「鹿児島キャンプ」:2月18日(水)
◆午前の部
2月18日(水)、今日も朝から快晴。風もなく穏やかで、またまた気温が高くなりそうだ。
しかし、選手達は、昨日の午後練習の時に告げられた“練習なし”の通達で、朝食の時は表情もリラックスしていた。また、監督以下、コーチ陣、トレーナー、メディカルスタッフ等も、予定がないためかゆっくりと時間をかけて、朝食をとっていた。
しかし、マスコミ陣はほおっておいてはくれなかったようだ。キャンプ中は夕食後しか選手取材はできないことになっているのだが、この日は午前の練習がなくなったことで、昼食後に取材時間を変更したため、取材スケジュールのあった選手たちは休養もそこそこに、あちこちで取材の応じていた。
番組収録では、角田・大野選手は「GRAMPUSTV」(中部日本放送)、大森選手及び、芦川GKコーチはNHK名古屋。雑誌取材では、秋田選手が「サッカーダイジェスト」の取材を受けていた。

◆午後の部
午後3時30分過ぎ、じっくりと休養をとって、すっかりリフレッシュした表情の選手達が練習場に現れた。
ウォーミングアップのためのボール回しやストレッチングでも笑顔が絶えない。昼間は20度近くまで上がった気温も、この時間なると下がりはじめ、太陽も西に傾き、日差しも柔らかとなって、練習には絶好のコンディションとなった。
午後4時、短い笛の音とともに選手達はグランドの中央に集合。ネルシーニョ監督はこの日の内容について簡単に説明をすると、すぐさま選手達を4グループに分け、この日の練習がスタート。一方、GK陣は隣の練習場に移動し、芦川GKコーチの下、おなじみのメニューを開始させる。
4グループに分かれた選手達は、グランド内4箇所に配置したマーカーで区切られたエリア周辺の位置で、フリーランニングやストレッチング等、ウォーミングアップをじっくりと行う。
アップで体が温まった選手達は早速ボールを使ってパス&ゴーを始める。それぞれ、4隅においたマーカーからパスを出すと、戻ってきたボールを再度相手にはたいて繋いで行く。約10分程、右回り左回りと行うと、今度は相手へのパスを長めにして、同様に右回り左回りとボールを回して行く。
10分程パス回しを行ったあと、2人1組でストレッチングを行い、一旦、水分補給を行わせ短い休憩を行うと、早速、監督は紅白戦の準備を始める。
監督は、レギュラー候補であるビブス組の選手を開始前に中央に集め、ポジショニングや動き、早いパス回し等について、時間をかけて、力のこめて説明を行うと、4時30分、レギュラー候補組と控え組の2チームに分かれての紅白戦開始。一方、そのほかの選手達は、人型を使ってFKの練習を黙々とこなすGK陣の横で、半分に分かれてパス回しを行っていた。
紅白戦では、各選手とも、これまで以上に声が良く出ており、じっくり休養をとったことで体が良く動くのか、スタートから厳しく相手にチェックにいっており、こぼれ球に詰める時等には、当たりが激しすぎて、選手が倒れ込む場面が何度も見られた。あくまでも練習としての紅白戦だが、とてもそうは思えない、激しく張りつめた雰囲気の中で、時間が経過していった。そして、最初に得点を決めたのは、控え組の、森のセンタリングがこぼれたところをつめて、ミドルシューでネットを見事に揺らした岡山だった。控え組にまわった悔しさからなのか、さすがに嬉しかったようで、大きな声とともにガッツポーズを決めていた。
およそ40分行われたゲームを終えたレギュラー候補組は、グランド周りを軽くジョギングで流すと、練習場に用意されたマットでじっくりとストレッチングを行って、この日の練習を終える。5時20分からは、控え組と若手中心で2本目が始まる。
初めての紅白戦参加となったジョルジーニョ。さすがに他の選手とのコンビネーションについては思うようにいかないようで、簡単にとられるパスを出してしまうなど、まだまだこれからと言う感じだ。しかし、足下へボールが入った時などは、柔らかいタッチでボールをさばいて、相手を交わしてペナルティーに切れ込んで行くシーンを見せ、スピードのあるところをアピールしていた。そして、終了間際には、こぼれ球をきっちり決め得点をあげるなど、FWとしての嗅覚は兄同様高いようだ。
また、岡山同様、控えに回った滝澤も積極的なプレーをみせており、自陣からドリブルで一気に駆け上がって、そのままペナルティエリアに切れ込んでミドルシュートを見事決めてしまう活躍だった。
夕日が沈んで辺りもすっかり暗くなった6時過ぎ、2本目も無事終了。さすがに2試合連続で出場した控え組の選手たちは疲れを見せ、気温の下がり始めた練習場を、マスコミの取材もそこそこに、足早にホテルへと去っていった。
この日の夕食は、到着日に合同激励会で、地元の方から差し入れしていただいた黒豚を使った“しゃぶしゃぶ”。練習で疲れのたまっていた選手たちも、この時ばかりは、おいしいお肉に目を輝かせながら、せっせと料理を口に運んでいた。まだまだ鹿児島での体力強化キャンプは続く。選手たちにはしっかりと栄養を補給してもらい、最後までこれを乗り切って、開幕に向けがんばってほしい。