AFCチャンピオンズリーグ2009準々決勝第2戦:名古屋グランパスvs川崎フロンターレ

最終更新日時

2009/10/01 15:57

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名古屋市瑞穂陸上競技場 9/30(水) 19:00キックオフ

試合前

午後6時10分過ぎ、雨の中へ名古屋のGKの2人、広野と西村がゆっくりとした足取りで登場。すると雨にもかかわらず、早い時間帯からスタンドを埋め尽くしている名古屋サポーターの"赤い波"が揺れ始め、力強いコールが二人を勇気付けるように飛び交う。

そして15分ほど遅れて名古屋のフィールドプレーヤーがピッチへと走り込んでくると、その応援のボリュームが一際大きくなる。この時間は雨脚が落ち着き、ピッチ上は濡れてはいるものの、水の溜まった箇所はなく、この後に控える決戦に向け、準備万端の様子だ。

国立での初戦では貴重なアウェイゴールを挙げたケネディ。今季途中加入ながらも、すぐにチームに溶け込み、前の試合では、鹿島を撃破するきっかけとなった最初のゴールも彼が決めたもの。今や名古屋の攻撃になくてはならない選手ということを彼も自覚してか、今日はいつもとは少し気合いの入り方が違う。勝たなければならない今日の試合でも、きっとチームを新たなる高みとチームを押し上げる活躍を見せてくれることだろう。

鹿島戦では監督の計らいもあって遠征に帯同しなかった中村だが、今日はしっかりと先発メンバーに名を連ねている。楢崎が不在ということもあるが、今やチームの精神的な柱としての存在は充分だ。間違いなく厳しい試合となる今日、10戦勝ちなしの川崎を打ち破る歴史的な日に、AFCアジアチャンピオンズリーグ準決勝進出という"華"を添えるためにも最後まで選手達を引っ張っていって貰いたい。

午後6時47分、雨の中で入念にコンディションを整えた選手達は、決戦に向け満を持した表情を見せてピッチを後にした。

前半

午後6時55分、アジアの頂点を目指す名古屋に向け、雨の中で熱い声援を送るサポーターの前に選手が入場。スタンドは、サポーターの打ち振る赤い旗の中に、勝利の"Vサイン"を示す黄色が色鮮やかに揺れている。

今日の先発メンバーは、GK広野、DFは、右から田中・吉田・増川・阿部の4人。中盤は、右に小川、左にマギヌン、ボランチは中村とペアを組むのは、鹿島戦での活躍が新しい三都主だ。そして、FWは玉田とケネディの、日豪の代表の2人。ストイコビッチ監督は4-4-2の布陣でこの試合に臨む。

前半は左エンドの、ホーム・名古屋のキックオフでスタート。

1分、三都主がDFの裏を狙う玉田へ縦に送ろうとするが、DFの網に掛かってしまった。
2分、右に抜け出す小川へと入ったボールが落ちてきたところを、田中が寄せて貰う。しかし、DFの早い寄せにボールを失ってしまった。
3分、左から川崎・レナチーニョが入り込んでくるが、ここは田中・吉田がしっかりと寄せてボールを奪い取る。
4分、左からの川崎のCK。川崎・中村のボールをニアサイドで川崎・伊藤が頭で流し込んでこようとしたが、ボールは大きく上がってクロスバーを越えていった。
6分、中央でマギヌンからのパスを受けた中村。しかし、前を向こうとしたところで厳しいチェックに潰されてしまう。
7分、DFの裏へのロングボール。左を抜け出したレナチーニョが拾ってクロスを挙げてくるが、これは精度を欠き、大きく逆へと抜ける。
8分、川崎・村上からの裏へのボールに、吉田を振り切りながら川崎・鄭が抜け出すが、これはオフサイドに。
9分、右に上がる川崎・森へとパスが通ると、持ち上がってきてエリアの外からのシュートを放ってくる。しかし、これは落ち着いて広野が正面で処理。
10分、マギヌンからのパス。これを小川が中央のケネディの背後へ、パスをダイレクトで送る。しかし、これはDFに縦への突破を阻止されtしまう。
11分、中央で短くパスを繋ぐと、最後、マギヌンが縦に送ってケネディを走らせるが、ここもDFに突破を止められてしまう。
13分、右タッチ際での縦パスを受けた玉田。縦へと抜け出そうとボールを動かすが、ここは川崎・伊藤の早い寄せにボールを奪われてしまう。
15分、川崎陣内中央でのFK。これを三都主が右に短く送ったボールを、吉田が縦にパス。受けた田中が鋭く入れたボールはDFに弾かれてCKに。

16分、右からのCKはニアで弾かれ、こぼれ球を拾われるが、カウンターへと持って行かれる前に小川がカット。
17分、左からのマギヌンのクロスに、玉田が入り込んで頭で合わせようとしたが、これは体勢が崩れミートできず。
18分、左からのCKのチャンス。小川からのボールは簡単に跳ね返されてしまうが、こぼれたところを繋ぐと、最後、右で貰った玉田が中へと入り込みながら、左足でシュートを放つ。しかし、これは力が入ったのか、シュートは左ポストの外。
19分、右からの田中のクロスボールはDFに弾かれ、右からのCKに。しかし、玉田の蹴ったボールに入り込んだ小川の前でDFがクリアしてしまった。
20分、左から阿部のパスを受けたマギヌン。速めのクロスを入れると、中央でDFの前に足を伸ばしたケネディがボールタッチを見せる。しかし、体を寄せてきたDFに体勢が崩されてしまい、ボールを失ってしまう。
22分、吉田からの縦へのロングフィード。これをケネディが頭で落としたところへ小川が入り込むと、右足でのシュートを放つが、これは惜しくもクロスバーの上。
24分、エリア内での競り合いで落ちてきたボールをレナチーニョが川崎・ジュニーニョへと繋ごうとするが、ここは素早く寄せた中村がボールを奪い取る。

【得点】
26分、やや右よりの位置でパスを受けた小川。ドリブルで仕掛けると、遠目の位置から豪快に放ったシュートが川崎のゴールマウスを捕らえ、名古屋に待望の先制点が決まる!
28分、自陣中程やや左での川崎のFK。川崎・中村の右足からのボールは中央で跳ね返すが、これをクリアしようと中村が蹴ったボールが自陣の上に。川崎の選手がこれを狙ってくるが、ここは阿部が頑張って体を入れてタッチの外へと大きく蹴り出した。
30分、右でジュニーニョからのパスを受けた森から、ゴール前へクロスを入れられてしまう。中央で鄭が飛び込んできたが、その僅か上を抜けたところで川崎・谷口が触ったボールは左へと流れ出た。

32分、中央で玉田が縦へと鋭く仕掛ける。DFが寄せてきたところで、左に入り込んでくる小川に送ったが、これはDFがカットしてしまった。
33分、左からのCKのチャンス。三都主が鋭く入れたボールは、ニアで弾かれてしまう。

【得点】
34分、川崎陣内右中程でのFKのチャンス。三都主の蹴ったボールがゴール前へと飛び込むケネディ・吉田に向かう。そしてこれに合わせた吉田のヘディングシュートが、見事、川崎のゴールを捕らえ、2点目となるゴールが名古屋に決まる。
36分、中央でルーズになったところを拾ったジュニーニョ。縦へと仕掛けてくるが、スピードが上がり始める前に中村がしっかりと寄せてボールをカット。

【失点】
37分、左でボールを貰った鄭が中へと切れ込んだところで、鋭く振り抜いた右足のシュートが名古屋のゴールを割り、1点を川崎に奪われてしまった。
40分、増川のパスをカットしたジュニーニョからのパス。これを中村が右に上がる森へと繋ぐと、ゴール前へとこれを流し込んでくる。しかし、ここはしっかりと戻った三都主がボールを拾い、相手のチャンスを潰す。
41分、川崎陣内中央ゴール正面でのFKのチャンス。これを三都主が、ゴール前へと詰めるケネディに合わせて蹴るが、DFに体を押さえ込まれ合わせることは出来なかった。
43分、左の阿部が意表を突いてロングシュートを放つが、これは枠を捕らえることは出来なかった。
44分、右からの川崎のCK。川崎・中村のボールは中央で弾くが、中央でのルーズボールを拾おうとした選手をマギヌンが倒し、エリアの数十センチ外でのFKを与えてしまう。
(ロスタイム表示:1分)

ロスタイム、川崎・中村が直接狙って強めのボールを蹴ってくるが、ここは壁でしっかりと跳ね返し、失点を逃れる。

そして、ここで前半終了。

名古屋が2-1でリード。前回の試合の結果を含め、全くイーブンで迎える後半となる。

後半

前半を2-1で、名古屋が川崎を1点リードして迎える後半残り45分。
両チーム共にメンバー交代は無し。

後半は右エンドの名古屋に対し、左にエンドを替えた川崎のボールで試合再開。

1分、川崎・横山からの裏へのボールに、ジュニーニョが抜けだして1対1の場面を迎えるが、これはオフサイドに。
2分、左から抜け出してきた川崎・村上の折り返しにレナチーニョが入り込んでくるが、ここは増川がしっかりと体を入れて、シュートを弾き出す。
4分、中央で中村のパスを受けた小川。縦へと抜けようとする三都主に送ろうとするが、これはDFに阻まれてしまった。
6分、右でマギヌンからのボールを貰った田中が仕掛けようとするが、これはDFに奪われてしまう。
7分、右の右のマギヌンからのシュートにケネディが放ったヘディングシュートが枠を捕らえるが、惜しくもこれは川崎GK・川島の正面を衝いてしまった。
9分、中央で玉田からのパスを受けた小川。ヒールでゴール前へと入り込む玉田に流し込むが、これはDFがカット。
10分、中央から左へと流れながら谷口が持ち上がってくるが、ここは厳しく寄せた中村がミスを誘った。
12分、右から川崎・中村が鋭いボールを三都主をかわして放り込んでくるが、体を入れた阿部が左足でカット。
13分、左からケネディからのパスを受けたマギヌンが中央に入れると、こぼれたところに中村が入り込み、体勢を崩しながらもシュートを放つ。しかし、これは僅かに高く、クロスバーの上へ。
14分、左からのCKのチャンス。小川からのボールはニアで弾かれ、再度、右からのCKのチャンスに。しかし、これも中央で川崎DFの高い壁に跳ね返されてしまった。
15分、自陣で相手パスをカットした田中からのパスを受けたマギヌン。DFの裏へと抜けようとする玉田へパスを送るが、これは長すぎてしまった。

17分、吉田のDFの裏へのロングボールは、ケネディに届く前にDFがカット。
18分、自陣エリアのすぐ外でボールを持って前を向いた川崎・中村。右足からのシュートを放ってくるが、ここは増川が体を張ってこのボールを跳ね返す。
20分、相手のパスを中央でカットしたマギヌンからのパス。これに反応したケネディの左足シュートが枠を捕らえたかと思われたが、これは川崎GKの指に当たって右のポストの外へ抜け出てしまう。
22分、中村からの縦パスに鄭が抜け出そうとしてくるが、ここは田中がしっかりと体を入れて相手のミスを誘う。
23分、川崎陣内中央ゴールやや左でのFKのチャンス。三都主のボールに詰めた選手の足下へとボールがこぼれるが、先に反応を見せたDFに蹴り出されてしまう。
24分、右に抜け出した田中からのクロスボールに、中央でマギヌンとケネディが飛び込むが、これは体が重なってしまい、枠へと飛ばすことは出来なかった。
25分、右から縦に、スピードに乗って上がる玉田が切り返して中を狙おうとしたが、ここはDFを振り切れずカットされてしまった。
27分、名古屋1・2人目メンバー交代:中村・三都主→ブルザノビッチ・吉村

28分、中央で玉田のパスを受けた小川が細かく繋ぎながら縦へのスルーを狙うが、これは寄せたDFがカット。
29分、川崎陣内中央でのFKを早くスタートさせるが、マギヌンから中央のブルザノビッチへのパスはカットされてしまう。

31分、玉田のパスを受けた吉村が、右に上がる小川へと送る。これを左に上がるマギヌンへと大きくサイドチェンジ。しかし、これは濡れた芝に球足が速くなり、追いつく前にボールはゴールラインを割ってしまう。
33分、吉田の強烈なミドルシュートが川崎のゴールを襲うが、これはGKがポストの右へと弾き出してしまった。
34分、右に森が持ち上がってくると、深い位置からクロスを上げてくる、しかし、レナチーニョには田中がしっかりとマークに付き、ファウルを誘った。
35分、川崎1人目メンバー交代:レナチーニョ→黒津

36分、自陣中程やや左での川崎のFK。早いスタートからゴール前に入り込んでくる川崎・黒津へとボールを入れてくるが、ここは吉田が早い反応を見せ、体を入れて蹴り出す。
37分、左の上がった位置で阿部がスローインからのボールを入れるが、これは中央に待つケネディには届かず。
38分、小川のパスを中央で受けた玉田が落とす。これを受けたマギヌンがシュートを狙うが、これはDFの正面を衝いてしまった。
40分、中央でマギヌンが個人技でDFをかわすと、右に上がる田中へとパスを送る。これを低いグラウンダーのシュートを田中が蹴る。しかし、これは川崎GKの正面を衝いてしまった。

【得点】
42分、右に抜け出す田中にパスが通ると、これをゴール前に丁寧に挙げる。これにファーサイドへ走り込んだマギヌンが合わせ、一旦はGKに阻まれるが、ゴール前に詰めていたケネディが落ち着いて中央から押し込み、ついに名古屋が3点目を決め、川崎を突き放す。
44分、川崎2人目メンバー交代:横山→田坂
右からクロスを入れてこようとしたジュニーニョのボールは、マギヌンが弾き返す。
名古屋3人目メンバー交代:玉田→バヤリッツァ
(ロスタイム表示:4分)

ロスタイム1、左からの川崎のCK。中村の入れたボールは代わって入ったバヤリッツァが弾き出す。
ロスタイム2、左の深い位置から強引に入れてきた川崎のクロスボールは、広野が落ち着いてジャンプして捕らえる。
ロスタイム3、川崎陣内深く左でケネディがキープを見せるが、川崎DF3人のプレッシャーでボールを失ってしまう。

そして約4分のロスタイムを経て、主審の長いホイッスルがホーム・瑞穂陸上に響き渡り、名古屋が川崎相手に11試合振りの勝利を挙げたことを告げる。

そして、そして、AFCアジアチャンピオンズリーグ準々決勝を1勝1敗としながら、宿敵・川崎に総得点で上回り、見事、準決勝へと駒を進める結果となった。


試合終了後監督記者会見

090930_sto.jpgまず最初に、選手達に対しておめでとうと言いたいと思います。本当に良いゲームでした。3-1という結果に値するプレーを今日は見せてくれたと思います。
今日は我々がしっかりとゲームをコントロールし、良いプレーをしていました。戦術面、技術面でもしっかりとしたものを見せる事ができましたし、選手を誇りに思います。そして、AFCチャンピオンズリーグでベスト4へ進出した事を嬉しく思います。

Q.今日は三都主選手を先発で起用しましたが、その理由をお聞かせ下さい。

この前のリーグ・鹿島戦を見て、彼は中盤でボールを落ち着かせる技術を持っていると判断し、今日も起用しました。これは良い選択だったと思います。

Q.その三都主選手と中村選手の2人を同時に交代させました。これは大胆な策だったのではないでしょうか?

残り10分で、フレッシュな状態で動ける選手が必要でした。特にボランチの位置はエネルギーを多く消費しますし、疲れているなという判断で交代させました。そして、その中盤のゾーンにフレッシュな状態の吉村とブルザノビッチを投入しました。

Q.ベスト4進出を決めましたが、どういうお気持ちでしょうか?

この大会でベスト4へ進出できる事は、素晴らしい事です。これはクラブにとって素晴らしい事ですし、私にとっても素晴らしい事です。そして、グランパスサポーターにこのような成績をプレゼントすることができて、嬉しく思います。

Q.今日の選手のパフォーマンスについて、どこが特に良かったのでしょうか?

今日は試合に入る前から、私自身もワクワクしていました。選手はとてもクレバーな、知性の溢れるプレーをしてくれました。最後まで3点目を獲れるという確信を持って、試合を見ていられました。

Q.川崎フロンターレは試合によって、選手の並び方を変えたりもしてくるチームでしたが、今日は驚きはあったのでしょうか。それとも、相手の形にはあまり意識は無かったのでしょうか?

もちろん、監督として相手の事を考える必要はありますが、私自身のアイデアとチームに集中していました。今日の試合において、川崎の戦い方とスタイルは理解していますし、それほど驚きはありませんでした。今日は、我々の選手が攻守両面で、ミーティングで話した事をしっかりと守り戦ってくれました。先週の東京の試合での結果には少し驚きましたが、瑞穂で戦う2戦目で結果を出してくれた事を嬉しく思います。
川崎フロンターレというチームはしっかり守って、相手のミスを突きカウンターを仕掛けるチームです。そういうチームに対し我々はミスを避ける事が重要となりました。今はクリスマスシーズンではありませんし、ミスから川崎にプレゼントを与えてはいけません。厳しい試合でしたが、選手はハードに戦い抜いてくれました。そしてチームスピリットを持ち、組織的に戦えたと思います。
川崎フロンターレというチームにはここ数年勝てていませんでしたが、今日はその歴史も塗り替えるという思いがありました。前にも話しましたが、歴史とは壊す為にある物だと思っています。今日はグランパスのスタイルを持ち、見ていても楽しいサッカーが出来たと思います。

Q.これで日本勢として残り1チーム、名古屋はもちろん、今後は日本を代表して戦うという事にもなるかと思いますが?

まずはじめにグランパスというクラブにとって意味のある事です。そして今日の結果で、日本を代表するクラブとなる事が出来ました。そして今後は、我々の日本のサッカーが通用するか、試されることになると思います。準決勝に進む事は大変嬉しいのですが、もちろん、ここで立ち止まるつもりはありません。

リーグ・鹿島戦と今日の川崎戦でメンバーを数人入れ替えましたが、選手を混ぜながら戦いながらも、2試合とも安心して見る事が出来ました。重要な事は、誰がプレーをするかではなく、どのようなプレーをするかです。今日のゲームには監督として、とても満足しています。