□第9日目
・午前練習
この日の指宿は朝から快晴。午前のトレーニングは、風も弱く暖かい天気に恵まれた中で始まった。キャンプも終盤に差し掛かり、選手達には疲労が蓄積してくる頃だが、天気の良さも手伝ってか、誰からも疲れた様子は見受けられない。
ピッチで選手達は、全員で約10分ボール回しを行って体をほぐすと、2つのエリアに分かれて本格的なトレーニングメニューへと移る。
グランド奥の練習は、ハーフコート内にランダムに置かれたコーンにボールをダイレクトで当て、倒したコーンのポイントを競い合うというもの。そして、もう一方では、四隅に置かれたミニゴールへ向けてシュートの数を争うトレーニングを行った。
その後、選手達は人数を変えながら熱のこもったコンビネーションプレーを交互に繰り返す。その後、ハーフコートを横一杯に使った3チームによる9対9のミニゲームを行った。
ゲームでは、FWの選手だけでなく、中盤の選手達もチャンスがあれば次々とシュートを狙う積極的な姿勢が随所で見られ、ストイコビッチ監督から「ナイス!」「グッドトライ!」と、プレーへの惜しみない賞賛の声が次々と飛び出していた。
明日のJFL・ニューウェーブ北九州とのトレーニングマッチを含め、キャンプも残り3日となり、練習では「ハードワーク」という言葉がぴったりの緊張感が常に漂っている。
選手達は、3月8日の開幕戦に向けたポジション争いに勝ち残るため、必死に自分をアピールしようと熾烈な戦いを繰り広げている。
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・午後練習
午前中に広がっていた青空がドンヨリとした雲にかき消されてしまい、午後4時のトレーニングはやや薄暗い中でのスタートとなった。
リフティングをしながらパスを繋ぐアップで体と気持ちをリラックスさせた選手達は、4色のビブスのグループに分けられると、本格的なトレーニングを開始した。
グループは2組ずつコートに分かれると、グリッド内での4対4を行う。更にこのトレーニングでは、エリアの外にいる選手を上手く使いながらボールポゼッションをするルールになっている。そのため早いパスが次々と展開されて、選手達は常にかなり運動量を要求されていた。監督からは、とにかく早く出来るだけダイレクトでグラウンダーのパスを繋ぐことを徹底される中、選手達はテンポ良くボールを回すことを心懸けていた。
水分補強を挟んで4時15分からは、3チーム総当たり9対9の実戦形式のミニゲームが繰り広げられた。1本8分の時間の中で、前半は2タッチ以内でのパス回しを要求され、選手達には少し慎重さが伺えたが、後半はフリーでプレーして良いということもあり、監督の「フリー!」という大きな掛け声と共に、どの選手も水を得た魚のように、気合い充分の表情を見せながら、少し楽しげな表情を見せてボールを奪い合っていた。
ゲームでは玉田が2ゴールを挙げるなど、コンディションの良さがプレーに現れ、今シーズンの活躍を期待させてくれる働きを見せていた。
ミニゲーム終了後は、全選手で前回行われたペースよりもスピードを落としたシャトルランを行い、通常より若干短い時間でこの日のトレーニングは終了となった。
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