8
 

2/18(土):練習試合「vsアビスパ福岡」の模様

いつも名古屋グランパスエイト公式HPをご覧いただき、誠にありがとうございます。
2月18日(土)、午後3時より行われた、アビスパ福岡との練習試合の模様についてお伝え致します。

---------------------------------------------------------------------------
 【結果】名古屋:1−4(前半:0−0):アビスパ福岡
---------------------------------------------------------------------------

気温はさほど高くないものの、昨日の風を思えば、今日の天気は練習試合をおこなうには、もってこいの暖かな日となったトヨタスポーツセンター。今日は、午後3時から昨日に引き続きトレーニングマッチをおこなう我らが名古屋グランパスエイト。対戦相手は、今季からJ1に戻ってきたアビスパ福岡だ。土曜の試合ということもあってか、サポーターの数も多く、観戦席はキックオフを前にギッシリと埋まっている。それもそのはず。今日は移籍の玉田選手が初の実戦と言うこともあり、マスコミも含めて、サポーターの一番の注目といえる。キャンプ以降、まだチームでの全体練習をこなしてないこともあり、大きな期待は出来ないとは思われるが、それでもどんなプレイを見せてくれるか楽しみだ。

前半は、左にエンドを取ったホーム・名古屋に対し、右エンドの福岡のキックオフで試合が始まる。今日の先発は、GK川島、DF大森・古賀・深津・有村、MFは右に山口、左が本田、中は吉村と若い高橋の2人。FWは、“スピードスター”杉本と“スピードキング”玉田の高速コンビだ。

名古屋は、これまで通り、両サイドを広く使ってワイドに攻めてゆこうとしているのに対し、福岡はFWの選手をあまり前にポジションを取らせず、中盤でのこぼれ球を拾って名古屋のDFの裏へのボールを使ったシンプルな攻撃で、福岡:田中・グラウシオを走らせてくる。

なかなかメンバーが固定できない中で今日の試合を迎えたこともあり、選手達の動きに精彩がない名古屋に対し、福岡は連携面でもしっかりとできあがっており、前からのプレッシャーもしっかりと出来ていて、試合の流れを先に掴んでくる。また、両サイドの選手も本田や山口の上がったスペースをしっかりと狙って、サイドからの攻め上がりを見せ、見せ場の殆どが福岡だ。

名古屋も足の速いFWの2人を生かそうと、相手DFの裏へのボールを入れてゆこうとするが、その前に厳しい福岡のプレスにあい、ボールがFWに収まらない。本田や山口が時折ポジションを入れ替えながら、何とか流れを掴もうと躍起になるものの、玉田・杉本が孤立してしまう場面が目立つ。セットプレーでの場面では、相手のボールの精度が高いこともあるが、フリーでヘディングシュートを打たす場面も多く、まだまだチームとしての出来上がりは時間が掛かりそうだ。

それでも前半は、何とか福岡の早い攻撃を古賀のインターセプト、大森や深津の1対1の強さ等、守備陣の頑張りもあって凌ぎきり、前半を0−0のまま折り返す。しかし、いつ福岡に先制されてもおかしくない状況だけに、何とかこの劣勢を跳ね返してゆく手だてが必要だろう。

エンド入れ替わり、後半は、右から攻め上がる名古屋のキックオフで試合再開。名古屋メンバー交代:吉村・杉本・玉田→和田・豊田・中村。

前半は良い形で前にボールが収まらなかったこともあってか、後半から昨日大爆発した豊田を交代で起用、彼の勢いに期待したようだ。また、キャンプ前半での怪我もあって練習から遠ざかっていた中村も入り、攻撃の形を変えてきたフェルフォーセン監督。しかし、先制したのはやはり福岡だった。5分、左からのCKからのこぼれ球を福岡:布部に押し込まれて先制を許すと、またしても福岡ペースで試合を運ばれてしまうことに。更に10分には、福岡:古賀にドリブルで抜け出されると、そのまま飛び出した川島を交わしてループシュートを決められ、立て続けに失点を許してしまう。

何とか得点を奪おうと名古屋も本田・山口が両サイドを攻め立ててゆくが、先制して勢いに乗る福岡の早い守備に阻まれ、ゴール前に入れてゆけない。25分には、カウンターから福岡:グラウシオに中央から押し込まれ3失点目を喫し、いよいよ苦しくなる。

後半から入ったこともあり、動きに切れの無かった中村や昨日の疲れの残っていた豊田や中村も終盤になってようやくという感じで、動き出しが良くなり、スペースを上手く作って、山口や本田等とのコンビネーションを生かして、相手陣内へと攻め込むシーンが目立つように。そして、36分。右に開いた山口からのマイナスの折返しに中央で飛び込んだ中村が豪快なボレーを叩き込み、ようやく名古屋に1点が入る。そして、ここから一気に畳み込んで更なる追加点を狙いに行ったところで、本田の上がったスペースを突かれて、右から抜け出した福岡:アレックスに4点目を決められ、とどめを刺されてしまう。

その後も追加点を狙おうとしてゆくが、4点を奪って余裕の福岡の前に為す術なしと言った感じで終了を向かえ、今シーズン5度目となる練習試合を、またしても勝利で飾ることは出来なかった。開幕まで残されている時間は約2週間。来週の練習試合、そして磐田とのプレシーズンマッチと、いよいよ開幕に向け秒読みに入ったといえる。残された課題はまだまだ多いだけに、どんな形で怪我人の多い今の状況を打破してゆくのかが、経験豊富なフェルフォーセン監督の手腕の見せ所と言えるだろう。
【練習試合「vsアビスパ福岡戦」後、フェルフォーセン監督コメント】
Q:今日の試合の感想については?
A:前半は試合になっていませんでした。選手の動きが無く、ポジションに立ってしまい、そのためにロングボールに頼ったサッカーになっていました。もっとこの辺りを修正が必要だと思います。後半も充分ではありませんでした。個人のミスが目立ちました。相手の中盤がアグレッシブだったこともあって、押される形になりました。福岡は良い動きが出来、組織立っていましたし、とてもフィジカルに優れたチームでした。素直に褒めたいと思います。今日の試合で多くの課題、修正点が見つかりました。

Q:試合前に選手達に伝えたことは?
A:この4週間で練習でやってきたことをこの場で試そうと伝えました。しかし、全く動くが無く、リスクを負わなかったことがこういった試合結果を生んだと思います。後半に関しては、トライはしましたが良い形が出来ませんでした。アビスパは我々のミスにつけ込んで良いサッカーをしていました。

Q:今の問題点は?
A:午前中、練習したこともあるでしょうし、この時期だと言うこともあって少し疲れていたのかもしれません。しかしそれは言い訳にはなりません。後ろからの組み立ても出来ていませんでしたし、FWにボールを預けることも出来ていませんでした。1人が下がって、周りが動くという動きがなかったので、両サイドの選手やボランチの選手が前への動きが出来ませんでした。全体的に見て、みんなが色んな意味で恐れていたサッカーをしていました。そのため相手に簡単にサッカーをされてしまいました。

Q:今季移籍入団してきた、選手達については?
A:玉田は、始めて試合に出て45分プレイしてくれたことは嬉しく思います。しかし、45分しかプレイしていませんので、明確なビジョンは見えていません。スピラールは来週からグループに参加できると思います。金は韓国代表に参加しているので、やはり、明確なところは見えてきていません。有村に関しては、もっと試合を重ねて感触を掴んでいく必要がると思います。全員のクオリティは分かっていますので、その点は問題ありません。みんなが良いクオリティをもっていますので、今大事なことは今いる選手でどうやってチームを良くしてゆくかだと思います。

Q:玉田選手の今日の印象については?
A:45分だけでは判断できません。他の選手は1月24日から練習を開始していますが、彼は先週からやっと参加した状態ですし、フィジカル・コンビネーションとも完全では無いと思います。

Q:開幕までの間、主力がいないことは?
A:確かに問題であるとは思いますが、例えば中村に関してはもっと時間が掛かると思われていましたが、今日45分間プレイできましたので、満足しています。まだ2週間ありますので、色んな事が出来てくると思いますので、今は信じるだけです。

Q:もっと選手が必要でしょうか?
A:もちろんです。バルセロナから5〜6人、レアルから2〜3人欲しいですね(笑)。みんながフィットした状態になれば、このチームはもっと良くなると思います。