□午前の部
午前練習に向け、選手たちが続々と練習場へと現れる。今日は朝から青空が広がり、時折冷たい風が抜けてゆくが、そのお陰で日差しも強く、空気も澄んで気持ちがよい。昨日、初の二部練習ということもあり、体のあちこちにハリを訴える選手もいたようだが、今日の天気のせいなのか、みんな表情が明るい。
☆9時35分〜
体に心拍数を測るセンサーを付けた選手たちをピッチ中央へとフェルフォーセン監督は集めると、この日の練習内容の説明を始める。昨年度の最後にトヨタスポーツセンターの人工芝グランドで行われた「YOYOテスト」と呼ばれる、持久力を測ることが今日の練習のメインのようだ。
ピッチ横一杯に広がってまずはウォーミングアップを行う選手たち。手始めにゆっくりとした動きで体幹をほぐすと、2人1組で対面でボールをけり合いながら、コンディションを上げてゆく。途中でリフティングや腿上げ、ターンを加えながらじっくりといくつかのパターンをこなすと、9時50分。いよいよ「YOYOテスト」が開始される。
約20mの距離の間をラジカセから流れる電子音にあわせて走るというものだが、初めのうちはゆっくりとしたペースでの走りで良かったが、次第にペースが徐々にではあるがアップしてゆくと、広いグランドには無機質な電子音の音と、選手たちの息づかいのみが聞こえるようになる。練習で溜まった乳酸を消費するとともに、筋肉内の酸素を使い切るというこのテスト。最後は、選手たちの持久力ももちろん必要だが、どこまであきらめることなく続けて一定時間で走り続けることができかという、根性までも試される、厳しいものとなった。
有村・本田・平林・津田が最後まで残ったが、最終的には驚異の持久力を見せて、監督以下、全スタッフ・選手はもとより、取材に来ていたサポーター等も大きな拍手を受けた、津田が最後まで待ち残った。
☆10時30分〜
しっかりと走り込んだことで、足下がふらつく選手たちは、もう1カ所の第2グランドとで二手に分かれ、それぞれポジション練習を開始する。ピッチ全体を広く使うことを意識させるために、二面を使っての練習となる。第1は監督が、第2はドワイトコーチがそれぞれ指揮を執り、選手たちにポジションを広く取ることやトラップの正確さ等を教え込んでいた。そして、約30分、最終ラインからのボールがしっかりと繋がれ、無駄のない動きからのゴールをFWの選手が決めたところで、この日の午前練習は終了となる。
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□午後の部
午後は午前中のような冷たい風もなく穏やかで、上空は雲一つ無い青空が広がり、日差しもしっかりとあって、とても暖かく心地よい。
午後4時ちょうどに、サブグランドにいた選手たちを集めると、早速マーカーで区切られたエリア内でウォーミングアップをスタートさせる。ゆっくりとした足取りで体幹をほぐさせると、3グループに分かれてエリア内でボール回しを開始する。
3グループに対し、ボールは2つしかないこともあって、1つのグループがボールを奪いにゆく役に回るということで、狭いエリア内には選手が入り乱れて、実に賑やかなアップとなる。ほんの5分ほどの短い時間だったが、選手たちはあっという間に準備万端に。
☆16時15分〜
選手たちはメイングランドへと移動すると、今度は若手とそれ以上のメンバーの2つに分かれて、先ほどとはまた違った形でのボール回しを再開する。
それぞれのチームから2人ずつが相手陣内へと入り、ボールを奪いにゆく。各陣内では、30秒という時間内でどれだけたくさんボールを回せるかを争うというものだ。
□年上組:中村・古賀・大森・中島・有村・吉村・杉本・川島・藤田・スピラール・秋田・高嵜
□若手組:角田・山口・井上・高橋・渡邊・本田・豊田・平林・深津・須藤・津田・GK練習生
最初のうちは、割とゆっくりとしたペースでボールが回り、その回数も少なかったが、次第にコツを覚え始めると、早い展開でボールが動き始め、入って奪いにゆく選手たちは、まさに“振り回される”結果に。次々と入れ替わり選ばれた選手たちは、負けたくないという気持ちを強く持って相手の陣内へと入ってゆくものの、しっかりと回されてしまい、かなりのダッシュを強いられる結果となってしまった。
☆16時40分〜
選手全員を二手に分けると、ポジションごとに両エンドに分かれ、本格的に戦術練習をスタート。オフェンシブ側にはドワイトコーチが付き、メンバーをさらに攻守で分け、中盤からボールを左右に展開させながら、エリアを広く使ってボールを早く展開させながらシュートにゆくまでをメンバーを入れ替えながら繰り返してゆく。
ディフェンス側の選手はフェルフォーセン監督が受け持ち、4対4に分けると、GKから出たボールをラインの押し上げをしながら、互いにボールを奪い合うことを何度も繰り返してゆく。
□オフェンス組:井上・杉本・中島・吉村・本田・津田・豊田・須藤・山口・高橋・平林・藤田・中村
□ディフェンス組:大森・秋田・深津・渡邊・有村・スピラール・古賀・角田
※GKは、高嵜・川島・練習生がローテーションしてゆく。
途中、不用意なボールを出したり、パスをカットされたりする場面が見受けられると、監督&コーチともに即座にプレイを止め、選手たちに理由を問いかけながら、入念にそして、徹底的に修正し、選手たちに叩き込んでいた。
そして、17時。まだ太陽が沈むには早い時間だったが、この日の練習の終了が告げられる。しかし、良い感じで体が上がってきていたところでの練習終了と言うこともあってか、物足りなさそうな選手たちは、居残って、シュート練習をしたり、ボールを蹴り合ったりしていた。サブグラウンドでも、リハビリしている選手たちに混じって、筋トレを繰り返す選手もいたが、冬の太陽が沈みきって、寒さを感じる前に、1人2人とホテルへと退散していった。
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