月刊グラン4月号のご紹介[和泉竜司選手インタビュー]

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ニューリーダーの決意

練習試合通じ 手ごたえ
「らしさ」出せた1点目

 2月24日。穏やかな日差しが差し込む大阪・吹田市のパナソニックスタジアム吹田。詰め掛けた観衆は2万8681人。その中でアウェーゴール裏を赤く染めたグランパスサポーターは約3000人。時にはホームチームの声援をも凌駕する声量は、J1のピッチに戻ってきたグランパスへの期待に満ち溢れ、キックオフの時を待っていた。昨年に引き続き選手会長を務め、今年からは副キャプテンとしての重責が加わった和泉竜司にとっては、「チームの顔」の一人として迎えるオープニングゲームとなった。

 ファン・サポーターはJ1でどこまでできるのかという部分が気になるのは当然だと思います。期待というか、そういうものは感じたけれど、個人的には開幕戦の緊張感を、試合前や試合を通じてあまり気にすることはなかったです。沖縄キャンプでJ1のレッズやFC東京と練習試合をしていたし、その試合の中でいいところ、悪いところを含めて手ごたえを感じることができたので、練習試合の成果が生きていたのかなと思います。チームの中にも緊張感は感じなくて、いつも通りでした。僕自身、1年目の開幕戦はベンチにいて出られなかったので、正直言ってあまり印象はないのですが、去年の開幕戦よりは落ち着いてプレーできたのかなと。チームとしても去年から積み上げたものがあるし、慣れというか、経験がだいぶ生きていたと思います。

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 立ち上がりにDFラインの判断ミスなどが重なり先制点を許したグランパスだったが、26分、ジョーが落としたボールを青木亮太が拾って和泉にパス。和泉の縦パスを受けたジョーがペナルティーエリアに入り込んで中央に折り返すと、ガブリエル・シャビエルが流し込んで同点に追いついた。昨季、J1復帰へと導いた選手たちにジョーが加わり、グランパスの2018J1初ゴールは流れるようなプレーから生まれた。

 試合前の不安は正直言ってなかったですね。高める部分、個人として質を上げていかなけければならない部分はあるけれど、そこは個人としてやっていくしかない。チームとしてやっていくこと、やらなきゃいけないところをしっかりやっていけば通用すると感じていました。僕自身はとりあえずファーストプレーを大事に、正確にということを意識して入りました。そこからはいつも通りと言うか、常に相手の嫌がることを考えながらプレーしていました。チームとしては立ち上がりに悪い部分があったけど、1試合を通じてみれば落ち着いてできたかなと。1点目は、自分たちが練習を通じてやってきたものが得点につながった。一つの形として現れたものとして、自分たちらしさが出せたのが良かったですね。

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 1-1で折り返したゲームは、51分にFKからのこぼれ球を来日11日目のホーシャが決め勝ち越すが、終盤で同点に追いつかれる。しかし84分、カウンターから、和泉と中盤でコンビを組む長谷川アーリアジャスールから八反田康平がワンタッチでつなぐと、GKと1対1になったジョーが来日初ゴールを決めて勝ち越した。3-2の開幕戦勝利。切れ味鋭いドリブルなど、90分間、和泉竜司がピッチに残した軌跡は、グランパスサポーターだけでなく、スタジアムに詰め掛けた観衆、映像で見た多くのサッカーファンに衝撃を与えたといっても言い過ぎではない。

 ドリブルにしても、キャンプから手ごたえというか、いい感じはつかめていたので、しっかり出せたかなと思う。ただ、精度のところや、イージーなミスもあったので、そこの部分は減らしていかないということを感じました。簡単なミスを減らすことと、チームとしてシュートに持って行く形、もっと貪欲に打つ場面もあってもいい。シュートを打たないと点にならないし、シュートを打つためのプレーを個人もチームとしても考えていければ、もっと点が取れる。課題というより、まだまだ成長できるところだと思います。そういう意味でも楽しみな気持ちでもあります。
開幕戦は、どのチームも勝つことを目指して準備をしてくる。そういう意味では大事な試合といえばそうです。でも、風間監督が言っているように特別な試合はない、どんな試合でも1試合は1試合、年間34試合の中の1試合という考えもチームとして持っている。それでも、プレーしている僕たちからすれば初戦で勝てたということは気持ち的に少し楽になりました。終わったから言えることかもしれませんが、勝てて良かったと思っている半面、まだ始まったばかりともいえる。開幕戦を引っ張ってもしょうがない。次の試合がすぐ来るので、そういう意味では試合に向けて準備をするし、試合が終われば次の試合に向けて準備するだけです。


戻るべきJ1のピッチで迎えたグランパスの2018年開幕戦。
昨季の昇格プレーオフで見られた左サイドバックではなく、中盤の左シャドーにあった。元来の武器であるゴールへの嗅覚を呼び覚ますポジションで、まさに水を得た魚のように躍動した背番号29の姿は...。続きは『Grun』2018年4月号をぜひご覧ください。

180310grun.pngGRUN INTERVIEW
ニューリーダーの決意
和泉竜司

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