2002年Jリーグヤマザキナビスコカップ/Dグループ第2節:「サンフレッチェ広島戦」

前半の試合の流れ

〜前半15分
試合前から降り始めた雨はいっこうに収まる様子は無く、細かいながら激しさを増したようだ。
試合は右にエンドを取った名古屋のキックオフで始まる。
1分、広島・ミロからのボールがDFの裏に出るが、これはDFがもう一人のFWをケアして、ボールには行かせなかった。
2分、右からのCK。三原が蹴っていったがボールはサイドネットに直接行ってしまい相手ボールになってしまう。
3分、広島・ミロにドリブルからDFが振り切られ、左サイド深くから切り込まれシュートを打たれるが、ここはGK本田が足に当て、ボールを弾き返す。
5分、右サイドを縦に出たボールに中村が一気に走ってゆくが、ボールは惜しくも先にラインを割ってしまった。追いついていればチャンスだっただけに惜しい場面だった。
7分、相手陣内での競り合いからのボールを拾った三原が一気にドリブルでもって上がるが、ボールがサイドを割ってしまい、チャンスにつなげることが出来なかった。開始から両チームとも激しい当たりでのボールの奪い合いが続いている。
9分、左サイドで中村が三原とのパス交換から抜け出して、中谷に繋ごうとしたが、ここは広島DFに止められてしまう。
11分、中村が右のDFの裏に出来たスペースに酒井を走らせる長いパスを出すが、これはボールが雨で滑って止まらず、追いつく前にラインまでいってしまった。雨のせいもあると思うが、両チームとも少々パスの精度に欠け、なかなか前線までボールが供給されることがほとんど見られない。
13分、山口からの縦のボールを受けた森山が簡単に右にはたいて、原を走らせようとしたが、ここでもボールが流れ、相手DFに簡単に取られてしまう。
〜前半30分
15分、相手陣内深く右よりの位置でFKを得ると、三原が左足でゴール前に早いボールを蹴ってゆくと森山が頭で飛び込むが、相手DFが先にこれに反応、頭で弾き返す。
16分、相手陣内ペナルティ外左約5mの位置でのFKのチャンス。ここでも三原が左足で今度は直接狙ってゆくが、ボールは大きくクロスバーを越えて行ってしまった。
18分、広島が左サイドをついて攻め込んでくると、ゴール前に放り込んできたボールに広島・沢田が飛び込むが、ここはDF、GKがしっかりと押さえ込み、シュートに合わせさせることはなく、ボールをクリアする。
19分、相手陣内深く左よりの位置でのFK。三原の早いボールに海本が飛び込んでゆく。体を倒れ込ませながらあせようとしていったが、ボールをそのまま体に当てて弾いてしまった。ここへ来て徐々にグランパスの動きだしが良くなり、ボールを支配する時間帯が増えてきた。ここで効果的な先制点が欲しいところだ。
25分、右サイドからの中村のゴール前への早いクロスに森山が飛び込んでゆくが、ここは飛び出した広島GKがパンチングでカット。
26分、相手陣内深く右よりの位置でFKのチャンス。三原が構えながら中村にゴール前に蹴らせたが、ボールは誰も触ることなく遠いサイドのポストの外に出ていってしまう。
28分、左サイドを中谷がDFをかわして右足でゴール前に放り込むと、これに森山が頭で合わせようと飛び込むが、僅かにボールが高く触ることが出来なかった。タイミング的にはピッタシの形だっただけに実に惜しいプレーだった。
〜前半終了

ボールは支配するものの、決定的な形を作ることがなかなか出来ず得点を上げることが出来ないグランパス。広島のまずい攻撃にも助けられているだけに、ここで落ち着いて、ゲームを組み立て直して先制したいところ。
31分、中村の右からのFKのボールを相手GKが弾いてゴール前にこぼれるが、味方選手が詰める前にしてDFに弾き出されてしまい、またも惜しいチャンスを逃してしまう。
34分、相手DFの軽率なプレーからそのボールをカットした原だったが、ドリブルしながら上がっていったところを、戻った相手DFに体を寄せられながらもゴール前に何とか折り返すが、相手GKが直接キャッチしてしまった。
35分、自陣中程で広島の選手を倒してしまい直接FKを与えてしまうが、広島・藤本の蹴ったボールはGKとDFの間の位置を狙ってくるが、本田が先にこれを奪い、ピンチは逃れる。この時間帯は広島がボールを支配する場面が目立ち、セカンドボールやルーズボールを拾われる場面も多く、FWの原や森山も守備に回る時間が多くなっている。ここは何とか凌いで凌いで、カウンターから先制して、試合を有利に進めてゆきたいところだ。
39分、右サイドを広島・藤本に上がられると、ゴール前のスペースにスルーパスでミロを走り込ませるが、ここは海本が果敢にスライディングで怖がることなく入っていってボールをしっかりとカットする。
44分、相手陣内中程、ゴールほぼ正面の位置でのFK。三原が直接蹴っていったが、雨のためかボールの回転がかからず、ボールはそのままクロスバーの上を越えていってしまう。
ロスタイム1、広島のトゥーリオがこぼれ玉を右足で直接狙ってくるが、これは精度が悪く右のポストの外へ外れる。そして、このあとは両チームとも大きな動きのないまま、短いロスタイムの後、前半を終了。後半に期待しよう。

後半の試合の流れ

〜後半15分
前半、ボールを支配しながらも決定的な得点機を演出できなかったグランパスとしては、試合を優位に進めるためにも早い時間帯の先制がどうしても必要だ。
後半は右から左に攻める広島のボールから始まる。
広島1人目交代:森崎(浩)→桑原
1分、左サイドを中谷からのボールに、縦に原が走るが、相手DFに詰められボールをラインに出してしまう。
2分、広島の右からのCK。藤本が蹴ったボールは低くなって、大森が簡単にカット。
4分、右サイドからゴール前に出たスペースにいいボールが入るが、森山が押し込もうと入っていったが、相手DFの正面を押さえられ前を向かせてもらえず、シュートすることは出来なかった。降り続く雨のせいでピッチ上では場所によって水しぶきが上がるようになってきた。
8分、相手陣内中程右の位置でのFKのチャンス。三原が大きくカーブをかけて蹴ってゆくと、ゴール前に4人の選手が飛び込んでゆくが、誰も触ることなくワンバウンドでゴールの外へと行ってしまう。
10分、左からのCK。中村がゴール正面に狙って蹴っていったが、詰めていた選手が触れる前に広島のDFに頭でカットされてしまった。
14分、広島・森崎(和)が右サイドを上がってくるが、大森が簡単にこれを奪う。
15分、広島2人目交代:沢田→中村
〜後半30分
雨でますますスリッピーになり、ボールの扱いに苦労するようで、両チームとも簡単なところでのパスのミスが目立ちだしている。ここは慎重に行きたいところだ。
18分、自陣右中程の位置での広島のFK。早いボールを近いサイドの藤本の頭に合わせてきたが、ヘディングのボールはポスト右に外れ救われる。
20分、相手ボールをカットした海本からのボールを受けた原がドリブルで上がると、後ろから来た中谷に戻す。このボールを中谷が遠目からシュートしてゆくが、惜しくも相手GKにキャッチされてしまった。
21分、DFのヘディングのこぼれ玉を奪われ、広島・ミロにドリブルからシュートされるが、これは精度が悪く大きくゴールの右に外れる。
22分、名古屋1人目交代:原→片桐(待ってました!)
23分、山口からのDFの裏に出たボールに早速片桐が飛び出してゆくが、ここは相手GKが先にこれをキャッチし、ボールに触れることは出来なかった。
【得点】24分、ペナルティ内へ広島・ミロに攻め込まれると、海本が体を張って止めにはいるが、再度仕掛けようとしたところを倒したとして、PKを取られてしまう。そして、これを先日のように本田は止めることは出来ず、藤本に左サイドに決められ、0−1となってしまった。
26分、酒井から森山、中谷と繋いで相手DFの裏に抜けようとしたが、トラップが大きくなりボールは相手ボールに。
28分、左サイドでのスローインからのボールに片桐が走っていったが、間一髪で先にラインを割ってしまう。
29分、広島・ミロがラフプレーで退場し、広島が1人少なくなる。
30分、名古屋2人目交代:中谷→滝澤
〜試合終了
よもやのPKによる失点でピンチにたったグランパスだが、相手も一人少なくなっただけになんとしても追いついて欲しいところだ。
31分、左サイドを一気に駆け上がった滝澤だったが、ゴール前に上げていったボールは大きく流れてしまい相手ボールになってしまう。
32分、名古屋3人目交代:三原→藤田
33分、自陣深く左の位置での広島のFK。藤本がゴール正面にけり込んでくるがこれはDFが頭で弾き返す。
33分、カウンターからのボールをもらった片桐が右サイドをドリブルで上がって、ゴール正面に詰める森山にパスを出すが、受けた森山が体勢が崩れたため合わせることが出来なかった。
35分、右からのCKのチャンス。滝澤がゴール前へいいボールを蹴ってゆくが、広島のDFもこれに反応しカットされる。しかし、これがペナルティ外にこぼれたところを山口が詰めていったが、広島のDFが、残念ながら先にこれを弾き出してしまった。残り時間僅か。内容は悪くないだけに何とかして、まず同点にしたいところだ。
38分、片桐から右に出たボールを受けた藤田がドリブルからゴール前に上げると、これに詰めていた選手が頭で合わせようとする前にクリアされてしまう。左からのCKは簡単にカットされ、このチャンスは生かすことが出来なかった。
40分、押し上がってきた藤田が右からのクロスを上げようとしたが、広島DFにカットされてしまう。
41分、右からのCK。滝澤が蹴っていったが広島の守備陣に阻まれクリアされてしまう。残り時間が少なくなってグランパスの守備陣が押し上げてゆこうとするが、なかなか最後のところで広島のDFに阻まれてしまっている。
43分、右からの海本のゴール前のボールに片桐が頭で合わせようとするが、僅かに届かなかった
44分、左からのCK。中村が近いサイドを狙っていったが、ここも頭で弾き返されてしまった。
ロスタイム1、右からの大森のスローインを片桐が頭で落とすが、ボールが滑ってうまく流れず、相手のボールになってしまう。
【得点】ロスタイム2、相手陣内中程右よりの位置でのFK。ゴール前に蹴っていたボールを広島DFがクリアしきれずこぼれたところをなんと片桐が左足で押し込み、デビュー初で初ゴールを飾る。やはり彼には天性の物があるのだろうか、この時間帯でこの場面でゴールを決めてくれる力はすばらしい物があるといえよう。そして、審判の終了の笛が鳴り響き、試合が終了。まさに九死に一生を得る片桐の同点ゴールといえる。良くやったぞ片桐〜!!最後まで応援ありがとうございました。