7月21日(土) 天候:晴のち曇り
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□午前練習の模様

〜朝の散歩

前日の冷たい風に細かい雨の混じる夏の北海道とは思えないほどの、荒れていた天候は落ち着きを見せ、風こそ少し強いものの、朝から良く晴れ渡る日となった網走キャンプ3日目の朝。眩しい日差しがあるお陰で気温も低くなく、爽やかな青空が広がる気持ちの良い天気の中、選手達は午前7時45分から、前日に引き続き、ホテルの周辺散策に出掛けました。

前日とはコースを変え、ホテルの前に広がる田園風景を見て回りながら、選手達は前日のしっかりと中身の詰まったトレーニングで疲れた体を早く解そうと、ゆっくりと、しかし力強い足取りでホテルまでの約15分の道のりの散歩を味わっていました。

〜「サッカー教室」の模様

午前10時からは、網走市内の小学生(3〜6年生)約100名とのサッカー教室に参加しました。始めにフェルフォーセン監督から「皆さんのおかげで天気が良くなりました。」と心憎い挨拶があった後、中田コーチからの教室内容についての説明が伝えられ、早速サッカー教室がスタートしました。

学年毎に4チームに分かれると、それぞれに選手達が加わり、臨時コーチ振りを発揮していました。前半は、それぞれのグループの選手達自らがトレーニングメニューを考え、それを子供達に指導していました。気持ちの良い風と柔らかい日差しに恵まれ、蒸し暑い名古屋を離れていることもあってか、選手達は子供達以上に満面の笑みを浮かべ、このイベントを楽しんでいました。

ひと通り、全選手とそれぞれのメニューを行った子供達は、10時45分より待ちかねたミニゲームを行いました。初めのうちは子供達に良いところを譲り、自分達は盛り上げ役を買って出て、遠慮したプレイが多かった選手達でしたが、次第にプレイに熱が入り、最後は子供達から「大人げな〜い!」と言われるほどの“本気”のプレイを見せてゴールを挙げるシーンも見られるました。終了後には監督より「今日は色んなことを学んで貰えたと思います。ありがとうございました」とお礼を述べ、サッカー教室は無事終了となりました。

□練習試合「vs札幌大学」:マッチレポート

この日は、午後4時30分より、地元・北海道の札幌大学と、今回の網走キャンプ初の実戦形式となるトレーニングマッチが行われた。天候が崩れるとの予報だったが、雲こそ少し多く、風が強いものの、日差しがあって試合を行うには問題のない天気となった。また、J1チームの試合と言うことで、多くの観戦者が訪れていた。前半はベンチから見て右にエンドを取った名古屋に対し、左エンドの札幌大のキックオフで試合がスタート。先発メンバーは、GK櫛野、DF金古を真ん中に、右に竹内・左が阿部、MFは、右が中村、左が渡邊、中央下がり目に吉村、トップ下の攻撃的な位置には小川と福島が入り、FWは巻と片山の2人、3-5-2の布陣で臨む。

名古屋は立ち上がりから、左右の渡邊・中村の縦へのスピードを生かそうと、巻へボールを集めて、小川や片山が縦へと早いボールを供給してゆくが、予想以上に深い芝生に慣れないことや、対戦相手・札幌の早い動き出しもあり、更には強い横風の影響もあり、なかなか良い形でボールを繋いでゴール前へと入れてゆくことが出来ない。しかし、15分を過ぎた辺りからは、自分達のリズムを掴んでボールを支配し、特に左の渡邊が鋭い抜け出しから、ゴール前で待つ巻へと鋭いクロスを入れてゆくようになる。22分、渡邊からのクロスを巻がスルーし、これに逆サイドから走り込んだ中村がダイレクトで合わせてシュートを狙うが、ボールは惜しくもクロスバーの上。

26分には、セットプレーからのこぼれ球を繋いだ中村が左に流れながらゴール前へと入れたボールに小川がヘディングシュートを狙うが、ボールはポストに左に。30分、中央で巻が受けたパスをしっかりと右に展開、これを受けた中村が深い位置まで持ち上がって入れた鋭いクロスに渡邊が走り込んでダイレクトで合わせたが、枠を捕らえることは出来なかった。34分、名古屋メンバー交代:櫛野→広野。

38、39分と立て続けにゴールまで福島がシュートチャンスを得るが、相手DFに当たる不運もあってゴールを割ることが出来ない。前半はこのまま無得点で終了かと思われたロスタイム、吉村の右CKのボールが流れたところを上がっていた左の阿部が拾うと、早めのクロスを入れてゆく。これを巻が相手DFに競り勝ってゴール前へと落としたところを金古が頭で押し込み、名古屋が先制点を挙げて前半を終えてゆく。

後半は、左にエンドを変えた名古屋のキックオフで試合が再開する。名古屋はGK広野と小川を残し、メンバーを総て入れ替え、GK広野、DFは米山を真ん中に、右に大森、左に筑城、MFは右に新川、左に本田、中央下がり目の位置には藤田が入り、その前に須藤と井上が陣取り、FWは津田と小川という11人で、前半同様に3-5-2でスタートする。

前半のメンバーが試合中、彼らにあわせて隣のサブグランドでフィジカルメニューをこなしてきたとあってか、どの選手も体がやや重そうだが、それでも前半の時と同様、シンプルに縦にボールを当てて、落ちてきたところを、相手のDFの裏へとパスを出して、両サイドの選手を走らせる攻撃を見せてゆく。

しかし9分。左サイドを札幌大(19)に抜け出されると、これを止めることが出来ず、大森・米山が押さえ込もうとした足下を抜けるパスに走り込んだ札幌大(10)にシュートを許し、同点とされてしまうと、J1のチーム相手にゴールを挙げたことに意気込んだ札幌大にこの時間帯を支配され、名古屋は押し上げようとしたボールを相手に奪われる場面が目立ち、幾度か札幌大のカウンター攻撃を受ける。21分、名古屋メンバー交代:広野→長谷川。

22分、大森の背後へのボールを代わったばかりの長谷川が勢いよくエリアを飛び出して処理しようとして、大森と交錯してしまいルーズになったところを、札幌大(10)にシュートを決められて逆転されてしまう。25分、名古屋メンバー交代:大森・長谷川→竹内・広野。

25分、左からCK。本田がゴール前に精度の高いボールを入れると、これを米山が頭で落としたところを、相手GKが押さえる前に先に詰めた小川が押し込み、2-2の同点にして追い付いたと思われたが、その1分後、米山がトラップしたボールが大きくなったところを奪われると、そのまま持ち上がった札幌大(19)に豪快なシュートを決められ、再び2-3と突き放されてしまう。29分、名古屋メンバー交代:米山→金古。

32分、右にポジションを変えていた井上からのクロスボールに中央で津田がヘディングシュートを狙うが、これは枠を捕らえることは出来なかった34分、本田の入れた早めのクロスボールを津田がスペースに落としたところに走り込んだ新川のダイレクトシュートはクロスバーの上へ外れてしまう。何としてもプロの意地を見せようと、終盤は名古屋が怒濤の攻撃を見せ札幌大陣内でボールを支配し、殆ど選手が攻め上がってゆくが、相手選手が自陣深く引いていることもあってなかなか追加点が奪えず、苦しい展開となってしまう。

ロスタイム、左CKからのこぼれ球を藤田が拾って丁寧に繋いでゆくと、ゴール前へと上がったボールを津田が頭で押し込んで同点とすると、1分と経たないうちに、左に持ち上がっていった本田からの低い弾道の鋭いボールに、またしても中央で走り込んだ津田があわせ、札幌大のゴールネットを揺らす見事な逆転弾が決まったところで主審の試合終了の笛が鳴り渡った。