試合前
雨もあがり、肌寒い気候の万博記念競技場。スタジアム回りでは両チームのサポーターがそれぞれ「明けましておめでとう!」などの言葉を交わし、サッカーファンならではの開幕を迎える。
注目の開幕カード、対戦相手はガンバ大阪。昨年、リーグ戦では終了間際の劇的なゴールで2連勝を飾ったが、それでも今年の元旦、東京・国立競技場で開催された第89回天皇杯決勝では1-4と苦杯をなめさせられた相手だけに、リベンジにかける気持ちは強い。
今日のグランパス、昨シーズン後半から今シーズンの準備期間まで一貫して取り組んで来た4-3-3でのスタートが予想される。その中でも注目は、今季より加わった闘莉王と金崎だろう。前所属の大分では中盤での起用が多かった金崎だが、グランパスでは3トップの右ウィングでの起用が予想される。先日行われたFC岐阜とのプレシーズンマッチでは、縦へのドリブルと巧みな技術で何度も相手ペナルティエリアへ侵入して脅かしていたが、ガンバ大阪のディフェンスに対しても同様の脅威を与えて欲しい。
そしてディフェンスの闘莉王。強靭な肉体と果敢な攻撃参加が注目される選手だが、今日はガンバ大阪のフォワード、チョ・ジェジンとの日韓を代表する2人による迫力満点のマッチアップも見物となる。
満員に膨れ上がったアウェイサポーターゾーン、真っ赤なグランパスサポーターから試合前のウォーミングアップを行う選手へのコールが響き渡るが、選手達の表情は一様に明るく、これから始まる大一番、そして長く続く今シーズンへの期待が溢れているようだ。
前半
ナイトゲームではまだ肌寒い季節だが、サポーターの熱気がそれを忘れさせてくれる。両チームの選手紹介が終わり、一瞬の静寂が訪れた万博記念競技場。開幕を告げる花火など派手な演出と両チームのサポーターによる声援が沸き起こる中、22人の選手達がピッチへ姿を現す。
今日のグランパス、ゴールキーパーは楢崎。ディフェンスラインは右から田中、闘莉王、増川、阿部の4バック。中盤は吉村をアンカーの位置に置き、マギヌンと小川のセンターハーフ。前線には金崎、玉田、ケネディの3人が並ぶ4-3-3のシステムで試合に臨む。
前半、メインスタンドから向かって右のグランパスに対し、ガンバボールでキックオフ。
開始早々、相手のロングボールを奪ったグランパスが、ボールを阿部から右へと展開。金崎のドリブルからいったん戻したボールを小川がゴール前へと放り込むと、それにケネディが頭で合わせるが、これは上手くヒットする事ができずゴールの右へと外れる。
2分、味方に当たりルーズとなったボールを増川が楢崎へと戻す。それに対しルーカスがプレスをかけるが、ここは楢崎がボールを蹴り返す。
3分、ガンバ二川からのパスを左で受けた安田。ゴール前へとクロスを狙うが、これは田中が体に当てて防ぐ。
4分、ガンバ、ゴール前のクロスを闘莉王が頭で弾き返す。そのボールをさらに頭でグランパスゴール前へと繋がれるが、楢崎がキャッチ。
5分、ハーフラインを越えた位置で吉村とのパス交換から闘莉王が上がろうとするが倒され、FKを得る。しかしここからの細かいつなぎを奪われカウンターを受けるが、ルーカスのシュートは枠の右へ大きく外れる。
6分、ガンバ二川、遠藤、安田と繋ぎミドルシュートを打たれるが、これも大きく枠を外れる。
7分、相手エリア内でボールを受けたマギヌン。中央へと折り返すが、これが相手に当たりコーナーキックに。これを小川が右足でゴール前へと上げるが、ガンバディフェンスに弾き返されてしまう。
8分、ハーフライン自陣よりで吉村が倒されFK。これを闘莉王が左へとポジションを変えていた金崎へと狙うが、頭での折り返しは奪われてしまう。
10分、ペナルティエリア手前からのスルーパスにグランパスゴール前へとボールを繋がれるが、田中が反応、ボールをクリアする。
12分、左サイドでの競り合いからボールを奪った金崎。さらに阿部へと繋ぎ崩しを狙うが、折り返しのパスが味方に当たりボールを失う。
【得点】
14分、個人技で中央へと持ち込んだ玉田から、左の金崎へとボールが繋がる。そこから中央のケネディへとクロスが上がると、競り合いからケネディが落としたボールに走り込んだ玉田が飛び込み、グランパスが先制ゴールを決める。
序盤、互角の立ち上がりから玉田のゴールで先制ゴールを決めたグランパス。この後も集中し、豪華な中盤を誇るガンバに対し、3トップの利点を活かしたワイドな攻めを見せたい。
17分、ガンバ・コーナーキックからボールを奪ったグランパス。玉田に当てたボールから、小川がドリブル突破を仕掛け、右へとボールを展開。しかし、田中のシュートは相手キーパに正面でキャッチされてしまう。
19分、名古屋ゴール前でのパス交換からガンバにチョにシュートを打たれるが、これはディフェンスが体を当ててクリア。
【失点】
20分、ガンバ・左からのコーナーキック。一旦はゴール前から蹴り出すが、そのクリアボールをガンバ二川にミドルシュートで決められ同点とされる。
22分、ガンバ・ルーカスにディンフェンスラインの裏を狙われるが、増川がスライディングでボールをクリアする。
23分、大きな蹴り出しから右サイドを抜け出した金崎が、ドリブルで走り中央へとクロス。しかしこのボールは長く、ガンバに奪われてしまう。
24分、中盤でのファールから素早いリスタートを仕掛けたグランパス。左サイドを上がった阿部へとボールを繋ぐが、ここでオフサイドを取られてしまう。
26分、ガンバ左からのアーリークロスはグランパスの選手に当たりコーナーキックに。左からのボールを折り返されると、またもガンバ二川にミドルで狙われるが、枠へ飛んだボールは楢崎が反応し、指先で枠の外へと弾き出す。
28分、楢崎からのゴールキックをケネディが頭で落とし、金崎がその裏を狙うが、相手ディフェンスに阻まれてしまう。
29分、ディフェンスラインからのボールを受けたマギヌン。右の金崎へと大きく展開するが、ボールコントロールが難しく、サイドラインを割ってしまう。
同点に追いつかれたグランパス。中盤での繋ぎにはガンバに長があるが、前線へ上がり気味の両サイドバックの裏を狙ったカウンターを仕掛けたい。
30分、左サイドからボールを持ち込んだ。さらにエリア内へと侵入していた金崎とのワンツーからの折り返しを、ボレーで合わせるが、これは力が無く相手キーパーがキャッチ。
31分、ケネディからの落としを受けた左のマギヌン。ゴール前へとクロスを上げるが、ファーサイドから詰めた金崎が頭で合わせるも枠の右へと外れる。
34分、ガンバ中盤からの攻めにエリア内まで持ち込まれるが、横方向へのパスは精度が低く、戻ったマギヌンがクリア。
35分、中盤でボールを受けたガンバ橋本にミドルシュートを打たれるが、楢崎が正面でキャッチ。
37分、ハーフラインを超えボールを受けた闘莉王。左の阿部へと浮き球を狙うが、これはガンバディフェンスに弾かれてしまう。
39分、ガンバ中盤からの浮き球でゴール前へと攻められるが、このボールは長く、楢崎がキャッチする。
40分、中盤の小川から相手ディフェンスライン裏へと浮き球を狙うが、ここはケネディがオフサイドを取られる。
42分、吉村、玉田、小川、マギヌンと細かく繋ぎ、ガンバペナルティエリアへと侵入するが、中央へと繋ぐ前にボールを奪われてしまう。
44分、吉村からのパスを右・金崎が落とし、田中がゴール前へと上げるが、ボールはクリアされてしまう。
(ロスタイム表示:2分)
ロスタイム1、左サイドでボールを受けた玉田。相手のプレスがかからないフリーの状態で、相手キーパーの位置を見てロングシュートを狙うが、これは僅かに枠の右へと外れる。
ロスタイム2、中盤でのパス交換から、ガンバ・ルーカスにスルーパスを狙われる。これにガンバ・二川が抜け出そうとするが、反応した闘莉王がスライディングでボールを蹴り出し事なきを得る。
そして、ここで前半終了。
シュート数ではガンバに大きく上回られたグランパスだが、決定機の数ではそれほど大きな差はない。スコアも1-1と互角な状況で前半を終えた。
後半
後半、左へエンドを変えたグランパスボールでキックオフ。
1分、ディンフェンスラインの闘莉王から前線へとロングパスを狙うが、これは呼吸が合わず、相手キーパーへと渡ってしまう。
3分、中盤でボールを奪ったグランパス。小川のミドルは相手ディフェンスに当たり、跳ね返りをさらに玉田が狙うが、これも弾かれてしまう。
4分、ケネディの落としたボールを金崎が受けると、エリア内で切り返し左足でシュートを放つが、これは力が無く相手キーパーにキャッチされる。
5分、カウンターからガンバ遠藤にミドルシュートを狙われるが、枠の右へ外れる。
6分、ガンバ陣内に入ってのフリーキック。マギヌンがゴール前へと上げると、ファーサイドにいた増川が合わせようと飛ぶが、僅かに届かずボールは流れる。
7分、中盤でボールを受けた金崎。ここからドリブルで仕掛け、相手ディフェンス2人の間から突破を狙うが、体での競り合いがファールを取られてしまう。
8分、闘莉王からのロングパスに金崎が右サイドで競り合うが、ここもファールを取られてしまう。
9分、ガンバ右サイドの加地にドリブルで仕掛けられるが、戻っていた玉田が上手く体を入れ、ボールはゴールラインを割る。
10分、ロングパスボールをエリア内でマギヌンが上手く落とし、金崎が左足でシュートを放つ。しかし、相手ディフェンスにクリアされてしまう。
11分、ケネディとのワンツーでマギヌンが抜け出そうとするが、これは相手ディフェンスに阻まれてしまう。
12分、競り合いでボールを奪ったガンバ・ルーカスからのクロス。ファーサイドから頭で折り返されるが、ここは楢崎がボールをキャッチ。
14分、ガンバ左の安田に対し田中・金崎の2人でプレスをかけボールを奪うが、中央への折り返しは相手ディフェンスにクリアされてしまう。
後半に入って3本のシュートを放ったグランパス。逆にガンバはカウンターからチャンスを作る場面も見られるが、ここまで両チームとも得点は無く、1つのミスが試合を決めかねない緊張した展開が続く。
15分、中盤からのロングボールをマギヌンが全力で追うが、これには追い付くことができず、ボールはラインを割る。
17分、G大阪1人目交代:橋本→佐々木
ガンバ陣内でボールを奪った闘莉王がゴール前へクロスを上げる。これに反応したケネディが相手選手と交錯し倒れるが、ここはノーファールの判定に。
18分:名古屋1人目交代:吉村→ダニルソン
ストイコビッチ監督はここで吉村に代え、新戦力のダニルソンをそのままアンカーの位置で投入してきた。
20分、阿部からの縦パスにマギヌンが左サイドを抜け出そうとするが、ここは僅かにオフサイドの判定となる。
21分、左サイドで阿部がインターセプト。ダニルソンからマギヌンへと展開を狙うが、ボールが短く奪われてしまう。
【得点】
22分、右サイドから金崎が仕掛け、ペナルティエリア内で相手を交わし、中央へ低いクロスを送る。これが相手に当たりボールがルーズとなるが、反応したケネディが落ち着いて右足で蹴り込み、グランパスが勝ち越しゴールを決める。
25分、ケネディの胸での落としを小川が受け、左サイドから突破を狙うが、相手ディフェンスと交錯し、フリーキックとなる。
26分、阿部からのロングボールをケネディが頭で流し、その裏へと金崎が狙うが、ここは僅かにオフサイドの判定を取られる。
28分、ガンバ左の安田からゴール前へとクロスを上げられるが、阿部が頭でクリア。さらに右からのコーアーキックもディフェンスがクリアする。
29分、金崎からのパスを小川がスルー。さらにその外を上がった田中が中央へとクロスを狙うが、これは相手ディフェンスにクリアされてしまう。
名古屋2人目交代:金崎→ブルザノビッチ
ケネディのゴールで2-1とリードするグランパス。ホームでの開幕戦、負けられないガンバはここからの猛攻が予想されるが、しっかりと対応し、カウンターから試合を決める3点目を狙いたい。
32分、ガンバ中盤から左への展開はルーカスが追うが、ボールはサイドラインを割る。
33分、ケネディの落としたボールをブルザノビッチがキープするが、ピッチ内で倒れる小川に気がつき、ボールを一旦外へと蹴り出す。
34分、G大阪2人目交代:安田→平井
ガンバディフェンスが楢崎へと返したボール。これを相手ゴール前へと大きく蹴るが弾き返される。
35分、ブルザノビッチからの縦パスをエリア内で受けたケネディ。ターンから左足で狙うが、これは相手ディフェンスに当たり、弾き返されてしまう。
36分、左サイドから崩したグランパス。相手エリア内からのクリアボールを阿部が右足で狙うが、これは相手キーパーにキャッチされる。
37分、ガンバ中盤でボールを受けた二川にミドルシュートを打たれるが、これは右のポストに当たり跳ね返る。危ないシーンだった。
38分、左でボールを受けたマギヌン。右の玉田へとサイドチェンジを狙うが、ボールが高くサイドラインを割る。
39分、中央でボールを受けたブルザノビッチから、右の田中、玉田とボールを繋ぐが、その間にボールはサイドを割る。
41分、ガンバ左サイドから平井に右足でミドルを打たれるが、楢崎が鋭く反応、指先でボールを弾き出す。
42分、ガンバ左からのクロスは中央で競る増川、チョの頭を越えるが、阿部が外へと蹴り出す。
43分、G大阪3人目交代:チョ→ドド
名古屋3人目交代:マギヌン→千代反田
ロスタイムを含め残り僅か。ガンバの猛攻に耐える為、ストイコビッチ監督はここでディフェンダーを1人増やし5-3-2のような形へと変更してきた。
(ロスタイム表示:4分)
ロスタイム1、自陣からのクリアボールが相手ディフェンスの裏へと流れると、これを小川が全力で追うが、先にガンバゴールキーパーにキャッチされてしまう。
ロスタイム2、ガンバディフェンスのルーズボールをケネディが拾い、エリア内へ侵入。しかし、相手選手と交錯しシュートまで持ち込む事は出来なかった。
ロスタイム3、ボールを受けたダニルソンが倒されフリーキックを得る。これを楢崎が前線へと大きく蹴るが、ケネディへは通らず、ボールはクリアされる。
ロスタイム4、ガンバ平井にドリブを仕掛けられるが、ダニルソンが素早い反応で戻り、ボールをクリア。さらに右からのアーリークロスもディフェンスが頭でクリアし、ここで試合終了を迎えた。
後半、互角以上に攻めたグランパス。新加入の金崎の突破からエース・ケネディが決勝ゴールを決め、重要な初戦、強豪ガンバ大阪から大きな勝利を収めた。
試合終了後記者会見
今日は両チームとも本当にクオリティの高い試合を見せたと思います。重要なのは我々が勝ったということです。"大阪に勝ちに来た"、それが今日のゲームでした。本当に良い結果だと思います。ガンバ大阪戦はいつも難しいゲームになるのですが良いゲームになったと思います。我々としても戦術的なところ、それからスピリットをしっかりと出せたと思います。戦術と技術の部分で今日は満足していますし、今日は良いゲームだったと思います。
前半はボールを回されましたが、後半に盛り返すため、どのようなことを気を付けられましたか?
ガンバは良いチームで、明神選手や遠藤選手にフリーなスペースを与えてしまうと、しっかりとパスを回してきます。彼らが良い時は難しいと思いますし、その点に気をつけました。ただ今日は、危険なシーンはあまり無かったと思いますし、後半は我々グランパスのペースだったと思います。チャンスを与えない、我々らしいアグレッシブなサッカーができたと思います。パスゲームを我々が作り、最後まで負けないゲームをしたと思います。
金崎選手のプレーに対し、評価するところは?
今日はパーフェクトな彼のプレーが見られたと思います。動き、敵陣への侵入、本当にやってほしいことを彼はやってくれました。守備も攻撃も、中盤で彼はしっかりとやっていましたね。相手に対しては最後まで脅威になる存在だったと思います。戦術的な理由で最後には変えましたが、ベンチでしっかりと休ませたいという理由もありました。金崎のプレーに対しては満足しています。
チームも最初のゲームをものにしてくれました。選手もしっかりと戦ってスピリットを見せてくれました。それから戦術的にやることをやって勝ったゲームだと思います。昨日メディアのみなさんに話したのですが、この最初の勝利はトヨタ自動車の豊田章男社長に捧げたいと思っていました。今日は本当にその通りになりました。ここ何週間、豊田社長も本当に苦しんでいられたと思います。この勝利を捧げたいと思います。
終盤、千代反田選手を入れてセンターバックを3人にされましたが?
状況によって適合させなければならない時もあります。ガンバはロングボールでこちらのボックスを目がけてボールを入れてくる状況でした。エアバトルを制するために千代反田を入れました。最後に、この勝利は天皇杯決勝のリベンジです。
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