AFCチャンピオンズリーグ2009準々決勝第1戦:川崎フロンターレvs名古屋グランパス

最終更新日時

2009/09/27 11:41

AWAY GAME

国立競技場 9/23(水・祝) 15:00キックオフ

試合前

午後2時25分、川崎のメンバーに先駆けて、名古屋の選手達が国立のピッチに登場。すると、アウェイ側のスタンドを埋める名古屋のサポーターから力強い拍手が送られる。中村を先頭に芝に足を踏み入れると、改めてサポーターに向け大きく挨拶を交わした後、選手達は最後の調整をスタートさせた。

先週行われた大宮戦自らゴールを決めただけでなく、小川のゴールのお膳立ても見せるなど、2試合を出場停止で出られなかったマギヌン。まさに気を吐くプレーでチームを勝利に導いたことは、記憶に新しい。そして、今日はAFCアジアチャンピオンズリーグ準々決勝の初戦、奇しくも彼にとっては古巣の川崎フロンターレが相手という因縁めいたものさえ感じさせる。リーグでの2試合で苦杯を舐めさせられているだけに、今日は誰にも増して、絶対に勝ちたいという気持ちで胸の中は一杯だろう。

怪我で戦列を離れている楢崎に替わり、ゴールマウスを守る広野も今日は気合い充分のようだ。初めて立つ国立のピッチでの川崎戦。相手のGKは元同僚の川島だ。経験では先輩に当たるだけに、名古屋の守護神の名を背負っているに相応しい、好プレーを見せて欲しいと思う。

約20分、国立の芝を味わうかのように丁寧のボールを動かしてコンディションを整えた選手達は、最後に、いつものようにピッチ横でのスプリントを繰り返した後、まもなく始まる熱戦に向け、満を持した表情でロッカールームへと向かっていった。

前半

両チームのメンバーが発表されるたびに、国立のスタンドは大きな拍手とブーイングが飛び交い、この後に行われる試合に向け、両チームのサポーターは既に準備万端だということが伺える。

そして、川崎側は黒と水色の、名古屋側は黄色と赤のフラッグが打ち振られる中に、両チームのメンバーが入場。スタジアムに緊迫感がみなぎる。

今日の先発メンバーは、GK広野、DFは、田中・吉田・増川・阿部の4人。中盤は、右に小川、左はマギヌン、ボランチに位置は中村と吉村の2人。FWはケネディと玉田。名古屋の指揮官・ストイコビッチ監督は、大宮戦同様、4-4-2の布陣からスタート。

前半は、左エンドの川崎に対し、右から攻め上がる名古屋。キックオフは川崎。

1分、中央で川崎・レナチーニョからのボールを川崎・ジュニーニョが狙ってくるが、ここは先に追いついた吉村がボールを処理。
2分、右の玉田からの長いパスを受けた阿部。早めにゴール前へと放り込むが、ここはケネディが追いつく前に川崎GK・川島がキャッチしてしまう。
3分、右に流れながらジュニーニョがシュートに来ようとするが、ここは中村がしっかりと前を阻み、ミスを誘った。
4分、マギヌンからのパスに、玉田がDFの裏へと抜け出すが、DFが体を入れたところでボールを失ってしまった。
5分、ケネディの落としたボールを中村が拾うと、右に上がる田中へと送るが、ここは川崎DFのスライディングに止められてしまう。
6分、マギヌンの斜めに鋭く入れたパスに、小川が右から入り込んでくる。しかし、僅かにDFの足が早く、ボールをカットされてしまう。
7分、中央をドリブルで仕掛ける玉田から縦へのパス。これにマギヌンが抜け出そうとしたが、パスが短くDFに奪われてしまう。
8分、中央へと川崎・中村のスルーパスにジュニーニョが入り込んでこようとするが、このパスは吉田がしっかりとカットする。
10分、右から玉田とのワンツーで田中が上がってくるが、ここは玉田からのパスをクリアされてしまった。
12分、ロングボールに川崎・鄭が抜け出そうとしてくるが、増川、吉田がしっかりと阻んだところで、広野がボールをキャッチ。
13分、川崎・井川のロングボールがゴール前へと入り込んでくるが、ここは果敢に飛び出した広野が弾き出す。
14分、レナチーニョからのパスに鄭が中へと入ってくるが、トラップしたところを中村が逃さず、ボールを奪い取る。

16分、自陣深く右での川崎のFK。中村の入れたボールがこぼれたところを、中央でレナチーニョがシュートにくる。ここは、大きく弾んだところを、広野が落ち着いてキャッチ。
17分、川崎陣内左深くでマギヌンが2度3度と切り返してクロスを入れる。これにケネディが入り込むが、川崎GKの両手がボールを捕らえてしまう。
19分、自陣中程やや右寄りでの川崎のFK。中村のゴール前へのボールに鄭が足を入れてくるが、ここは付いていた吉田へのファウルに。
21分、右の中村からのカウンターを狙ったボールに中央を鄭が上がってくる。ここはこれを予想していた田中が、いち早くボールに入りマイボールに。
22分、左をえぐってきたジュニーニョのゴール前へのクロスボールは、増川がしっかりと頭で叩き出す。
23分、中央へとスピードの乗ったドリブルを見せてきたジュニーニョのクロスボールにレナチーニョが入り込んでくるが、ここは吉田がしっかりとケア、相手のミスを誘う。
24分、川崎陣内中央ほぼゴール正面の位置でのFKのチャンス。これを小川が強烈なボールを蹴るが、壁に当たって弾かれてしまった。
26分、左の阿部からのパスを中央の中村。ワンタッチでエリア内へと進入を図る玉田に送るが、これは足下に上手く収まらず、川崎DFに渡ってしまった。

【得点】
27分、右に流れていた中村からのクロスボール。これをゴール前でDFに競り勝ったケネディが、ヘディングシュートをゴール左に沈め、名古屋が先制点を叩き出す。
30分、スピードの乗ったドリブルを見せるジュニーニョをペナルティエリアすぐ右外で倒してしまい、危険な位置でのFKを川崎に与えてしまう。

31分、中村がFKを直接狙って蹴ってくるが、壁でしっかりと弾いて、枠の外へ弾き出す。右からの川崎のCK。中村のボールを川崎・伊藤が流し込んだところで、ファーサイドにいたジュニーニョが狙ってくるが、ボールはその前を通過、そのままゴールラインの外へ。
33分、中央で相手のパスがルーズになったところを拾ったケネディ。中村に預けると、中央を一気に駆け上がるが、中村からのボールは相手に当たってしまう。
35分、左からのCKのチャンス。小川の蹴ったボールは、ニアの選手に跳ね返されてしまった。
36分、右から強引なドリブルを見せたレナチーニョの左足シュートは、広野が正面で落ち着いて抑えた。
37分、自陣でボールを右で拾ったマギヌン。左を上がる小川を狙って、長いボールを蹴る。しかし、これは先に川崎DFが追いつくと、タッチラインの外へとクリアしてしまう。
38分、左からDFの裏へと抜け出してきたジュニーニョと広野が1対1の場面を迎えるが、エリア内で放ったシュートは広野が正面で弾き、ゴールを死守。
40分、右をカウンターで抜け出してきたジュニーニョ。中央へと入り込んで放ったシュートは、前へと飛び出した広野が正面で弾く好セーブをまたしても見せ、名古屋のゴールを守る。
41分、右からの川崎のCK。中村のボールを中央で合わせた鄭のヘディングシュートはクロスバーを叩いて、ゴールを越える。
43分、右から入り込んでくる田中からのパス。これを、中央で受けた吉村が、やや遠目だったが左足でのシュートを放つ。しかし、これはDFに当たって勢いが無くなったところをGKに抑えられてしまう。
44分、川崎陣内左中程でのFKのチャンス。小川のボールにケネディ、増川、吉田と飛び込むが、触れることが出来ないまま、川崎GKが抑えてしまう。
(ロスタイム表示:2分)

ロスタイム1、左をケネディがドリブルで上がるが、ここはDFの足が速く、トラップしたところを体を入れられ、相手ボールに。
ロスタイム2、左からマギヌンの入れたクロス。これに中央へとケネディが飛び込んで合わせたヘディングシュートは、川崎GKの正面を衝いてしまった。
ロスタイム3、自陣中程左寄りの位置での川崎のFK。しかし、これは遠いサイドへと入れてきたところを阿部が体を張ってボールを跳ね返す。

そして、前半はアウェイの名古屋が川崎を1点リード、最高の流れで折り返す。

後半

前半を終え、宿敵・川崎に対して1点リードする名古屋のキックオフで後半戦がスタート。
両チーム共にメンバー交代は無し。後半は左エンドの名古屋。

1分、左中程から前を向いて攻め上がろうとしたマギヌンが倒され、FKを得る。しかし小川の蹴ったボールは、飛び出したか川崎GKが正面でキャッチしてしまう。
3分、右からドリブルで仕掛けてこようとするジュニーニョだったが、ここは吉村と小川で厳しく寄せて潰すと、ボールを奪い取る。
4分、中央で川崎DFの競り合いから玉田が抜け出そうとしたが、これはファウルに。
5分、DFの裏へと出たボールにケネディがタイイング良く飛び出すと、右からのシュートを狙うが、ここは角度が無く川崎GKにポスト右へと、簡単に弾き出されてしまった。
6分、左を縦に抜け出した玉田からのクロスに、逆サイドから抜け出したケネディ。胸トラップで前へと攻め上がろうとするが、これはオフサイドになってしまった。
7分、中央でのボールをジュニーニョに奪われると、そのまま縦へと入り込んできてシュートにくる。ここは一気に守備に戻った小川がこれを弾き、こぼれたところを吉村が大きく縦にクリア。
9分、右に攻め上がった田中からのパスを寄せて受けたマギヌン。切り返しでDFを寄せたところで、中央に待つ小川にラストパス。ダイレクトで合わせたシュートは、惜しくもクロスバーの僅かに上へ。
10分、ゴール正面でのルーズボールを鄭がシュートにくるが、ここも落ち着いて広野がボールを取り押さえる。

【失点】
13分、自陣左深くでの川崎のFK。中村が鋭く低い弾道で放ったボールが名古屋のゴールを捕らえ、川崎に同点に追いつかれてしまう。

16分、右を上がってきた中村からの縦パス。これを上手くDFラインを抜け出したケネディがゴール前へと流し込む。しかし、これは誰も詰めることができなかった。

【得点】
18分、右からのシュートがポストを叩く。こぼれたところを拾った鄭のシュートは広野が弾くものの、こぼれたところをゴール前に詰めていたジュニーニョに押し込まれ、ついに川崎に逆転を許してしまう。
20分、左から入り込もうとしたレナチーニョだったが、田中がしっかりと押さえ込んだところで、小川がボールをクリア。
21分、左からの川崎のCK。しかし、中村のボールは大きく、そのまま逆サイドへと抜け出す。
23分、右のケネディからの裏へのパスに玉田が抜け出そうとしたが、ここは川崎DFを振り切れず、チャンスに繋ぐことは出来なかった。
24分、川崎ゴール正面での競り合いからボールを拾った中村が左に展開、これを小川がゴール前へと放り込む。しかし、詰めるケネディに届く前に、DFが弾き出してしまった。
25分、中央へと飛び込む玉田を狙って、小川がクロスを入れる。しかし、これはタイミングが合わず、触ることは出来なかった。
26分、名古屋1人目メンバー交代:吉村→ブルザノビッチ

27分、左から阿部が、中央のケネディに楔のボールを入れるものの、DFへのファウルを取られてしまう。
29分、吉田の縦パスをブルザノビッチがワンタッチで縦へと送ろうとしたが、これは短くなって相手へと渡ってしまった。
30分、右へと抜け出した鄭からのシュートは、広野が正面で弾く好セーブを見せる。

31分、中央でケネディが倒されると、これで得たFKを早めにスタート。右に抜け出した田中が右からゴール前を狙うが、DFに当たって枠の外へ流れ出てしまう。
32分、左からのCKのチャンス。玉田のボールに中央へ吉田が飛び込むが、これはその前でクリアされてしまった。
33分、右で中村のパスを受けたマギヌン。中へと入りながら、エリアの外からのシュートを放つ。しかし、惜しくもGKの正面を衝いてしまう。
34分、川崎1人目メンバー交代:レナチーニョ→山岸

35分、中央をドリブルで上がるブルザノビッチから左へのパス。しかし、阿部が反応が遅れたところを奪われてしまった。
36分、右で中村のヒールパスを受けたジュニーニョがシュートを狙ってくるが、これは大きくゴールを越えていった。
38分、マギヌンが左で中へと入るタイミングに合わせて、小川にパス。これを小川が入り込んで貰おうとするが、これはパスがずれたところを奪われてしまった。
39分、右に上がる小川からのパスを受けようと、縦にケネディが入り込む。しかし、これはパスが短く、DFにカットされてしまった。
40分、右から入り込んできた鄭のシュートは、増川が体を張って弾き出す。
41分、右からの川崎のCK。中村のボールを、中央で山岸が頭で合わせたボールは大きくゴールを越える。
42分、名古屋2・3人目メンバー交代:中村・玉田→三都主・巻

43分、三都主からのDFの裏へのパスをブルザノビッチが狙うが、これはDFがカット。
44分、川崎陣内深く右でのFKのチャンス。三都主のボールにケネディが飛び込むが、DFがカット。さらにこぼれたところを中央で小川がシュートを狙うが、これも壁に弾かれ、枠を捕らえることは出来なかった。
(ロスタイム表示:3分)

ロスタイム1、左から三都主がクロスを入れるが、DFの頭が阻んでしまった。
ロスタイム2、右に抜け出した田中からのグラウンダーの折り返しに、中央へ走り込んだ巻が足に当てる。しかし、ボールに僅かに右に流れてしまい、ポストを掠めて外へと流れ出てしまった。

そして、川崎GKが大きく自陣からボールを蹴り出したところで主審の笛が鳴り、またしても名古屋は川崎を下すことが出来ないまま、試合終了を迎えることとなった。

しかし、点差は僅かに1点、来週のホームでの準々決勝第2戦に向け、勝ち上がりの可能性は、まだ充分に残されているといって良いだろう。


ストイコビッチ監督

090923_sto.jpg今日は良いゲームだったと思います。試合開始からグランパスも良いプレーで試合をコントロールする事が出来ていました。難しいゲームで結果的に負けてしまいましたが、前向きに考えても次に繋がるゲームだったと思います。

Q.ケネディ選手が3本の決定的なヘディングから1本を決めました。彼のプレーについては?

まず最初に、今日対戦した川崎フロンターレというチームは、J1リーグの中でもベストなチームの1つだと思っています。特にカウンターが脅威となるチームだという事は我々として認識しています。その点に対して集中する必要がありましたし、不用意なミスを無くす必要もありました。そのため今日は、しっかりとパスを回して良い動きをしながら試合を組み立てる事が狙いでした。確かにケネディの素晴らしいヘディングからゴールが生まれましたが、あのシーンは全ての選手の素晴らしいコンビネーションがあって生まれた物だと思っています。試合終了間際にも決める事が出来ませんでしたが、巻に決定的なシーンがありました。
2点目を決める事ができれば良かったのですが、チームとして今日は良い戦いが出来たと思っています。

Q.前半に比べて、後半は中盤から前の位置で試合を作る事が出来なくなったようにも思いますが?

後半の私のプランは、前半の戦いをそのまま続ける事でした。体力的に厳しい試合でしたし、徐々にグランパスの選手の忍耐力と運動量が失われていったのかもしれません。最初の失点は、味方の壁が動いた事から、簡単に相手にゴールを与えてしまいました。私としても受け入れられないゴールでしたが、実際には受け入れなければいけませんでした。その後の時間帯、集中力を切らし2失点目をしてしまったというゲームでした。

Q.今日はアウェイゴールを決めましたが、この試合ではアウェイゴールを決める事に重点を置かれていたのか、それとも引き分けでも良いので慎重に戦う事を考えていたのでしょうか?

今日の目的はまず、得点を決める事でした。我々は勝つためにここ、東京まで来ました。そして実際にゴールは決めましたが、試合に勝つ事は出来ませんでした。これもサッカーだと思っています。
今日は我々としても良いサッカーを出来るという事を証明できたと思います。まだ試合は終わっていません。我々のホームでベストを尽くし、得点を決め勝ちたいと思います。

Q.その第2戦、カウンターを得意とする川崎に対し、アウェイゴールの意味も含めどういう戦い方をするのでしょうか?

まだ1週間ありますし、まずはビデオを見て分析したいと思います。川崎のカウンターに注意するのは確かです。フロンターレにはスピードがあり優れた選手が揃っています。その相手に対して激しくプレーをし、集中力を保つ必要があります。そしてその前線の選手達に、自由にプレーする為のスペースを与えてはいけません。第2戦も、今日のような面白いゲームになると思います。

まだ試合は終わっていませんし、諦めていません。名古屋へ戻ってあと90分の戦いが有りますし、我々のベストを尽くしたいと思います。