明治安田生命J2リーグ 第13節 大分戦前々日 監督会見

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本日5月11日(木)、トヨタスポーツセンターでの非公開トレーニング終了後、風間八宏監督の記者会見を行いました。


風間八宏監督

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─ゴールデンウィークの連戦が終わり、今週はしっかりとした準備ができたでしょうか?

連戦が終わり時間的には休ませることができました。その間に復帰してきた選手もいますし、チームは良い方向へと向かっています。寿人(佐藤選手)と押谷がチームに合流しましたが、これから通常のトレーニングに慣れてこなければいけません。他の選手にも変化が見られます。いつも話しているとおり進化の過程ですが、面白くなってきていると思います。

─キャプテンが戻り、チームが引き締まったのではないでしょうか?

寿人は明るいですし、チームで一番のサッカー小僧です。サッカーがしたくてしょうがない気持ちをグラウンドへと持ってきますし、それはチームとってもすごく良いことです。

─山形戦では普段できているプレーも出せなかった部分があったようですが?

急いではいませんが、もっとも大切なことはボールを動かすのではなく、相手を動かすことです。今週、その部分に取り組んでいますが、キャンプから取り組んでいてもまだまだ身に付いていません。フリーになるための技術が重要になってきますし、空いた場所へ逃げるのではなく、狭いエリアを狭く感じないための技術を身に付けなければいけません。相手選手が狭いと思うエリアでも自分たちには狭く感じない、それだけのチームになってはじめて、相手をコントロールすることができます。相手の感覚と自分たちの感覚に違いがなければいけません。相手の一歩目が見えるか、それに対して動き出すことができるか、その質はまだまだ足りていません。その部分を突き詰めていく、特に今週はその部分に取り組みましたが、今週だけやればよいという問題ではありません。

─コートの広さをうまく使うという部分について、どう捉えられているのでしょうか?

長いボールを蹴ってサイドチェンジをしても、ゴールは真ん中にあります。その位置から何かをできるかといっても、真ん中を固められては、そこを突破する技術が無ければ意味がありません。相手が見えるようになるには、成功を続けるしかありません。失敗することも必要ですが、何が違ったのかを認識しなければいけません。サイドチェンジだけでは何もおきません。相手は狭いと思っているエリアでも、自分たちにはまったく違うものが見えているというような世界を作らなければ、自分たちで攻撃を仕掛けるということは簡単にはできません。ボールを動かしているだけではゴールは決められません。ゴールは大体が中央での出来事ですし、その部分を突き詰めていかなければいけません。サイドの位置を使うよりも、ペナルティエリアの中の話をしていれば、直接ゴールにつながります。

─前節、山形戦のスタジアムは芝が長く苦労されていたようですね?

環境に影響されないレベルまで、まだ到達していません。芝や風の影響をまともに受けてしまいます。山形のスタジアムのグラウンドは本当に難しいグラウンドでしたが、技術を積み重ねていけば影響を感じなく、逆に相手と差をつけるようなプレーをできるようになります。試合では、そこまで悪くはありませんでしたが、それはいまの段階での話で、目指すものはもっと上にあります。

─何かにチャレンジした時のミスの質という部分にも変化が見られるのではないでしょうか?

ミスをするのは人です。ミスをしない選手がもっと増えなければいけません。ミスを2度、3度続ければ失点をします。例えば、パスミスをしても受け手がしっかりとボールを止めてくれれば2度のミスにはなりません。チームメイトが止めるのか、自分が止めるのか、とにかくミスを続けないことが大切です。そこで相手にボールを奪われ攻められるのは2度のミスによるものです。そのミスを減らす、徐々にではありますができるようになってきています。技術には上限がありませんし、全てのことに取り組まなければいけません。シーズン当初に比べれば数字のうえでも良くなっています。もちろん数字を追っているわけではありませんが、チームが良くなれば、そういった数字にも現れてくるものです。

─内容、結果が伴わない試合が続きましたが?

現在のチームに失敗はありません。内容も求めながら試合を戦えば、次に何をやるべきかという部分も出てきます。新しいチーム、新しいメンバーで新しいことにトライしている段階で、いまの内容が悪いとは思っていません。もちろん、もう少しできるだろうと期待している部分はありますが、それほど悲観していません。我々は前へと進んでいる途中です。トレーニングを見ていても選手は良くなっていますし、毎日、全力を尽くすしかありません。

─「上手くなっている」というのは、全ての選手に対しての評価なのでしょうか?

全員が、上手くなっています。それでも、そのことにより差も生まれています。選手によって進歩度が違います。本気度というか、いろいろなことを吸収できる選手、それを自分の武器とできることはプロとしての質です。 実際に玉田を見ればわかると思います。やはり一流の選手です。楢崎も、寿人もそうですし、泰士(田口選手)もさらにぐっと伸びています。それは選手本人が持っている力でしかありませんし、我々にはその選手の導火線に火をつけることはできても、それ以上のものに変えることはできません。全員がうまくなっているのは間違いありませんが、その中で差が生まれている、それがプロの社会です。