試合前
午後3時20分、耳をつんざくような大きく鋭いレッズサポーターのブーイングが豊田スタジアムを包んだ瞬間、名古屋のGKの2人、楢崎と西村がピッチへと現れる。そして、お返しとばかりに、5分ほど遅れてピッチへと現れた浦和のメンバーに向け、今度は名古屋のサポーターが激しいブーイングで出迎える。
互いに今日の試合に掛ける思いが強く現れ、スタジアムを盛り上げる。そして、名古屋の選手達がピッチへとゆっくりとした足取りで登場すると、スタジアムは、より一層の大音量の声援に包まれ、これからの激戦への序章が既に始まっていることを教えてくれる。
先発のメンバーは2人1組になると、気合いの入った表情を見せながら、ボールを使って最後の調整をスタートさせる。ちょうどこの時、名古屋の注目選手としてスタジアムDJから玉田の名が告げられると、レッズサポーターからは容赦ないブーイングが怒濤のように浴びせられ、スタジアムを騒然とさせる。しかし、すぐに負けじと名古屋のサポーターが玉田への力強いコールをスタート、バックアップ体勢も万全であることを示す。
昨日で29歳を迎え、コンディションも良く、心身共に充実の玉田。キックオフを間近に控え、軽快に体を動かしながらボールを扱っている。数々の代表での経験を生かしながら、彼のことだから今日のこの雰囲気を楽しみながら、チームに勝利を引き寄せる活躍を、きっと見せてくれるはずだ。
昨年は3勝1分けと、抜群の勝率を見せた対戦相手の浦和だが、今季からはフィンケが新監督に就任し、昨年とは違うチームへと生まれ変わっている。それでも、名古屋としては奢ることなくしっかりと自分達のサッカーを見せ、『勝利』への執着を見せることができれば、勝利は確実だ。
午後3時45分、いつも通りタッチ際での短いダッシュを繰り返してアップを終えた名古屋の選手達は、気合いの入った表情を見せながらロッカールームへと向かっていった。
前半
試合開始まで5分を切った今、それまで騒然としていたスタジアム内は、レッズサポーターの野太い声だけが響き渡り、名古屋のサポーターを激しく威圧している。しかし、名古屋のサポーターは、赤と黄の旗で埋まった応援でこれをやり過ごす。
午後4時ちょうど、両チームの選手が入場。スタジアムのボルテージが、頂点へと一気に上り詰める。両エンドで円陣を組んで気合いを入れると、左から攻め上がる名古屋に対し、右エンドの浦和のキックオフで、試合の幕が切って落とされる。
この日の先発メンバーは、GK我らが守護神・楢崎、DFは、右から田中・バヤリッツァ・増川・阿部の4バック。中盤は、右に小川、左にマギヌン、ボランチには中村と吉村、FWはダヴィと玉田。いつもの通り、4-4-2の布陣だ。
1分、右からの浦和のCK。浦和・ポンテのファーポストへのボールは、阿部がクリア。
3分、左から縦に仕掛けようとしたダヴィだったが、ここは浦和の早い寄せにあい、ボールをタッチの外へとクリアされてしまった。
5分、中央でポンテからのパスを受けた浦和・田中。右足からのシュートを放ってくるが、これはポストの左へ。
6分、浦和陣内深く右でマギヌンがボールを持つと、そのまま中へと入り込みながら左足でミドルシュートを放つ。しかし、ボールはポストの右へ流れてしまった。
7分、マギヌンの縦パスに抜け出した玉田。浦和・闘莉王を切り返すと、左から入り込むマギヌンにパス送るが、これは相手に読まれカットされてしまった。
8分、右からの浦和のCK。ポンテが入れたボールが浮いたところを、上がっていた浦和・山田(暢)がダイレクトで狙ったボールは、大きくゴールの上へ。
9分、中央を裏へと抜け出すダヴィに対して、小川がスルーパスを狙う。しかし、これは浦和DFの足に捕らえられてしまう。
11分、中央の中村がサイドを変えたボールを、左で受けた小川。早めにゴール前へと入れようとするが、これのボールは大きく流れて、ゴールラインを割ってしまった。
12分、右からの浦和のCK。ポンテのボールが中央でこぼれたところを浦和・エジミウソンが狙うが、体に当たったボールはゴールを越える。
14分、右から裏へのボールに田中が抜け出してこようとするが、ここは増川が体を入れて触らせない。
16分、右から田中が、スピードに乗ったドリブルを見せて上がる。しかし、ここは浦和・田中にしっかりとマークにつかれ、ボールを失ってしまう。
17分、小川が左を上がると、縦に抜けようとするダヴィが流れて左へと走るタイミングで、縦パスが来る。しかし、これは浦和・坪井の早い寄せにカットされてしまった。
19分、左の阿部からのグラウンダーのパスを、中に入って小川が受けようとするが、これは弾かれてしまう。
20分、右からのCKのチャンス。マギヌンが丁寧にボールをゴール前に入れるが、前に出た浦和GKのパンチングに弾き出されてしまう。
21分、左からドリブルで仕掛けたポンテ。中へとパスを入れてくるが、ここはすぐに小川が反応、ボールを奪う。
22分、浦和1人目メンバー交代:田中→原口
24分、右から相手パスをカットして、抜け出そうとした田中。闘莉王に倒され、好位置でのFKのチャンスを得る。これを中村が蹴ると見せて、玉田が蹴るが、ニアで弾かれてしまう。
25分、左から阿部の入れたボールを、浦和DFが弾いて落ちたところを拾ったマギヌン。縦へと仕掛けようとするが、これは戻ったポンテに奪われる。
27分、右に抜け出した田中からマイナスのボール。これに玉田がニアサイドへ走り込んで、ワンタッチで流し込もうとするが、これはDFの足に当たってしまう。
29分、左からパスを受けたポンテ。右足でコントロールしたシュートをゴール右を狙って蹴ってくるが、ここは楢崎が落ち着いてボールを捕らえる。
30分、中央で玉田がボールを持つと、右にフリーで上がるマギヌンへとロングボールを蹴るが、これは流れてタッチの外へ。
31分、マギヌンからのパスを、右寄りで受けた中村。中へと持ち込んで、左足でシュートを打つが、これはボールに抑えが無く、クロスバーを大きく越えてしまう。
32分、中央で浦和・原口の落としたパスを受けたエジミウソン。ペナルティボックスの外からシュートに来るが、これは楢崎が正面で押さえる。
34分、左から中へと入り込んだ浦和・原口が放った右足のシュートは、左のポストの外へ。
35分、左からのCKのチャンス。小川の入れたボールは増川、バヤリッツァと入り込んでむが、浦和GKに捕らえられてしまった。
37分、右からダヴィが縦へと仕掛けるが、浦和の選手3人に囲まれ、ペナルティ内でボールを奪われてしまう。
38分、相手ボールを右で奪ったマギヌン。縦へと走る中村の足下を抜けるボールを蹴るが、これは球足が速すぎてしまい、追いつくことが出来なかった。
40分、右からポンテが裏へのボールに抜け出してくるが、ここは吉村が上手く体を入れて、侵入を阻止。
【失点】
43分、ゴール前へと入ったボールが、落ちたところへ詰めた浦和・原口。右足からのシュートを沈められ、浦和に先制を許してしまう。
(ロスタイム表示:1分)
そして、前半はそのまま浦和がリードして終了に。
後半
後半は右にエンドを替えた名古屋のボールで試合再開。
名古屋1人目メンバー交代:玉田→杉本
1分、左のスペースへと出たロングボールを拾った杉本。ゴール前へとクロスを入れてるが、ファーポストに入り込んできたマギヌンの頭上を抜けてしまう。
2分、右から持ち込んできたポンテ。左に切り返してシュートを狙ってくるが、ここは増川が体を入れて跳ね返す。
5分、左からマギヌンが大きくサイドチェンジ。このボールを右に上がって受けた田中だったが、これを止めようとした三都主に倒されてしまう。
6分、浦和陣内右深くでのFKのチャンス。マギヌンの蹴ったボールに、ゴール前へとダヴィが飛び込む。しかし、これは僅かに間に合わず、GKに捕らえられてしまった。
8分、右からエジミウソンが、原口に当てて抜け出してくるが、ここは増川がボールをクリア。
9分、浦和2人目メンバー交代:三都主→細貝
10分、右からDFをかわして持ち込んだ中村の折り返しを、中央の杉本がスルー。遠いサイドに待ち受けていたダヴィがシュートを狙うが、これは浦和・坪井に跳ね返されてしまう。
13分、バヤリッツァが右からミドルシュートを蹴ってゴールを狙うが、これはポストの左へ。
15分、浦和陣内深く右でのFKのチャンス。これをマギヌンが蹴るが、力んだのか、走り込む選手の上を大きく抜けてしまった。
16分、左からのCKのチャンス。小川のボールに、遠いサイドへと中村が詰めるが、その前でDFの頭が弾き出してしまう。
17分、右からのCKのチャンス。マギヌンの蹴ったボールは、中央で弾き出されてしまう。
19分、楢崎からのゴールキックをダヴィが体を入れて競り合いに入るが、寄せていた選手へのファウルに。
20分、左から縦に抜け出した杉本。左足からクロスは、中央で跳ね返されてしまった。
21分、浦和陣内左深くでのFKのチャンス。小川のボールにダヴィ、そして遠いサイドでマギヌンが走り込んだが、触ることは出来なかった。
22分、中央で横パスを浦和・阿部に奪われると、そのまま縦へと仕掛けとしたところで後ろから倒してしまい、FKを与えてしまう。
名古屋2・3人目メンバー交代:阿部・吉村→山口・巻
23分、自陣深く右での浦和のFK。ポンテがこれを蹴ってくるが、壁でしっかりと跳ね返す。
26分、浦和・闘莉王が、縦に長いボールを蹴って原口を走らせようとしてくるが、ここは増川がしっかりとクリア。
27分、浦和陣内深く左でのFKのチャンス。小川のゴール前へと蹴り入れたボールは、中央で弾き出されてしまう。
28分、中央をドリブルで抜け出してきた浦和。エジミウソンがペナルティボックス内でシュートを放ってくる。ここはしっかりと我慢を見せて待ち構えた楢崎がシュートを跳ね返す、好セーブでゴールを守った。
29分、左でボールを持った小川。右足で早めに入れたクロスは、中央で跳ね返されてしまった。
31分、右から強引な突破を見せた杉本からクロス。これに中央へダヴィが走り込むが、先にボールを浦和GKが捕らえてしまう。
34分、左でパスを受けて前を向いたダヴィ。しかし、激しい当たりを見せた浦和・山田(直)に潰されてしまい、チャンスに繋げることが出来なかった。
37分、左からDFの間をすり抜けた小川がゴールライン際でボールを折り返す。これをダヴィが左足で強引なシュートを放つが、DFに当たって跳ね返されてしまった。
39分、浦和3人目メンバー交代:ポンテ→高原
40分、左からスローインのボールをダヴィが裏へと落として、中村がこれを拾う。左足で折り返そうとするが、これは寄せたDFの足に阻まれてしまった。
43分、左から相手ボールをカットして、小川が縦に仕掛けようとするが、これは対峙したDFに奪い返されてしまう。
44分、中央で杉本が左足で、縦に走るダヴィへと送ろうとするが、これは短くて届かず。
(ロスタイム表示:5分)
ロスタイム1、中村の縦へのパスを、左で受けたダヴィ。左足かのシュートは惜しくもクロスバーの上へ抜けてしまった。
ロスタイム2、楢崎からのロングキックが前線で待っていた巻の前に落ちる。しかし、先に反応した浦和DFに縦へとクリアされてしまう。
何とか最低でも同点にしようと、ハードワークを名古屋の選手が見せたものの、最後まで浦和のゴールネットを揺らすことは出来ず、0-1のまま試合終了の笛が鳴り響き、痛い連敗を喫してしまう結果となってしまった。
最後まで声援をありがとうございました。
試合終了後 監督記者会見
今日はとてもハードな内容のゲームとなりましたし、結果には満足していません。ホームで負けてしまい、スタジアムへ来てくれた多くのサポーターに素晴らしいプレーを見せることができず残念に思います。浦和レッズには今日の勝利に対しておめでとうと言いたいと思いますが、後半、追いつこうと努力してくれたグランパスの選手達にも祝福したいと思います。今日の様な結果もサッカーでは起こりうる事ですが、我々としては今後も我々のサッカーを続けるだけだと思っています。
ウォームアップで玉田選手が怪我をしたようですが、その状態と、それでも彼を起用した理由をお聞かせ下さい。
今日は後ろ向きというか、我々が望む事とは反対の方向へゲームが進みました。
まず試合開始前に、玉田が足首をひねったという話を聞きましたが、彼自身がプレー出来ると申し出たので、その意見を尊重し状態を見ながら起用しました。
そしてキックオフ直後の2秒で浦和のエジミウソンに我々のパスを渡してしまいました。おそらくこれで浦和に自信を与えてしまったのではないでしょうか。
昨年までの相手を驚かす様な効果的なパス回しが見られませんでしたが、原因はどこにあるとお考えでしょうか?
もちろん我々としては昨年同様の挑戦をしていますが、今シーズン、まだ選手からそのようなプレーが生まれていません。これはあくまでも私個人の意見ですが、もしかしたら選手達が昨年の結果に満足してしまっているのかもしれません。選手達には、昨年以上のハードワークをしなければ試合に勝てないという事を理解してもらう必要があります。サッカーには、満足できる状況は存在しません。
今日は後半、同点に追いつきそして逆転するため、システムを変更したのですが、選手達もリスクを冒して戦ってくれました。しかしながら同点に追いつく事ができませんでした。浦和はその状況でカウンターを狙う戦いとなりましたが、我々としては最低限でも勝ち点1を狙い戦いました。しかしながら、我々はゴールを決められませんでした。
先日の川崎戦から、グランパスをしっかり研究されているなという印象を受けますが?
もちろん対戦相手もグランパスを研究していますが、我々も相手を研究しています。全ては我々次第だと思っています。ただ、ここ数試合、我々の戦いが出来なかったという事は事実です。川崎や浦和が我々より強かったという訳ではなく、我々のミスで相手にパスを与えたりしたことから負けてしまったのだと思います。そしてグランパスとして残念な事は、セットプレーからの得点が無いという事です。グランパスにも素晴らしい選手がいるのですが、サイドからのクロスやフリーキック、コーナーキックでペナルティボックス内へ良いボールを上げられない事が、選手たちのフラストレーションにもなっています。
そして今日は、浦和レッズに対してスペースを与えてしまい、そこをカバー出来ていませんでした。ゴールを決めた原口選手に、フリーでシュートを打たせてしまいましたし、スペースを埋められなかった事は許されない事です。グランパスも攻撃をしましたが、ダヴィ、玉田、杉本、そしてマギヌンや小川にはスペースが与えられず、浦和の選手にはスペースを与えてしまいました。又、メンタル面も変える必要があると思っています。クリスマスプレゼントを与えるのは12月であり、今ではありません。
そしてもちろん、最後にそのプレゼントを貰うためしっかりと戦いたいと思います。

アウェイ日立台で、負けられない戦い!
2009 J1リーグ 第6節 vs.柏レイソル
日立柏サッカー場 4/18(土) 13:00キックオフ
![[NAGOYA GRAMPUS OFFICIAL WEBSITE]](/common/images/logo-main.png)






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