2009J1リーグ第19節:浦和レッズvs名古屋グランパス

最終更新日時

2009/07/26 17:07

AWAY GAME

埼玉スタジアム2002 7/25(土) 19:03キックオフ

試合前

太陽が西に沈み、心地よい風の吹く埼玉スタジアム2002。午後6時25分、グランパスの選手達がピッチへと姿を現すと、レッズサポーターから大きなブーイングが沸き起こる。埼玉スタジアムではおなじみとなった光景だが、選手達には萎縮する表情も見られず、心地よく感じられるのではないだろうか。

前節京都戦でJデビューを果たしたケネディ。そのデビュー戦でゴールを決めた持ち前のヘディングはもちろん、前線のターゲットマンとしてボールが収まる事により、2列目のマギヌンや小川もペネアルティエリア内へたびたび侵入するなど、昨年のような連動した攻撃の片鱗が見られた。残念ながら決定力の高さを見せられず試合は引き分けとなってしまったが、ストイコビッチ監督の言う"新生グランパス"をサポーターへと印象づけられたのではないだろうか。

注目はミッドフィールダーの小川。昨年、このスタジアムで相手GKのミスを逃さず決めたゴールを皮切りに、ナビスコカップを含め4度対戦した浦和レッズ相手に3試合でゴールを決めるなど"浦和キラー"として君臨し、さらにはJリーグ新人王へと邁進した。今日も前線のケネディ、さらに玉田、マギヌンといった高いテクニックを持つ選手とのコンビネーションから生まれるゴールに期待したい。

そしてここ埼玉スタジアムは、ストイコビッチ監督自身にとっても、監督として初勝利を収めた想い出の場所。アウェイサポーター席は完売し、スタジアム内の一角に膨れ上がったグランパスサポーターの前で、昨年の再現を見せてくれるのではないだろうか。

スタジアムに大音量でのBGMが鳴り響き、両チームのサポーターからそのBGMに負けないくらい大声量でのコールが響き渡るなか、午後6時45分、試合前のウォーミングアップを終えた選手達は、これから始まるゲームに向け、熱い闘志を抱きながらロッカールームへと姿を消した。

前半

真っ赤に染まる埼玉スタジアム、その一角に陣取ったグランパスサポーターからチームを鼓舞するチャントが響く中、選手達がピッチへと入場。

この日のスターティングメンバーはゴールキーパーに楢崎。ディフェンスラインは右から田中、吉田、増川、阿部の4枚。ミッドフィルダーには小川、中村、山口、マギヌンの4人が並び、フォワードは玉田、ケネディの2トップで臨む。

前半、メインスタンドから向かって左にエンドを取った、白いユニフォームのグランパスのボールでキックオフ。

1分、中盤で山口が浦和・細貝へとプレスをかけるが、後ろから倒してしまいファールの判定。
2分、左サイドでケネディ、マギヌン、阿部と繋ぎゴール前へクロス。このボールに右から小川が飛び込むが、トラップが落ち着かずクリアされる。さらに拾った中村が右足でシュートを放つが、これは枠の左へ。
4分、中盤パスを繋ぐ浦和、そのまま左サイドを抜けた原口にシュートまで持ち込まれるが、これは枠を外れる。
5分、中盤からの縦パスに、浦和・エジミウソンが名古屋ディフェンスの裏を狙うが、増川がラインを上げオフサイドを取る。
7分、FKから名古屋ゴール前へロングボールを入れられるが、吉田が頭でクリア。
9分、浦和・山田(暢)にドリブルでジリジリと持ち上がられるが、ディフェンスラインへ戻った山口がボールをカット。
11分、ディフェンスラインからのロングボールを、ケネディが前線でキープ。ここへ小川がサポーターとして上がるが、間に合わず相手にボールを奪われる。
12分、右サイド田中から左サイドのマギヌンへ大きなサイドチェンジを送るが、相手DFに寄せられボールはラインを割る。
13分、ゴール前でのボール繋ぎから、中村が左足でミドルシュートを放つが、これは枠の上へと飛んでしまう。

【得点】
14分、左サイド阿部かの大きなサイドチェンジ。これをエリア内右へ上がった小川が拾うと、中央の玉田へ。相手ゴールを背にしてボールを受けた玉田だが、ディフェンスを背負いながら中央へとターンし、そのまま左足でゴールを決める。

立ち上がり、強い風の為かロングパスの精度も低く、ペースの掴めなかったグランパスだが、小川の粘りと玉田の個人技で先制ゴールを決めた。ここから、攻めに出てくる浦和に対し冷静に試合を進めたい。

16分、右サイド田中から前線の玉田の前へと、スルーパスが送られるが、追い付くことができずゴールラインを割る。
18分、右サイドでボールを受けた玉田が、ケネディの前へスルーパス。さらに左サイドエリア内にフリーでマギヌンも上がるが、ボールが上手く足下に収まらず、相手GKにキャッチされてしまう。
21分、中盤でボールを奪ったグランパス。マギヌンが左へ上がる玉田をおとりに、右サイドの小川へとロングパスを狙うが、相手DFにクリアされてしまう。
22分、名古屋ゴール前でボールを繋ぐ浦和。最後は右サイドにいた原口にクロスを上げられるが、このボールは大きく中央を超える。
23分、左サイドで粘る玉田が、一旦後ろへボールを戻す。阿部がこれをゴール前へとアーリークロスで放り込むが、相手GKにキャッチされてしまう。
25分、浦和左サイドからの攻撃を受け、中央でエジミウソンにシュートを打たれるが、阿部が体でこれをクリア。さらに拾ったボールをポンテに狙われるが、このボールはクロスバーを超える。
26分、左サイド阿部から大きなサイドチェンジ。これを拾った小川が、中央へ走り込んでくる田中へとパスを繋ぐと、そのままシュートへと持ち込むが、相手GKにキャッチされてしまう。
28分、中盤まで下がったケネディがボールを受けると、右サイドを上がる小川へとパスを狙うが、これはサイドを割ってしまう。
29分、増川から縦パスを受けたマギヌン。中央でボールを持ち替えると、前線へと走り出す玉田の前へパスを狙うが、これはわずかに長く相手GKにキャッチされる。
30分、左サイドでボールを受けたマギヌンが、ゴール前中央のケネディめがけクロスを上げるが、相手DFにクリアされる。

先制ゴールを決めた名古屋。その後ビッグチャンスはそれほど作れていないが、徐々に高いラインを取り始めた浦和DFの裏にスペースが生まれてくるだけに、精度の高い攻撃でここを狙いたい。

31分、グランパス右からのCK。玉田が左足で上げたボールはクリアされるが、それを拾った名古屋が繋ぎ、ゴール前の吉田へ。さらに頭で落とした所を増川がボーレーで狙うが、枠を大きく超えてしまう。
32分、中盤の玉田からのパスを受けた小川。右足でシュートを放つが、これは力無く、相手GKにキャッチされる。
33分、浦和・ポンテのキープからエジミウソンにシュートを打たれるが、枠の右へ。
浦和1人目交代:高橋→山田(直)

35分、中盤でマギヌンが倒されFKを得ると、小川がゴール前へと上げるが、相手DFと競り合った増川がファールの判定を取られる。
37分、浦和のカウンターからポンテにループシュートを狙われるが、大きく枠を超える。
38分、山口のパスカットから右サイドの中村、田中、さらにエリア内へと飛び込む小川へとボールを繋ぎ、ゴール前への折り返しを狙うが、相手DFに当たりゴールラインを割ってしまう。
39分、山口からのパスを受けたマギヌンが、中央のケネディへ。さらに左サイドを駆け上がりリターンパスを狙うが、ボールが強くサイドラインを割ってしまう。
40分、浦和エジミウソンのポストプレーから、右サイドのポンテにクロスを入れられるが、楢崎がキャッチ。
42分、マギヌンが強引なドリブルで中央突破。ここを後ろから引っ掛けられ、倒されたように見えたが、ファールの判定は取ってもらえず。
43分、田中からのクロスを、ゴール前中央のケネディが胸で落とす。これを受けた山口が左足でボレーシュートを放つが、相手DFに当ててしまう。

ロスタイム1、浦和右サイドの山田(暢)にクロスを上げられるが、中央を大きく超える。そしてこのボールをクリアしたところで、前半終了。

アウェイでのゲーム貴重な先制ゴールを決めたグランパス。しかしながら、カウンターのシーン等ではまだ新加入のケネディとその他の選手での連携にミスも見られ、もったいないシーンもあった。
後半、前掛かりでくるであろう浦和に対し、効果的な攻めで試合を進めたいところだ。

後半

エンドを変え右にエンドを取ったグランパスに対し、浦和のボールでキックオフ。

1分、右サイドで小川が倒されて得たFKから左の阿部へ。ここからゴール前のケネディへクロスを上げるが、そのケネディが僅かにオフサイドとなってしまう。
2分、ケネディが倒されて得たFKから、阿部が素早いリスタートで前線の玉田へと狙うが、相手DFにカットされる。
3分、名古屋ゴール前左役30mの位置で相手を倒しFKを与えてしまうと、ポンテに中央へと上げられる。このボールが中央を抜け、ファーサイドにいたエジミウソンの足下へと渡るが、ボールが落ち着かず田中がクリア。相手がフリーだっただけに、危ないシーンだった。
4分、右サイド田中からエリア内へ走る小川へスルーパスを狙うが、ボールが速く、相手GKにキャッチされてしまう。
6分、浦和ポンテに右サイドから強引なクロスを上げられるが、中央で山口がクリア。さらにこのボールを競り合った小川が倒され、ファールの判定。
7分、浦和右サイドにいたエジミウソンからクロスを上げられるが、ボールは長く、ファーサイドで田中がクリア。
8分、中盤でボールを回す浦和に対し、マギヌンが足を出しボールをカット。そのままカウンターを狙いたいが、相手選手と交錯し、攻撃へと持ち込む事は出来なかった。
9分、浦和左サイドの原口にドリブルで持ち込まれると、フェイントでディフェンスがかわされ、右足でシュートを打たれるが、これはクロスバーを超える。危ないシーンだった。
11分、浦和・山田(直)に右サイドからドリブルで仕掛けられるが、阿部がしっかり対応し、クリアする。
13分、浦和ポンテとのパス交換で、山田(直)にエリア内へ入り込まれるが、吉田がクリア。
14分、ディフェンスラインでボールを奪った名古屋が小川、玉田と繋ぎカウンターを仕掛ける。しかし玉田から小川へのリターンパスが長く、相手DFにクリアされる。そこからカウンターを受けると、浦和・高原にドリブルを仕掛けられるが、吉田が足を出しボールをカット。

後半、ポゼッションを高め攻勢を仕掛けてくる浦和に対しカウンターで応戦したいグランパス。しかしながらこの時間帯、全くといっていいほど効果的な攻撃は見られない。この時間帯をなんとかしのぎ、反撃に繋げたい。

【得点】
16分、右サイド田中からのクロスを中央でケネディが競り合うと、ファーサイドにいた小川の足下へ。これを受けた小川が冷静に中央へ折り返すと、フリーの玉田が左足を一閃。これがクロスバーを叩き、そのまま浦和サポーターの目の前のゴールネットを揺らしゴール!押し込まれて苦しい時間帯に、玉田の思い切りの良いプレーから貴重な追加点となった。
19分、阿部の粘りから左サイドのマギヌンへと繋ぐと、そのまま中央へクロスを上げる。しかし、これは浦和DFにクリアされてしまう。
20分、浦和DFにプレスをかける玉田。ここでこぼれたボールにケネディが寄せるが、先に戻った相手選手にクリアされる。
21分、右サイド田中からの大きなサイドチェンジを受けた小川。そのまま中央のケネディへとボールを送ると、ケネディはクルリとターンして、エリア内でシュートを狙うが、相手DFにクリアされてしまう。
22分、中央でボールを受けたマギヌンが、約30mの位置から左足で強烈なシュート。しかし、これは相手GKが指先で触れ、クロスバーを超えてしまう。
24分、右士アドでスローインのボールを受けたマギヌン。そのまま振り返り、ゴール前へ飛び込む小川へ向けてクロスを上げるが、僅かに前へ入ったDFにクリアされてしまう。
25分、中央左寄りでボールを拾ったマギヌンが、今度は右に上がる玉田の前へピンポイントのパスを送る。しかし、このボール、トラップが収まらずチャンスへは繋げられなかった。
26分、中盤でパスカットをした山口から玉田へとボールが渡る。ここからマギヌンへとスルーパスを狙うが、相手DFがクリア

【得点】
27分、縦パスに左サイドを抜け出したマギヌンが、中央へクロス。そのボールに、中央のケネディが高い打点のヘディングで合わせゴール! ケネディ自身、来日後、2試合連続となるゴールでスコアを3-0とした。
29分、浦和3人目交代:ポンテ→西澤

後半開始早々の苦しい時間帯を乗り切ったグランパス。玉田のゴールでリズムを取り戻すと、その後は効果的な攻めで浦和ゴール前へと攻め上がるシーンが目立って来た。31分、名古屋1人目交代:マギヌン→吉村

32分、浦和DFのミスから玉田がボールを奪うと、中央のケネディへ。そのケネディが巧みなドリブルで相手DF2人を交わし、左足で狙い済ましたシュートを放つが、僅かにゴールポストを外れる。
34分、浦和・西澤に右サイドからクロスを上げられるが、増川がクリア。
35分、カウンターから右を上がる小川。さらに、中央左寄りへ駆け上がる山口へとパスを繋ぐが、左足のシュートは相手GKにキャッチされてしまう。
36分、浦和左サイドの攻め上がりからエスクデロにシュートを打たれるが、クロスバーを大きく超える。名古屋2人目交代:ケネディ→巻

37分、カウンターから田中が中央へとドリブルを仕掛けるが、相手DFにコースを切られてしまう。
39分、浦和の攻撃にディフェンスラインまで戻った玉田がボールを奪うと、阿部へとボールを繋ぐ。すると阿部が、相手DFの裏へとロングパスを送り、巻が見事に反応。フリーで抜け出すが、飛び出した相手GKにクリアされてしまう。
41分、名古屋3人目交代:小川→杉本

42分、右サイドをドリブルで上がる杉本が中央へクロス。しかし、このボールは相手DFにクリアされてしまう。
43分、浦和・原口のドリブルを増川が倒し、ファールを取られる。

ロスタイム1、浦和・山田(直)に右からクロスを上げられるが、吉田が頭でクリア。
ロスタイム2、浦和エジミウソンのボールを吉村がカットすると、そのまま右サイドの杉本へ。しかし、ここは無理な仕掛けをせず、ゆっくりとボールを回し、時間を有効に使う。
ロスタイム3、田中からのスローインを受けた玉田。そのまま右のコーナーフラッグ付近でしっかりとボールをキープし、時間を使う。

そしてここで試合終了。

前半戦、豊田スタジアムで0-1と敗れ、悔しい思いをした浦和レッズ相手に、浦和のホームで借りを返すと共に、ケネディの加入で躍動感の出てきた攻撃陣が"新生グランパス"をしっかりとアピールする結果となった。

そしてこの試合、0-3で勝利したグランパス、楢崎正剛がゴールキーパーとしてJリーグ初となる通算100試合完封を達成し、試合終了のホイッスルとともにサポーターからこの日最大の「楢崎」コールが起きていた。


試合終了後記者会見

090725_sto.jpgここ5・6試合であまり良い結果が出せていませんでしたが、今日の試合は勝ち点3を獲った意味で良かったと思います。個人的にも今日の勝利には満足していますし、グランパスが昨年持っていた鋭さを取り戻せたゲームになったと思います。今はしっかり戦ってくれた選手達に、おめでとうと言いたいと思います。

Q.今日の得点シーンは全てケネディ選手の周辺から生まれましたが、玉田選手、小川選手にケネディ選手とのコンビネーションについて何か指示を出されたのでしょうか?

マギヌンと小川には指示を出していました。今日はハードなゲームになるため、前線へのサポートと、守備をしっかりして欲しいという話をしていました。そしてこの2人が今日は素晴らしいプレーを見せてくれました。ケネディ、玉田の2人は1ゴール、2ゴールを決めてくれましたが、良いコンビネーションを見せてくれましたし、フィーリングの部分でも合ってきたのではないかと思っています。監督として、彼ら2人にこれ以上求める物はありません。

Q.今週は昨年の様なタイトな守備を求めてディフェンスのトレーニングにも時間を割いてきました。その結果今日は組織的な守備も見られた様に思いますが、どう評価されているのでしょうか?

今週は守備面をしっかり整備してきました。結果だけではなく、守備のプレーにおいて今日のグランパスはしっかりしていたと思います。1対1の場面など、激しく行くべきシーンでしっかりと戦えていましたし、タイミングも良く、最後まで諦めない気持ちを持ってプレー出来ていました。今日は大きなミスも無かったと思いますし、これが本来のグランパスがするべき戦いだと思っています。そして今日は、中村と山口の2人のサポートもチームに効いていたと思います。

Q.グランパスの鋭さが戻って来たと話されましたが、何が大きな要因だとお考えでしょうか?

選手にはインスピレーションが必要ですが、今日はそれを出す事ができたと思います。埼玉スタジアムという、多くの観客がいるスタジアムで戦う事で、選手達はそれを取り戻しました。ここまで、なかなか結果が出ない事を選手達は深刻に捉え、そして今日プレーしていました。我々としてもJリーグの中で下位に甘んじたいとは思っていませんし、それも考えて今日プレーしていたと思います。今週1週間トレーニングして来た事が、みなさんの前で見せられたと思っています。
そして今日はファイティングスピリットを持ち、チームとしてまとまり、更に決定力も見せられたと思います。今日は最初から最後まで試合をしっかりと戦ってくれました。