7/8(土):練習試合「vs Alemannia Aachen」の模様

7月8日(土)、午後4時よりドイツ・Stadion an der Westpromenadeにて行われた、Alemannia Aachenとの練習試合の模様についてお伝え致します。

この日は朝から所々に雲があるものの、空は良く晴れ渡り、日差しも強く、この季節らしい天気に恵まれた。チームのサポーターに混じって、日本人のサポーターも応援に駆けつけ、土曜と言うことで賑やかな雰囲気にスタジアムは包まれており、今回のオランダでの強化キャンプの最後を飾る試合としては、最高の場と言える。

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【結果】名古屋:2-0(前半:2-0、後半:0-0):Alemannia Aachen
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ウォーミングアップを終えた選手達は、残り時間を惜しむように、各自で慣れない芝生のチェックや試合球の弾み具合を確認し終わって、納得した表情でロッカーへと向かってゆく。試合は、右にエンドを取る名古屋が先にボールを選ぶ形で始まる。先発は、GK楢崎、DFは青山・スピラール・増川、MF右に大森、左は本田、中は吉村と金、FWは玉田と練習生という11人だ。

対戦相手のAlemannia Aachenは、今季昇格を果たしたブンデスリーガー1部のチーム。しかし、まだ開幕前と言うこともあり、選手達の体のキレは今ひとつと言える。それでもロングボールを使って、名古屋のDFの裏を狙ってこようという意図が見られる攻撃が立ち上がりから続く。

開始1分、そして4分と、左サイドからプレイに遠慮のある青山をかわして、相手がゴール前に迫ってくるが、相手のシュートの精度が悪いこともあって、ボールはゴールを捉えることなく、大きく枠を外してゆく。そして、このピンチを逃れたことで、選手達に落ち着きが出来たのか、前の試合同様10分以降から徐々に名古屋が試合のリズムを作ってゆく。また、今回が合流して2試合目となる練習生も、相変わらずキレこそ無いものの、前線で体を張ってキープする場面が見られ、玉田や山口が落とし多ボールを拾って抜け出そうと言う場面が目に付くようになる。また、今回のオランダでの練習試合で持ち前のアグレッシブさが光る金が、この日も中盤で相手の持ったボールをしつこく奪いに行き、試合のリズムを渡さないプレイが続く。

しかし、体格を行かした相手DFの固さもあって、頼みの玉田がボールを受けても相手の厳しい寄せに前を向かせてもらえず、イライラする場面も。32分には、縦パスに抜け出した金が相手DFをかわして、右足からのシュートを放つと、これが右ポストに当たってゴールを割るかと思われたが、中に転がったところをGKに押さえられ、惜しくも先制点は生まれず。

36分、相手陣内中程やや右の位置でFKのチャンスを得ると、これまでであれば本田が蹴ってくる場面を、良い形でボールに触れずイライラが募っていた玉田が自らこれに志願すると、左足から鮮やかにカーブの掛かったシュートで相手ゴールネットを揺らし、待望の先制点を決め、閉塞感を打破してゆく。

そして、これで名古屋が試合のテンポを速めると、39分。ゴール前に仕掛けていったところで、吉村が頭で落としたボールにゴール正面に詰めていた金がダイレクトボレーを叩き込み、2点目が名古屋に入る。44分、相手陣内深く右でのFK。山口のボールにゴール前で待っていた練習生のヘディングシュートは枠を捕らえられず、バーの上へ。そして、前半はボールを持ちながらも前線で良い形が作れなかった名古屋が、玉田のセットプレーでリズムを掴み、その勢いが更に金のゴールに結びつくという最高の展開で前半を終える。

エンド入れ替わり右エンドの、Alemannia Aachenのキックオフで試合が再開。地元サポーターの前でシーズン前といえ、不甲斐ない試合は出来ないと後半からメンバーを入れ替えて勝負に出て来る。

5分には、自陣中程左寄りでの相手のFKの場面は、ニアサイドの本田が頭で弾き返してゆく。10分には、Alemannia Aachen・KOEN(14)が左からドリブルで仕掛けてくると、スピラールと青山の寄せる前にエリアの外からシュートを放ってくるが、これは楢崎の守備範囲内。16分、名古屋メンバー交代:青山→中村。

18分、左から本田が入れたクロスを遠いサイドの中村がダイレクトで中へと折り返すと、相手ゴール前でルーズに。このボールをゴール正面で拾った玉田がすかさずシュートにゆくが、慌てたのかクロスバーの上へ外してしまう。24分、名古屋メンバー交代;吉村→藤田。暑さもあってか、両チームともこの時間になると、徐々に体力の消耗から疲れも見え始める。

28分、右から中村の入れたアーリークロスがゴール前に詰めてきた練習生の頭にぴたりと届くと、ヘディングシュートを狙ってゆくが、これはマークに付いていたDFはのファウルを取られ、追加点にはならず。32分、名古屋メンバー交代:山口・スピラール→須藤・片山。終盤に入り、何とかゴールを奪おうと、相手も執拗にドリブルを仕掛けたり、DFの裏を狙ってボールを入れてこようとするが、2点先制して良いリズムで試合を進める名古屋が簡単には相手に隙を見せることはない。
35分、自陣右深い位置でのFKを与えると、Alemannia Aachen・PINTO(18)の逆サイドへのボールを詰めていたAlemannia Aachen・SCHLAUDRAFF(19)がダイレクトであわせて、豪快なシュートを狙ってくるが、ここは楢崎が好セーブで枠を捕らえた低い弾道のボールを外へと弾き出し、ゴールマウスを死守する。

37分、名古屋メンバー交代:玉田→津田。39分、40分と、自陣中よりでのFKを相手に与えるが、壁に立った選手達の守備の意識が高く、易々とは楢崎の元へボールを入れさせない。41分、名古屋メンバー交代:金→阿部。

44分、右の中村が大きくサイドを変えたボールを左で受けた片山が胸でトラップして落としたところで、寄せてきたDFをかわしシュートにゆくが、ボールはクロスバーを越えてしまい、枠は捕らえることが出来なかった。しかし、試合はこの場面が終わったところで、主審の吹くホイッスルで終了となり、名古屋のオランダキャンプ最後の練習試合を、2-0という最高の結果で終えることに。