□午前の部
いよいよ指宿での強化キャンプも11日目となり、終盤を迎えた。今日の午後には柏、明日は京都との、それぞれトレーニングマッチを控えており、このキャンプの総決算ともいえる2試合でどんな結果を出せそうかとても楽しみだ。しかし、その一方でキャンプ中の疲れから別メニューに回る選手も目立ち、監督としては頭の痛いところだろう。
☆9時15分〜
当初の予定より15分ほど遅れてスタートされた今日の午前練習は、午後に試合を控えていることもあり軽い内容で行われる事が想定される。天候も朝から晴れとの予報だったが、細かな雨が練習開始を待つ選手達を濡らしており、予想外の天気の中でのスタートとなった。
メイングランドに全選手を呼び寄せると、この日のスケジュールや練習試合に向けての心構え、練習内容などを細かく説明し終えた監督を待って、池田コーチから大きな声が上がって、早速ウォーミングアップが開始される。
□参加メンバー:古賀・深津・中島・杉本・高橋・井上・有村・阿部・須藤・津田・久保・酒井・金・新川・平林・豊田・和田・竹内・山口・大森・青山・藤田・高嵜・川島・練習生GK2名(※別メニュー:角田・玉田・本田・内藤)
2人1組で対面でボールを使ってコンディションを上げていった選手達は、2グループに分かれると、本格的なトレーニングに入る。午後の柏との試合に出る若手の選手達は、狭いエリア内で中に2人ずつ選手を入れたボール回しを行う。もう一方の選手達は約15mほどのエリア内2カ所で中央に入れたボールに四方からの選手でボールを奪いにゆくという2対2のトレーニングを10分ほど行った後は、6対6に分かれ、ジョーカー1人を含めた、ボールポゼッションに汗を流す。
反対のサイドでは、左右からのクロスボールを中央の選手が合わせるシュート練習を何回か行った後、セットプレーの練習に。エリア内でのポジション取りやマークなどについて、何度か修正を入れながら繰り返すと、10時15分前にはこの日の午前練習を終了させる。
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【練習試合「柏レイソル戦」(14時キックオフ)の模様】
今日でキャンプも11日目となり、いよいよ終盤へと突入する。今年J2というよりも、元J1の柏レイソルとの今日のトレーニングマッチは今回のキャンプの一つの集大成となる予定の試合だったが、思わぬキャンプ中の故障により、やむを得ず今日は若手中心で望むこととなってしまう。しかし、若い選手達にとっては、この思わぬチャンスに、逆にここぞとばかりアピールしてやろうと、試合開始前のアップから力が入っているのが見て取れる。天気も午前中は予想外の、雨のぱらつく不安定な天候だったが、キックオフを待ちかねたように、午後2時を迎える頃には青空が戻り、日差しに助けられて、暖かい中での試合となりそうだ。
□前半の模様
前半は左エンドの名古屋のキックオフ。先発メンバーは、GK高嵜、DFは右から、酒井(ユース)・須藤・竹内・阿部、中盤は、右から新川(ユース)・和田・青山・井上、FWは津田と久保(ユース)という、若い選手達中心で臨む。
J2に落ちたとはいえ、昨年まではずっとJ1を戦ってきたチームということもあり、何人もメンバーがクラブを去ったのにもかかわらず、フィジカル的にも戦力的にも格上の柏。前半は予想通り、若い選手達が柏のあたりの激しさに面食らう形で押されてしまい、後手に回る展開が続く。監督が「広くワイドに攻撃しよう」と言ったことを忠実に守ってゆこうと、両サイドの選手達もポジションを広くしてゆくが、中に出来たスペースを上手く繋がれてしまい、どうしても前へと繋ぐことが出来ない。
柏もディエゴ・ソウザ(11)を中心に、早い攻撃で最後ゴール前で待つ北嶋へとボールを集めてくるが、名古屋も新人・和田や竹内をGK高嵜や須藤が経験値の中でチームを上手くまとめ、最終ラインのところで跳ね返してゆく試合展開となる。しかし、J1で培った選手間のコミュニケーションは柏の方が1枚上手となり、若いユースや1年目の選手としては、相手としてはちょっと厳しいものがあり、次第に押し込まれ気味となり、柏のペースで試合が進んでゆく。
そして、残り5分を切った前半43分。左サイドで横パスを柏:ディエゴ・ソウザにカットされると、そのまま酒井が置いて行かれる形となり、須藤が折り返しをカットしようとして出来たスペースに柏:北嶋に飛び込まれると、いったんは高嵜がシュートを弾くものの、こぼれ球を頭で押し込まれ、柏に先制を許してしまい、またしても相手を追いかける形で前半を折り返すことになってしまう。
□後半の模様
後半はエンド入れ替わり、柏のキックオフで試合再開。名古屋はメンバー交代はなし。
後半に入ると、前半の反省からか、サイドの選手を無理に外へ張らせることなく、中へと動かすようになり、中のスペースを相手の好きなようにさせることが減り始め、次第に名古屋の方もボールを回せるようになる。前半、相手がJ1のチームだったということもあって、選手達にも遠慮があったのが、ハーフタイムでの監督からの修正が効いたのか、ようやく選手達に勢いが見られるようになる。
元々が器用で、得意の左足から切れ味鋭いパスが持ち味の井上が次第に中へと切れ込んでいっては、鋭いパスを左右に裁き始めると、名古屋が主導権を持ち始める。また右の新川も堅さが取れ、得意のドリブルで勝負にゆくようになる。
そして、後半8分。中央の井上から左のスペースへ出たスルーパスにドンピシャリで反応した津田が、ゴールライン際からの折り返しに久保がニアで飛び込んできっちりと合わせ、見事な同点弾を叩き込む。
そして、その同点で気を良くした選手達が、早いパスを繋いでゆくようになり、相手の裏を狙ったボールに津田が飛び出したり、久保が縦に入ってボールを楔になって落として裏への抜け出しを見せる等、圧倒的に名古屋のペースで柏陣内へと攻め入ってゆくが、なかなか追加点は取らせてくれない。そのうちに名古屋の方が全体的に運動量が落ち始めると、試合慣れしている柏の方が主導権を呼び戻し、逆襲を食らうことなってしまう。
31分、右からの柏の、ディエゴソウザのコーナーキックのボールをセットプレイで上がっていたDF岡山にフリーで決められてしまい、またしても柏に突き放されてしまう。
その後は、DFの阿部の攻め上がりや、中盤の青山を前に行かせて、何とか同点に追いついてゆこうと攻め立ててゆくが、柏のDF陣の壁の前に跳ね返されてしまい、決めることが出来ず、試合は90分若手のみで、メンバーを代えずに最後まで頑張ったが、1-2で負けを喫してしまう。
結果だけを見れば1-2の負けだが、元J1のチーム相手に若手のみで臨んだ試合としては、最終ラインで、公式戦経験一番の須藤の落ち着いたプレイや、中盤で体を張って柏の攻撃陣と渡り合った和田、先日の試合でも結果を出して、今日もアシストだけでなく惜しいシュートシーンを何度も見せた津田他、目を見張る選手達も多く、充分納得のゆく試合だったといえるだろう。
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