2月2日(土) 天候:雨
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□第6日目

・午前練習

キャンプ5日目にして現れた昨日のような青空は再びどこかに消えてしまい、この日の朝は厚い雲と風だけでなく、細かな雨が降るというあいにくの天候で1日がスタートした。

この日は、午後に練習試合が行われることもあって通常のトレーニングは行われず、午前9時45分より地元の小学1〜6年生約60名を招待しての「サッカー教室」が行われた。br

教室の開始に先立ってストイコビッチ監督からは、「今日は雨が降っていますが、頑張ってください。そしてプロを目指してしっかり学んでください!」と力強い挨拶が送られると、ちびっ子達は目を輝かせて、雨が降るのも忘れて元気にピッチへと拡がっていった。

子供達は、まず選手達が腰に付けた色別のビブスを奪い合って体を解したあと、学年別に分かれてサッカー教室を楽しんだ。選手達は、練習場の各所に配置されたそれぞれの場所で子供達を待ちかまえており、ドリブルやシュート、ミニゲームなど様々なメニューを一緒に行った。

10時45分、ローテーションで全員が各ゾーンを回ったところで大きな笛が吹かれ、大盛況のうちにイベントは終了。最後に選手とちびっ子達は、集合写真を撮影して午前のサッカー教室は終了となった。

連日続くハードなトレーニング、さらにこの日の午後には練習試合が控えているという慌ただしいスケジュールの中で行われたイベントだったが、選手達はちびっ子の元気なプレーと明るい笑顔に出会うことで、心も体もリフレッシュ出来た様子だった。
・午後練習

午前中から降っていた雨は、午後に入っても衰えることを知らない。そして、午後2時30分からの地元・鹿屋体育大とのトレーニングマッチ(45分×2本)を前に一層強さを増し、土曜日ということでこの試合を観戦に訪れた地元のサポーターの傘に大きな雨粒を叩きつけている。そんな生憎のコンディションの中でも選手達は、今週行った守備のトレーニングの成果を見せようと、選手達はアップ中から気合い十分だ。

試合は右エンドの鹿屋体育大のキックオフでスタート。この日の名古屋の先発は、GK西村、DFは筑城・バヤリッツァ・米山・阿部。中盤は中村・山口・マギヌン・藤田。FWは玉田と杉本の俊足コンビ。4-4-2の布陣で試合に臨んだ。

ゲームは立ち上がり1分、右CKのボールをゴール前に上がっていたバヤリッツァが、こぼれ球を押し込んで先制ゴールかと思われたが、オフサイドの判定で惜しくもノーゴールになってしまう。しかし、このプレーから試合のペースを掴んだ名古屋が、横一線に並んだDFラインからボールをしっかりと繋ぎながら、機を見て相手守備のほころびを突く。そして4分。左からの中村のCKのボールをニアサイドに上がっていたバヤリッツァが、頭でコースを変えたボールが枠をしっかりと捕らえ来日初ゴールで名古屋が先制する。

しかし、その10分後、鹿屋大に同点に追いつかれると、ここからは一進一退の展開が続いてしまう。名古屋はマギヌンを中心に、玉田・杉本がDFの裏を狙ってゆくが、相手も慌てることなくこれに対処し、簡単には得点させてもらえないまま時間が経過してゆく。

25分には中村、27分にはマギヌンがフリーでのシュートチャンスを得るが、ボールはゴールの上に抜けてしまい追加点を挙げることは出来ない。30分、メンバー交代:藤田・米山→吉田・吉村。

33分には右から上がるマギヌンからのスルーパスに抜け出した杉本が絶好のチャンスを迎えるが、スライディングで入り込んできたDFにシュートを弾かれてしまう。41分にはペナルティ内にいた玉田の目の前にボールがこぼれる。玉田は、これを飛び込んできたGKのタイミングを外してシュートを打つが、これはポスト左に流れてしまう。

ロスタイムには右に流れた玉田の低いクロスに、杉本が飛び込んでボレーシュートを放つが、これも右ポストをわずかにかすめてゴールラインを割ってしまう。結局、再三に渡って巡ってきたチャンスをものにすることが出来ず、1-1の同点のまま前半を終えた。

エンド入れ替わって、後半は右から攻め上がる名古屋のボールから試合再開。後半のメンバーは、GK広野、DFは青山・三木・吉田・渡邊の4人。MFは津田・小川・吉村・井上の4人。巻と深井の2トップという布陣で臨む。

立ち上がりは、ゆっくりとボールを繋ぐ名古屋だったが、4分、深井とのワンツーでDFラインからオーバーラップした青山からのクロスボールを巻がヘディングシュートを絶妙のタイミングで放つが、このシュートは相手GKの正面を衝いてしまう。しかし、こぼれた球を井上が押し込もうとシュートをして、再度GKに当たったボールを深井が見逃さず落ち着いて押し込んで2-1とする。

このゴールがきっかけとなって、前半で相手をなかなか突き放すことが出来ずに嫌なムードだった名古屋の選手達の動きが見違えるように良くなり、相手陣内深くボールを運び始める。14分、メンバー交代:吉田→竹内。

17分、渡邊が吉村とのワンツーでDFの裏へと抜け出すが、ここは飛び出した鹿屋GKが先にボールを押さえてしまう。21分、メンバー交代:吉村・津田→福島・新川。24分、メンバー交代:井上→片山。

28分、右サイドにポジションを取っていた深井が、オーバーラップを仕掛けた青山にタイミング良くパスを出す。そして、パスを受けた青山がゴール前に入れたボールが逆サイドに抜けたところに走り込んだ交代直後の片山が豪快なシュートを突き刺して3-1。鹿屋大を突き放す。

その後も試合は名古屋が相手を圧倒し続け、41分には片山がこの日2点目となるゴール。そして42分には、ペナルティエリアで巻が落としたボールに走り込んだ小川が右足からの強烈なゴールを決めて5-1と突き放し、鹿屋体育大を下して試合終了を迎えた。名古屋は、失点はあったものの、ほとんどの時間帯で主導権を握り、守備陣も落ち着いた守備を見せ続けるなどストイコビッチ監督を十分満足させる成果をみせた。
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