6/29(木):練習試合「vsK. Sint Truidense V.V.」の模様

6月29日(木)、午後7時よりHERK DE STAD練習グランドにて行われた、K. Sint Truidense V.V.との練習試合の模様についてお伝え致します。

前日同様、午後4時半に全員で移動の荷物を持ち出すと、ホテルの前で待ちかまえるバスに乗り込み、オランダキャンプでの2試合目となる練習試合の対戦相手・K. Sint Truidense V.V.の待つ、HERK DE STADへと向かう。高速道路を飛ばして約1時間。着いた先は閑静な住宅街と緑に囲まれた中にひっそりと佇む地元クラブの練習場。GENKと同じく、ベルギーでの国内リーグのシーズン開幕を間近に控えていることもあって、メインスタジアムが芝生の養生中で使用できないとのことで、急遽、試合会場がこちらに変更されて実施されることとなった。

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【結果】名古屋:3−4(前半:2−3、後半:1-1):K. Sint Truidense V.V.
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午後7時のキックオフを前に、すぐにウォーミングアップを開始すると、日本からやってきたクラブと地元のチームがどんなゲームを見せてくれるのか一目見ようと、続々と観客が訪れてくる。決して立派なスタジアムとは呼べはしないが、アットホームな雰囲気が溢れ、ピッチもすぐ近くで、迫力を味わうには申し分なさそうだ。前半は、左エンドのSint-Truidenのキックオフで試合開始。今日は先発メンバーを大きく入れ替えて臨む名古屋。GKは高嵜、DFは右から高橋・大森・有村、中盤は右から中村・須藤・金・阿部・藤田、FW杉本と津田、の11人で臨む。

前日、ベルギーの強豪GENKと好ゲームを展開したメンバーに負けじと立ち上がりから勢いよく攻め上がっていこうとするが、開始直後の2分。相手が早い展開から左サイドを仕掛け、簡単に突破を許すと、最後折返しをゴール前に待っていた、Sint-Truiden・VAN MOUDT PETERにシュートを決められ、いきなり失点を許すという苦しいスタートに。これで落ち着きが無くなってしまったのか、名古屋は構えに回ってしまい、相手がパスをしっかりと回してくるところを引いて受ける形になってしまう。

14分には、またしても左サイドからの突破を許し、マイナスの折返しをSint-Truiden・VAN MOUDT PETERにヘディングでのゴールを許し、0-2とされてしまう。これまでであればここで早々と意気消沈してしまうところだが、連日の出場となった金が激しいプレイで相手のボールを高い位置で奪い、これを周りの選手がサポートして前へとボールを運べるようになると、次第に名古屋にリズムが生まれ始める。やはり連日先発出場の津田が相手DFの裏への抜け出しを再三見せ、杉本と2人で勝負を仕掛け出す。しかし、Sint-TruidenもDFラインを高く構え、中盤をコンパクトにして名古屋のパスを守備の網に掛け、簡単には破らせてはくれない。

そして、29分には、左サイドを抜け出した選手へのマークが遅れ、フリーでマイナスのクロスをゴール前へ放り込まれると、Sint-Truiden・BUVENS KRISに豪快なボレーを叩き込まれてしまい、0-3と追加点を奪われる。前半の3失点で今度こそこれまでかと思われたが、ここから選手達に開き直りが見えたのか、名古屋がようやく息を吹き返し始める。

33分、3点ビハインドで膠着していたチームの雰囲気を打破しようと、それまで再三に渡り良い抜け出しで裏を狙っていた津田が右サイドで中村の縦パスに反応、相手DFの厳しいマークを受けながらも強引な突破を見せて、しっかりと持ち込んで放ったシュートを枠に収め、名古屋に待望の得点が生まれる。津田の力業とも言えるゴールで流れが変わると、今度は杉本が中央で藤田の裏へのボールにタイミング良く抜けだし、GKと1対1に。右足で放ったシュートは一旦は相手GKに阻まれるものの、こぼれ球を拾って今度は落ち着いてコースを狙ったシュートを叩き込んで、2点目を挙げる。そして、このゴールで名古屋が完全に試合の流れを掴み取り、テンポ良くボールを回しながら、相手陣内へと攻め上がるようになり、前半はそのままの勢いで終了を迎える。

エンドを左に入れ替えた名古屋のキックオフで後半がスタート。名古屋メンバー交代:津田・金・大森→本田・山口・青山。終盤の2得点で勢いに乗った名古屋が、1点ビハインドがあるものの、気持ちに焦りは全く無い様子で、落ち着いた雰囲気で試合に入り、しっかりと集中してゲームを進めて行く。

そして、11分。右からのCKのボールが反対サイドに抜けると、これを後半から変わった山口が拾って勝負を仕掛け、深い位置からシュートに持って行く。一旦は相手GKに阻まれるものの、こぼれ球に詰めていた藤田が上手く左に流したところに残っていた山口が落ち着いてシュートを叩き込み、ついに3-3の同点と追いついてゆく。決定力不足を心配されていた名古屋にとって、滅多に見られないような鮮やかなゴールラッシュで、ついに3点差を追いつくという驚異的な粘り強さを見せた名古屋。

しかし、このゴールでそれまで余裕をみせていたSint-Truidenを本気にさせてしまい、メンバーを入れ替えながらSint-Truidenはかさに掛かった攻撃を仕掛けてくる。名古屋も後半から代わって入った本田や山口にボールを集めてこれに対抗しようとするが、厳しいプレッシャーに簡単には前を向かせてもらえなくなる。20分、ロングボールに抜け出した本田が相手陣内左深くの好位置で倒されFKを得ると、自らこれを志願、直接狙って蹴ってゆく。壁を越えたボールはカーブが掛かりながらゴール右隅に吸い込まれてゆくかと思われたが、これに反応した相手GKの指先が伸びて、惜しくも枠外に弾き出されてしまい、逆転弾を決めることは出来なかった。

すると22分。途中から代わって入っていた、Sint-Truiden・STLICA ILIYAがロングボールに上手く抜け出し、寄せていった青山・高橋をものともせず、素早い振り出しからの左足シュートを決められてしまい、Sint-Truidenに再び先行を許してしまう。午後7時からのキックオフと言うこともあり、時間的にはとうに8時を回っているが上空はまだ明るく、気温も高いこともあり、そろそろ体力的にきつい時間帯に突入してが、何とか追いついてやろうと名古屋が自陣で相手ボールを奪ってからのカウンターに勝負を掛けてゆく。
38分には、ロングボールに抜け出した杉本がエリアに入ったところで左からシュートを狙うが、これは右のポストに当たって弾かれてしまう。しかもこの場面で杉本のフォローについて行った本田がこのこぼれ球をゴール前で拾って前を向くと絶好のシュートのチャンスを得る。これでまたしても同点にと思われたが、シュートを左にコントロールして狙ってゆくと、相手GKに阻まれてしまい、絶好の同点のチャンスを逃してしまう。

結局、試合は後半3-3の同点に追いついた名古屋がその勢いで攻め立てゆくが、4点目を挙げられたところで、もはや殆ど体力が残っておらず、惜しい同点に追いつく場面を決められなかったこともあって、3-4で接戦を逃し、敗戦を喫してしまう結果に。結果的には敗れてしまったものの、海外のクラブとの試合で、敵地でのゲームで3点ビハインドを追いつく粘りを見せる戦いが出来たことは、昨日とはまた違った意味で、自信として選手達に培われることは間違いないだろう。