしくなってしまったコスタリカ。ここは代表国の意地を見せて欲しい。
40分、ゴール上クロスバーギリギリのボールも富永の好プレーでボールを弾き返す。試合内容に気をよくしたのか、会場では来場者によるウェーブが始まり、大興奮状態となってきた。
41分、コスタリカの左からのCK。ファーへのボールは合わせた選手のボールはポストも右に大きく外れる。
43分、右に開いた秦に藤田からいいボールが出るが、ここは相手DFが前を阻み、ゴール前に折り返すことはできなかった。
すっかり調子の上がったサポータの後押しもあってか、グランパスイレブンが生き生きとプレーしている場面ばかりが目立つようになった。 
ロスタイム1、自陣左ペナルティ直ぐ外の位置で相手選手を平岡(靖)が倒してしまいFKを与えてしまう。
ロスタイム2、センテーノが壁を越えて右隅にいいボールを蹴ってくるが、ここでも富永が好プレーを見せ、このボールを止める。後半代わって入った若手選手達が、この大きな舞台で実にのびのびとやっている。
ロスタイム3、コスタリカの左からのCK。いいボールがゴール前に飛び込んできたが、競り合いに勝ったDFが頭でクリア。
ロスタイム4、右からのCK、そして左からのCKと危ない場面が続くが、各選手達は落ち着いて、この場面を凌ぎきり失点することはなかった。そして、ここで試合終了の笛が鳴り、国際親善試合は2−0というスコアで見事グランパスの勝利で終わる。後半途中から若手中心のグランパスの選手となったが、コスタリカ代表相手に堂々と渡り合い、気持ちのいい試合内容だったといえよう。この試合での気持ちを次に繋げて欲しい。そして、コスタリカ代表には負けてしまったとはいえ、これも何かの縁。W杯では活躍を期待しエールを送りたい。最後まで応援ありがとうございました。