吉田麻也選手「第29回オリンピック競技大会」日本代表メンバー選出記者会見
 7月14日(月)、「第29回オリンピック競技大会」日本代表メンバーに選出された吉田麻也選手の記者会見
が、トヨタスポーツセンターにて行われましたので、その模様をお伝えします。
久米一正チーム統括部ゼネラルマネージャー
 本日、日本サッカー協会から北京で開催されるオリンピック日本代表のメンバーが発表され、我がグランパスから吉田麻也選手が選出されました。
 オリンピックという素晴らしい舞台に吉田選手が選ばれた事は、我がクラブにとっても大変光栄であり、名誉なことです。そして、吉田選手がオリンピックの舞台で世界の強豪と戦い、経験を持ち帰って来ることに期待して、彼を送り出したいと思います。
 ジュニアユース、ユースとグランパス一筋で育った吉田選手が日の丸を背負って世界と戦うことは、グランパスの育成面にとっても大きな事だと思っています。
 アメリカ、ナイジェリア、オランダという強豪国と戦うチャンスがあるわけですから、ぜひ大活躍して世界に“グランパス”というクラブの名前を広げて欲しいと思います。
ストイコビッチ監督
今日、この素晴らしいニュースを聞きました。五輪代表に選出されるということは、麻也にとってはもちろん、クラブにとっても誇りになる事です。
今シーズンここまで彼は、ほとんどの試合に出場し高いパフォーマンスを見せてきました。それを見れば、選ばれて当然だと思います。
北京でも、名古屋にいる時と同様なプレーを見せれば、良い結果はついて来ると思っています。
吉田麻也選手、記者会見の模様(全文)
 今回、北京オリンピックのメンバーに選ばれた事を大変光栄に思います。選ばれなかった選手のためにも、北京でしっかり自分のプレーを出し切りたいと思いますので、応援よろしくお願いします。

Q:目標だった北京、これからは日の丸を背負って勝たなければいけないという重圧も掛かって来るかと思いますが、その点についてはどうお考えでしょうか?
もちろん北京に行くからには、試合に出て、勝ち点3を獲得しなければいけないと思っています。自分がこれから成長するためには、試合の内容も含めて細かい点まで追求しなければいけません。

Q:U-23代表に選ばれた選手の中では年齢が若いと思いますが、チームの中ではどう貢献しようとお考えでしょうか?
プレー面では高さや強さを当然要求されていますが、その他にも、ビルドアップの面で攻撃の組み立てに参加して積極的なプレーを見せられればと思っています。

Q:オリンピックで楽しみにしている事は?
色々な国、強豪と言われる国と戦える事です。サッカー以外では、他の競技の選手と交流してみたいと思います。
Q:何か不安に思うことはあるのでしょうか?
空気があまり良くないと言われているので、それが心配です。(笑)

Q:サッカーを知らない人でもオリンピックには注目しますし、そこで初めて吉田麻也という名前を目にする方もいると思います。そういう人たちにはどうアピールしたいですか?
サッカーを知らない人は僕の事をほとんど知らないと思いますし、まずは試合に出場することです。そして何より勝つ事がサッカーの発展に繋がり、これからの自分やクラブの評価にも繋がると思います。

Q:ロサンゼルスオリンピックでは現役時代のストイコビッチ監督が銅メダルを獲得しています。監督からは何かアドバイスは貰ったのでしょうか?
アドバイスなのかはわかりませんが、「素晴らしい事だ」と言ってもらい、軽くキックも貰いました。(笑)

Q:チームメイトからは何か言われたのでしょうか?
みんなが祝ってくれました。次は、チームに戻ってからも今のプレーを続け、少しでもチームに還元したいと思います。

Q:中学から親元を離れ、もちろん今日はご両親に喜びの報告を入れられたかと思いますが、どういう反応が帰ってきたのでしょうか?
「代表に入ったよ」と実家に電話したら、母親がとても喜んでいましたが、それほど予想外の感動というわけではなかったみたいです。それでも代表に選ばれた事を祝福してくれましたし、北京まで応援には行けないけど、しっかり頑張るように励まされました。

Q:予選リーグを戦うアメリカ、ナイジェリア、オランダという3チームについての印象は?
はっきりしている事は、弱いチームはいないという事です。たとえばアメリカはフィジカル面が強いし、ナイジェリアは身体能力がずば抜けていたりと、それぞれの個性が強いチームばかりです。そして基本的なベースが高いチームばかりですし、厳しい戦いが続くと思っています。もちろん日本もその中にはいる能力はあると思っていますし、自分たちのプレーをして、まずは予選突破が目標です。

Q:アメリカにはシドニーオリンピックで、ナイジェリアにはアトランタオリンピックで負けています。そしてオランダには今回のU-23世代が、当時のワールドユースで負けています。どのチームに対してもリベンジのチャンスかと思いますが?
U-23のほとんどの選手が、オランダとの対戦で強い印象を受けているようです。何度かの遠征に参加しても、その話は出ていました。ですからオランダに対する意識はもちろんですが、大切なのは初戦のアメリカ戦だと思っています。その試合に、いかに良いリズムで入り自分たちのサッカーをするか。そしてなんとしても勝ち点3を獲るという事が重要です。

Q:名古屋のサポーターには、どういうお土産を持ち帰ってきてくれるのでしょうか?
サポーターにとっては、自分がどれだけ成長するかという事が重要だと思っています。オリンピックが終わってからのリーグ戦で、そのプレーを見せられれば良いなと思っています。

Q:今年の4月、初めてこの世代の代表に選ばれてから今日まで3ヶ月しか時間がありませんでした。今回の選出について、何が決めてになったとお考えでしょうか?
ボールを上手く扱うという点を合宿でも意識してビルドアップに参加していました。その点が評価されたのかとは思っています。

Q:もともと足下の技術は持っていたかと思いますが、昨年プロ入りしてから何が一番大きなポイントだったのでしょうか?
昨年、フェルフォーセン監督の頃からビルドアップについては強く要求されていましたし、1年目から積極的にチャレンジしてきました。そして2年目になってからは落ち着いて、ポゼッションも出来るようになりました。それが今、五輪のチームでも上手くポゼッションできる事に繋がっているのかと思います。

Q:オリンピックに対して、いつごろから意識されていたのでしょうか?
北京五輪に選ばれる事は今年の目標の一つでした。もちろん昨年から意識はしていましたが、昨年の後半戦、試合にコンスタントに出られるようになってから、明確に意識するようになりました。

Q:昨年の段階で、今日の姿を想像できましたでしょうか?
今まで代表には縁がなかったので、まさかここで記者会見するとは思っていませんでした。(笑)

Q:目標を、メダル的な言葉でお願いします。
僕個人の力ではなく、チームみんなの力でメダルを獲得できるよう、精一杯頑張ってきます。

会見に続き、クラブフラッグを背にフォトセッションが行われました。
笑顔の奥に北京への決意を感じる力強い表情の吉田選手、五輪の舞台での活躍に期待です!
吉田麻也選手プロフィール
氏名 吉田 麻也(ヨシダ マヤ)
生年月日 1988年8月24日(19歳)
ポジション MF
身長/体重 186cm/78kg