□指宿キャンプ:第10日・午前練習
今朝も青い空が広がり、気持ちの良い天気の中でトレーニングがスタートしました。朝方に露が降りたのか、芝生が水分をタップリと含んで、瑞々しく緑に輝いています。
いよいよ指宿でのキャンプも残り3日。今日の柏と明日の鳥栖と組まれているトレーニングマッチを無事戦い終えれば終了を迎えます。選手達は恐らく疲れがピークになっている状態のはず。くれぐれも怪我無く、最終日まで行って欲しいものです。
全員揃って、15分程しっかりと時間を掛けたウォーミングアップで体を解してゆく選手達。疲れが溜まってきている上に、昨日は午後のトレーニングがなかったこともあってか、少々からだが重そうです。それでも、柏と鳥栖のトレーニングマッチに向け、準備を怠ることなくしっかりとメニューをこなしていました。
その後、午後からの試合のメンバーは第2グランドへと移動すると、リラックスした雰囲気の中、暖かい日差しを浴びながらボール回しで、アップを仕上げると、シュート練習に終始しました。先日のヴォルカ鹿児島とのゲームでは4得点と、大活躍だったヨンセン選手に続けとばかり、他の選手達もGK長谷川を相手に豪快なシュートをゴールに突き刺していました。
第1グランドに残ったメンバーは、9対9に分かれると、GK櫛野・広野をゴール前に配置して、フルコートによるゲーム形式での戦術練習を行いました。キャンプ中の怪我が心配されたスピラール選手も、柏とのゲームは出場とはなりませんが、昨シーズン中のパフォーマンスを取り戻しつつあります。
先に午前のトレーニングを終えたゲーム組の選手達が、トレーニングを眺めながら練習場を抜けてゆく姿に刺激を受けたのか、最後まで、勢いタップリのプレイを続けた選手達は、午前10時30分、この日の午前の練習を終えました。
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□第10日:トレーニングマッチ「vs 柏レイソル」試合の模様
午後に入ると日差しが一層強さを増し、気温も高くなってきている。そんな中、ピッチの中では、先にウォーミングアップを始めた柏の選手達の声が大きく響き渡っている。
この日は、午後2時より今季J1に昇格を決めた柏レイソルとのトレーニングマッチを戦う我らが名古屋グランパス。このキャンプでの対戦相手としては、力も早さも前の2チームとは全然違うはず。ここまで続けてきたトレーニングの成果をプレイに出してゆくには、最高の相手と言えるだろう。
前半は、左にエンドを取る名古屋のボールで試合開始。この日は、GK楢崎、DFは、右に増川、左は阿部、センターバックには練習参加の米山という3バック。中盤は、右から中村・藤田・山口・本田、やや下がり目に吉村、と言う5人。FWはヨンセンと玉田が入る、3-5-2の布陣で臨んでゆく。
試合は、序盤、柏がアグレッシブなプレッシャーを前線から掛けて、名古屋のボールを高い位置で奪って、一気に攻撃を仕掛けると状況で進んでゆくが、DF陣も慌てることなく、米山の落ち着いたプレイを中心に、しっかりとパスを回しながら自分達のサッカーを見せてゆく。それでも、ロッソ戦やヴォルカ戦の時とは段違いの早いパスと、抜け出しの早さに対応するため、なかなか前線のヨンセンや玉田にボールを集めることが出来ない。
しかし、この日、中盤の底の位置に入った吉村が次第に相手のボールをしっかりと奪って、両サイドの、本田・中村や、藤田・山口等を使い始めると、徐々に名古屋が試合のリズムを掴むようになる。連日のトレーニングを積み重ねて疲れも溜まってきている中での試合と言うこともあり、立て続けに速いテンポで攻め立てることは出来ないが、時折、効果的なパスが相手のDFラインの裏へと出始め、チャンスを作るようになる。16分には、フリーで抜け出していった阿部からのゴール前へのクロスに中央で玉田が詰めて、ダイレクトであわせるが、ボールはポストの右へ。26分には、中央で縦パスを下がって受けた玉田が右のスペースへと叩いてそのまま攻め上がってゆく。このパスを受けた中村からのゴール前へのボールに走り込んだ玉田のシュートはクロスバーの上。
柏も今季、名古屋から移籍した古賀が中心となって、かつて知ったる相手と言うこともあり、ヨンセンや玉田を簡単にはフリーにさせてくれず、シュートチャンスを潰されてしまう場面が目立つが、良いリズムで名古屋が試合の主導権を握って試合を進める。しかし、前半は互いに譲らず、0-0の無得点で試合を折り返してゆく。
エンド入れ替わり、左から攻め上がる柏のボールで後半開始。
後半は、メンバーをガラリと入れ替えてきた柏に対し、名古屋はメンバー交代は無し。前半の立ち上がりからの柏の厳しいプレッシャーに耐えて、自分達のリズムで試合の流れを掴んで前半を終えた名古屋だったが、後半、再びフレッシュなメンバーで臨んできた柏にまたしても押し込まれる形が目立つ立ち上がりに。
キャンプでの累積した疲れの為か、予想以上に運動量が減り始めるのが早く、中盤でボールを奪って早い攻撃に繋げてゆかなければいけないところでも、パスミスが目立つようになる。また、柏が攻撃の選手を前に3人置いてきたこともあって、なかなか守備のオーガナイズもままならないところが見えるようになる。
しかし、16分。自陣で相手ボールを奪った増川がそのまま豪快にドリブルで持ち上がってゆく。高い位置にと上がったところで、大きくサイドを変えて、左にフリーでいた玉田へと繋いだボールを本田が受けると、丁寧な左足からのパスをゴール前に送り込んでゆく。これを中央で待っていたヨンセンがDFに競り勝って頭で落としたところを、ゴール前に詰めていた増川がワンタッチで押し込んで相手ゴールを割る先制点を挙げて均衡を破ってゆく。
このゴールで楽になるかと思われたが、柏の勢いは止まらず、かえってスピードアップしはじめ、相手選手をファウルで止めなければ、押さえきれないようになってゆく。24分。中央を、柏・ドゥンビア(35)が持ち上がってくると、右に上がる柏・柳澤(27)へパスを通され、そのまま持ち上がって、ゴール前へと早いクロスを入れられてしまう。そして、このボールを、中央から走り込んできた、柏・藏川(23)にフリーでのヘディングシュートを許してしまい、1-1の同点とされてしまう。
ここでフェルフォーセン監督がすかさず動き、これまでキャンプでは試していなかった4バックを指示し、選手達のポジションを修正させて攻撃の選手のマークを増やし、相手に追加点を与えまいとしてゆく。一時、選手達には混乱した部分もあったが、落ち着きを取り戻した後は、練習通りの守備のオーガナイズからのパス回しを行い、相手へチャンスを与えることなく、試合を進めるようになる。33分、名古屋メンバー交代:阿部・吉村・ヨンセン→竹内・須藤・杉本。
さすがに疲れの見え始めた名古屋は、相手の攻撃をしっかりと受けてカウンターを仕掛ける事が終盤は目立つようになり、相手の攻め上がってできた裏のスペースにパスを配球し、杉本のスピードを使った攻撃を仕掛けてゆくが、フィニッシュにゆこうとしたところでボールが足下に落ち着かないところを逆にカウンターを受ける等、苦しい展開が続く状況の中で、終了の笛を聞くことに。キャンプの終盤の練習試合で、体も重く、キレも良くない中では、柏がメンバーを代えてきた後半は押し込まれることは止む終えないかと思われるが、前半の内容については、ここまでやってきた形を何度か見せることが出来、初のJ1チームとの対戦と言うことを考えれば、満足のゆく結果と言えるだろう。
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