2001年J1リーグ2ndステージ・第13節:「アビスパ福岡」

前半の試合の流れ

〜前半15分

開始直前になって、やっと元気を取り戻したかのように先発メンバー紹介に声援を送ってくれるサポーター。今日の福岡戦を含め残り3試合、現在8位と厳しい状況の中、サポーターのためにも、もはや一つも負けて欲しくないと言っても良いだろう。

左にエンドを取った福岡に対し、右から左に攻めるグランパスのキックオフで試合開始。
開始早々、縦へのパスを森山が一度戻すと、これを右から来た石川に流し、石川が早速ゴール前に放り込んでゆくが、これはボールが低くなってしまい、相手DFにあっさりクリアされる。
2分、福岡・山下がドリブルしてきたボールを一度は止めるが、こぼれ玉をバデアがミドルシュート。このボールは本田が飛んで弾きCKに。右からのCKのボールはゴール前に上げてくるが、落ち着いてクリア。
3分、右の酒井にでたボールを走りながらゴール前に折り返すと、ゴール前に詰めた中谷がこれを当てようとするが、バランスを崩し、うまくあてることが出来ず押し込むことが出来なかった。
4分、岡山がドリブルから上がってゆくと、相手DFに詰められたところでウェズレイに戻し、これをシュートするが相手DFに当ててしまう。
7分、福岡・盧が中央に切れ込んできてボールを奪うと、左から来た選手に流したところを、石川・大森がきっちり詰めてこれを奪う。
9分、ウェズレイが相手DFの裏に抜ける森山にスルーを出すが、タッチの差で先に戻った相手DFがこれをクリアしてしまった。抜ければ1対1になるだけに惜しい場面だった。しかし、ここまでは最終的な局面を向かう途中でのパスミスが目立っており、なかなか点に結びつけるような展開が見受けられないグランパスだ。
13分、大きく右に出たボールを拾った石川がゴール前に放り込むと、一度は相手DFが止めるも、こぼれたところを森山が右足でシュートするが、ボールはバーの上に。
14分、左からのウェズレイのボールにゴール前の岡山が頭でタイミングドンピシャリで合わせるが、無情にもボールは僅かにバーの上に外れる。

〜前半30分

ボールの支配率では福岡に勝るものの、決定的な場面で相変わらず決めることが出来ないため、ここまでは無得点の状況だ。福岡に至ってはほとんどゴール前での危ない場面すら作れていない。

17分、福岡・服部が縦のボールをトラップすると、そのままペナルティエリアの外からシュートしてくるが、これはポスト右に大きく外れる。
19分、福岡・盧の右からのボールにゴール前の選手が合わせるが、シュートミスになり、ボールを奪う。
20分、石川のゴール前に放り込んできたボールに右から頭で合わせる形で森山が合わせるが、残念ながら相手GK正面に。
21分、ペナルティエリア内でウェズレイがドリブルからDFの間にできたスペースから、果敢にシュートを打ってゆくが、これもGK正面に。福岡・GK小島が弾きながらもこれを押さえる。
両チームともはっきりとした決め手がないためなかなか試合を押し気味に進めることが出来ないようで、この時間帯はボールが右に左に行く展開が続いている。シュートも遠目から強引に蹴ってくるだけで、DFを脅かしてのゴール前での展開も両チームともに、ほとんど作られていない。
28分、福岡・中払がドリブルで一気に上がってくるが、ここは石川がスライディングでこれを止める。
29分、福岡の自陣左からのFK。ゴール前に上がったボールは弾くも、大きく弾んだボールを流したところを、福岡・野田がミドルシュート。しかし、これはGK本田がキッチリ反応してこれを止める。

〜前半終了

31分、福岡の自陣中央やや右でのFK。バデアが左足で遠いながらも狙ってくるが、これは精度が悪くそのままポスト右へ外れる。
33分、相手ボールを奪った酒井がドリブルから上がり、右に上がってきた石川に出してゆこうとするが、相手DFに足で止められてしまう。両チームともサイドに早い選手がいながらなかなか生かし切れていない。
35分、福岡・盧が右から中央に切れ込んでくると、いったん戻したボールを後の選手にミドルシュートさせるが、これはDFがガッチリ止める。
36分、石川のボールを前で受けた酒井がそのままペナルティ内に持ち込み折り返すが、これは相手DFに止められる。
37分、ウェズレイが岡山からのボールを中央で受けて持ち込もうとするが、相手DFに3人で前をふさがれてしまい、だしどころを探す内に奪われてしまう。
39分、右からのCK。ウリダが遠いサイドに詰めた平岡(靖)を狙ってゆくが、平岡は相手DFに体を寄せられ反応できず、結局、ボールはそのまま流れていってしまった。
41分、福岡・盧のドリブルを止めようとした西澤がたまらず倒してしまいFKを与えてしまう。ペナルティ外のやや離れた位置からだったが、盧が直接蹴ってくる。しかし、ボールは抑えが効いてなく、クロスバーを越えていった。
44分、相手の攻撃をかわしてカウンターにでたウリダだったが、上がって行ってからのウェズレイに出そうとしたボールは、ウェズレイの走る位置とは違う方向へのパスとなり、相手にボールを渡す形になってしまう。
ロスタイム、ウリダが相手ゴール前でボールを拾うと右に開いたウェズレイに軽くあげてゆく。これを右足で直接合わせるが、当たりが悪く、力無いシュートのボールは相手GKにキャッチされてしまった。結局試合はこのまま0−0のまま前半が終了。なかなか形の作れない両チーム。じれったい展開が続く中、グランパスには後半に期待しよう。

後半の試合の流れ

〜後半15分

前半は今ひとつしっくりとこない、欲求不満の残り試合内容だっただけに、後半はキッチリと決めて欲しいところだ。

開始早々、岡山から酒井、石川と流れ、これをゴール前に放り込んでゆくが、GK小島にこのボールはキャッチされてしまう。近いサイドには岡山がフリーだっただけにちょっともったいなかった。
2分、右からゴール前に放り込まれたボールを、福岡・中払がワントラップからシュートしてくるが、これはDFが正面でキッチリ止める。
4分、相手ボールを奪った中谷がドリブルで上がっていって、ゴール前に折り返すが、これはボールが流れてしまい、そのままタッチを割ってしまう。
5分、福岡・山下が折り返しのボールを頭でゴール前に落とすとこれに詰めた盧が左足でシュート。万事休すかと思われたシュートだったが、辛うじてボールはバーの上に。
【得点】8分、相手ペナルティすぐ外でウリダがシュートに行ったボールをDFが弾いたところを、飛び出したウェズレイが奪って直接持ち込み、最後右足でキッチリとGKの脇を抜いて決め、1−0に。

9分、中谷が左サイドを上がって、タッチギリギリの角度のない位置でシュートするが、これは相手GKにはじき返されてしまった。先制したことでやっとエンジンに火がついたようで、動きが俄然良くなってきた。
13分、右からのCK。ウリダが曲がるボールで直接狙うも、相手GKがこのボールは手で弾き出す。
14分、ゴール正面での福岡のFK。またもバデアが遠いながらも直接蹴ってくるが、これは壁に当たりはじき返す。

〜後半30分

16分、相手ゴール正面でのFK。やや離れた位置からウェズレイが直接蹴っていったが、これは相手の壁に当ててしまい。弾き返されてしまった。
19分、酒井の右からのボールに飛び込んだ森山。これを弾いた相手GKのこぼれ玉に詰めた岡山。再度弾いたボールに右からウェズレイ。なんと3人がゴール前でシュートに行ったが、枠に飛んだボールはすべて相手GK小島の攻守に合い、阻まれてしまった。
22分、自陣左サイドの深い位置での福岡のFK。盧が右足でゴール右を狙ってきたが、僅かにバーの上に。
24分、相手陣内中当たりやや右の位置でのFK。石川がゴール前に蹴っていったがこれはDFに頭で弾き返される。
26分、相手陣内中当たりやや左の位置でのFK。ウェズレイが直接ゴールを狙ってゆくが、やや遠すぎたようでボールはバーの上を大きく抜けていってしまう。この時間帯になって福岡の選手の当たりが激しくなってきたようで、ピッチに倒れる選手が増えてきたようだ。ギリギリ1−0という展開からラフな内容にならないよう、早く追加点を上げて、福岡を押さえ込んで欲しいところだ。

〜試合終了

残り時間15分、後半は押し気味に試合を進めてきているので、なんとかこのまま優位のまま試合を終えたいところだ。

31分、酒井のドリブル突破からゴール前に上げたボールに森山が合わせるが、足下に来たボールをうまくトラップできず、押し込むことが出来なかった。決定的な場面だっただけに決めて欲しいところだった。
福岡は、ここへ来て疲れが見えてきたようで、中盤にスペースが出来るようになり、グランパスの選手がフリーでボールを受ける場面が増えてきた。
33分、右からのCK。ウェズレイがショートで流すと岡山がこれを戻し、再度ウェズレイが相手DFをかわして上げてゆくが、遠いサイドに詰めた選手の折り返しは、GK小島の好判断で弾かれてしまった。
34分、福岡1人目交代:中払→久永
35分、自陣左ペナルティすぐ外でFKを与えてしまう。福岡・盧がゴール前に放り込んでくるが、ここは落ち着いてDF陣が相手に競り勝ち、ボールをクリアする。
37分、今度は自陣右での福岡のFK。ゴール前に上げたボールを後に流すと、詰めていた山下が右足であわせるが、シュートはバーの上に。
38分、福岡2人目交代:山下→江口。福岡はここへきて前の選手を替えて、最後の攻撃に打って出てきた。
40分、福岡の長い縦パスを前に戻したところに詰めた福岡・服部が右足で打ってくるも、これは当たり悪くゴールまで届かなかった。
41分、福岡3人目交代:バデア→篠田。ひだりから中谷が持ち込み、最後ゴール前にマイナスに折り返すが詰めていた森山・ウェズレイが触れる前に相手DFにクリアされてしまった。ここへ来て圧倒的に福岡の攻めが目立ってきているが、残り時間僅か、このまま福岡の攻めをなんとか凌いで欲しいところだ。
43分、相手の攻撃のボールを奪ってのカウンターから岡山が持ち上がると、右にいたウェズレイにパス。これを左から上がってきたウリダにウェズレイが当ててゆくが、ボールは大きく流れ、得点まで持って行くことは出来なかった。
ロスタイム1、DFの裏に抜けた縦パスにGK本田がペナルティ外まで飛びだし、頭で弾き返す。良い判断だった。
ロスタイム2、相手陣内でボールを受けた岡山がドリブルで抜けようとしたところを倒され、ペナルティすぐ外の位置という絶好の場所でFKを得る。ウェズレイが直接蹴っていったが、壁に当たってしまい、コース変わってGK正面に行ってしまった。そして、瑞穂陸上競技場には審判の試合終了の笛が高らかに鳴り響き、厳しい状況ながらもホーム2連勝をグランパスは飾ることが出来た。最後まで応援ありがとうございました。