□午前練習の模様
〜朝の散歩
午前8時過ぎ、朝の散歩に出掛けようとした選手達を待ち受けていたのは、冬を思わせるような鉛色の空と、吹き抜けてゆく強い風でした。予想以上に低い気温に最初は戸惑いを見せていた選手達も、遠く広がる田園風景と緑の芝生の間を抜けてゆく間に起きがけで強ばっていた表情も軟らかくなる。約15分ほど、今回のキャンプでのメインのトレーニングの場となるピッチ周辺を歩いた選手達は、軽快な足取りでホテルへと向かった。
〜午前練習
午前10時を回った辺りから練習場へと集まり始めた選手達は、相変わらず止まぬ風の中で思い思いにボールを蹴ったりして、間もなく始まるトレーニングに向けコンディションを整えてゆく。
10時30分、定刻通り網走キャンプ第2日目がスタート。始めに全選手を中央に集めて今回のキャンプの趣旨を簡単にフェルフォーセン監督が説明した後、ピッチを横に広く使いながら、軽く体を動かして体幹を刺激させてゆく。時折、細かくダッシュを繰り返しながら、約15分程動いた後、全員が心拍計を装着して、インターバル走を開始する。
コート半面を使い、ペースを徐々に上げながら数グループに分かれて走り込んでゆく選手達。序盤は誰もが余裕を見せていたが、2本3本とこれを繰り返す内に汗が頬を伝い始め、多くの選手達の表情が厳しいものへと変わってゆく。それでも、気温が低いこともあってか、簡単に息が上がることはなく、ベテラン勢も若い選手達も、時折大きな声を挙げながら、しっかりとこなしていった。その後、対面でロングボールを蹴り合って、約30分近くに渡り、長い時間をかけた走り込みで、高揚していた体調を一旦落ち着かせると、3グループへとポジション別に分かれて、ずっと別メニューをこなしていたGK3人も加わり、シュート練習をスタートさせる。
攻撃的な選手は、両サイドからのクロスボールをニアとファーサイドにボールを要求しながらのシュートを繰り返す。中盤の選手達は、ゴールマウス脇から出てくるボールを走り込んでミドルシュートを狙う。DF陣は1対1の局面からの抜け出し、そしてシュートを自ら放ったり、味方を使ったチャンスの創出に時間を掛けてゆく。前半戦で良い内容のサッカーを見せながらも決定力を欠いていた事が目立っていただけに、ゴール前でのシュートの精度をしっかりと高めたいというのは今回の網走でのキャンプの大きな目標の1つと言えるだろう。
□午後練習の模様
午前練習の終了後から降り始めた雨が夕刻になっても続き、4時半からの練習を前に体を動かしている選手達を濡らしてゆく。時折、強い風が吹き抜け、雨粒が頬を打つ厳しいコンディションとなってしまう。
朝早くの散歩からスタートしたこの日のトレーニング。特に午前中は、インターバル走とシュート練習に時間を掛けたこともあってか、選手達の体は少し重そうだ。しかし、短めのアップで体を解すと、軽やかな動きを見せながら全員でアップを始めて、体を解してゆく。
広めのエリアを使った“鬼ごっこ”をして心身共にリラックスした後、ピッチ内を移動しながらロングボールを蹴り合ってコンディションを整え、午後4時50分からは本格的な戦術トレーニングへと入ってゆく。
メイングランドでは、藤田・本田・新川・井上・小川・津田・須藤がGKを相手に短いパス交換からのシュート練習を繰り返してゆく。サブグランドでは、吉村・渡邊・中村・福島・片山・山口・巻・金古・米山・阿部・大森・竹内・吉田・筑城等が、2グループに分かれて7対7のミニゲーム形式での戦術トレーニングを行う。少ないタッチでのパス回しと早いプレッシャー、そして、攻守の早い切り替えが要求される中、選手達は監督・ドワイトコーチからの指示を聞き逃すことなく、真剣な表情を見せながら、激しい動きを見せてボールを追い求めていた。
それぞれのトレーニングを約30分間みっちりと行った選手達は、サブグランドのメンバーの内、守備的なメンバーを残して7名がシュート練習を行っていた選手と入れ替わり、再び同じ内容のトレーニングに汗を流すと、午後5時45分、2日目のトレーニングを終了する。
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