「鹿児島キャンプ」:2月16日(月)
◆午前の部
2月16日(月)、午前9時、選手達が練習場へ現れ始める。昨日とうって変わって、今日は風も穏やかで、朝から気温が上がり始め、最高のキャンプ日和となりそうだ。
各自、ボール回しやストレッチングなどのウォーミングアップを行っていると、9時25分過ぎ、監督が大きな声で全員を集合させる。新しく加わった練習生を紹介した後、この日の練習内容について時間をとって説明すると、GK3名をのぞく選手達がグランドへ移動、ゆっくりとした足取りでジョギングを開始。前日のきつい練習で現れたときは硬い表情の選手達だったが、このころになると暖かい日差しも手伝ってか、笑みがこぼれるようになる。
9時35分、一旦練習場に戻るとスクワットやストレッチングで、残った前日の疲れをほぐして行く。
9時40分、まずは、フィジカルトレーニングを行う。
コーチ陣からの、“もっと早く、もっと高く!”という声に、顔をしかめながらも、途中でストレッチングを挟んで、選手達は各メニューを一気にこなして行く。最後の方では、選手自身がくじけそうになる自分を鼓舞する意味で、大きな声を出してメニューに挑んでいた。
1本目は、AvsB、CvsDの組み合わせで行う。狭いエリアでのプレーということもあり、少ないタッチでボールを回せという監督の指示もあってか、なかなかいい形でボールをゴール前に運ぶことができず、選手達はかなり苦労していた。そんな中、岩本はサイドチェンジのボールをダイレクトで豪快にボレーでシュートしようとトライしていた。また、森山も大野の右からのゴール前、DFの裏へのボールに反応良く飛び出してヘディングシュートを決めていた。GKでは広野が1対1の場面で好セーブを見せ、激戦区となったポジション争いに負けじとがんばっていた。
10時30分、2本目スタート:AvsC、BvsD。
若手選手が増えたこともあり、山口が積極的に動き回って相手ボールをカット、そのまま攻め上がってミドルシュートを放つなど、気合いの入ったプレーで先輩としての存在感を見せつけていた。パナもウェズレイのとのワンツーで抜け出して、積極的に上がってシュートに持って行く場面もあり、調子の良さが伺えた。しかし、その中でもひときわ目立っていたというか、力が入っていたのが中村だった。相手陣内でボールを持つと、どんどん仕掛けて行き、コースが空いたとみると、積極的にシュートを放ち、強烈にアピールをしていた。
高い気温のため、充分に水分補強をさせた後、10時55分から3本目がスタート。組み合わせはAvsD、BvsC。
約20分ほどでミニゲームを終えると、ウェズレイ・マルケス・岩本・森山・平林・氏原等が、GKを相手に居残りでシュート練習を始める。ミニゲームでは思うようにボールをもらえず、思い切りの良いシュートが打てなかったこともあってか、各選手とも豪快なシュートを何本も放ち、ゴールネットを揺らしていた。
居残りでシュート練習をしている選手の他は、グランドの周りをジョギングで流すと、練習場に移動、マットを使って、入念にストレッチングをおこなって、体の疲れをいやしていた。厳しい内容にもかかわらず、選手達の表情は明るく、充実した雰囲気が漂っていた。

◆午後の部
午後3時45分、やや西に傾いた日差しに包まれながら、選手達が練習場に登場すると、早速ウォーミングアップを開始する。
午後4時ちょうど、練習場の中央に全員を集めると、いつもよりも時間をかけてミーティングを行う。その後、グラウンドの周りを軽いランニングで1周すると、今度は、各自がボールをドリブルしながら、グランドの周りをかけて行く。約10分で終えると、練習場に選手達を戻し、今度は、各選手にそれぞれストレッチングメニューを選ばせて、1〜10まで、号令をかけさせながらじっくりと時間をかけて行う。
一方、GK陣は芦川コーチの下、反復練習のメニューを黙々とこなして行く。
午後4時25分、選手達を5グループに分けて、ボール回しを行う。
4時40分、グラウンドにはビブス組と練習着組の選手が入ると、監督から入念なポジショニングなどの指示を受けると、各ポジションへとちって行き、笛の音とともに紅白戦がスタート。
ピッチを縦に一割ほど狭くして行っていたが、練習着組(いわゆるサブ組)に回った選手達の気迫がすごく、いつでもポジションを奪う勢いで
がつんがつんと激しい当たりの、気迫溢れるプレイを見せていた。同じポジションにライバルが増えたことで、良い意味で競争意識が高まったようで、早くも効果が現れ始めたと言えるだろう。
途中、CKやFKといったセットプレーの場面では、監督が一旦プレイを止めて、しっかりとポジショニングについての指示を出していた。
そんな中、角田が良いプレイを随所で見せていた。ウェズレイとの1対1でもきっちりと反応してついて行き、体を張った場面でも当たり負けず、迫力のあるプレイで強烈な印象を与えてくれた。
5時20分、1本目が終了。個々で大幅に監督は選手を入れ替える。
5時30分、エンドを入れ替えて2本目スタート。ここでは滝澤が存在感を示すかのように、積極的なプレーを展開。いつもの縦に上がるプレーではなく、中に切れ込んで右足でのシュートを何回も試みる。また、ウェズレイとのコンビネーションでもマルケスの代役をつとめ、相性の良さを見せつけていた。
紅白戦を終え、グランドの周りをクールダウンのためジョギングで流した選手達は、練習場でマットを使ってじっくりとストレッチングをすると、6時15分、今日の練習は無事終了となった。