2009J1リーグ第10節:名古屋グランパスvs鹿島アントラーズ

最終更新日時

2009/07/02 13:08

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名古屋市瑞穂陸上競技場 7/1(水) 19:03キックオフ

試合前

この季節特有の蒸し暑さが、日が落ちても消えることはなく、じっとりとスタジアム全体を包み込む中へ、午後6時20分、西村と共に楢崎が登場。すると、待ちわびたように大きな拍手が沸き起こる。公式戦3連敗中のチームは"俺が立て直す"とばかりに、気合タップリの表情ですぐにアップに取りかかった。

そして5分ほど遅れてフィールドプレーヤがピッチへと勢い良く走り込んでくると、再び賑やかな声援が沸き起こる。また、その声の中には、逆のエンドで先にアップを始めた鹿島の選手へとの威嚇も飛び交い、既に"戦い"が始まったことを感じさせる。

2人1組に分かれた選手達は真剣な表所を見せながら、対面でのボールを使ったメニューをスタート。前日の会見で「明日は『勝ちにいく』ではなく、『戦いにいく』という強い精神力を見せる事ができれば、プラスの結果が出ると信じている」と語ったストイコビッチ監督の言葉通り、今日の試合は誰が活躍するではなく、全員が強い気持ちを見せて90分間を戦わなければ、"王者"鹿島を破ることは出来ないだろう。

午後6時45分、蒸し暑い中でのアップで、見る見るうちに体中が汗で溢れた選手達は、いつも以上に、というより、この夏一番ともいっても良いほどの気迫タップリの声援を浴びて、しっかりと気合を注入しながらロッカールームへと向かった。

前半

予報では大雨が心配された今日の名古屋の夜の天気だったが、午後7時現在、瑞穂の空は激戦を前に穏やかだ。しかし、すぐに両チーム選手が入場を始めると、両サポーターが入り乱れて大きな声援を送り始め、それまで静かだったスタジアムには、試合開始に向け、良い意味での緊張感が張り詰める。

前半は、右にエンドを取るアウェイの鹿島に対し、左エンドから右へ攻め上がる名古屋。
そして前半が鹿島のキックオフでスタート。

1分、右を上がった田中。玉田に当てて抜け出そうとするが、鹿島DFの早い寄せにボールをカットされてしまった。
3分、楢崎の長いボールを、巻がスペースへと落とす。これをダヴィが拾うが、巻がオフサイドに。
3分、自陣左中程での鹿島のFK。鹿島・小笠原の鋭いボールがゴールに向かってくるが、吉村がしっかりと頭で弾き出した。
4分、巻が中央で、楢崎からのロングボールをダヴィの前に落としていこうとするが、鹿島・岩政の厳しいマークにコントロールできず、鹿島GKに渡ってしまう。
5分、中央へ入り込んできた鹿島・野沢からのパスを受けた鹿島・マルキーニョス。抜け出そうとするが、ここは吉田と増川が上手く挟み込んで侵入を阻止。
7分、右の田中がサイドを左へと変える。このボールを受けた小川が、スペースに走り込む玉田に狙ってパスを送るが、これは間一髪でDFの足が早く、カットされてしまった。
8分、中央で鹿島・本山の落としたボールを野沢がシュートに来るが、これはポストの右へ。
10分、右に流れながらボールを拾った巻。寄せてくる玉田に預けると、これをダイレクトで裏へと送るが、巻は反応することが出来ず、相手に渡ってしまう。
12分、左のダヴィから右に上がる玉田にパスが通ると、頭で落としたところへ吉村が走り込む。しかし、触れる前にDFがクリアしてしまった。
13分、左に開いた小笠原から鋭いボールがゴール前へと入ってくるが、ここは増川が集中して、ボールを頭で跳ね返す。
14分、鹿島の右からのCK。小笠原のボールを増川が大きく弾いて、逆サイドにこぼれたところを、マルキーニョスがシュートに来るが、これはクロスバーの上。
15分、左の阿部からのクロスボールを、右に上がる小川がヘディングシュートに。しかし、ボールは枠を捕らえることが出来ず、ポストの右へ。

16分、右からダヴィが、DFを切り返しで抜き去ろうとするが、これは足に掛かってしまった。
17分、中央の玉田のシュートが相手に当たってコースを変えると、ゴール前にフリーで詰めていた小川の目の前に。しかし、トラップしたボールが流れてしまい、シュートには持って行けず。
18分、左からのCKのチャンス。小川のニアサイドへのボールがルーズになるが、誰も押し込むことは出来ず。
19分、田中が右に流れる巻へと縦パスを狙うが、鹿島・パクの早い寄せに弾かれてしまった。
21分、中央をダヴィがドリブルで仕掛ると、DFを切り返しながら、一気に敵陣深く持ち込む。しかし、エリアすぐ外のところでDFに挟み込まれ、ボールを失ってしまった。

【失点】
22分、右に抜け出した本山のパスを中央でマルキーニョスが落とすと、これを鹿島・興梠に中央から決められ先制点を鹿島に奪われてしまう。
24分、阿部からの早めのクロスを中央で待っていた巻がヘディングシュート。しかし、これは鹿島GKの正面を衝いてしまう。
25分、自陣深く左での鹿島のFK。これを小笠原が蹴ったところで、中央に入り込んだ興梠に押し込まれるが、これはオフサイド。
28分、左からボールを持ってマルキーニョスが仕掛けてこようとするが、ここは玉田が戻ってDFを見せ、ボールをカット。
30分、自陣中程左寄りの位置での鹿島のFK。小笠原のボールは大きく伸びて、ゴールラインを直接割った。

31分、左の小川の中を狙ったボールが相手に当たって大きく浮いてしまうが、これをゴール正面へと巻が飛び込んで狙う。しかし、前に出た鹿島・曽ヶ端がジャンプで取り押さえてしまった。
33分、左の阿部からのパスを受けた吉村。玉田に当ててチャンスを作ろうとするが、玉田が厳しマークを後ろから受け、ボールを奪われてしまう。
34分、 エリア内左でこぼれたボールを玉田が折り返すと、これに小川が走り込んでシュートを狙う。しかし、コースにDFが立ち塞がり、跳ね返されてしまう。
35分、エリアの外でボールを持って前を向いたマルキーニョス。右足でコントロールした鋭いシュートを放ってくるが、これは右のポストに救われる。
36分、早いリスタートでゴール正面で前を向いたダヴィがパスを受けるが、シュート体勢にいこうとしたところでDFに阻まれてしまう。
38分、鹿島陣内右中程でのFKのチャンス。これを玉田が鋭く蹴り入れるが、ニアで跳ね返されてしまった。そして、ここで雨が降り始める。
40分、巻の落としたボールを左の小川が拾って、そのまま前へ攻め上がる。縦に走る玉田に合わせるようにスルーパスを送るが、鹿島DFの足が阻んでしまう。

【失点】
44分、左のパクからグラウンダーのパス。これに詰めた3人の選手がスルーし、最後、中央にいた野沢がこれをシュート。楢崎がジャンプして弾くものの、ボールは枠を捕らえゴール右に沈み、2点目を鹿島に奪われてしまうことに。
(ロスタイム2分)

ロスタイム1、吉村が、中央に抜け出す小川に、スルーパスを送るが、鹿島DFの反応が早く、クリアされる。
ロスタイム2、右からのCKのチャンス。玉田の精度の高いボールがゴール前へ飛ぶが、誰もこれを押し込むことは出来なかった。

そして、ここで前半終了。

後半

前半途中から降り始めた雨は雨脚を強め、スタンドを容赦なく濡らし始めるようになる。

エンド入れ替わり、後半は右にエンドを変えた名古屋のボールから試合再開。
名古屋1人目メンバー交代:中村→山口

1分、中央でボールを拾った山口が鋭いミドルシュートを放つと、これを鹿島・曽ヶ端が止めるものの、ゴール前にこぼれる。これに小川が即座に詰めるが、触る前にクリアされてしまった。
2分、増川の縦パスを、玉田が胸で落として、スペースにダヴィを走らせようとするが、これは感じて貰えず。
4分、右からのCKのチャンス。玉田の鋭く曲がるボールがゴールを襲うが、飛び出したGKのパンチングに合い弾かれてしまう。ここで雨脚が一層強まり、ピッチを走る選手達に容赦なく叩き付け始める。
6分、左に上がる阿部からのクロスを、ダヴィがヘディングシュート。しかし、首を振りきれず、ボールはクロスバーを越え、枠を捕らえることは出来なかった。

【失点】
9分、ゴール正面のボールを、マルキーニョスに右足からのシュートを叩き込まれ、0-3となってしまう。
10分、中央をドリブルでダヴィが上がると、左を小川が、右を玉田が上がるが、パスコースを選択するうちに戻った選手にボールを奪われてしまう。
14分、ペナルティ侵入を試みようとした選手を増川が倒してしまい、危険な位置でのFKを鹿島に与えてしまう。
15分、これを蹴った小笠原のボールがこぼれたところを拾ったマルキーニョス。シュートに来るが、ここはDFが踏ん張ってこれを止めた。

17分、左を上がる阿部に小川のパスが通ると、これをゴール前へ放り込む。しかし、鹿島の高いDFに跳ね返されてしまった。
18分、カウンターでマルキーニョスが抜け出すと、右からシュート体勢に来るが、 増川がしっかりと戻ってこれを止める好守を見せた。
20分、名古屋2人目メンバー交代:吉村→杉本

21分、山口のグラウンダーのシュートが枠を捕らえるが、鹿島GKの指に当たってポストの左へ弾かれてしまう。
23分、鹿島陣内右中程でのFK。しかし、玉田の蹴ったボールは、直接鹿島GKの正面へ。
25分、右に流れながらボールを持って前を向いた玉田。鋭いパスをダヴィへ送り、これをダヴィがスルー、中央に詰める巻を使おうとするが、コースに入り込んだDFの足がボールをカット。
26分、ゴール正面でパスを受けたマルキーニョスの狙い澄ましたシュートは、クロスバーを叩く。
27分、中央で山口のパスを受けた玉田。遠目からシュートを放つ、これは抑えが効かず、大きくゴールを越えてしまった。
29分、左から抜け出す杉本のスピードに合わせて、ダヴィからのパスが通る。しかし、ここはDFに前を阻まれ、スピードを抑えられたところで、エリアを出たGKに押さえられてしまう。
31分、鹿島ゴール前で巻が落としたボールを、玉田が狙うが、触れる前にクリアされる。

31分、ゴール正面でパスを受けたダヴィ。遠目からダイレクトでのシュートを狙うが、これは惜しくもGK正面。
鹿島1人目メンバー交代:マルキーニョス→ダニーロ

33分、左に抜け出した杉本にパスが出ると、これを短く折り返したボールをダヴィが受け、シュートを打つが弾かれる。
34分、玉田の右からの狙い澄ましたシュートは、GKの正面を衝いてしまう。
35分、右からのCKのチャンス。ダヴィの頭を狙ったボールが玉田から飛ぶが、逆サイドにこぼれ出たところをクリアされ、左からのCKに。
鹿島2人目メンバー交代:本山→中田

小川のCKのボールがこぼれたところを増川がシュートに行ったが、これGKの正面を衝いてしまい、どうしてもネットが揺らせない。
36分、右からのCKのチャンス。玉田のボールはニアで弾かれてしまった。
38分、玉田のパスに右を抜け出した田中が、クロスボールを入る。ゴール正面に巻がフリーで詰めたが、その目の前でDFの頭が弾き出してしまった。
39分、名古屋3人目メンバー交代:巻→津田
41分、鹿島3人目メンバー交代:興梠→大迫

42分、左から強引な突破をダヴィが図るが、ここはDFに厳しく挟まれ、潰されてしまう。
43分、山口の縦パスを、中央に詰めていたダヴィがワンタッチでスペースへ落とすが、これには近くにいた玉田は反応できず。
(ロスタイム表示:3分)

ロスタイム1、左からの鹿島のCK。小笠原のボールをダニーロがフリーでヘディングシュートに来るが、これは左に外れる。
ロスタイム2、阿部とのパス交換を小川が見せるが、ボールが足下に収まらず、相手に渡ってしまった。
ロスタイム3、右に駆け上がる津田へと、吉田が長いパスを送るが、これはコースに入ったダニーロにカットされてしまった。

そして、何とか一矢報いようと、名古屋が最後まで攻撃を仕掛けるものの、老獪な鹿島の守備の前には歯が立たず、0-3の敗戦という悔しい結果のまま、無情に響く試合終了の笛が雨の降り止まぬ瑞穂陸上のスタンドに響き渡ってしまった。


試合終了後記者会見

090701_sto.jpg今日の試合を見て、みなさんも現実を感じられたのではないでしょうか。グランパスの選手とアントラーズの選手の差も感じられたのではないでしょうか。今日は、モダンフットボールのレッスンを受けた、というイメージです。なぜ鹿島アントラーズがJリーグのチャンピオンであり、Jリーグでベストなチームなのか理解できたと思います。我々としても、もちろん良い結果を求めてプレーしていますが、簡単な事ではありません。今日は昨年のJリーグチャンピオンと戦ったのですが、その鹿島アントラーズが勝利に値するプレーをしたわけで、祝福したいと思います。今日の敗戦で、我々のやるべき事が山積みになったと思います。

Q.監督就任後はじめての4連敗となってしまいましたが、この状況を打開する為の方策をどう考えているのでしょうか?

私が監督になって初の4連敗ですが、チームとして難しい状況に置かれている事は理解しています。次の日曜日の試合では、選手を代える事も含め何かを変える必要があると思いますし、質の高い試合をしたいと思います。
ここ4試合、良いゲームが出来ずサポーターもフラストレーションが溜まっていると思います。ただ、今後良い結果を出せると信じてベストを尽くしますし、少し我慢して頂きたいと思います。もちろん簡単な事ではありませんが、サッカーの過去を振り返っても、どんなチームでも困難な時期という物はあります。こういう時にこそチームが団結し、我々の色をより強く見せる事ができればと思います。現在スタジアムの外では雨が降っていますが、皆で盛り上げ、太陽が輝く状況に戻したいと思います。

Q.前節の新潟戦以降、ミーティングを開いたりとこれまでと違うアクションを取られました。その事で今日の試合、選手から何らかのリアクションは感じられたでしょうか?

今日は、最初の失点までは良いゲームが出来ていました。しかし、その失点後にチームとしてのナイーブな面が出てしまいました。あの失点でチームが自信を失い、今日の結果となりました。あの状況を乗り越える事が重要でした。ただ時間帯によっては、選手達が何とかして得点を獲りたいという意志を見せてくれました。それでも、チャンスは作れても最終的に決める事が出来ませんでした。アンラッキーな面もありました。例えば前半、小川に大きなチャンスがありました。巻にしても、もう少しでゴールというシーンがありましたが、決める事が出来ませんでした。こういう小さな事が重なった結果なのでは無いかと思います。
我々としてもベストを尽くしていますが、やはり鹿島アントラーズの方が高い技術を持っていました。ボールコントロールやドリブル、やりたい事を実行し、最後の詰めの部分でしっかりと決めるチームです。それに対しグランパスは技術面でもかけ離れていると感じました。鹿島のマルキーニョスや興梠は、質の高い動きを見せていました。
ただ今日の結果にはそれほどがっかりはしていません。今日の敗戦は、1つのレッスンだったと捉えたいと思います。
誰も現状を変えてくれるわけではありません。自分達のみが、この状況を変えられるのです。