□指宿キャンプ:第3日・早朝練習
午前7時30分。まだ太陽は東の空から現れていないこの時間からこの日のトレーニングがスタートしました。
ゆっくりとしたペースで全員で連なって、練習場に向かうと、2人1組で軽くストレッチやボールを使ったメニューで体を目覚めさせた後はジョギングに出発です。昨夜チームに合流した筑城和人選手も少し眠そうでしたが、みんなと合流できたことで、笑顔が見えました。ようやく東から上り始めた朝日の明るい光が敷地内を走る選手達に当たり始め、心地よい朝の雰囲気が訪れました。
海岸縁の砂浜をゆっくりと走って、ホテルの中庭を通過するときには、連れだって走っていたヨンセン・スピラールの両選手が「アレガホテル、コッチ、コッチ!」と片言の日本語で大きな声を挙げて、近くを走っている選手達の雰囲気を和ませていました。
その後、練習場へと戻ってゆくと、今度はピッチ内の各所に建てられたポールを使った陣取りゲームの開始です。近くの選手と互いにポールの位置を変えることでポイントを得られるとあって、自分の周りの選手の名前を呼び合いながら、“鬼”としてフリーで徘徊している選手に場所を奪われないように、目を盗みながら、ピッチ内狭しと走り合って汗を流して、早朝のトレーニングは、午前8時15分に終了となりました。
集合した時は、まだ眠そうな顔をしていた選手達でしたが、朝早くからの、体だけでなく頭も使ったトレーニングを行ったこともあってか、爽やかな表情を見せながら朝食へと向かってゆきました。
----------------
□第3日・午前練習
今日は3部練習。早朝、7時半からトレーニングを行ったこともあって、午前のトレーニングはいつもより遅く、10時半からのスタートとなりました。しかし、選手達は早くから体を動かしていたこともあり、皆体が軽そうです。
監督からの、短めのトレーニング内容についての説明を聞き入れたあと、池田コーチの号令の下、ゆっくりとした足取りでピッチの回りを走り始めます。その後、軽くストレッチングをおこない体を解すと、ミニハードルを使いながら、体幹を刺激してゆきます。何往復かハードルを使ったメニューをこなすと、今度は踏み台を使ったメニューを繰り返した後、今度はピッチを横に使った、左右の切り返しやジャンピングヘッドを盛り込んだダッシュを行いました。一旦、水分を補給すると、ピッチ内で大きく広がりあって、2人1組でロングボールを蹴り合い、ウォーミングアップを仕上げてゆきます。
11時からは、メンバーを3つのグループに分けると、ミニゲーム形式の戦術トレーニングを開始します。
□参加メンバー:中村・片山・杉本・練習生・橋本・金・青山・吉村・長谷川・広野・スピラール・小川・山口・中島・玉田・和田・津田・藤田・増川・ヨンセン・巻・筑城・本田・新川・竹内・吉田・須藤・楢崎・櫛野
それぞれがフリーの選手を1つずつおきながら、4対4でのボールの奪い合いを繰り返して、両サイドにそれぞれ用意されたゴールへ向けてシュートを狙ってゆきますが、2カ所にはGKがそれぞれのゴール前に陣取り、簡単には点を挙げさせない、とばかりに気合いの入ったセービングを見せて、シュートのボールを跳ね返していました。
それぞれのゾーンを入れ替えながら、選手達は互いの相手となる選手達のボールを奪い合いながら、ボールのポゼッションを競い合い、各自がスペースを目一杯に使いながら激しい闘志溢れるプレイを続けていました。時折、監督やドワイトコーチだけでなく、他のコーチ陣からも大きな声で激しい檄が飛び交い、選手達もその声に呼応するかのようにテンポを上げ、とても高い集中力を見せ、気合い溢れる、正に力のこもったトレーニングを行いました。
この日は、天気予報では青空が広がる暖かな天気になると言うことでしたが、空の半分を雲が占め、時折太陽がかげると、冷たい風が吹く、肌寒い天候となりましたが、選手達は、時間の経つのも忘れ、正午近くまでしっかりと汗を流しました。終了後は、さすがに疲れた様子で、重い足取りでピッチ回りをジョギングで流し、ストレッチングでクールダウンを行って、午前のトレーニングを終了しました。
----------------
□第3日・午後練習
急遽、予定を30分繰り下げて行われることとなった午後のトレーニング。午後4時30分と、いつもより30分遅いだけにもかかわらず、日は西に思った以上に傾き、選手達に当たる光にも赤みが多いです。
早朝のトレーニング、そして、午前中のハードなトレーニングと立て続いたこともあってか、選手達も少し体が重そうな中、心拍を計測する発信器を装着すると、まずはゆっくりとしたジョギングからスタートしました。日に勢いがあまりないこともあってか、日陰では気温がグッと下がり、相当に肌寒いです。
短めのアップで体を解すと、練習場の向こう側で、ボールを使わず鬼ごっこで体を温めると、今度は2列ずつに敷き詰められたマーカーに2人1組で向かい合うと、攻守を変わりながら、サイドステップで相手の逆を突く、動きを繰り返して、一気に体を温めて、コンディションを整え、その後のトレーニングへと向かいました。
□参加メンバー:中村・片山・杉本・練習生・橋本・金・青山・吉村・長谷川・広野・スピラール・小川・山口・中島・玉田・和田・津田・藤田・増川・ヨンセン・巻・筑城・本田・新川・竹内・吉田・須藤・楢崎・櫛野
※別メニューの大森と井上、渡邊はピッチ回りをランニングした後、ミニハードルを使ったリハビリメニューを時間を掛けてこなしていました。
コートの大きさを3分の1ほどにした両エンドに、それぞれ選手達は二手に分かれると、1対1でエリア内に散逸しているボールをコーンの間をすり抜けてシュート、ゴールを奪い合うと言うメニューをスタートさせます。次々とシュートを打って行くこともあって、選手達は息つく間もなくエリア内を駆けめぐり、ボールを奪い合います。また、GKも右へ左へと飛んでくるボールに反応しなければならず、大忙しでした。
およそ30分、3組ずつ交互に交代しながら、徹底的にコンディションを追い込んで行くこのメニューは、相当に体力を要するようで、「終了」の声が掛かったときには、殆どの選手達が両手をヒザの上について、苦しげな表情を見せていました。しかし、PCに送られて来る選手達のデータはまだまだ余裕があるようで、フェルフォーセン監督は、満足げな表情を見せて練習場を後にしました。
|