2009J1リーグ第32節:サンフレッチェ広島vs名古屋グランパス

最終更新日時

2009/11/22 18:15

AWAY GAME

広島ビッグアーチ 11/21(土) 17:04キックオフ

試合前

冬の様な寒さの広島ビッグアーチ。スタジアム内の照明が灯った午後4時15分、フィールドプレーヤに先立ちゴールキーパーの2人が、ウォーミングアップのためピッチへと姿を現した。

8月に金沢で行われたガンバ大阪戦で左手甲を骨折した楢崎。3ヶ月ぶりに復帰となるこの試合に、遠く広島まで駆けつけたサポーターから大きな拍手と歓声が沸き起こる。「プラスの影響しかない」とチームメイトからも絶大な信頼を受けるキャプテンの復帰はチームにとって心強いのではないだろうか。

また、先の天皇杯ホンダロック戦で腰を痛めたケネディがスターティングメンバーに、同じく右大腿筋を痛めたマギヌンもベンチへと戻って来た。日本代表の南アフリカ遠征で右足首を痛めた玉田はベンチを外れる事となったが、今シーズンのJリーグ残り3試合、さらには来期のACL出場権もかかった天皇杯に向け、明るい材料が揃って来た。

立っているだけでは凍えてしまうような寒さが漂うスタジアムだが、ピッチ内でウォーミングアップを行う選手達はもちろん、しっかりと汗をかき、キックオフに向けてしっかりとした準備を行っている。

そしてスタジアムDJによる両チームの選手紹介、サポーターによる選手コールが一通り終わった午後4時48分、ウォーミングアップを終えた選手達は、これからはじまる試合に向け、ロッカールームへと一旦姿を消した。

試合前

一瞬の静寂の後、両サポーターの歓声が広がり、スタジアムのボルテージが一気に上がる。その歓声の中、選手達がピッチへと姿を現した。今日のグランパスはアウェイ用、白のユニフォームを着用する。

スターティングメンバーはゴールキーパーに怪我から復帰の守護神・楢崎。ディフェンスラインは右から吉田、バヤリッツァ、増川、阿部の4人。ミッドフィールドには小川、中村、吉村、三都主が並びブルザノビッチとケネディの2トップによる4-4-2の形で試合を始める。

前半、メインスタンドから向かって右にエンドをとった名古屋ボールでキックオフ。

開始早々、自陣からのロングボールで広島に左サイドを上がられるが、吉田が体を当ててボールをしっかり奪う。
2分、相手キーパーの蹴ったロングボールを増川、吉村、三都主と頭で繋ぎ、右の小川の前へ狙うが、相手ディフェンスがカット。
3分、中央の吉村から、左サイドを大きく上がる阿部の前へ浮き球パスを狙うが、このボールはラインを割る。
5分、ハーフラインを超えた位置でボールを受けた吉田。前線のケネディの前へスルーパスを狙うが、相手キーパーに抑えられる。
7分、左サイドの阿部からゴール前のケネディへ精度の高いアーリクロスが上がるが、間に入った広島ディフェンスに頭でクリアされてしまう。
8分、増川からのパスを受けた阿部が左サイドで1人交わし、前へとドリブルで仕掛けるが、ボールが長く、相手ディフェンスにクリアされる。
9分、今度は右サイドから吉田、小川、中村と細かく繋ぐが、最後のパスが短く、クリアされてしまう。
12分、エリア内で横に流れたブルザノビッチへ阿部からのパスが通るが、すぐに寄せた広島ディフェンスにボールを奪われてしまう。
13分、広島・高萩のクロスボールを拾った吉村。ここから三都主、右を上がる中村と一気に繋ぎカウンターを仕掛けるが、広島ゴール前へのクロスは相手ディフェンスにクリアされる。

ボールボゼッションを高め、ジリジリとラインを押し上げる名古屋。しかしながら、ここまで両チームとも決定的な場面は作る事が出来ていない。

16分、左サイドでボールを受けた阿部。その内側を上がる増川が敵陣深くでボールを受け、中央へクロスを上げるが、これは相手ディフェンスに当たりクリアされてしまう。
17分、エリア内でボールを受けたケネディが、ディフェンスに寄せられながら左足でシュート。これは相手に当たりコーナーキックとなる。このボールを三都主が左足でゴール前へと蹴るが、広島ディフェンスがクリア。
18分、カウンターから攻め上がる広島。名古屋陣内でペナルティエリア付近への縦パスが増川の裏へと抜けるが、バヤリッツァが対応、ボールをクリアする。
20分、ハーフライン付近でボールを回す広島。そこから一気にスピードを変え、名古屋ゴール前へボールを入れるが、ここは楢崎が落ち着いてキャッチ。
21分、阿部にボールを預け、吉村が中央を上がる。ここへリターンのパスを狙うが、相手選手に当たりボールはクリアされてしまう。
23分、広島ゴール前へ走り込むケネディを見つけた阿部。ハーフライン付近からのパスにケネディが左足ダイレクトでシュートを放つが、これは枠の右へと逸れてしまう。
25分、広島陣内でパスボールをカットしたケネディ。そこから中央の中村、右の小川へと繋ぎ、ゴール前へクロスを上げるが、このボールは広島キーパーにキャッチされる。
26分、大きく攻め上がった広島・槙野に名古屋ペナルティエリア内への侵入を計られるが、バヤリッツァがクリア。
27分、右サイドを上がった小川からゴール前へのケネディへクロスが上がるが、このボールは僅かに高く、逆サイドへ流れてしまう。
29分、左サイドを上がる阿部をおとりにフリーとなった三都主がゴール前へクロスを上げるが、広島キーパーがキャッチ。

依然として無得点の状態が続く両チーム。ボールポゼッションでは名古屋が上回るが、決定的な場面は少ない。アウェイでのゲーム、前半のうちに1点をとって試合を有利に進めたい。

31分、名古屋右サイドからのスルーパスにブルザノビッチが反応。しかし、飛び出した広島キーパーに先にボールをキャッチされてしまう。
32分、エリア内で阿部からのボールに体を入れ替えたケネディ。ここから中央へ左足でクロスを入れるが、クリアされてしまう。
33分、広島のカウンター。エリア手前右寄りでボールを受けた広島・森脇のミドルシュートは、楢崎の頭上を越えるがクロスバーに。さらに跳ね返りから広島・服部にシュート打たれるが、これは楢崎が背面に飛びながら弾き出し、クロスバーを超える。危ないシーンだった。
35分、中盤でのワンツーパスから広島・服部に左サイドを崩されるが、中央へのクロスを受けた広島・柏木にはバヤリッツァが対応し、シュートを跳ね返す。
39分、相手キーパーへのチェイスからケネディがボールを奪いそうになるが、なんとかクリアされてしまう。
40分、右サイド小川からのクロス。これにケネディがヘディングシュートを放つが、これは枠の左へと逸れてしまう。
41分、広島ディフェンスラインからのロングパスが阿部の裏へと出るが、競り合った阿部が頭でしっかりとクリア。
44分、吉村からの縦パスにケネディがペナルティエリア侵入を狙うが、相手選手と交錯し、ボールを奪われてしまう。
(ロスタイム表示:1分)

ロスタイム1、右サイド小川からのクロスに合わせたケネディ。叩き付けるヘディングでシュートを放つが、これは相手キーパーの正面に。そこからカウンターを仕掛けられると、最後は広島・佐藤にシュートを打たれるが、これはクロスバーを大きく超える。
ロスタイム2、広島ゴール前でのルーズボールを狙ったブルザノビッチがドリブルを仕掛けるが、コントロールしたボールが自身の手に当たってしまい、ハンドの判定となる。

そしてここで前半終了。

前半30分まではお互い様子を見る様な雰囲気でゆっくりとした展開だったが、そこから一気にスピードがアップしたゲーム展開となる。名古屋としては危ないシーンもあったが、復帰した楢崎のスーパーセーブもあり、前半を0-0で折り返す事となった。

後半

後半、エンドを替え、広島ボールでキックオフ。両チームメンバー交代無し。

開始早々、中村がハーフライン付近で正面からのタックルを受け、フリーキックとなる。
2分、中村とのワンツーで右サイドを抜けた小川がドリブルで仕掛けるが、ゴールラインを割ってしまう。
3分、広島の中央突破をバヤリッツァがカット。そこからカウンターを仕掛けるとブルザノビッチ、小川と繋ぎ、中央へとクロス。しかし、中で待つケネディへは届かずクリアされてしまう。
5分、三都主から右へ大きく開いた小川へと、浮き球でのパスが通る。ここからボールを持ち替え、ニアサイドへ走り込むケネディの足下へ低く速いボールを狙うが、僅かに合わずボールは逆サイドへ流れてしまう。
6分、広島・佐藤のポストプレーから広島・高萩に左サイドを抜けられるが、中央へのクロスは楢崎がキャッチ。
7分、小川が右サイドから仕掛けコーナーキックを得る。これを三都主が左足で蹴るが、ゴール前で選手同士が交錯し、ボールはそのままラインを割ってしまう。
8分、吉村がハーフライン付近で広島・高萩を倒しフリーキックを与えるが、ここから短く繋ぐ広島ボールは名古屋が奪い返す。
10分、左サイド高い位置でボールを受けた三都主。右足で中央へ折り返すが、ここに走り込んだブルザノビッチはトラップが大きくボールをクリアされる。
11分、ブルザノビッチのドリブルからのスルーパス。これをエリア内右よりで受けたケネディがドリブルで1人交わすが、飛び出した相手キーパーにクリアされる。
12分、広島1人目交代:高柳→横竹
13分、名古屋1人目交代:三都主→マギヌン

14分、ハーフライン付近でパスカットをした小川。そのままドリブルで縦へと仕掛けるが、相手ディフェンスに体を寄せられ、ゴールラインを割ってしまう。

15分、広島のカウンターから左を上がった柏木にループ気味のシュートを打たれるが、ここは楢崎が余裕の対応を見せ、しっかりとボールをキャッチ。
16分、ボールを持ち上がったバヤリッツァからのスルーパスに阿部が左サイドを上がるが、相手ディフェンスと交錯しファールを取られてしまう。
17分、名古屋左からのコーナーキック。マギヌンが蹴ったボールは相手ディフェンスに弾かれるが、これを拾った阿部が再度マギヌンへと繋ぎ、中央へクロス。このボールにケネディが豪快に飛び込むが、ヘディングでのシュートは枠の右へと外れる。
19分、吉田からの縦パスに中村がディフェンス裏に抜けようとするが、ボールはクリアされてしまう。
20分、敵陣内でボールをカットした吉田がそのまま倒され、フリーキックを得る。これを細かく繋ぎ、吉村がミドルシュートを打つが、相手ディフェンスに当たり跳ね返されてしまう。
21分、小川とのコンビネーションで中村が右サイドから仕掛けるが、相手選手を倒してしまいファールの判定となる。
22分、ペナルティエリア付近でのワンツーパスから広島・柏木にエリア内への侵入を許すが、吉田が対応しボールをクリア。
23分、名古屋2人目交代:中村→巻
ストイコビッチ監督はこの時間帯でストライカーの巻を前線へと投入、ブルザノビッチを中盤へと下げ、攻撃的な布陣へと変更してきた。

25分、ブルザノビッチから右サイド小川へのスルーパスは、広島ディフェンスがクリア、コーナーキックに。このボールをマギヌンが蹴ると、ファーサイドへ走り込んだ増川がスライディングでシュートを放つが、枠の左へと外れる。
27分、広島・森脇からのクロスはゴール前の吉田が頭でクリア。さらに拾った逆サイドからもクロスを放り込まれるが、これは楢崎がしっかりとキャッチする。
29分、小川からゴール前へのアーリークロス。これに巻が頭で合わせるが、相手ディフェンスに当たり、コーナーキックとなる。

依然として0-0の膠着状態が続く両チーム。試合は残り15分、攻撃的な布陣で勝負を仕掛ける名古屋のゴールに期待したい。

30分、名古屋・右からのコーナーキック。マギヌンが左足で蹴ったボールは一旦弾かれるが、このボールをケネディが右足でダイレクトボレー。しかし、これも枠を捉える事が出来なかった。
32分、相手陣内でボールをカットしたケネディ。そのままディフェンスを交わし、さらに飛び出して来た相手キーパーも交わして中央へクロス。しかし、飛び込んで来たブルザノビッチのヘディングは、相手ディフェンスに体を寄せられ枠を捉える事が出来なかった。
34分、小川からゴール前へのクロス。これを相手ディフェンスが弾き、こぼれ球にケネディがボレーシュートを狙うが、飛び出した相手キーパーと交錯しファールとなってしまう。
35分、広島2人目交代:佐藤→李忠成
37分、名古屋3人目交代:ブルザノビッチ→杉本
ホームで勝つ為に攻撃を仕掛けてくるであろう広島に対し、その裏に出来たスペースを狙うため、スピードのある杉本をここで投入。

38分、右サイドからドリブルで仕掛けた小川。相手ディフェンスを1人交わし、中央へとクロスを送るが、ここはゴール前の巻がオフサイドを取られてしまう。
39分、ケネディがドリブルで仕掛けコーナーキックを得るが、ここは広島にクリアされる。
40分、広島・柏木に左足で強烈なシュートを打たれるが、楢崎が反応、枠の外へと弾き出す。
42分、広島・左からのクロスを李にヘディングで合わせられるが、楢崎が正面でキャッチ。
44分、右サイドの杉本から左へ大きくサイドチェンジを狙うが、これは広島にボールを奪われてしまう。
(ロスタイム表示:4分)

ロスタイム1、広島3人目交代:森崎(和)→森崎(浩)
ロスタイム2、敵陣内で吉村が倒され、フリーキックを得る。ゴール正面、38m程度の位置から増川が強烈なシュートで直接狙うが、これはクロスバーを超える。
ロスタイム3、広島のカウンターからミドルシュートを打たれると、これが名古屋ディフェンスに当たりルーズボールとなる。ここに李が頭で飛び込むが、変則的なリズムで難しいシュートにも、楢崎が反応しボールをキャッチ。
ロスタイム4、今度は名古屋が左サイドからカウンターを仕掛けるが、これも中央で跳ね返されてしまう。

そしてここで試合終了。

ボールポゼッションを高め、ラインを上げながら戦う名古屋と、前線でのダイナミックなパス回しから魅力的な攻撃を仕掛ける広島。両チームの持ち味が出た一戦となったが、共に決定力を欠きスコアレスドローの引き分けとなった。
また試合後、サポーターからは怪我から復帰し、決定的なシュートを何度も防いだ楢崎へのコールが鳴り響いた。


試合終了後記者会見

091121_sto.jpg今日は我々グランパスも、サンフレッチェもお互いに良いサッカーをしたと思います。ただゴールが無かったため、我々にとっては不幸な0-0という結果に終わりました。技術面では良かったのですが、チャンスを作りながら決めるべきシーンで決められなかった、0-0という結果は今日の試合を見据えると現実的な結果だと思います。

Q.今日はディフェンスの構成を変えたようですが、その意図をお聞かせ下さい。

サンフレッチェ広島は佐藤選手の1トップで戦うという事はわかっていたため、4人のディフェンスを揃える必要が無いと思い3バックで戦いました。ディフェンスラインでは増川と吉田の2人をワイドに開かせる戦術を取りましたが、問題はありませんでした。

Q.楢崎選手が復帰し好セーブを見せてくれましたが?

楢崎がチームに復帰した事は私にとっても喜ばしい事です。長い期間試合に出ていませんでしたし、今日は彼にとっても重要なゲームだったと思います。今日のパフォーマンスは完璧でしたし、大変満足しています。

Q.広島とは2試合を戦ってスコアレスドローとなりました。お互い"攻撃的"が信条のチーム同士ですが、こういう結果となった理由はどこにあるとお考えでしょうか?

スコアレスの引き分けに終わったと言う事は、両方のチームとも良い守備をしていた、という事ではないでしょうか。前回瑞穂で戦った時も0-0という結果でしたが、サンフレッチェ広島は大変タフな相手だと思い、今日は戦いに臨みました。
我々としては今日、多くのチャンスがありながら決められませんでした。例えばブルザノビッチにはヘディングで大きなチャンスがありましたし、ケネディにも大きなチャンスがありました。サンフレッチェは佐藤選手に合わせてのカウンターを得意としているため、この点には気を付けましたし、全般的にはグランパスがボールをキープし、ゲームをコントロール出来ていました。ただ、最後の場面で少し足りないものがあった様に思います。
それでも、戦術面では今日のゲーム、とても満足しています。危ないシーンもありましたし、集中力を最後まで保って戦うことが出来ていました。この広島の地で多くのチームが負けていますが、アウェイで負けず0-0で終え勝ち点1を獲得した、これは悪い事ではないと思っています。