練習試合:vsセレッソ大阪
3月1日・長居陸上競技場
 日本全国に朝から降り続いている冷たい雨は、ここ長居スタジアムにも降り注いでおり、いっこうに止む気配を見せない。試合開始前に、ピッチでウォーミングアップを行っている選手達を容赦なく濡らしている。そんな中、今日はセレッソ大阪との練習試合を行う、我らが名古屋グランパスエイト。先日の神戸との練習試合では、とりあえず2−1という結果は出たものの、監督の要求している新戦術の決め手といわれる両サイドの選手が、ほとんど機能出来ずに終わってしまった感があった。今日は、その辺を気にしながら見てゆきたい。
1本目
メンバー
ウェズレイ  ヴァスティッチ
藤本
滝澤       中村
吉村 酒井
古賀 パナ 大森
楢崎
前半は右から左に攻め上がる名古屋に対し左にエンドを取った大阪。名古屋のボールでキックオフ。
1分、中央の藤本から右の前線にボールが出ると、中村が走り込むが、これは相手DFにカットされる。
2分、大阪・久藤がスルーを出してくると、縦に大久保が抜け出すが、ここは楢崎がボールをキャッチする。
3分、右サイドで藤本からのボールを受けたヴァスティッチがそのまま縦に走る藤本に出してゆこうとしたが、ここは戻った相手DFにカットされてしまい、ラインを割ってしまう。
4分、中村がドリブルで縦に突破を図るも、滑りやすいピッチに足を滑らせ、もたつくうちにボールを弾き出されてしまう。
5分、相手陣内中程右よりの位置でのFK。藤本が早いボールを遠いサイドに蹴っていったが、これには誰も追いつけずゴールラインをそのまま割ってしまう。
6分、ウェズレイがドリブルで入ってゆくと、相手DFに阻まれ倒されるが、こぼれ球をヴァスティッチがミドルシュート。しかし、これは相手GKの正面に。
7分、自陣右寄り深い位置での大阪のFK。ゴール前に入れてきたボールはDFが足を出してクリアする。
8分、中央のウェズレイからのボールを左サイドで受けた藤本がそのまま上がっていって中に折り返すが、これは相手DFの前に行ってしまう。大阪は、右サイドの滝澤の上がった裏を狙って森島を使って仕掛けてくるが、ここまではDFが落ち着いて、これを阻止している。
10分、右サイドでウェズレイが上がってゆくと、マイナスにボールを戻す。これを受けた中村がDFをかわして入り込もうとするが、バランスを崩し、相手にパスしてしまう。
12分、相手ペナルティエリアのすぐ外でボールを回すと、ヴァスティッチが左サイドからゴール前に浮き球を放り込む。ここに酒井が飛び込んでいって、右足のアウトサイドで合わせるが、ボールはわずかにクロスバーの上へ。
14分、自陣からの縦パスを受けた藤本が前を向くと、DFの裏にボールを出そうとするが、ウェズレイが飛び出す前に相手DFにカットされてしまう。
16分、左サイドで滝澤が上がっていってペナルティ内へ入ると、相手DFをかわしてラインぎりぎりのところで中へ折り返す。藤本がこれに合わせて左足でシュート。しかし、これも枠を捕らえられずクロスバーの上に。
18分、自陣深くペナルティすぐ外見気よりの位置で大阪・大久保を倒してしまい、危ない位置でFKを与えてしまう。大阪・鈴木が直接グラウンダーで狙ってきたが、ここは楢崎が落ち着いてシュートを正面でキャッチ。
【得点】
19分、ウェズレイ・藤本と繋いだボールを最後もらったヴァスティッチがそのまま持ち込み、相手GKの脇を狙って右足でシュート。そしてこれが見事決まり、先制点を得る。
21分、自陣右深い位置、右タッチ沿いの位置での大阪のFK。久藤の蹴ってきたボールは遠いサイドに流れて、DFがカットしたところを、こぼれ球を拾った選手がシュートしてくるも、ポスト左に外れる。
23分、左サイドで滝澤が藤本のパスに抜け出すが、相手ペナルティ外で前を阻まれ、進入を止められてしまう。
26分、ヴァスティッチからの縦パスにDFの裏に抜け出した藤本がもらって右足でシュートに行くが、これはオフサイドを取られる。
27分、左からのCKのチャンス。藤本のファーサイドへのボールは相手DFの頭にクリアされてしまう。
29分、自陣での相手ボールを奪ってカウンター攻撃。左から滝澤が上がってゆくウェズレイに出そうと蹴っていったが、これは戻った相手DFにカットされてしまう。
30分、自陣から大森が長い縦へのボールを出すと、ウェズレイが抜け出すが、これもオフサイドを取られる。
32分、相手DFのバックパスが短くなり、これをチェックに行ったヴァスティッチがフリーで拾って右足でシュートを狙うが、惜しくも相手GKに弾かれてしまう。
34分、滝澤が左サイドから早いクロスを上がっていって放り込むと、これにウェズレイが頭で飛び込むが、相手DFが先にこれをカットしてしまう。
36分、大阪の左からのCK。久藤がゴール前に曲がるボールを入れてきたが、ここはしっかりクリアする。
37分、今度は右からの大阪のCK。ゴール前に低いボールを右足で蹴ってきたが、ここもDFが頭で一旦は弾くが、再度右にこぼれたところを拾った久藤が早いボールをゴール前に入れてくる。しかし、これは楢崎がしっかりと反応、直接キャッチする。
【得点】
41分、左サイドで滝澤がいつになく粘りを見せ、これが相手のファウルを誘い、見事FKを得る。藤本がゴール前に蹴っていったボールに飛び込んだウェズレイが今度は落ち着いて頭で押し込み、2−0に。
42分、自陣中程左よりの位置での大阪のFK。横に出されたボールに大阪・柳本がシュートにくるが、ここはDF陣が執拗にチェックに行き、シュートを阻止し、打たせなかった。ロスタイム、相手が回すボールを追いかけ、結局、大阪に攻撃の形をなにも作らせることなく、前半が終了。
2本目
メンバー
片桐    原 
秋葉
岡山       森 
山口 ヨンデ
海本(弟) 海本(兄) 藤田
本田
※練習生:秋葉
前半を終えて、2−0。中盤での酒井・藤本が良い動きを見せており、相手守備陣を混乱させている。また、左サイドでの滝澤のがんばりもここまでは光っている。エンド変わって、右から左に攻め上がる大阪のボールで再開。後半、両チームともメンバーを入れ替えて望む。

【得点】
2分、右サイドから相手DFを崩すと、最後、中央でこぼれ球を秋葉が押し込み、これで3−0に。
3分、左からのCK。山口がニアに蹴っていったが、これは相手DFに頭でカットされてしまう。
5分、藤田が右で突破を見せるが、これは相手DFにスライディングでカットされる。
6分、左からのCKのチャンス。ゴール正面に入れていったボールに中央からヨンデが飛び込むが、これは相手DFに阻まれ、決めることは出来なかった。ここへきて雨足が強くなりはじめ、ピッチコンディションも厳しい状態になってきた。
9分、大阪・森島が右から仕掛けて上がってくると、ゴール前に折り返してくる。ここに西澤が合わせて入ってきたが、DFがしっかりと、これを押さえ込みシュートには行かせなかった。
【得点】
13分、左サイドでボールを持った秋葉がそのまま上がってゆき、最後左足でシュートをキッチリと決め、これで4−0に。
14分、左サイドを大阪・古賀が上がってくるが、DFがしっかりと詰め、これを押さえ込み、シュートまでで持って行かせず、ゴールラインを割らせる。
16分、大阪交代:西澤・森島OUT、バロン・眞中IN
17分、右に流れた片桐が粘りを見せ倒され、FKを得るが、片桐がヨンデに渡したところで、前を阻まれチャンスを作ることは出来なかった。
19分、相手陣内中程の位置でのFK。ヨンデが走り込んでシュートを狙ってゆくが、これは壁に当たってしまう。
21分、右サイドで森がボールを受けると、上がってゆくヨンデに縦パスを出そうとするが、ここは読まれてしまう。
22分、左サイドからのゴール前に上がったボールに原が合わせようとしたが、大阪・ジョアンにその前にクリアされてしまう。
23分、大阪・大久保がゴール前から左サイドに流れたボールに合わせて上がってくるが、滑りやすいピッチにバランスを崩し、シュートは左のサイドネットの外に。
24分、大阪の左からのCK。久藤のニアへのボールはDFがクリアし再度CKに。遠いサイドに今度は蹴ってくると、DFをかわしてゴール前に上げてくると、待っていた選手が頭で合わせてくるが、シュートは枠の外へ。
26分大阪の左からのCK。ゴール前に入れていったボールをDFが落としたところに詰めた選手がシュートに来るが、これはクロスバーを越えてゆく。
29分、相手陣内でのこぼれ球を拾った岡山が左足でシュートに行くも、これはポストに右に外れる。
30分、大阪交代:久藤・大久保OUT、中井・伊藤IN32分、原が左サイドで粘って相手ボールを奪うと、味方に繋ぐが、激しい雨にパスがうまく通らず、相手にボールを再び奪われてしまう。
34分、右サイドからゴール前の大阪・バロンに合わせてクロスが上がるが、雨で精度を欠いたボールは、そのまま反対サイドに抜けてゆく。
35分、相手陣内でドリブルで粘っていた片桐が倒され、FKを得る。秋葉が蹴っていったが、これは力無く、簡単に弾かれてしまう。
【失点】
37分、ゴール前の混戦からのボールを、最後、バロンに押し込まれて失点を許してしまい、4−1に。
38分、右サイドで、片桐・原・岡山と繋いで仕掛けようとするが、これは詰めてきたDFに阻まれ、前に抜け出せず。
40分、右サイドを大阪・眞中が抜け出そうとするが、滑りやすいピッチを利用して、海本(兄)がスライディングで足下に行き、相手ボールをしっかりと奪う。
42分、相手DFの裏に抜け出そうとした岡山にボールが出るが、拾う前に相手DFが先に戻ってこれをクリア。大阪はなんとか攻撃の糸口を作ろうと、ゴール前のバロンを狙ってボールを放り込んでくるが、DF陣が落ち着いてこれをケアしている。そして、ロスタイムも落ち着いて、相手の攻撃を押さえ込み、そのまま終了を迎える。

〜練習試合・終了後インタビュー〜
ベルデニック監督:
今日の結果には満足できたが、今日が大事なわけではない。内容的にも、すべてが良かったというわけではないが、試合に勝ったと言うことで自信を深めていくことが出来ると言うことが良かった。まだ準備期ですから、これからもしっかりとトレーニングをしていかないといけない。選手の、試合の運び方には満足している。特に2本目のチームが良く、100%の力を出していた。1本目のチームは、先取点をあげてからペースがダウンした。あの場でもし同点に追いつかれていたら分からなかった。
今日の試合を90分続けられますか?
それについては来週の広島との練習試合で確認したい。次の試合では、前半と後半で大きくメンバーを入れ替えることはしない。
1点目については?
良い形で奪えたが、それ以外にも良い時間帯があったと思う。グランパスの選手達はあれだけのプレーを出来ると思っている。あとは、いかに試合に集中するかと言うことが重要である。
3試合でチームのコンディションが上がってきていますが、そのことについては?
満足している。まだミスが多いが、勝っていくなかで自信をつけていくことが良いことだと思う。

ヴァスティッチ選手:
今日の試合で攻撃については?
芝が良くプレーに集中でき、チャンスを多くつくれた。今日の試合には満足している。
1点目については?
普段のトレーニングでやっているとおり、ボールを奪ってから素早く攻撃にうつることができた。
前の2試合との違いについては?
全体にコンパクトに戦えた。ムダな動きが少なかった分、エネルギー消費を少なくでき、良い攻撃が出来た。
2週間後のナビスコ杯に向けては?
前を向いて日々努力していかないといけない。自分自身は、ゴールへの精度をもっと高めていかないといけない。