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「鹿児島キャンプ」:2月19日(木) |
◆午前の部
2月19日(木)、今日は朝からあいにくの曇り。南国・鹿児島らしくない、どんよりと濁った天気で一日が始まった。
午前9時20分、朝食の時も昨夜の代表戦話で持ちきりで、いまだ興奮さめやらぬまま、筋力トレーニングのため、屋内練習場へ現れ始めた前半組の選手達。この日は先回とは逆に、背番号の若い順に半数の選手(GK陣含む)たちだ。
はじめにウォーミングアップのためのボール回しのあと、ストレッチングを一通り行うと、駆け足でトレーニングルームへと走って行く。実は選手達にはトレーニングマシンの好き嫌いがあるようで、一番人気は時間をかけてじっくりできるマシンだそうだ。しかし、台数がたくさんあるわけではないので、出遅れた選手達は、いつものようにコーチングスタッフ・サポートスタッフの面々と相談しながら、ローテーション・メニューに合わせ、様々なマシンを使って自分の体をじっくりと鍛え上げて行く。 |
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10時を15分程まわった頃から、後半の選手達が練習場に現れる。早速、ボール回しでウォーミングアップ開始。コーチの指揮の下、ストレッチングを10分程行ってから、各自マシンへと移動して行く。トレーニングルームの中には前半の選手が何人かまだ残っていたため、賑やかな雰囲気での筋トレとなった。
一方、フィールドでの練習がないことで、ちょっとした自由時間ができたマウロコーチは、この時間を使って念願の、“砂むし”へとこっそりと出かけて行くが、これを見つけたスタッフにいたずらされてごらんの通りに。ちょっと恥ずかしい光景でしたが、本人はとてもご機嫌でした。(笑)
11時15分、最後の選手達(吉村・山口・西川)がトレーニングルームを後にすると、午前の練習は終了となった。 |
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◆午後の部
午後3時30分過ぎ、午後の練習のため選手達が練習場に現れる。朝からの曇り空は相変わらず続いており、ちょっと前から降り始めた細かい雨のため、徐々に気温が下がり始める。ピッチも雨を含みだし、せっかくの芝も、今ひとつのコンディションに。疲れのたまった選手達には、くれぐれも怪我には気をつけてほしいところだ。
各自、思い思いにウォーミングアップを行っていると、堤通訳から“集合”の大きな声がかかり、午後4時ちょうど、クラブハウス前のスペースにて全員を集めたミーティングがスタート、午後の練習が開始となった。
指宿での強化キャンプもいよいよ中盤にとなり、練習内容も濃さを増し始め、このミーティングで、ネルシーニョ監督は弁をふるい、紅白戦での各選手の役割やポジショニングについて、細かい説明をしてした。選手達もいつも以上に気迫溢れる監督の表情・口調に、真剣そのものの顔つきで聞き入っていた。彼らにとっては、練習での理解不足や出来不出来がレギュラーポジション争いに大きく影響してくるだけに、聞き逃しは絶対できないはず。
4時15分、ミーティングを終えた選手たちは、グランドの周りをじっくりとランニングを始める。先ほどの監督からのミーティングの影響からか、皆表情は厳しくなっている。およそ10分ほど走ると、グランド中央に集まった選手たちは、2チームに分かれると、手でパスしながらのボール回しを始める。5分ほど続けた後、今度はワンバウンドさせてからパスを相手に回させる。その次はヘディングで味方にパスをつないでゆき、最後はボールを足で蹴って味方に渡す。一旦は厳しかった選手たちの表情にも、このちょっとしたレクリエーション的なメニューのおかげで、再び笑顔が戻ってきた。 |
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4時30分、広めのエリア内で全員で5分ほどボール回しを行った後、2人1組でストレッチングを行い始める頃、一度は止みかけた雨が再び降り始め、だんだんと雨足を強め、ピッチの上を濡らし始める。
4時50分、恒例の実戦形式の紅白戦がスタートする。
そろそろ疲れのため各所に違和感を抱え始めた選手を、大事をとってあえてはずし、所々選手を入れ替え、戦術を変更して臨んだこともあり、ネルシーニョ監督は、途中、思うように動かない選手やポジショニングがおかしくなっている選手には、大きな声で名前を呼んで注意をしていた。監督も、今が一番の力の入れどころだと言うことを良く分かっているようだ。それに呼応するように選手達の動きも激しさを増し出し、大きな声が選手達から飛び交い始める。
移籍組の1人、大野からのパスを受けたマルケスが中へと折り返したボールをもらったウェズレイが、トラップから落ち着いてシュートを決めるなど、コンビネーションができあがってきだしたことが良く分かる。一方、もう一人の移籍組の岩本も、再三、左サイドからドリブルで果敢に切れ込みを見せ、氏原とのワンツーで抜け出して得点をあげるシーンもあり、コンディションが良くなってきたことが見て取れる。約30分で1本目が終了。何人かが抜けたり入れ替わり、短い休憩と給水を終え、すぐさま2本目がスタートする。 |
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控えである練習着組から、大野と岩本がビブス組に入る。2人とも2本立て続けでの出場だったが、本来のスタイルでプレイできるようになったこともあってか、積極的にポジションチェンジを行い、時にボールを持つと、コースが空くと見るや積極的にミドルシュートを放つなど、しっかりと自分をアピールしていた。また、これまた2本続けて出場した森が相変わらず元気なところを見せ、積極的な攻撃参加だけでなく、守備でも顔を出すようになり、調子の良さを伺わせていた。
すっかり日も暮れ、辺りも暗くなり始めた午後6時。この日の練習が終了に。戦術的な面での相互理解を深めるという意味あいの強かった今日の紅白戦。各選手とも、徐々に体温を奪い始めた冷たい雨を全く気にすることなく、熱気溢れ、納得できる内容で終えることができたようで、皆、安堵の表情を浮かべながら、練習場を後にしていった。 |