2月3日(土) 天候:晴時々曇り
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□指宿キャンプ:第6日・午前練習

昨日の、震え上がるほどの寒い雨と冷たい風の天気が嘘のように、この日は朝から快晴に恵まれました。太陽からは、南国らしい力強い日差しが練習場に差し込み、雨で濡れて水分を含んだ芝生の緑を、より一層際だたせてくれました。

この日の第1グランドでは、午前9時45分より、地元の小学1〜6年生約70名を招待して、昨日のロッソ戦を戦ったメンバー達による「サッカー教室」が実施されました。フェルフォーセン監督の監修の下、ちびっ子達と共に、選手達は暖かな日差しを浴びながら、笑顔でこのイベントを楽しみました。

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その一方で、第2グランドでは、午後3時からの、ヴォルカ鹿児島とのトレーニングマッチに向け、最終調整を行いました。ここでも、明るい日差しがピッチ全体を包み、気合いこそ込めてトレーニングを行っていますが、リラックスして、全く力みは見られません。前日のメンバー達が、5-0と結果をしっかり出したこともあってか、“俺たちもやってやるぞ!”と言う、良い意味での高いモチベーションが溢れていました。

ウォーミングアップ後、約30分程、DF・MF陣によるハーフウェイラインでのパス回しから、しっかりとテンポ良くパスを繋いでサイドへ展開し、クロスボールをシュートにゆくという、練習を何度も繰り返し、ゴール前での精度を上げることに時間を掛けていました。そして最後は、和気藹々のPK戦を行ってリラックスした選手達は、早々と午前のトレーニングを終え、ホテルへと戻って行きました。

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サッカー教室では学年別にチームを分けると、練習場の各所に配置されたそれぞれの場所で、待ちかまえる選手達と様々なメニューを楽しみました。ゴール前のシュートゾーンでは、杉本選手や本田選手が、「迷」キーパーを披露していました。連日のハードなトレーニングの合間の、今回のリラックスしたイベントで選手達はリフレッシュ出来たようでした。

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□第6日:トレーニングマッチ「vs ヴォルカ鹿児島」試合の模様

午前中の晴れ渡った天気を思うと、少し雲が増えてきたが、それでも昨日に比べれば、暖かく心地の良い天気に恵まれたこの日の午後。練習場の周辺には、土曜日と言うこともあり多くの観戦者が午後3時半からの地元のヴォルカ鹿児島との練習試合に向けて、ウォーミングアップを行っている選手達に熱い視線を送っている。昨日のロッソ熊本との練習試合でしっかりと結果を出した選手達に負けじと、気合いの入った様子がピッチの中から伝わってくる。

前半は、対戦相手・鹿児島のキックオフでスタート。名古屋は昨日同様、左にエンドに取って右へと攻め上がってゆく。この日の先発は、GK櫛野、DFは右に和田、左に阿部、センターバックは竹内が入る3バック。中盤は右から中村、山口、須藤、渡邊の順、やや下がり目には藤田が入る。FWはヨンセンと津田の2人。3-5-2の布陣で臨む。

試合は、名古屋が立ち上がりから速いテンポでのパス回しを心がけ、高い位置にラインを保っている鹿児島DFの裏へと積極的にパスを送り、ヨンセン・津田を走らせてゆく。しかし、タイミングのずれもあってか、序盤はことごとくオフサイドを取られてしまうが、次第に藤田・山口、須藤が“溜め”のタイミングを掴み始めると、徐々に相手ゴールへとボールが運ばれるようになる。また両サイドの中村・渡邊もこれに連動して、タイミング良く抜け出して、チャンスを作り始めるようになる。

7分、藤田からの右のスペースへのパスにドンピシャのタイミングで抜け出した中村が一気に持ち上がってゆくと、ゴールラインギリギリの位置からクロスボールをゴール前へと放り込むと、このボールに中央を走り込んだヨンセンが右足のダイレクトボレーを突き刺して見事な先制点を挙げる。このゴールで一気に流れを掴んだ名古屋は、怒濤の攻め上がりを見せ、鹿児島DFを混乱に陥れてゆく。

25分、右のスペースに出たボールを上がっていった山口が拾うと、早いボールをゴール前に入れてゆく。これをやや遠い位置で待っていたヨンセンが、今度は頭であわせて2点目を決めてゆく。33分、今度はハーフウェイラインでボールを持った中村が相手のDFの裏へとロングボールを放り込むと、中央から抜け出したヨンセンが、飛び出した相手GKのポジションを見て、右足で軽く浮かせたボールでネットを揺らし、3点目を挙げる。

39分、左に上がった須藤のゴール前へのボールをヨンセンが落としたところを、詰めていた津田が蹴りこみ4-0とすると、43分には、右サイドでDFをかわした中村からのクロスボールをニアに走り込んだ津田が頭で合わせて5-0に、終了間際には、相手陣内中央、ペナルティエリアのすぐ外からのミドルシュートを叩き込み、何と前半だけで7得点と、怒濤のゴールラッシュを見せて試合を折り返してゆく。

エンド入れ替わり、右にエンドを変えた名古屋のボールで試合が再開。名古屋メンバー交代:櫛野・須藤・竹内→広野・本田・片山。

昨日同様、本田はトップ下の位置に入り、阿部がセンターバックを務め、左サイド攻撃的な位置に片山が入ってゆく。

前半での大量失点に、鹿児島はメンバーを大きく入れ替えて臨んでくると、果敢に早いボールを繋いで名古屋のサイドから攻撃を仕掛け始め、防戦を強いられるようになる。それでも、前半同様の山口や藤田等が、テンポの良くパスを捌いて、自分達のリズムを作ってゆこうとするが、前半とポジションの違いもあってか、連携でのタイミングがずれるシーンも出始め、こぼれ球を拾われて押し込まれる場面も見られるようになる。

そして16分。鹿児島の早い展開から押し込まれると、これについて行った渡邊がゴール前に入ってきたボールを阻止しようとしたが、これが体に当たってコースが変わってしまい、名古屋のゴールを割ってしまう、痛恨のオウンゴールに。しかし、3分後、右サイドでスペースへと出たボールを拾ったヨンセンが持ち上がってゆくと、中央に上がってくる本田の足下へとタイミング良くパスを送ってゆく。このボールを左足を振り抜いてシュートに行った本田だったが、相手GKに正面で阻まれてしまう。しかし、こぼれ球を拾うと、落ち着いてGKの頭上を抜く技ありのループシュートでネットを揺らし、この日8点目となるゴールを決めてゆく。

22分、名古屋メンバー交代:片山→花井(ユース)。名古屋の大量得点で、試合が殆ど決まってしまったこともあってか、ここで若い花井を投入してゆくが、さすがに前半から飛ばしすぎたこともあってか、それまで名古屋の早いテンポ作りの役を担っていた藤田や山口等に疲れが見え始め、相手DFの厳しい守備に潰されることが多くなってくる。

しかし30分。本田がペナルティエリアの近くでボールをもらうと、前が空いていたこともあってか、迷わず鋭く押さえの効いたミドルシュートを放ってゆく。これを相手GKが捕まえきれずこぼしたところに津田が詰めて押し込もうとするが、シュートは正面に飛んで弾かれてしまう。そして、もう一度こぼれたところに、今度はヨンセンが詰めると、しっかりとシュートを相手GKの手の届かないコースへと叩き込み、この日4得点目となるゴールを決め、鹿児島を息の根を止めてゆく。

その後、鹿児島も何度か名古屋のゴールへ迫ろうとボールを前線へと送ってくるが、DF陣が落ち着いたプレイを見せて、相手の攻撃を凌いで試合終了を迎えてゆく。力の差もあったこの日のトレーニングマッチだったが、攻撃面で、アシスト役に徹した中村と、これにしっかりと応えたヨンセン・津田の決定力が際だった内容の試合と言えるだろう。

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【ヴォルカ鹿児島線後、フローデ・ヨンセン選手コメント】
Q:今日の試合の結果については?
A:前半は良いプレイが出来てましたが、後半は疲れもあって、彼らが良かったのもありました。全体では良かったと思います。

Q:今日は中村選手との相性が良かったようですが?
A:中村選手はとても良かったと思います。私も彼を簡単に見つけることも出来ましたし、クロスもとても良かったです。

Q:今年はキャンプから一緒にじっくりとトレーニングが出来ていますが?
もちろん、とても重要だと思っています。チームのことも分かってきましたし、他の選手たちも私のことを理解してくれるようになってきました。