AFCチャンピオンズリーグ2009準決勝第1戦:アルイテハドvs名古屋グランパス

最終更新日時

2009/10/23 03:07

AWAY GAME

プリンス・ アブドゥラ・ アルファイサル スタジアム 10/21(水) 19:50キックオフ(現地時間)

試合前

午後7時(現地時間)ちょうど、試合が行われるピッチに名古屋のGKの2人、広野と西村がゆっくりとした足取りで登場すると、"ブーイング"という言葉がピッタリなほどの、凄い勢いの罵声が彼らに浴びせかけられる。正にアウェイの雰囲気そのものだ。しかし、彼ら2人は、そんなことは承知だ、とばかりに涼しげな表情を見せながら、ディド・伊藤GKコーチ等と共にアップをスタートさせた。

そして約8分ほど遅れて名古屋のメンバー全員がピッチへと駆け込んでくると、先ほど以上に強烈なブーイングと共に、派手な爆竹の音が彼らを出迎える。しかし、メインスタンドに陣取る名古屋のサポーターも、名古屋の選手への罵声を押し戻るほどの勢いで、彼らに熱い声援を送る。まもなく決戦の火ぶたが切って落とされようとする雰囲気そのものに、スタジアムが盛り上がりを見せる。

名古屋のサポーターに向けて丁寧に挨拶を交わすと、選手たちは早速ピッチ内へと広がり、対面パスをスタートさせた。AFCアジアチャンピオンズリーグでは、予選リーグでは、ここまで韓国、オーストラリア、そして中国と次々とアウェイの手荒い洗礼を浴びながらも負け知らずで、勝ち上がってきた。選手たちは気圧されることなく、落ち着いた表情でボールを蹴り合っている。誰もが今日の試合の重要さを充分に心得ている証拠だろう。

小川へ、中村へ、そしてブルザノビッチへと、次々に名古屋のサポーターからの声援が飛ぶ中、試合開始に向け、次第に埋め尽くされるホーム・アルイテハドのスタンドからは、その人数に比例するようにブーイングが激しさを増す。

今日の先発FWのケネディ。楢崎という絶対的な代表経験者がいない中では、ベンチスタートの玉田、三都主以外では彼が経験は一番豊富だ。この厳しい雰囲気の中での戦い方を、是非とも彼に見せて欲しい。

午後7時半、いつも通りピッチ横で短めのスプリントを繰り返してコンディションを整えた選手たちは、名古屋サポーターの声援の後押しと共に、アルイテハドサポーターの罵声を一心に浴びながら、ピッチを後にしていった。

前半

キックオフ10分前、スタジアム内へ警備のスタッフが物々しい雰囲気で入り込んでくると、それまで騒然としていたスタンドが少し大人しくなる。その中で彼らが各所に配置され、スタンドに厳しい目を向け始めるが、バックスタンドの両脇から両チームの選手たちが入場を始めると、再び派手なブーイングが乱れ飛び始める。

午後7時46分、向こう正面から選手たちが入場。ブーイングと声援、拍手と足踏み、あらゆる騒音がピッチ上を埋め尽くす。

名古屋の先発メンバーは、GK広野、DFは、右から田中・竹内・吉田・阿部の4人。中盤は、左にマギヌン、右は小川、ボランチの位置は中村と吉村が並び、FWはケネディとブルザノビッチの2人。4-4-2からのスタートに。

前半、左にエンドを取るホームのアルイテハドに対し、国内ではホームとなる赤いユニフォームに身を包んだ名古屋は右から攻め上がる。

試合はアルイテハドのキックオフでスタート。

1分、右に開いてアルイテハド(11)からのパスをアルイテハド(18)が受けようとするが、小川がしっかりと体を入れてこれを阻止、ファウルを誘った。
2分、右からのCKのチャンス。マギヌンのボールがニアでこぼれたところを小川が狙うが、これはミートできず。しかし、再度拾ったマギヌンが大きく遠いサイドに蹴り入れると、ブルザノビッチがヘディングシュートを放つが、これは惜しくもGK正面。
5分、左にドリブルで開こうとしたブルザノビッチが倒され、相手陣内左中程でのFKのチャンス。これを小川が蹴り入れるが、待っていたケネディの前でDFがカットしてしまう。こぼれ球を吉村がミドルを狙うが、これは大きく右へ流れ出てしまった。
6分、中央へ飛び込んできた選手を後ろから倒したとして、竹内がレッドカードで一発退場を受けてしまう。
7分、ペナルティアークすぐ外、ほぼ正面でのアルイテハドのFK。アルイテハド(18)のボールは壁でしっかりと弾き出す。右からのCKの場面は、相手のミスに救われる。
10分、相手陣内左でマギヌンのパスを小川が持ち出そうとするが、ここは手厳しいファウルに潰されてしまう。
12分、右から裏へとアルイテハド(8)が抜け出してくるが、ここはしっかりと吉村が詰め、深い位置で通そうとしたパスをカットしていく。
13分、ハーフウェイからの裏へのボールに、中央をアルイテハド(18)が抜け出してくるが、これはオフサイドに。

【得点】
14分、右に抜け出した田中からのクロスを、中央のケネディが頭で合わせて、見事これがしっかりと枠を捕らえ、貴重なアウェイゴールを決める。

17分、右深くへと出たボールに中村が詰めるが、ここは相手DFに体を入れられ、触る前にゴールラインを割ってしまった。
18分、中央をスルーパスで抜け出して来たアルイテハド(27)との1対1の場面は、勇気を持って飛び出した広野がボールを押さえ込み、相手のシュートを許さなかった。
20分、自陣の広野からのゴールキック。これをDFの前に上手く体を入れたケネディが受けて、縦へと突破を図るが、ここは前へ行こうとするところを潰されてしまう。
21分、右からのアルイテハドのCKは、慌てることなく弾き出し、ルーズになったところを中村が大きくクリア。
23分、右からのアルイテハド(2)のクロスを逆サイドに繋がれると、最後、中へと入ってきたアルイテハド(32)が正面でのシュートを放ってくるが、これは大きくクロスバーを超える。

【失点】
25分、一瞬の隙を突かれ、アルイテハド(12)にシュートを決められ、1-1とされ、再び試合は振り出しに戻ってしまう。
28分、右のアルイテハド(2)のクロスがこぼれたところを、アルイテハド(8)が外から狙ってきたシュートは、クロスバーを超える。
29分、自陣深く左でのアルイテハドのFK。アルイテハド(18)のボールを、遠いサイドで合わせたアルイテハド(21)のヘディングシュートは右ポストの外。

31分、右に上がる田中に合わせて、ブルザノビッチからパスが出る。しかし、これは相手DFにカットされ、ボールが相手に渡ってしまう。

【得点】
33分、ゴールまでのロングボールを、ケネディが競り合いながらもスペースに落とす。これに詰めた中村が相手DFに押さえ込まれながらも体を入れ替えると、左足からのシュートをゴールに沈め、2-1とアルイテハドを突き放す。
35分、中央でアルイテハド(11)が流し込んだボールをアルイテハド(8)がシュートに来るが、これは大きくゴールを越える。
38分、右からのアルイテハドのCK。短く繋いだボールを左から放り込んでくるが、ここは守備に戻っていたケネディの高い打点がボールを弾き出す。
40分、中央へと入り込んできたアルイテハド(11)。ワントラップからコントロールしたシュートを狙おうとしてくるが、ここはいち早く反応した吉田がボールを奪い取る。
42分、自陣右深くでボールキープを見せたアルイテハド(11)を倒してしまい、危険な位置でのFKを与えてしまう。
43分、短く流したボールをアルイテハド(11)がシュートに来るが、ゴール前をしっかりと固めた名古屋の選手がこれをきっちりと弾き出し、ゴールを割らせることはなかった。ここで吉田が負傷し、一時的にピッチを離れてしまう。
(ロスタイム表示:2分)

ロスタイム1、そして、大事に至ることなく吉田がピッチへと戻ってくる。
ロスタイム2、自陣からのロングボールをDFに競り勝ったケネディが、自ら拾って仕掛けようとするが、これは前に出たGKに押さえられてしまう。

そして、ここで前半が終了。
開始早々のアクシデントをものともせず、名古屋がアウェイでの2点を決めて、2-1とリードで後半へと向かう。

後半

前半戦を終えて、2-1とアウェイで大健闘を見せている名古屋。そして、試合は後半戦に。

名古屋1人目メンバー交代:ブルザノビッチ→佐藤
アルイテハド1人目メンバー交代:(6)→(15)
後半は左エンドの名古屋のボールから始まる。

1分、左ボールを受けたアルイテハド(11)のゴール前へのクロスは、広野が落ち着いて正面でキャッチ。
2分、裏へのボールに吉村が抜け出してくるが、これは惜しくもタイミングが早く、オフサイドを取られてしまう。
3分、右からのアルイテハドのCKは、ニアサイドのケネディが高い打点で弾き出す。
5分、中央へとアルイテハド(27)が飛び出してくると、ワントラップからのシュートを狙ってくるが、 ここは代わって入った佐藤が判断良く体を入れ、ボールをカットした。
7分、ケネディがロングボールに競り勝って落としたところを、中村がワンタッチで中へと流し込むと、これにマギヌンが寄せる。しかし、僅かの差で相手DFがカットしてしまい、シュートまで持ち込むことは出来なかった。
9分、左へとマギヌンのボールに抜け出した小川のボールを、マギヌンが柔らかくゴール前へと入れるが、これはケネディに届く前にDFが弾き出してしまった。
10分、後半から入ったアルイテハド(15)が右に抜け出して来ると、右45度からの鋭いシュートを放ってくるが、広野が正面で落ち着いてこれを阻止、ゴールを守る。
12分、右に抜け出したアルイテハド(18)のシュートが枠を捕らえたかと思われたが、これは左のポストを叩き救われる。更にこぼれ球をアルイテハド(27)がフリーでのシュートに来るが、これはポスト左へ外れる。
15分、左を縦にタッチ際をマギヌンが鋭いドリブルを見せて仕掛けるが、足下へと飛び込むDFにボールを止められ、チャンスに結びつけることは出来なかった。

16分、右に抜け出したアルイテハド(27)がGK広野をかわしてシュートに来るが、ここはゴール前に入り込んだ佐藤がしっかりと弾き出し、このチームのピンチを救った。
18分、右を一気に田中が攻め上がるが、相手DFの早い戻りに中へのクロスを入れることは出来ず、後ろへと戻す。

【失点】
20分、右からの強引なクロスを遠いサイドのアルイテハド(27)にゴール前に折り返されると、これを中央のアルイテハド(18)にヘディングシュートを決められてしまい、再び同点とされてしまう。
21分、名古屋2人目メンバー交代:中村→三都主

23分、自陣左で相手選手と競り合った阿部からのボールをマギヌンが持ち出そうとするが、これはファウルを取られてしまう。
25分、左に抜け出した小川からの縦パス。中央をケネディがこれを追うが、追走したDFがクリアし、左からのCKに。マギヌンの入れたボールは、正面のケネディが競り勝つものの、前へと飛ばすことは出来なかった。
27分、マギヌンの落としたボールを左で受けたケネディ。縦に持ち出そうとするが、厳しいファウルに潰されてしまった。
28分、カウンターから右に抜け出したアルイテハド(18)のグラウンダーを、逆サイドに走り込んだアルイテハド(15)がシュートに。しかし、これは広野が正面で捕らえる。
30分、ロングボールをDFに競り勝ったケネディ。エリアの外からのシュートはDFに当たって勢いを失い、GKの下へ。

【失点】
31分、ゴール前での混戦で何度もシュートを打たれるものの、DF陣が踏ん張りを見せる。しかし、最後、こぼれたところを後ろからアルイテハド(18)に許したシュートが枠を捕らえ、ついに逆転されてしまう。
32分、名古屋3人目メンバー交代:ケネディ→玉田
ここでの交代の場面では、猛烈なブーイングが玉田に浴びせられる。

34分、中央で短くを繋がれると、裏へと抜け出したアルイテハド(15)が広野と1対1に。しかし、ここは広野が判断良くボールを押さえに飛び込み、このピンチを逃れる。
37分、中央へと抜け出して来たアルイテハド(15)を止めようとした広野。しかし、エリア内左で倒してしまい、PKを与えてしまう。

【失点】
38分、これをアルイテハド(15)がゴール右隅に決め、4点目をアルイテハドに与えてしまう。
39分、中央をマギヌンの落としたボールに玉田が抜け出すと、勝負を仕掛け、深い位置からのシュートを狙う。しかし、これはDFに当たってコースが変わってしまう。
40分、三都主のパスをマギヌンがワンタッチで裏へと入れると、玉田がこれに抜け出す。しかし、シュートへ持ち込む前に、DFが突破を阻止してしまった。
42分、左で小川の縦パスに玉田が抜け出すが、すぐさま寄せたDFがこれを奪い取ってしまう。
43分、中央で三都主の入れたパスに吉村が反応するが、前を向く前にDFがボールをカットしてしまう。
44分、アルイテハド2人目メンバー交代:(11)→(30)

【失点】
ロスタイム1、右に抜け出して来たアルイテハド(18)のシュートは左ポストを叩くが、これに更に飛び込んだアルイテハド(18)に頭で押し込まれ、5点目を決められてしまう。

【失点】
ロスタイム2、中央を飛び出したアルイテハド(27)がワンタッチで飛び出した広野をかわすと、このボールがそのまま枠を捕らえ、ついに6点目を奪われてしまう。

そして、試合がここで終了を迎える。

前半を2-1と好ゲームで折り返しながらも、1人少ない状況の中で相手のカウンター攻撃に苦しめられる形で失点を重ね、2-6という残念な結果となってしまった。

しかし、アウェイで挙げた貴重な2点はチームにとっては勝ち上がりに大きな光明を残している。これを活かし、来週行われるホーム・瑞穂での次の試合では、絶対にリベンジを果たしたい。


試合終了後記者会見

091021_sto.jpg今日のこの結果は重い結果、予期していない結果です。10人での戦いの中、アルイテハドは良いチームで、この10人というところをアドバンテージに使われてしまったと思います。我々も2点を取りましたが、このような結果になってしまったことは、ひとつの人生ではないかと思います。

Q.終盤30分以降になって運動量が落ちてしまったと思われますが?

体力が最後までもたず、相手の攻撃にしっかりと抵抗できませんでした。

Q.このような状況の中、2戦目はどのような戦い方を?

確かにアドバンテージはアルイテハドの方にあると思いますが、我々としても出来る限り、我々が勝つようにしていきたいと思います。難しいけれども、11人で戦えれば今日の結果は違っていたと思います。今日は1人少ない中、とてもハードな試合になりました。

Q.2-1になってからどんな指示を?

アルイテハドは素晴らしいチームなので、守備をしっかりと固めてカウンターを狙うことを指示しました。10人で2ゴールを決めてはいましたが、その状況で3点目4点目を取りに行くことは難しいことでした。